NPOの年次活動報告書に盛り込むべき5つの要素 [2013年12月05日(Thu)]
Tweet 年次活動報告書の作成・公開は、NPOにとって既存の支援者に対するアカウンタビリティを果たすという点、そして、潜在的な支援者や社会全体に対する広報及び信頼性の向上を果たすという点で大きな意味をもっています。 報告書の作成にあたり、長さやフォーマットなどに関わらず、以下の5つのポイントを考慮に入れることで、コミュニケーション・ツールとしての役割は飛躍的に高まります。 (1)活動ではなく成果を記載する 昨年の活動の結果はどうであったのか、なぜその活動に時間や資金を投じたのか、どのような結果を導いたのかなど、どのようにミッション達成に向けて活動したのかについて記載する。 (2)実在の人やストーリーを紹介する 支援者は、活動の受益者に与えたインパクトに関心を持っているため、それらの人たちのリアルな写真、プロファイル、証言、逸話などを盛り込む。また、団体の活動に影響を受けた人たちに語ってもらうことにより、団体の自慢話のように聞こえず、より自然なかたちで実績を伝えることができる。 (3)財務情報の見せ方に配慮する 財務状況について記載するページにもストーリーが必要。行政に提出するような決まりきったフォーマット(項目)があるわけではないため、いかに支援者に財務状況を伝えるべきかを考えなければならない。長々と詳細に記載すれば良いわけではなく、どのように資金を集め、使用したか、グラフや説明文を適宜盛り込みながら理解を促すような説明をする。 (4)お礼を何度も伝える 達成した成果が支援者のお蔭であることを伝える。一般的なフォーマットでは支援者全員の名前を記載するが、短めのフォーマットでは、ストーリーや写真を盛り込み、いかに支援者のサポートが団体の成果にとって重要なものであるかを記載する。 (5)アクションを促す 成果や財務状況を伝え、より一層支援をしたくなる気持ちを醸成したうえで、次に必要なのは、具体的にどのような支援ができるかを読み手に伝えること。報告書の最後に、1ページもしくは何かしらのスペースを設け、金銭支援のみならず、寄贈やボランティアなど、どのような支援ができるかを記載する。 このように、年次活動報告書にはそれを読んだ人が何かのアクションを起こしたくなるようなストーリー仕立てになっていなければなりません。単なる無味乾燥な報告物であってはならず、既存そして潜在的な支援者と接する貴重な機会であり、戦略的に活用するべきものです。 私もNPOが作成した年次活動報告書を拝見する機会がありますが、実施した活動の羅列に終わっているケースが多いですね。年次活動報告書は、活動によって成し遂げられた成果を記載し、さらなる支援の獲得を図るものです。極論すると、成果について記載できていないということは、団体が取り組んでいる社会課題そのものについて明確に定義できておらず、その課題を達成するための施策や必要なリソース、そしてマイルストーンも認識できていないということです。 自団体の年次活動報告書は自己満足のおざなりなものになっていないか、是非、見直してみましょう。 【2013/11/26 Kivi's Nonprofit Communications Blog記事参照】 Tweet マネジメントの記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |