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宮城県自閉症協会と朝日文化事業団が米国ノースカロライナ大学のゲーリー・メジボフ教授による講演会を9月2日に仙台で開催 (07/17) 佐藤 琴子
年一回の「オヤジの会」−きょう「シエルの会」が (11/20) dvd@cdrw.club.ne.jp
NPO法人「全国LD親の会」が28日に20周年記念フォーラム (02/05) 静岡県立浜北西高校 老川晴代
宮城教育大学が3月14日に特別支援教育セミナー 大学における障害のある学生の支援の取り組みを紹介 (06/04) 一般人
日本発達障害ネットワークが27日、障害者自立支援法の一部を改正する法律案ついて緊急要望書を出しました。 (06/03) みやぎアピール大行動実行委員会事務局
新しい障害者法制を求めて、アピール大行動が行われました (04/27) おおた
映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」が上映中ですが主人公はADHDとLD (04/06) 森杜
えじそんくらぶ「森杜」親の会宮城が、サイトをブログに移行しました。 (11/11) 管理者
拡大教科書等を発達障害のある児童生徒にも、著作権法に初めて発達障害への「配慮」を盛り込む (03/07) 執筆者
拡大教科書等を発達障害のある児童生徒にも、著作権法に初めて発達障害への「配慮」を盛り込む (03/07)
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「アーチル」が就労支援をテーマに特別講座 [2008年02月29日(Fri)]


080311.pdf
 仙台市の発達相談支援センター「アーチル」が3月11日、就労支援をテーマにした特別講座を開催します。
テーマは、発達障害者の就労支援のあり方を探る 〜障害特性に配慮した関係機関の連携による支援を目指して。富山県で発達障害をもつ児童生徒に対する理解の推進と理解者・支援者の拡大に先駆的に取り組んでいる富山県発達障害者支援センター「ありそ」の東真盛氏が講師に招かれています。
 また、仙台市で発達障害児者の相談支援を実践しているNPO法人「ここねっと」の黒沢哲氏が、就労支援の事例報告を行い、発達障害者の就労支援のあり方を考える話題提供をします。申し込み用紙は添付ファイルをご覧下さい。

講演   
第1部 基調講演「発達障害者の就労支援のネットワークのあり方について」
     東 真盛 氏(富山県発達障害者支援センター「ありそ」)
第2部 実践報告「地域活動推進センターの取り組みから」
     黒澤 哲 氏(NPO法人自閉症ピアリンクセンター「ここねっと」)
日時  平成20年3月11日(火)17:30〜20:00(開場17:00)
会場  仙台市発達相談支援センター 大会議室
     (仙台市泉区泉中央2丁目24−1)
宮城県教育委員会に「高校教育のニーズ」調査報告書を提出し懇談 [2008年02月28日(Thu)]

 佐賀慶子代表ら四人が、きょう宮城県教育委員会の高校教育課を訪問しました。目的は、昨年12月16日に配布した「発達障害のある生徒の高校での教育についてのアンケート調査」の集計結果をお届けすること。普通高校への入学を希望するグループとともに、特別のコースや特別支援学校の分教室を希望するニーズがあることを、集計結果を元にお伝えし、2008年度以降も継続して検討していただくよう、お願いいたしました。
 アンケートにご協力いただいた150人のみなさまに御礼を申し上げます。
治療と更正を重視した26日の福島家裁の保護処分 [2008年02月27日(Wed)]

 少年事件の厳罰化に一石を投じる判断が注目されています

 福島県会津若松市の母親殺害事件で、福島家裁会津若松支部は26日、少年(18歳)を医療少年院送致とする保護処分を選択しました。刑事罰よりも、非行につながった精神障害の治療と更生を重視した判断が注目され、地方紙に解説記事が掲載されたりしています。
 重大な少年事件の続発を背景に、2001年4月に施行された改正少年法は、16歳以上の少年が故意に被害者を死亡させた場合、成人と同じ刑事裁判を受けさせる「逆送」を原則としました。この法改正の後、逆送率が大幅に上昇したことが報告されています。
 2005年に、大阪府・寝屋川市で、小学校の教職員3人を卒業生の少年=当時(17)=が殺傷するという事件が起こりました。少年は、精神鑑定で広汎性発達障害と診断されましたが、二審で懲役15年が言い渡されています。このケースでは、事件が広汎性発達障害と結び付けて報道された問題がありました。発達障害に関わって活動を進めている団体は、障害があることが指摘されながら成人と同様に長期の懲役刑が確定したこと、この少年のケアと更正が適切になされるかどうかに注目し、問題意識をもっているところです。
 というのは、刑事罰が科せられた少年を収容する少年刑務所は、過剰収容の状態にあるところが多く、その影響で成人受刑者が混在しているからです。そして、なによりも、障害のある少年の収容に必要なプログラムが整備されていないということが専門家から指摘されているからです。少年がいずれは社会に戻ってくることを考えると、大きな疑問を抱かざるを得ません。
 一方で、厳罰化が進むなかにあっても、非行少年が抱える障害や家族との関係を丁寧に調べて、保護処分とする家裁も少なくありません。少年院等で行われている営みのもつ社会的意義に、あらためて光をあててみる必要があるのではないでしょうか。
 会津若松市で起きた事件は、母親の首を切断し、頭部を持って自首したという特異な事件でした。家裁婦人少年審判部の人たちに、多くの努力が求められただろうと、想像されます。2月26日付けの「中國新聞」は、その解説記事のなかで、少年の付添人の弁護士が、「詳細な調査や検討をしており、頭が下がる思い」と、福島家裁会津若松支部の取り組みを評価したことを紹介しています。その上で、「中國新聞」は、「適切な治療を進めつつ更生を図ろうとした判断は、少年が抱える個別の事情をとらえた現実的な判断といえよう」と、締めくくっています。
 示唆に富む解説記事でした。教育的なアプローチができる専門職の人々が果たしている役割の大きさに、あらためて気づかされました。
引きこもりの最多は年代では30〜34歳、その原因は就職・就労でのつまづき [2008年02月24日(Sun)]

 「毎日新聞」が22日、「引きこもり」の最多は30〜34歳で、就職・就労がきっかけだとする東京都の調査結果を紹介しました。引きこもりの中には発達障害をもつ人が少なくないとされています。

  「引きこもり」となる原因は「就職や就労での挫折」が最多で、30〜34歳の年齢層が最も多いことが東京都が行った実態調査で分かった。本人の心理や意識にも踏み込んだ引きこもりの公的な調査は全国初。不登校など学校時代の体験をきっかけとし、若年層が多いとされる従来の見方とは異なる傾向が浮かんだ。 
 調査は、都内に住む15〜34歳の男女3000人を住民基本台帳から無作為抽出し、昨年9〜10月に個別に訪問。1388人から協力を得た。うち10人を引きこもりと判断し、別途調査した18人を加えて計28人を分析対象とした。
 原因のトップは「職場不適応」と「病気」の25%だった。「就職活動不調」(14%)を加えると、就労・就職をきっかけとする人は39%に上った。「不登校」は18%だった。
 年齢層別では、「30〜34歳」が全体の43%で最も多く、「15〜19歳」「20〜24歳」「25〜29歳」はいずれも18%。引きこもり状態になった時期は「25〜27歳」(29%)が最も多かった。
 一般の人との意識の違いを比べる(複数回答)と、「親との関係がうまくいかない」と答えた人は36%(一般は10%)▽「家族とよく話す」は32%(同66%)▽「家族から愛されている」は29%(同63%)−−だった。
 調査をまとめた明星大学人文学部の高塚雄介教授(臨床心理学)は、都内の引きこもり人口を約2万5000人と推計。また、心理的に同様の傾向がある「予備軍」は都内で約18万人、全国で100万人を超えると見ている。
 高塚教授は、陥る人の特徴を▽自意識が強く状況変化に適応できない▽人と争って傷つくことを嫌う▽人間関係の訓練が不十分で逆境に弱い−−と分析。「国の対策は、引きこもりとニートの分類が不明確で、現状に合った受け皿作りが必要」と話している。【佐藤賢二郎】
大学における発達障害をもつ人への支援 [2008年02月23日(Sat)]

