「日本発達障害ネットワーク」(田中康夫代表) は「日本難病・疾病団体協議会」(伊藤たてお代表)、NPO法人(特定非営利活動法人)「日本脳外傷友の会」(東川悦子代表)といっしょに、「障害者自立支援法」の「障害」の範囲と「特定求職者雇用開発助成金」の対象範囲の見直しを求める要望書をまとめ、舛添要一厚生労働相と各政党に提出しました。
「障害者自立支援法」については現在、障害者手帳を持っていなければ、どのような福祉サービスのニーズがあるかの判定(支給決定)を受けることができません。障害者手帳を持たない難病や高次脳機能障害、発達障害などの人は同法の対象外となっているので、日本発達障害ネットワークは発達障害を障害者自立支援法の対象にすることを当面の最重要の要望にしています。
3団体は、今年5月に発効した国連の「障害者権利条約」が「特定の障害者を排除してはならない」と明記していることなどを根拠に挙げて、「障害者手帳を持たない人も、医師の意見書などで福祉サービスのニーズがあると認められれば、同法の対象になるよう障害の範囲を見直す必要がある」などと求めています。
「特定求職者雇用開発助成金」についても、障害者手帳の所持が要件になっており、これを持たない難病や高次脳機能障害、発達障害などの人は制度を利用できず、厳しい雇用環境に置かれています。
今年の通常国会で、舛添厚労相が「難病や高次脳機能障害、発達障害についても、総合的な施策の転換を図るべき時期に来ている。例えば『特定求職者雇用開発助成金』の対象にする方向で検討したい」などと答弁しています。3団体では、大臣の国会答弁を踏まえて、「精神障害などは医師の意見書などがあれば、障害者手帳を持っていなくても(助成金の)制度を利用できるようにしているので、難病や高次脳機能障害、発達障害なども同じ対象にすべきだ」と要望しています。