社会の見方についてお話する機会をいただき [2010年05月11日(Tue)]
先日、名古屋で、24、5人の30〜40代を中心とした方たちの前で、 「社会をどう見るか」について、3時間ほどお話をする機会をいただきました。 日本は経済の発展で、独りでも暮らして行けるほど豊かになり、 経済が縮小して豊かさが偏り、個人の経済事情が変わっても、 豊かなときの個人の生活レベル・ライフスタイルを忘れられず、 鬱々として、「その豊かさへのあこがれ」にしばられている。 一方で、経済以外の視点で社会を見てみると、世界の国々と比較して、 日本では、個人は比較的自由に行動できる環境にある。 自分の周りの小さな社会で、 自分の思いで形にしようと活動しようと思えばできる状況にある。 「経済的豊かさという過去の幻想・価値観」にとらわれず、 自身の新たな価値を創造し、 それを自分の周りの社会で実現できる可能性・未来があると、 社会を見るのはどうだろう… といったようなことを、投げかけさせていただきました。 ちなみに、個人と社会と経済の変化をふりかえってみたのですが、 「大家族」「集団就職」「会社人間」「積み木崩し」あたりは、 3、40代では実感がないのは当然なのでしょうが、バブルの崩壊も過去の話。 せいぜい2000年以降の「経済の下り坂で個人がさまよう」というあたりからが、 少しは実感を伴う社会観のようでした。 「多様な価値観から、それぞれの新たな価値の創造」という 肯定的な表現はきれいですが、実態は、その中でどうしてよいかわからずさまよい、 他の多くの人たちが経済的豊かさからこぼれおちていくのを見ながら、 とりあえず自分だけは守りぬいていくために、より独りになっている。 社会からふりおとされないように、とりあえずじっとしてふんばっている。 いまの日本の多くの人たちが、そんな状況なのかなと思いました。 提案したのは、そんな社会の中で、自分を肯定的にとらえ、 自分の思いを身近な社会で実現していくこと。 日本は、今、そんな自己実現が可能な状況であること。踏み出すこと。 そのような豊かな小さな社会がいっぱいできてくること。 その豊かさを積極的に味わうこと… ただ単に、くらしが苦しいからつながってお互いに助け合ってなどという 行政の責任転嫁のような「新たな公共」ではなく、 自分の思いを社会で実現していこうとするときにこそ、 「人と人のつながり」が大切なのだと思っています。 そういう姿勢で楽しんでみてはどうかと提案してみました。 |
Posted by
のきは
at 10:03