 発達障害の学生の人づきあいを大学が支援する例が少しずつ増えています。2月23日の「朝日新聞」が、以下のような記事を掲載しました。

 各地の大学で近年、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害とみられる学生が目立っている。人間関係などに難しさを抱え、大学に通わなくなる学生も。かかわる全教員が特性を理解し支える京都大学、インターネットによる支援体制をつくる富山大学など、フォローに乗り出す大学が出始めた。   
 京都大学では、高機能自閉症の3回生男子(21)を、所属学部の教職員やカウンセラーがチームで支えてきた。
 「遠回しな表現を理解できません」「否定的な言葉かけに過剰反応します」。合格後すぐ、母親は、成育歴や問題点をファイルにまとめて、理解を求めた。大学側は、高校の担任からも話を聞き、相談役を決めた。情報は、かかわる全教職員で共有した。
 1回生の6月、この学生が教務課に退学届を手に飛び込んできた。「もう京大生としてやっていけない」。語学で音読がよくできていないと指摘され、パニック状態だった。1時間ほどじっくりと聴くと、落ち着いた。
 相談役の職員(56)は、今も年6回面接をする。学生は「いつでも相談できて助かった」。京大では今後、様々な障害のある学生の支援を、大学全体で継続して進める学生センター設置を検討中だ。
 高知大学は06年度から、入学時の健康診断で自閉症傾向が強ければ、保健管理センターの面接に誘う。早期コンタクトで、気軽に相談できる体制づくりを狙う。発達障害が疑われる学生は、06、07年度新入生でそれぞれ複数。また昨年度、センターへ相談に来た中にも十数人いた。
 富山大学は4月、学生と教職員向けのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を立ち上げる。面と向かっての相談が苦手な学生向けに、カウンセラーとネット上でやりとりできる。
 「孤立させたくない」と斎藤清二保健管理センター長(57)。年100人ほどの新規相談者中、昨年は1〜2割に発達障害が疑われたという。
 多くは、過去に診断を受けていない。「知的レベルが高く、気づかれずに来た」と斎藤さん。
 国立特別支援教育総合研究所などが05年度、全国の大学や短大の相談担当者らに実施した調査では、過去5年間で約760校のうち3割が、発達障害の診断があるか疑いのある学生の相談を受けていた。
 岐阜大学医学部・高岡健准教授(児童精神医学)は「発達障害の人にとって必要なのは、障害の理解に基づいて生活しやすい環境を整えるということ。今後もこうした視点による、取り組みを広げていく必要がある」と話す。

 《発達障害》 (1)自閉症やアスペルガー症候群を含む「広汎性発達障害」(2)落ち着きがない「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」(3)読み書きや計算など特定分野が困難な「学習障害(LD)」など。脳の機能障害が原因と考えられている。文部科学省の02年調査では、普通学級に通う小中学生の6.3%に発達障害の可能性があるとされた。05年4月、早期発見と支援を国・自治体の責務とする発達障害者支援法が施行された。
岡山県で保護者団体が連携 [2008年02月22日(Fri)]

 岡山県の新聞「山陽新聞」が、発達障害児をもつ親の会10団体が協議会をつくったことを報道しています。JDDネットが全国に呼びかけているエリア活動の広がりと見ることができそうです。

 発達障害児支援へ連携 親の会10団体が協議会、活動本格化

 自閉症やアスペルガー症候群など発達障害児・者を支える岡山県内の親の会が集まって「連携協議会」を設立し、今年には1団体を加えて10団体で活動を本格化させている。横のつながりを深め、情報交換や学習会開催といった取り組みを強めて障害に対する理解向上や支援体制の拡充を図る。発達障害児・者を支援する団体の連絡組織の発足は珍しいという。
 発達障害は、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など多岐にわたり、幼児期の早期発見・療育から就学、就労、家族への支援など一人一人の生涯を通じたサポート体制の充実が急務。2005年の発達障害者支援法施行で、地域での理解向上を目指す機運が高まる中、昨年5月に日本自閉症協会県支部などが参加を呼び掛け、同11月に9団体で発足した。
 今年1月、設立を県に報告。さらに1団体が加わり、2月16日に開いた定例会では、団体の代表らが今後の活動について意見を交わした。
 同協議会によると、啓発活動や定例会などのほか、行政への要望活動や行政との協働事業にも取り組む。代表幹事には日本自閉症協会県支部の備前信之副支部長が就任。県内の他の親の会にも加入を呼び掛けている。
 鳥羽美千子副代表幹事(NPO法人県自閉症児を育てる会代表)は「各団体の個性、活動を尊重しながらも、発達障害児・者の幸せという同じ目標に向かい、力を合わせたい」と話している。
 問い合わせは事務局の同協会県支部(086―801―4010)。同県支部と同育てる会を除く構成団体は次の通り。
 あけぼの会、県高機能広汎性発達障害児・者の親の会(アリスの会)、倉敷自閉症児・者家族会このゆびとーまれ、NPO法人ケセランパセラン、対話フレンズ、発達・学習研究会、ラヴミントの会、mother’s11
乳幼児脳の過剰興奮を抑える仕組みを解明 -発達障害に関わる知見を理化学研究所が発表しました [2008年02月19日(Tue)]

 理化学研究所はこのほど、 乳幼児脳の過剰興奮を抑える仕組みを解明 したとするプレスリリースを発表しました。以下は、その紹介文です。

 目、耳、鼻などがとらえた感覚情報、学んで吸収した知識情報など、膨大な情報が脳内の神経回路で正しく処理されています。この神経回路は、神経細胞が軸索と呼ぶ突起を伸ばし、誘導因子や反撥因子の影響を受けながら相手を見つけシナプス結合を作り、形成されます。その後、必要な結合は強化し、不要な結合は刈り込んで、回路が成熟していくと考えられています。
 この神経回路網には、神経細胞を興奮させる興奮性シナプスと、逆に興奮を抑える抑制性シナプスがあり、興奮性シナプスはグルタミン酸、抑制性シナプスはガンマアミノ酪酸(GABA)が主要な神経伝達物質として働き、情報を正しく伝えています。ところがこのGABAが、出生直後の乳児期の脳では興奮を起こすため、発達期の脳で何が興奮を抑えているのかわかっていませんでした。
 理研脳科学総合研究センター津本研究ユニットは群馬大学と共同で、脳内マリファナ類似物質「内因性カンナビノイド」が、発達期の脳で興奮性神経伝達を抑制する働きがあることを発見しました。発達期の脳では、抑制性シナプスの生育が遅れており、成熟脳で抑制に働くGABAも逆に神経細胞の興奮を引き起こすため、抑制能力がなく熱性けいれんなどの過剰興奮を起こしやすいとされています。今回、発達が未熟な脳で、抑制機能が強化されるまでの間、 「内因性カンナビノイド」が機能するメカニズムを明らかにしたことにより、脳の正常発達の理解に役立つだけでなく、発達障害の解明や治療法に欠かせない知見をもたらすことになりました。  
 関心のある人は、以下のアドレスにアクセスして下さい。
 http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/080219_2/
アスペ・エルデの会が創立15周年セミナーズ [2008年02月18日(Mon)]

 東海地区に拠点を置いて活動しているNPO法人「アスペ・エルデの会」が、全国的に創立15周年セミナーズを開催しています。宮城県の「発達支援ひろがりネット」に参加している「シエルの会」は、「アスペ・エルデの会」の賛助団体の一つです。
 奈良県の橿原市で17日、高機能自閉症やアスペルガー症候群など発達障害の当事者と家族でつくる県高機能自閉症児者の会「アスカ」(池田夕紀子会長)が、橿原市北八木町三丁目の県橿原文化会館で、発達障害への正しい理解を広げようと「アスカの会企画シンポジウム&アスペ・エルデの会設立15周年セミナーズ」(奈良新聞社など後援)を開き、約200人が参加しました。 「アスペ・エルデの会」の統括ディレクター、辻井正次中京大学教授が「特別支援教育の基礎を知る─児童期の発達支援」と題して基調講演を行っています。
「シエルの会」がTEACCHをテーマに2月24日に定例会 [2008年02月14日(Thu)]


