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拡大教科書等を発達障害のある児童生徒にも、著作権法に初めて発達障害への「配慮」を盛り込む (03/07) 執筆者
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障害持つ学生、最多1万4000人、うち発達障害2722人(2014年5月1日時点 ) [2015年04月20日(Mon)]

「日経新聞」(4月20日付け)に以下のような記事が掲載されました。
 共同通信の配信です。

 障害のある大学、短大、高等専門学校の学生は2014年5月1日現在で、1万4127人だったことが10日までに、日本学生支援機構(JASSO)の調査で分かった。13年度から678人増え、05年度に調査を始めて以来、過去最多だった。
 JASSOの担当者は「障害者への社会的な理解も深まり、大学の支援体制も整ってきていることで、進学しやすくなっているのではないか」と話している。
 調査には全国の国公私立の全1185校が回答。障害者手帳を持っている学生や、健康診断などで障害があると分かった学生を集計した。
 障害者が在籍していたのは全体の70%に当たる833校。障害種別では、病弱・虚弱が3037人で最も多く、発達障害2722人、肢体不自由2534人、聴覚・言語障害1654人と続いた。
 授業の際に何らかの支援をしている学校は639校。支援の内容は障害に応じて(1)使用教室や座席の配慮(2)聴覚障害者のため授業内容を要約して伝える「ノートテイク」(3)手話通訳(4)休憩室の確保――などだった。
 JASSOは今後も教職員向けの研修などを実施して、支援体制の充実を図りたいとしている。〔共同〕
発達障害者支援法の10年で相談は4倍に [2015年03月20日(Fri)]

「北海道新聞」が3月17日に、以下のような記事を配信しました。

発達障害の相談4倍に 支援法10年、周知進む 

 自閉症や学習障害(LD)、アスペルガー症候群などの発達障害について、2013年度に全国の「発達障害者支援センター」に寄せられた相談は約6万8千件に上り、統計を取り始めた05年度から約4倍に増えたことが17日、厚生労働省のまとめで分かった。
 発達障害者支援法の施行から4月で10年。他人との意思疎通や物事を計画的に進めることが難しいなど、障害の特徴が徐々に知られるようになり、受診できる医療機関を問い合わせたり、学校や職場の悩みを打ち明けたりする人が増えたとみられる。ただ件数は自治体間でばらつきがあり、人員不足や対応の遅れを指摘する声もある。

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気仙沼市で「発達支援を考える会」が発足 [2014年10月26日(Sun)]

きょうの「河北新報」が、以下のような記事を掲載しました。

震災で孤立… 発達障害児どう支援:宮城・気仙沼

 気仙沼市内の言語聴覚士らが25日、発達障害の子どもたちを支援する任意の勉強会「気仙沼の発達支援を考える会」を発足させた。専門家や保護者が連携し、個別の事情に応じて支援の在り方を学び合うのが狙い。東日本大震災後に支援に訪れた専門家の助言を受けての動きで、保護者は「悩みに寄り添ってもらえる場ができた」と歓迎する。
 市老人福祉センター「福寿荘」であった発足集会には、市内の医師や言語聴覚士、保健師、保育士ら約20人が参加した。
 今後は定期的に勉強会を開き、言語障害や自閉症などの発達障害への対応を学んだり、保護者からの相談に応じたりすることを決めた。代表には市立本吉病院の斉藤稔哲院長が就いた。
 発達障害がある小中学生は県内に1万人以上いるとされる。気仙沼市内に発達障害の子どもを支える専門家は少なく、保護者が仙台に出向いて相談することもあるという。震災では、避難所生活をためらうなど多くの家族が孤立した。
 発足を呼び掛けた同市唐桑町の障害者支援施設の言語聴覚士、小野寺清栄さん(54)は「被災地支援に駆け付けてくれた県外の専門家から、地元専門家の連携が不可欠だと言われ、背中を押された」と説明する。
 会には発達障害児の保護者も加わった。小学2年の息子に発達障害がある母親(41)は「発達障害かどうか分からない『グレーゾーン』の子どもへの支援も少ない。どう対応したらいいか、相談する場ができて心強い」と喜ぶ。
 小野寺さんは「発達障害を抱える子どもたちにとって理想的な支援環境を気仙沼に整えたい」と話した。考える会の連絡先は小野寺さん090(1934)8610。
発達障がいが「周囲から理解されている」と 感じる保護者は、わずか3割 (株)ウィングルの調査結果 [2014年04月02日(Wed)]

