HIVに感染しているかどうかは
見た目や症状からは判断できない。
「HIV≠AIDS」でちょっとふれたけど
HIVに感染してからAIDS関連症候群があらわれるまでには
数年〜十数年かかるので、その間は無自覚・無症状だし、
AIDSの諸症状というのは、体力が低下しているときに起こりやすい症状なので
症状からはAIDSと判断できないのだ。
というわけで、HIVに感染しているかどうかを知るには
感染が心配な行為があってから3ヵ月後に
「HIV抗体検査」という血液検査を受けるのが手っ取り早い。
検査は全国の保健所で無料・匿名で行っている他、
病院など医療機関でも受けられるところもあるし(有料・名前が必要)、
東京都南新宿検査・相談室のような検査の専門機関もある。
API-Net(エイズ予防情報ネット)のHPに
全国の検査情報(検査できるところや相談先)が載っているので活用しよう。
また、ネットを利用した検査(送付された検査キットを送り返し、結果をネット上で確認)なんかもあるけど
これだと検査結果を一人きりで知らされることになる。
一人きりというと、良さそうに感じるけれど、
「陽性」や「要確認」という判定ができたときに
正しい情報を伝えてくれる専門家や、
相談できるカウンセラーもいないわけで、
パニックになりやすいので注意が必要。
【HIV抗体検査のしくみ】
HIVに感染すると、人間の体はHIVと闘うために
抗体というものをつくる。
この抗体があるかどうかを調べるのがHIV抗体検査。
HIVに感染した場合、
HIVが体の中に入ってから、抗体ができるまでの期間に
個人差があるので、
感染の不安がある行為があった日から12週間経過してから
検査を受けないと、正確な結果がでない。
逆にいうと、抗体検査では
検査を受けた日から12週間前の状態がわかる。
また、抗体検査というのは、
HIVの抗体を発見するための検査なのだけれども、
体の中にHIVの抗体と似たようなものがあると、
これを見つけて「HIVの抗体かも?」って結果が出ることがある。
検査結果で「要確認」とか「要再検査」なんて出るのは
こういう理由。
その日のうちに結果がわかる検査(即日検査・迅速検査)では
検査の感度をあげるため、
この「HIVの抗体かも?」というのが出やすくなっている。
ちなみに検査結果が「陰性」と出た場合は
「HIVの抗体」も「HIVの抗体かも?」ってやつも
どちらも見つからなかったということなんで
生まれてから検査の日の12週間前までは、
確実にHIVに感染してなかったことになる。