ウェルズ・ファーゴによる銀行ATMを活用した寄付と東北沖大震災 [2011年04月13日(Wed)]
ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)銀行では、全米各地のATM(現金自動預け払い機)に、“Donate to Charity”を新設しました。米国内でも初となる取組みだそうです。
ATMの画面上では、通常のお金の取引に関するメニュー項目に加え、“Donate to Charity”ボタンが設置されています。ATM利用者は、寄付ボタンを押してどの口座からお金を送金するのかを決定したうえ、1セント〜244.99ドルの間で、自由に寄付を行うことができます。上限を250ドルに設定している理由としては、この額を超えると内国歳入庁(Internal Revenue Service)に対して、寄付者の個人情報を含む報告を行わなければならないためです。抜け道としては、250ドルを超えない範囲で、何回も寄付を繰り返すという方法があります。 今回の取り組みでは、米赤十字社(American Red Cross)が寄付の受け皿となっており、日本で発生した東北沖大地震の災害復興支援に充当されます。寄付を行うにあたっては、手数料は一切かからず、100%が赤十字社へ寄付されます。また、寄付者が税控除を受けられるように、寄付後には取引明細書が自動発行されます。 3月14日に寄付ボタンが設置されて以降、ウェルズ・ファーゴでは、150万ドルの寄付を集めているそうです。この仕組みを通じて、4月15日までは、全米9,000箇所のATMを利用して寄付ができます。 同社では、今回の取り組みに先立ち、2005年に既にATMを活用した寄付の仕組みを構築しており、特定の地域限定で実施したことがありますが、米国全土にわたる取組は初めてとのこと。過去には、コロラド州の山火事復旧支援として11,000ドルを、カリフォルニア州サンブルーノでのガス爆発復旧支援として22,000ドルを集めています。 ウェルズ・ファーゴでは、今回の赤十字社への寄付とは別に、日本の災害復興支援のために50万ドルを寄付しているほか、さらに上限50万ドルとしたうえで、社員とのマッチングギフトも検討しているそうです。 ATMの前に、常時、利用者が並んでいる姿はとても見慣れた光景ですね。ATMを利用した寄付は、お金を扱うその流れにのってうまく寄付へ誘導しているという点と、定常的に発生する生活行為を活用しているという点で、とても巧妙な寄付の仕組みだと思います。日本の銀行での導入を期待したいですね。 【2011/04/10 THE CHRONICLE OF PHILANTHROPY記事参照】 Tweet 寄付の記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |