高校進学者のうち、2.1%程度の生徒に自閉症や学習障害(LD)などの発達障害があるという報告が8月10日、文科省局長の私的諮問会議「特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議」の高校ワーキング・グループ会議に報告されました。発達障害がある子どもたちの高校進学に関する実態はこれまで不明だったので、非常に興味深い内容です。
「毎日新聞」の11日付の報道によれば、この調査は、中学の通常学級に在籍して今年3月に卒業した生徒約1万7000人を対象に行われています。
卒業時点で発達障害があるとされた生徒は約2.4%で、うち約86.5%が高校に進学。進学者全体に占める割合は約2.1%でした。ただし、全日制の中では1.6%にとどまり、定時制高校では進学者全体の14.1%を占めていました。定時制や通信制(15.7%)の高校が受け皿になっていることは、宮城県の保護者の間ではよく知られていることでしたが、実態が数字で浮かんだのは、おそらく初めてではないでしょうか。
特別支援教育が2007年度からスタートして、小中学校では形ができてきましたが、高校の対応は多くがこれからです。宮城県をはじめ多くの都道府県で、発達障害のある生徒および発達障害が疑われ生徒の人数を公表しておらず、実態把握も遅れているのが実情です。