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はじめまして [2009年09月05日(Sat)]
 はじめまして

 このブログにお越しいただきありがとうございます。まずはじめに、私たちの会について説明させていただきたいと思います。


 北海道バイリンガルろう教育を推進する会は、日本手話と書記日本語の二つの言語での教育(バイリンガル教育)を受けさせたいと願う親たちが中心となり2008年4月に発足しました。
 
 日本のろう学校は1933年(昭和8年)から手話を禁止し、「聴者に近づける」ことを目標とする口話法(聴覚口話法)で教育を行ってきました。この方法はいわゆる“口パク”教育と呼ばれ、聞えない耳に向かって音声で授業が行われてきました。子どもたちは学びたくても先生が何を話しているのか分からず、言語力も学力も身につかないまま社会に出なければなりませんでした。また、聞こえないことや、自分のことばである手話にも自信をもつことができずに、アイデンティティの面など多くの問題を抱えることになってしまいました。
一方、欧米では20年以上前からその国の手話と書記言語による『バイリンガルろう教育』が主流となり、その後アフリカ、中国、タイ、ベトナムなど多くの国や地域でも実践されています。日本でも親たちの願いを受けて、2008年4月に国内で唯一バイリンガルろう教育を実践する私立ろう学校「明晴学園」が開校しました。
 
 北海道でもこの教育を望む親子が増えていますが、「口話の牙城」とまで言われたこの地域では、ろう教育関係者に手話に対する偏見や誤解などが蔓延し、手話での教育を望む親の声は、長い間他の選択肢もないまま否定されつづけてきました。そこで親たちが集まり、教育委員会と学校に対して根気強く要望を続ける中、2005年に道議会に声が届いたことがきっかけとなり、北海道のろう教育が73年ぶりに大きく舵を切ることになりました。2006年から教員の手話研修が始まり、翌年からは研究実践校での指導方法の研究が行われました。しかし、これらの取組はある程度評価されますが、手話言語に対しての理解や情報が不足しているために「牙城に風穴が開いた」程度に過ぎず、バイリンガル教育までには至っていないのが現状です。
 
 この会では、バイリンガルろう教育の情報を広く一般にも提供しながら、勉強会・研修会やシンポジウムを開催し、この教育に対する理解を深めるほか、子どもたちの母語環境とアイデンティティを培う場として“ろう児だよ、全員集合!”というフリースクールを開催しています。
「手話で学びたい」、「わかる授業を受けたい」という子どもたちの叫びに応え、公立ろう校では国内初となるバイリンガル教育実施を目指し、各教育機関と協力しながら活動を続けていきますので、皆様のご理解ご協力をお願いいたします。
Posted by オカムラ マリコ at 21:17 | 会について | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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