日経ビィズが4月2日、以下のように報じました。

4月2日からの「発達障害啓発週間」を前に、 一般・発達障がい児の保護者双方へ意識調査を実施

子どもの発達障がいが「周囲から理解されている」と 感じる保護者、わずか3割

依然として「発達障がい」の認知・理解が低い状況が明らかに

 障がいがある方を対象とする就労支援センター、子ども一人ひとりの状況に即したオーダーメイドの幼児教室・学習塾を全国展開する株式会社ウイングル(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川敦弥)は、厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」(4月2日〜8日)を前に、「発達障がいに関する意識調査」を実施いたしました。調査は、インターネットを利用し、ウイングルが運営する発達障がい児や発達が気になるお子様をもつ家族向けのコミュニティサイト「ふぁみえーる」( https://famiyell.net/ )の会員330名と、一般の20〜60代男女300名を対象に「ふぁみえーる」会員と一般の方とで別々の質問をおこないました。

【調査結果のポイント】
(1) 「ふぁみえーる」会員への調査から
A) 子どもの発達障がいについて、「周囲から理解されている」と感じる保護者はわずか3割
B) 約半数の保護者が、子どもの発達障がいがわかったとき、「自分の育て方が悪いせい」と感じた経験がある。さらに子どもの発達障がいについて、周囲から「保護者の育て方が悪いせい」と指摘された経験がある母親も半数近くに上り、発達障がいへの理解度の低さが浮き彫りに
C) 発達障がいの子育てに関する情報は「足りていない」が約7割。情報は「インターネット」・「専門機関や医療関係者」から主に入手しており、情報の信頼性では「専門機関や医療関係者」がトップ

(2) 一般への調査から
A) 発達障がいについて「特徴まで含めて知っている」のは約4割。6割弱が「発達障がい」について名前以上の知識を持っていない
B) 発達障がいについて「特徴まで含めて知っている」と回答した人でも、その原因や治療について誤解を持つ人が存在、女性に比べて男性で誤解度が高い傾向にあることがうかがえる

【調査概要】
(1) 「ふぁみえーる」会員への調査
 【調査対象】 発達障がい児または発達が気になる子どもを持つ保護者330名
・調査対象者(保護者)の年代 (男性:31名、女性:299名)
   10代〜20代:5名
   30代:124名
   40代:178名
   50代以上:23名

・調査対象者(保護者)の「発達障がい」または「発達が気になる」子どもの現年齢
   0〜2歳:14名
   3〜5歳:71名
   6〜8歳:98名
   9〜11歳:92名
   12歳以上:55名

・調査対象者の子どもの診断状況
発達障がいと診断されたことがある : 246名
発達障がいと診断されていないが、発達が気になる : 84名
【調査手法】 「ふぁみえーる」会員へのメールからアンケートフォームにて回答
【調査期間】 2014年3月上旬

(2) 一般への調査
【調査対象】 20代〜60代の男女300名(性・年代均等割付)
【調査手法】 インターネット調査
【調査期間】 2014年3月上旬

【調査結果詳細】
* 「ふぁみえーる」会員への調査
A. 子どもの発達障がいについて、「周囲から理解されている」と感じる保護者はわずか3割

Q. お子様の発達障がいについて、周囲から理解されていると感じますか(n=246)
 ・十分理解されていると感じる(4.1%)
 ・やや理解されていると感じる(26.4%)
 ・どちらともいえない(30.5%)
 ・あまり理解されていると感じる(32.5%)
 ・まったく理解されていないと感じる(6.5%)

子どもの発達障がいについて、周囲から理解を得られていると感じられるかを尋ねたところ、「理解されている」と回答した保護者(「(十分/やや)理解されていると感じる」と回答)は30.5%で、「理解されていない」と回答した保護者(「(あまり/まったく)理解されていないと感じる」と回答)の39.0%を下回り、保護者自身の実感として、周囲の理解不足を感じることが多いことが分かりました。

B. 約半数の保護者が、子どもが発達障がいと分かったときに、「自身の育て方に原因がある」と捉えており、同じく約半数が、周囲から「自身の育て方が原因」と指摘を受けた経験がある

Q. お子様が発達障がいと分かったとき、ご自身の育て方に原因があると思いましたか(n=246)
 ・とてもそう思った(34.6%)
 ・ややそう思った(14.6%)
 ・あまりそう思わなかった(37.4%)
 ・まったくそう思わなかった(13.4%)

Q. お子様の発達障がいについて、「自身の育て方に原因がある」と周囲から指摘された経験がありますか(n=246)
 ・ある(47.6%)
 ・ない(52.4%)

発達障がいは、先天的な脳機能障害が原因であり、育て方やしつけなど、保護者の育て方が原因ではありませんが、子どもが発達障がいと診断された際に、「自身の育て方に原因がある」と感じた保護者(「『とても/やや』そう思う」と回答)が半数近く(49.2%)に上りました。さらに、半数近くの保護者(47.6%)が、周囲から子どもの発達障がいについて「自身の育て方に原因がある」と指摘を受けた経験があると回答しており、発達障がいに関する正しい知識が不十分なことから、保護者が必要以上に自分を責めてしまう状況になりがちであることが示唆されます。