080224.pdf
 自閉症スペクトラム障害の子どもの保護者で作っている「シエルの会」は、TEACCHをテーマに2月24日(日)定例会を行います。講師は東北文化学園大学の藤原加奈江教授(臨床心理士、言語聴覚士)で、「TEACCHとコミュニケーション」と題してお話しします。開会は13時30分、会場は旭ヶ丘市民センター(地下鉄・旭ヶ丘駅の駅舎)の展示室Tです。会員以外の人も「見学」として参加できます。会員のお子さんは託児を行います。
 案内チラシを添付ファイルで紹介します。
 問い合わせは ciel@nv.sunnyday.jp  まで、Email でお寄せください 。
山岡修さん(JDDネット代表)が『中日新聞』で紹介されました [2008年02月13日(Wed)]

 「『50歳プラス』を生きる」と題した人物を紹介する『中日新聞』の企画記事で、日本発達障害ネットワーク代表をつとめる山岡修さんが取り上げられ、2月13日付けの新聞に掲載されています。

当事者の目線でLD児支援担う  全国LD 親の会会長 山岡 修さん(52歳)

 発達障害が広く知られるようになったのは、ほんのこの十年のことだ。当事者の親らが、根気強く、社会や行政に働きかけてきた成果である。
 同障害の一つ学習障害(LD)の子どもの父親という立場から、会社員の山岡修さんは全国組織の親の会の運営に飛び込んで約十年になる。
 「この間、自分たちの運動が一つ一つ効果をあげ、社会が変化する手応えがあった」
    ◇
 「何なんだろう」
 長男(20)が二、三歳のころ、その成長に違和感を持った。
 言葉が遅い。運動が苦手だ。知的障害ではなさそうなのだが−。その後、三つ下に生まれた長女との違いを目の当たりにして、疑念はふくらんだ。
 新聞で「LD」の記事を目にした。気になって、そこに書かれていた会合に参加した。書店にはなかった専門の本があり、あわてて読んだ。LDは読み書きなど特定分野の習得が困難な障害。「これだったんだ」と初めて納得した。
 地域の「親の会」に顔を出すようになった。ハイキングやキャンプ、クリスマス会…親子一緒に参加できるイベントがたくさんあった。学校の教室では発言の機会がない子どもも、ここでは思い切り、自分のやりたいことに挑戦できた。
 「何より、親が安心した。うちの子だけがおかしいのか、育て方を間違ったのか…と悩みを抱え込んでいたのが、自分だけじゃないんだ、と勇気づけられた」
 やがて親の会の全国組織を手伝って、と誘われ、事務局を手伝うようになった。
 「外に目が向き始めた。あとに続く子どもたちのことも考えていく時か、と」
 学校教育や就労など、課題は山積みだった。だが、「障害」と認知されていなかった時代だから、厚生労働省などに要望に行っても門前払いだ。まず実態を把握しようと、親のニーズを調査した。都道府県と政令指定都市にアンケートをとり、各自治体の取り組み事例も報告書にまとめた。
 「熱意による運動から、戦略を立て具体的に動く運動に変化した。企業人の経験も生きた」
 二〇〇三年に会長に。〇六年に社会に理解もしてほしいと、LDなどについて説明した冊子を十二万部作った。ほかの障害の団体とも連携をとり、情報を共有した。
 途中、転職も経験した。大学卒業後に勤め始めた銀行を、経営破たんする三カ月前に辞め、友人に誘われた外資系保険会社に入社した。親の会の活動に快く送り出してくれる気風があり幸いした。
 世の中が動き始めたのは、二〇〇〇年ごろからだ。注意欠陥多動性障害(ADHD)や高機能自閉症などとともに診断基準が明確になり、社会的な対策が必要だという認識が生まれた。普通学級に在籍しながら特別支援クラスに通って個別に合った教育を受けられる小学校での「通級」が昨年、やっと認められた。同年、会は、教育分野のすぐれた実践に贈られる「博報賞」を受賞した。
 「わが子のことは、妻にすっかり任せてしまったけれど…」と反省しつつ言う。
 「これで緒に就いた。発達障害のあるなしにかかわらず、子ども一人一人の成長に適切な支援が得られる社会になってほしい。ハードルはまだまだ高い」
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