成果報酬型の社会問題の解決と“social impact bonds” [2012年02月09日(Thu)]
マサチューセッツ州では、投資家がソーシャル・サービスに投資を行う“social impact bonds”という新しい試みを始めています。
この手法は“pay for success”ともいわれていますが、いわゆる成果報酬型です。もし投資家が、結果として社会問題を解決した事業に投資し、州政府の財政負担の圧縮に寄与した場合、州政府が投資家に対して投資額の一部を支払うというものです。 社会起業家、NPO、その他の民間団体が、社会問題を解決するための事業を提案します。州政府としては、当該事業が当初のゴールを達成した場合のみ支払いを行うため、リスクがありません。州政府からすると、社会問題を解決できる一方で、財政負担を最小限に抑えられるため、大きなメリットがあるようです。 マサチューセッツ州では既に、ホームレス常習者や少年犯罪歴を持つ人びとに対するサポートを行う事業に関して、社会起業家やNPOから提案の受付を開始しています。まずはこれらの分野から開始し、その成否をみながら、順次他の分野にも拡大していくそうです。また同州では、オバマ大統領が提案している、連邦政府による“pay for success”のパイロット・プログラムへの1億ドルの拠出金を当てにもしているようです。 社会問題の解決を成果報酬型ビジネスで行うという、一見奇抜なアイデアですが、要は、事業には成果が必要だという当たり前な考え方ですね。腕に自信のある社会起業家やNPOは、むしろ今まで以上に活躍のチャンスが大きくなるということでもあります。こういった事例を目にすると、米国では、既に成果の出せないNPOの淘汰が始まっているのだと再認識させられます。 【2012/01/19 boston.com記事参照】 Tweet ![]() ![]() ![]() 社会的企業の記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |