偉大なファンドレイジング・コンサルタントに不可欠な10の素養 [2015年05月19日(Tue)]
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最近では、NPOセクターに特化したコンサルタントになりたいという若い人にお会いする機会が増えてきました。米国は、単純に日本と比べてもNPOセクター自体の歴史が長く、ファンドレイザーの社会的な価値やニーズも認知されており、コンサルタントとして独立して活躍している人もいます。就職の人気ランキングでもトップ30に入る仕事で、中には民間企業の社員よりも高い収入を得ている人もいます。 また、インディアナ大学のように学部レベルで広くフィランソロピー全般を専門に学べたり、大学院レベルでファンドレイザーを養成するカリキュラムを有する大学もあり、実際に採用されるかどうかは別として、新卒でそのままファンドレイジング・コンサルタントになる道も開かれています。 以下は、米国ファンドレイジング協会(Association of Fundraising Professionals)が過去に主催したカンファレンスで、参加したコンサルタントから得たインタビュー内容です。コメントの内容は、ファンドレイジングに限らず、広くコンサルタントとして持っておくべき素養と言えるでしょう。 (1)自信を持ち、良いニュースだけでなく悪いニュースを伝えるのも上手である (2)ビジネスや自分自身に対して正しく理解している (3)型にはまったアプローチだけではなく、多分野に応用・展開できるスキルを持っている (4)問題を単純化し、説明できる能力を持っている (5)問題解決のためのソリューションを複数持っている (6)クライアントの良い聞き手である (7)良いチームプレイヤーである (8)マーケティングに精通している (9)クライアントの信頼を得られている (10)クライアントが主役であることを忘れない ※詳細はこちらの記事を参照 独立したコンサルタントしての価値を持つには、最低でもこうした素養を持っていなければならないようです。さらに、コンサルタントとして独立して働くためには、以下のようなリスクなハードルも認識した上で、最終的な決断を下さなければなりません。 (1)毎月の収入が不安定である (2)全国規模の出張によりストレスが発生する (3)家族と一緒に居る時間が少なくなる (4)他のコンサルタントとの競合が存在する (5)ヤル気を感じない時にヤル気を見せなければならない (6)コンサルタント業の負の側面にうまく対応しなければならない (7)長時間(夜や週末含む)にわたる仕事に堪えられなければならない (8)最新のテクニックやコンピュータスキルを保持する必要がある (9)書くことと喋ることが洗練されていないとトラブルに陥る (10)変わりゆく状況に対応するだけの柔軟性が必要である こうしてみると、当たり前ですが、単なるノリや勢いだけでなく、冷静かつ客観的な自己分析と社会(市場)を見通す目が必要だということですね。自分の強み・弱みが何か、社会環境はどのように変化しているかなど、様々な視点から検討する必要があります。 ファンドレイジング・コンサルタントになることはゴールではありません。何よりも大事なのは、、独立したコンサルタントとしてどのような価値や成果をNPOや社会に創出することができるかということですね。 【2015/05/17 FundRaising Success記事参照】 長浜洋二 著 Tweet ![]() ![]() ![]() ファンドレイジングの記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |