6月1日〜7日の「HIV検査普及週間」に合わせて
宮城県がHIV迅速検査(夜間)を行います。
http://www.pref.miyagi.jp/kentai/kansensho/aidsfukyusyukan.htm
この情報が宮城県のHPにアップされたのが5月25日。
あきらかに遅すぎる告知の裏には
「受検者が殺到したら困る」という
県の本音が見え隠れしている気がします。
検査の日程は
6月5日(月)15時〜19時 大崎保健所(古川)、石巻保健所
6月6日(火)15時〜19時 仙南保健所(大河原)
6月7日(水)17時〜19時 塩釜保健所
となっています。
全て平日だったり、夜間といいながら19時までだったり
決して受検しやすい日時ではありませんが
通常、宮城県も仙台市もHIV迅速(即日)検査は行っていないので
貴重な機会ではあります。
※国立病院機構 仙台医療センターではHIV迅速検査を実施しています(有料)。
上記の日程に仙台市内の会場がないのは
仙台市が宮城県の管轄外だからです。
まだ広報していないようですが、
仙台市も別の日時にHIV即日検査を実施する予定です。
HIV迅速(即日)検査とは、
通常、保健所のHIV抗体検査では
検査を受けてから(採血してから)結果がわかるまで
1〜2週間かかりますが
検査を受けた(採血した)その日に結果がわかる検査です。
通常の検査だと
「検査を受ける日」と「結果を受け取る日」に
両日とも保健所に行かなくてはなりません。
また、結果を受け取るまでの期間が
1〜2週間と長いので、
その間に不安が大きくなる可能性もあります。
(実際に結果を受け取りにこない受検者が数多くいます)
このように、通常の検査では
受検する人にとって不都合もあるので
厚生労働省はHIV迅速(即日)検査の導入を
自治体に働きかけています。
一方で、HIV迅速(即日)検査は
検査のスピードを上げるために
検査の感度を上げてあります。
そのためHIVに感染していないのに「陰性」という判定にならず
「要確認検査(判定保留)」と判定される確率が高くなっています。
「要確認検査(判定保留)」という判定が出た場合は
時間をかけて詳しい検査(確認検査)をしないと
「陰性」か「陽性」か判断できません。
HIV検査を受ける場合は、以上のような検査の長所・短所を考慮して
どの検査を受けるか、自分で決めてください。
HIV抗体検査全般については
こちらの記事を参考にして下さい。
https://blog.canpan.info/hutoshi/archive/10
宮城県のHPによると
検査の前と後にカウンセリング(問診・質問)を行います
となっていますが、答えたくない質問には答えなくてもかまいません。
といっても、中には、感染の可能性や検査時期が適当か見極めるための質問や、
感染不安を共有するための質問もあると思われます。
「なぜその質問をするんですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
その理由になっとくがいけば答え、なっとくいかなければ答えない。
というスタンスでのぞむと、問診がプレッシャーにならずに済む場合があります。
残念ながら、一部の検査機関でHIV検査を受検した方から
検査で不快な思いをしたという声が寄せられています。
(プライバシーの侵害、行為に対する懲罰的な発言、ライフスタイルの否定など)
その一方で、HIV検査を受けたことが、
その後の安心につながっているケースもあります。
様々なケースがあることを知った上で、検査を考えてもらえたらと思います。
また、どこでも安心してHIV検査を受けられる環境が整うことを切に願います。