C. 「子どもの発達」に関する情報入手は専門家や書籍を抑えて「インターネット」がトップに、しかし7割近くが「情報が足りていない」と回答

Q. お子様の子育てや発達に関する情報はどこから入手しますか(複数回答) n=330
 ・専門機関・医師など医療従事者から(75.2%)
 ・幼稚園・保育園、小学校の先生から(27.9%)
 ・自信や配偶者の父親・母親から(9.7%)
 ・発達が気になるお子さんを持つ友人・知人から(43.9%)
 ・その他の友人・知人から(10.6%)
 ・インターネットから(76.1%)
 ・発達障がいに関する書籍から(64.2%)
 ・テレビ・新聞などのマスメディアから(22.7%)

Q. その中で最も有効と感じる情報源はどれですか(単数回答) n=330
 ・専門機関・医師など医療従事者から(43.0%)
 ・幼稚園・保育園、小学校の先生から(4.5%)
 ・自信や配偶者の父親・母親から(1.8%)
 ・発達が気になるお子さんを持つ友人・知人から(13.3%)
 ・その他の友人・知人から(1.8%)
 ・インターネットから(18.5%)
 ・発達障がいに関する書籍から(12.7%)
 ・テレビ・新聞などのマスメディアから(0.6%)
 ・その他(0.6%)

Q. お子様の子育てや発達に関する情報は、足りていると思いますか(単数回答) n=330
 ・十分足りている(2.7%)
 ・やや足りている(27.6%)
 ・あまり足りていない(51.5%)
 ・まったく足りていない(18.2%)

子どもの育て方や発達に関する情報の入手経路について尋ねたところ、「専門機関・医師など医療従事者から」(75.2%)をわずかに上回り「インターネットから」(76.1%)がトップとなり、子どもの発達について気軽に相談できる人が周囲に少ないなかで、インターネットが貴重な情報源になっていることが分かりました。「もっとも有効な情報源」では「専門機関や医療関係者」が43.0%と他を引き離してトップとなり、インターネットを活用して広く情報を集めるとともに、身近な専門機関や医療関係者の声からの情報を重視する保護者の姿が浮かび上がりました。
 一方で、子育てや発達に関する情報が「足りていない」と回答した保護者(『あまり/まったく足りていない』と回答)も、69.7%と7割近くに上っており、より一層、発達障がいの子どもを持つ保護者が子育ての参考にできる情報を増やしていくことが重要と思われます。

* 一般への調査
1. いまだに低い発達障がいの認知率。6割弱は「発達障がい」について名前以上の知識がない

Q. あなたは「発達障がい」という言葉を知っていますか(単数回答) n=300
 ・具体的な特徴も含めて知っている(7.3%)
 ・ある程度の特徴も含めて知っている(35.0%)
 ・名前だけは知っている(38.0%)
 ・名前だけは聞いたことがあるような気がする(13.3%)
 ・知らない/聞いたことがない(6.3%)

「発達障がい」ということばの認知度を尋ねたところ、その特徴も含めて「『具体的に/ある程度』知っている」と回答したのは42.3%と、過半数が発達障がいについて名前以上の知識を持っていないことが明らかになりました。男女別で見ると男性が38.7%、女性が46.6%となり、男性に比べてやや女性の認知度が高いことも分かりました。


今回の調査では、一般の方への質問から「発達障がい」について正しい理解をしている人は半数に満たないことが分かりました。また、周囲から「育て方に原因がある」と指摘された経験を持つ発達障がい児の保護者も半数近くに上っており、今後さらに、「発達障がい」に関して正しい理解の促進が必要であると考えます。

ウイングルでは、「障害者という言葉がない社会をつくる」というビジョンのもと、障がいのある方を対象とする就労支援センターを全国38箇所で展開しており、子ども一人ひとりの状況に即したオーダーメイド学習教室「Leaf」を首都圏計35箇所で展開しています。また、発達障がい児や発達が気になるお子さまを持つ家族の応援サイト「ふぁみえーる」の運営も行っており、1万2千人を超える会員登録をいただいています。今後も、障がいのある方や子どもの支援とともに、その家族にとってもよりよい生活を送っていただけるように、必要な情報を発信してまいります。


