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書字障害に「入試でパソコン使用認める」−鳥取大学の事例を読売新聞が紹介しました [2013年12月28日(Sat)]

「読売新聞」が12月27日、以下のような記事を掲載しました。

(1)パソコン使用 入試で配慮
 「大学全入」時代の到来で入学生が多様化し、知的な発達の遅れはないが、学習や行動面で困難がある発達障害の大学生が増えてきた。
 高校まで特別支援教育で一人ひとりに応じたサポートを受けてきた、こうした学生を、大学でどう支援するか。現状と課題を探った。

「画期的ケース」
 大学入試での配慮が、発達障害の学生の未来を開いたケースがある。
 今月6日、鳥取大(鳥取市)の演習室で行われた「地域政策学ゼミ2」の授業。「憲法9条は他国にとっても戦争抑止力になるのではないか」と男子学生が発言すると、議論が一気にヒートアップした。
 問題提起したのは、地域学部地域政策学科2年の斉藤真拓まひろさん(22)。斉藤さんは発達障害の一種、アスペルガー症候群だ。人間関係を築いたり、曖昧な表現を理解したりするのが苦手。聴覚過敏でもあり、雑音を減らす機能があるヘッドホンを授業中でも欠かせない。
 以前から数学が大好きだった。「数式の無駄のなさと機能美」にひかれた。特別支援学校高等部2年のとき、教師から「大学で勉強した方がいい」と助言を受けたのをきっかけに、進学を目指すように。しかし、受験の際に最大のネックとなったのは、「書字障害」があることだった。
 文章の読解力は人並み以上だが、文字を書くのに困難を伴う。「漢字は小学2年生レベル」と診断を受けたが、パソコンのワープロ機能を使えば、難しい文章でもすらすらと書ける。障害や病気を抱えた若者の進学を支援するプログラムに参加し、地元の同大のAO(アドミッション・オフィス)入試を受けることを決めた。2011年秋の試験では小論文が課されたが、パソコン使用を認めるよう診断書などを添えて申請した。
 パソコン使用の申請は、同大にとっても初めてのケースだった。ワープロの漢字変換機能を使えば誤字脱字が減り、他の受験生との不公平を生みかねない。一方で、障害への合理的配慮という側面に立てば、認めるべきだとの意見も出た。
 「例えば、手が動かせない障害がある受験生がいれば、代筆での受験もありえる。能力がある受験生への門戸を、手書きという方法にこだわって遮断してしまう方が問題が大きいとの結論に達した」。藤田安一・同学科長(61)はそう説明する。
 斉藤さんを支援した近藤武夫・東京大先端科学技術研究センター准教授(37)によると、入試でのパソコン使用は身体障害者で前例があるが、発達障害者に対して認められたのは初めてという。「手書きかワープロかという表現手法よりも、頭の中にある考えを論理的に表現できるかどうかをみた鳥取大学の判断は、発達障害者への合理的配慮を示したもので、画期的なケースだ」と評価する。

大学院目指す
 斉藤さんは小論文に加え、個人面接、集団討論でも上位の成績で合格。今は大学院進学を目指し、充実したキャンパスライフを送る。「日本では障害者の社会進出は、人権面ばかりから論じられてきた。統計学などを用いながら、経済効果という観点からその重要性を行政に働きかけられる研究者になりたい」
 斉藤さんの入試の際に試験官を務め、今は指導役となる相沢直子准教授(47)は「論理的思考力に優れ、いつも論点となるテーマを提示してくれる。学ぶ意欲も高く、他の学生にも刺激になっている」と話す。
◇診断ある学生 前年比394人増
 日本学生支援機構の調べでは、2012年5月1日現在で発達障害の診断がある大学生は1573人(前年比394人増)だった。大学から何らかの支援を受ける学生は、診断書がない者を含めると3508人(同590人増)。支援を申し出ていないケースも多いと推測されている。
 11年の大学入試センター試験から、発達障害の人も試験時間延長などの特別措置を申請できるようになったが、パソコン使用は含まれていない。また、16年4月からは「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行され、障害学生への差別禁止と合理的配慮の提供が、国公立大では義務化、私立大では努力義務化されることになり、支援態勢整備が急がれている。
(2013年12月27日 読売新聞)