母親の手作り[2009年10月30日(Fri)]
子供の頃、母親は手作りが好きで、いつも何かを縫ったり、編んだりしていました。特に好きだったのは布の切れ端をもらったり、安く買ったりして、ミッシンで縫い合わせてテーブルクロス、ソファーカバー、布団カバー、かばんなどを作ることでした。いろいろな布を縫い合わせていたため、カラフルで華やかなものばかりでした。親戚や知り合いはよく母を褒め、作ってもらえるように頼んでいるのを覚えています。
小さい頃は各布の模様や色を指で追うのが好きでしたが、小学校に上がってから、何故か恥ずかしく思うようになりました。特に友達が家に泊まりに来たとき、周りの人と変わっているのを知られるのが嫌に感じるようになりました。
小学校低学年のときの出来事ですが、学校の行事で初めてキャンプがありました。持ち物の中にスリーピングバッグが含まれていて、当時家になかったため、母が作ってくれると言ってくれました。皆が一緒に泊まる中で、自分だけカラフルな寝袋がイヤでイヤでしかたありませんでした。いくら親に普通のものを買ってくれるように頼んでもだめで、泣き崩れました。「そんなケチくさいことをやめてよ!!」とまで言ってしまいました。そのとき、母の悲しそうな目を今でも覚えています。結局は母が愛情を込めて作ってくれた寝袋で行くことになって、先生には「かわいい」、「きれい」と褒められましたが、自分の中では晴れない気持ちでいっぱいでした・・・

数年後、親が経営していた会社が倒産し、日本に来ることになったのですが、それ以来、帰国しても母の手作りが一切なくなりました。
このような出来事から20年以上経った今、日本で6年近く留学生活を送っている自分がいます。何でも手に入る便利な都会生活を送ってきたのですが、逆に自然・環境の大切さ、スローライフ、手作りなどを大切にするようになりました。今後、ペルーでコミュニティトレード・ベースで植物繊維やリサイクル物を用いた、バッグや鞄作りを行いたいと思っています。
よく考えると、今自分が目指している生き方は、両親が田舎暮らしで自然に行っていたことでした。小さい頃、周りの目を気にし過ぎて、嫌がっていた生活・・・「ものを大切に長く使う」、「無駄な買い物をしない」、「手作り」、「畑が近くにある生活」・・・今になって母に言ってしまった言葉「そんなケチくさいことをやめてよ!!」と彼女が浮かべた悲しそうな眼差しを思い出すと自分の心を痛めています・・・

今更、誤っても母は覚えていないのかもしれない、その代わり、帰国したらできる限りの親孝行をしようと思っています。そしてもう一度、手作りのものを作ってくれるように頼もうと思っています。

























