あまり知られていませんが、江の島には児玉神社(祭神:児玉源太郎命)があります。大正7年(1918年)に創建。児玉源太郎氏がかつて台湾総督として台湾の近代化に努力した縁により台湾の有志から贈られた、口の中の玉が回る名品の狛犬が有名です。
児玉氏は江の島には度々訪れていて懐かしい思い出があった所で、台湾総督の頃に部下(民政長官)であった元東京市長の後藤新平、元内閣総理大臣の桂太郎などの発起で創建されたと言われます。
現在は、神楽殿が老朽化のため、再建中です。完成が待たれます。このため、本殿が直接に見られます。
江の島全景
児玉神社
児玉神社の入口の説明板より
狛犬
狛犬の中の回る玉
児玉源太郎は長州徳山藩(現山口県周南市)出身で、日露戦争において満州軍総参謀長を勤め勝利に貢献しました。
地元出身の中村謙司が多くの資料を基に創作された「史論 児玉源太郎」によれば『児玉の没後わずか40年にして、日本国民は太平洋戦争で無条件降伏という、未曾有の屈辱と苦しみを味わった。その主な原因は、一部の軍人の無軌道な暴走にあったといわれるが、これをなんとか回避する道はなかったのか考えたとき、児玉の存在が大きくクローズアップされるように思われるのである。歿後百年を経たいま、「あと十年生きていてくれたら」との思いは深まるばかりである』と記載され、その詳しい理由については、この本に述べられています。児玉氏は日露戦争勝利の翌年の明治39年に54歳で亡くられました。
児玉神社は藤沢市江の島および山口県周南市にありますが、2つの神社の祭神に祀られるいます。政治家・実業家・教育家として、日本を世界列強に伍せしめるために貢献した文武両道の偉人であったと言われています。