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Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス 6.12 日産スタジアム[2024年08月06日(Tue)]
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Mr.Children

30th Anniversary Tour


半世紀へのエントランス

       

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2022年5月10日に東京ドームで30周年を迎えたMr.Childrenの旅の序章は続いている。

舞台をスタジアムに移した第2幕。
ここでは6月12日の横浜公演(横浜国際総合競技場(日産スタジアム))をレポートする。


ここでMr.Childrenがコンサートを行うのは、2004年の“シフクノオト”ツアー以来6回目となる。

ドームツアーでは、30周年をお祝いする意味合いが強く感じられたが、この開放的なスタジアムツアーでは、ドームツアーと基本的な構成は踏襲しながらも、数曲の変更と追加で7万人に過去・現在・未来の新しいMr.Childrenを提示した。
そう、エントランスを開けたその先を予見させるように。



そのオープニングで演奏されたのはなんと「終わりなき旅」。

これには誰もが驚いたであろう。
それこそ2004年のシフクノオトツアーでオープニングを飾ったこの曲、以降は大トリで各コンサートを締める大事な役割を果たしてきたものを、今か今かと待ちわびている7万人に最初にサーブされたのだ。
声を出せない環境下にも関わらず、会場にいた筆者は、オーディエンスの拍手にどよめきと大歓声を感じた。
いや、皆思わず唸ったのかもしれない。
Mr.Childrenの旅は終わらないぞ、と誓う3度の「終わりなき旅」のシャウト。

立て続けに大ヒット曲で一気にMr.Childrenワールドに誘う「名もなき詩」。
近年のコンサートにおいて、パーティーの盛り上げ役に躍り出てきた「海にて、心は裸になりたがる」。
「心の中で叫んで!」と呼びかけながら、Vo.桜井が花道を通りセンターステージに向かう。
Mr.Childrenの90年代の代表曲は数知れず。
「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」で恋に翻弄され、「innocent world」で人生に翻弄される。
人間の細かい心情を描く彼らの音楽は、この日も僕らの心を捉えて健在。
花火の特効で興奮状態は上昇。


少しテンションを落ち着けて披露されたのが「彩り」。
リリースされて15年、相変わらず混沌とした世の中で変わらない価値観、環境問題に戦争、そしてコロナでの世の中のストップ状態からの「ただいま」「おかえり」の心の中でのシンガロング。
「口笛」はやはりMr.Childrenの中でも珠玉のラブソング。
一般的には目立たないこの曲は、ファンクラブではトップの人気を誇る曲だ。

デビュー前から演奏されていた「車の中でかくれてキスをしよう」。
ここでGt.田原健一、サポートのSUNNYがセンターステージへ。
壮大なアレンジがドデカいスタジアムを包み込む。
Mr.Childrenは30年以上前に既に、このスタジアムバンドの原型を持ち合わせていた。
このスタジアムで初めてコンサートが開催された18年前に生み出された「Sign」、当時は大トリを飾ったこの曲では、Ba.中川とDr.鈴木(JEN)もセンターステージへ。
よりファンに近く、今までより心に届くようにと、届いてくれるといいな、と。


優しいラブソングに続いて、Mr.Children史上最も社会的メッセージが強いこの曲を持ってこられるのが、彼らのキャリアの真の強みだろう。
「タガタメ」。

筆者は現在36歳。
ソングライティングを担当している桜井は制作当時32歳か33歳。
Mr.Childrenのおかげで、同世代に比べて社会問題に目を向けるレベルは高いと自負しているが、32歳という年齢で、根底にとてつもなく力強い意志と批評と提言を持ち、かといって、肩肘を張る訳でもなく高尚過ぎもしないライティング、到底他は真似出来ない。
小林武史とMr.Childrenのアレンジの壮大さも見物だ。


続いて「Documentary film」〜「DANCING SHOES」。
ツアーが行われなかった最新オリジナルアルバムからの2曲。
ドームツアーに続いて「Documentary film」はハイライトだろう。
穏やかに始まる歌い出しからサビの盛り上がり、スタジアムに響くバンドとストリングスサウンド、Mr.Childrenロックここにあり。


毎回演奏される度に一つの注目になる「LOVE はじめました」では、満を持して長谷部を起用、「フェイク」〜「ニシエヒガシエ」とダークロック3連発から、JENのドラムが圧倒的疾走感溢れる「Worlds end」。

短いMCの後、雰囲気はガラリと変わり「永遠」と「others」。
「永遠」はファンなら予想通りの美しいメロディーがスタジアムに鳴り響き、「others」は狭い部屋から壮大なロングアウトロに至るストーリーと音がスタジアムにも映えた。


半世紀へのエントランスも終盤。
「Tomorrow never knows」でスタートするや否や、「光の射す方へ」では音に合わせた花火の特効でテンション再上昇。
やはりこの2曲はスタジアムに合う。
「fanfare」では銀テープが発射され夜空は煌めきを増すと音もキラキラカラフルな「エソラ」へと続く。


「GIFT」。
「本当にラッキーなバンドです。誰かに言われました、Mr.Childrenって音楽に愛されてるんじゃないかって。何より、皆さんにこうして愛してもらえてると実感します。本当にありがとうございます。」
運と実力を兼ね備えた稀有なバンドとして、日本音楽史上に色濃く刻まれ続けるであろうバンドのボーカルの言葉には、見る者の目から落ちるものがあった。

本編終了。

アンコールでは満を持しての登場という感じ、何故ドームツアーでは演奏されなかったのか、「HANABI」。

そしてドームツアー同様、「生きろ」が大トリを務めた。


〜終演〜

個人的に、やはりMr.Childrenはスタジアムバンドだなと再確認した。

30年のキャリアを持つこのバンドは、様々なテーマと音楽性を生み出しながら成長してきた。
パーソナルなシチュエーションから世界にすら発信出来るメッセージを持ち合わせた曲まで数多存在する。
オーディエンスに対して、感動と圧倒的インパクトを残せるバンドは数少ない。

近年は、Vo.桜井のボイストレーニングや海外エンジニアの起用等、新たなチャレンジもしている。

40周年、50周年、その先へと期待は膨らむばかりだ。





1.終わりなき旅
2.名もなき詩
3.海にて、心は裸になりたがる
4.シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜
〈S.MC〉
5.innocent world
6.彩り
〈MC〉
7.口笛
8.車の中でかくれてキスをしよう
9.Sign
10.タガタメ
11.Documentary film
12.DANCING SHOES
13.LOVE はじめました
14.フェイク
15.ニシエヒガシエ
16.Worlds end
〈S.MC〉
17.永遠
18.others
19.Tomorrow never knows
20.光の射す方へ
21.fanfare
22.エソラ
〈S.MC〉
23.GIFT
〈アンコール〉
24.HANABI
〈MC〉
25.生きろ



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by Tatsuya Umezawa
(080-2023-8050、be_hero_in_shifukunoworld0728@yahoo.co.jp)

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