米国企業における2013年寄付ランキングと支援バリエーションの拡大 [2014年09月10日(Wed)]
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Chronicle of Philanthropyが、2013年の米国企業による寄付ランキングを発表しています。米主要経済誌『Fortune』のランキングTop150社を対象とした、この調査結果によると、過去12年連続でWalmartが1位となっています。 (1)Walmart Stores(311.6百万ドル、3%増加) (2)Wells Fargo & Co(275.5百万ドル、3%増加) (3)Chevron Corp.(274.3百万ドル、3%増加) (4)Goldman Sachs Group(262.6百万ドル、NA) (5)Exxon Mobil Corp.(227.5百万ドル、NA) (6)JPMorgan Chase & Co(210.9百万ドル、3%増加) (7)Bank of America(166.5百万ドル、3%増加) (8)Johnson & Johnson(157.2百万ドル、NA) (9)General Electric(154.8百万ドル、3%増加) (10)Target(148.6百万ドル、3%増加) ※カッコ内(2013年実績、2014年度予測) 2012年には、寄付額100万ドルを超えた企業は13社ありましたが、2013年には16社に増えています。また、金銭と物品の両方を足し合わせた企業寄付全体でみると、2013年は前年比17.2%増の187億ドルとなっており、Halliburton(41億ドル)、Pfizer(31億ドル)、Merck & Company(19億ドル)、Google(11億ドル)、Walmart Stores(11億ドル)が上位に名を連ねています。 米国における企業寄付のトレンドとしては、少額の寄付を複数の相手先にバラ撒くのではなく、本業に関連した分野へ金額規模の大きな寄付を行う傾向にあります。その狙いは、本業に近いほど物品寄付やボランティアを行いたい社員を提供し易いということです。 2013年、米国企業は過去最高額となる1.9兆ドル(前年比+5%)の利益を稼ぎ出したにもかかわらず、寄付は前年比2.8%の増加にとどまっています。その一方で、物品による寄付は22.8%増加しています。こうした企業による金銭寄付が市況ほど伸びていない状況に対して批判的な声もありますが、金銭寄付に加え、物品寄付や社員によるボランティアなど、企業が保有するリソース全てをNPOに提供しているという視点から好意的にみる向きもあるようです。 また、全体の傾向としては、ほとんど全ての大手企業では、社員がボランティアでNPOに関わる機会を提供しています。これは、最近の若者が株主価値を高めることだけに気を配る企業を敬遠する傾向に対する対策という側面があるようです。 上述のとおり、ここ数年、企業においては、金銭寄付に加え、物品寄付、社員によるボランティア参加など、社会貢献のバリエーションが増えてきているように思います。人、モノ、金といった支援のバリエーションが増えるほど、様々な支援を必要とするNPO側とのマッチング精度も高まるため、社会全体にとっては良い傾向に向かっているといえるでしょう。 【2014/07/13 THE CHRONICLE OF PHILANTHROPY記事参照】 長浜洋二 著 Tweet CSRの記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |