日本経済新聞 2007年10月13日
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071014STXKG022713102007.html
エイズウイルス(HIV)検査で感染が判明した時に
既にエイズを発症している新規患者の率は、
同じ自治体の中でも中心部より周辺に多い傾向が強いことが、
厚生労働省の調査で13日までに分かった。
結果について同省は「都市部のHIV検査体制も十分ではないが、
それ以上に周辺の自治体では整っていない現状の表れではないか」としており、
自治体に対しプライバシーに配慮した検査体制の充実を求めている。
こうしたケースは、厚労省に同年新たに報告された1358人中、406人で29・9%。
厚労省は今回、北海道、千葉、埼玉、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の
9道府県について、道府県庁所在地とそれ以外の周辺自治体の
こうしたケースの比率を比較した。
その結果、
愛知県では名古屋市の22・6%に対し同市以外が42・3%、
大阪府は大阪市8・6%に対し同市以外54・2%、
北海道は札幌市27・3%に対し同市以外83・3%など、
6道府県で中心部より周辺が高かった。
以上、記事より。
地方では
エイズを発症してからHIVに感染していることがわかる、
つまり、自主検査で見つかるよりも、
体調不良になってから検査をして
HIVに感染していることがわかるケースが多い
ということを裏付けるデータです。
以前から都道府県別の発生動向を見る限り、
東京や大阪に比べて、東北など地方部では
エイズを発症してから感染がわかるケースが多かったわけですが
同じ都道府県内でも、その傾向があるということがあきらかになりました。
記事にもあるように、
地方に行けばいくほど
検査体制が整っていないことに加え、
地方にいくほどプライバシーの確保が難しくなります。
役所が知り合いだらけだったり、
検査に行く道すがら誰かに会ったりしようものなら
「何しに行くの?」としつこくきかれたり。
だから、検査に行く人が少ない。
おかげで、検査の担当者も経験が少ないから
良い検査体制を築くのが難しい。
地方に行けばいくほど、余計なお世話的な『指導』が入ったりしてしまうわけです。
(もちろん、地方でもちゃんとしているところはあるんでしょうが)
地方でも安心して検査が受けられる日がくるのが一番なんですが、
地元では受けづらいっていう環境が変わるのは難しいと思うので、
せめて、地方の人が都市部に出向いて受けることを前提に、
受検しやすい環境作りを整えて欲しいものです。
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