全国LD親の会は4月4日、発達障害のある子どもたちの学習や学校生活を支援するために考案した教材教具を集めたデータベースを完成させ、インターネット上で公開しました。
全国LD親の会のホームページに、その解説が掲載されています。アドレスは、以下のとおりです。
http://www.normanet.ne.jp/~zenkokld/supporttool2008.htm
このデータベースは、文部科学省の委嘱事業として、平成18、19年度の2年間にわたり、「日本発達障害ネットワーク」の加盟団体と共同で教材教具を収集し、使用効果について実証研究を行って作成したものです。研究チームを関東と関西につくり、メンバーには教師や保護者、研究者だけでなく、これまで学校現場と関わりが少なかった作業療法士らも加わりました。1000点を超える教材教具を収集して体系的に整理し、新たな教材教具も開発して、有効性が確認された約440点を厳選したものです。
ゲーム感覚で拗音(ようおん)を習得できるように工夫された大小のサイコロや、モニター画面に表示された文章のうち読む個所の色が変わったり、音声で読み上げたりする機能を持ったパソコンソフトなど、子ども一人ひとりが抱える困難さに合わせてサポートする教材教具がそろっています。
これらの実証したサポートツールに関しては、「実証データ」が付いています。そのツールをどのような困難を抱える子どもに、どんな状況で、どのくらいの期間使い、子どもがどのように取り組み、どのような成果があったのかが示されています。実証データは、サポートツール・データベースからも検索することができます。
これら教材教具を活用した新しい特別支援教育の創造を期待したいものです。その際に、ある子どもに有効だった教材教具が、別の子どもにそのまま転用できるとは限らないので、支援を必要としている子ども一人ひとりが、どのように困っているかを的確に把握する教師と保護者の力量が求められます。データベースの情報の質・量がさらに高まっていくことを期待したいと思います。
発達障害児のための「サポートツール・データベース(教材・教具DB)」のアドレス。http://www.jpald.net/research/