【ウイングルについて】
ウイングルは、2005年12月設立以来、日本における社会問題としての「障がい者雇用」分野に着目し、一法人としては全国最多となる全国38拠点(2014年3月時点)で事業所を展開しています。企業向けの障がい者雇用支援から始まった事業は、現在では障がい者向け職業訓練事業、そして障がい者の家族向け事業や教育事業など、その領域を広げています。幼児教室「リーフジュニア」を首都圏22箇所、学習指導施設「リーフプログレス」を首都圏13箇所(2014年3月時点)で開校しています。詳細は http://www.wingle.co.jp/ をご覧ください。

本件に関するお問合わせ先
株式会社ウイングル
三谷・井上
TEL:03-5704-7355
自閉症児の脳、妊娠中に障害が発生か アメリカで研究報告 [2014年03月29日(Sat)]

 AFP通信が3月29日、以下のような記事を配信しました。

【3月29日 AFP】自閉症児の脳には障害が点在しており、このことは自閉症という発達障害が胎児の段階ですでに始まっていることを示唆するという米研究結果が26日、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。
研究チームは研究結果について、自閉症が出生前に起因することの「直接的な証拠」と説明している。米国における自閉症の発症率は最大に見積もって88人に1人と高いが、未だ治療法が確立されていない。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の「自閉症COE(Autism Center of Excellence)」主任を務める同論文の共同執筆者、エリック・クーチェスン(Eric Courchesne)教授(神経科学)は、「脳の6層構造の皮質は、出生前に形成される」と説明した上で「自閉症児の大半でこれらの層の発達が阻害されている部分が点在しているのを発見した」と述べた。
研究チームは、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された後に死亡した2〜15歳の子どもの脳組織を摘出した。子どもたちの主な死因は水死だった。「皮質にはっきりと一貫性のある独特なパターンを表す」ある特定の25の遺伝子セットを探し、自閉症のない子ども11人の脳組織と比較した。
その結果、自閉症児の脳の91%で、脳の皮質の複数の層でそこにあるべき遺伝子マーカーが欠損しているか、あるいは異常なパターンを表していることが判明した。この組織の混乱の兆候は、脳の中でも社会的機能やコミュニケーション、感情、言語をつかさどる前頭葉と側頭葉の複数の層に点在していた。
研究チームは、自閉症につながるとみられるこの変化が一部の子どもだけに発生する原因は依然として分からないと述べている。
一方、障害が点在していることが分かったことで、なぜ自閉症がさまざまな度合いで人に影響を及ぼすのかについて説明がつくかもしれない。また、子どもの一部が早期診断から集中治療によってコミュニケーション能力を高めることについても、機能不全に陥っている脳の部分を克服するために、脳神経の一部は接続の配線を換えることができると考えることで説明がつくかもしれない。
「自閉症スペクトラム障害」の客観的な診断方法にむけた研究が東大病院で [2013年09月26日(Thu)]

「マイナビニュース」が 9月24日(火)9時32分配信 した記事を紹介します。発達障害の診断は操作的な診で行われていますが、生物学的な方法でより客観的にできるかどうか、興味深いニュースですので紹介します。

「自閉症スペクトラム障害」の客観的な診断方法の確率に前進 - 東大病院

 東京大学医学部附属病院(東大病院)は9月12日、対人コミュニケーションの障害を主な症状とする発達障害の「自閉症スペクトラム障害」の客観的な評価方法を開発するため、網羅的に血液中の代謝産物を調べる「メタボローム解析」を行った結果、自閉症スペクトラム障害を持つ群では、アミノ酸の1種「アルギニン」など、4つの代謝産物の血液中濃度が健常対照群に比べて偏りがあることがわかり、この4つの代謝産物の血液中の濃度を利用することで、自閉症スペクトラム障害か健常対照かを約80.0%という高い確率で判別できたと発表した。
 成果は、東大病院 こころの発達診療部/東大大学院 医学系研究科 こころの発達医学分野の桑原斉助教、同・病院 精神神経科/同・研究科 精神医学分野の山末英典准教授、同・研究科 精神医学分野の笠井清登教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、9月19日付けで米オンライン科学誌「PLoS ONE」電子版に掲載された。
 自閉症スペクトラム障害は、一般人口の100人に1人以上で認められる代表的な発達障害だ。(1)対人相互作用の障害、(2)言語的コミュニケーションの障害、(3)常同的・反復的行動様式、という3つの中核症状すべてを有する自閉症から、(1)と(3)だけを有する「アスペルガー障害」、(1)だけを有する特定不能の「広汎性発達障害」までを含む概念だ。自閉症的な特性は、重度の知的障害を伴った自閉症から、知的機能の高い軽度の自閉症を経由し、対人関係上でいわゆる変わり者といわれるような正常範囲の人まで続く、連続的なスペクトラムを形成するという考えに基づいている。
しかし、現在の診断は、主として本人との面談や行動観察、養育者からの聞き取りによって実施されていて、診断の正確さが診断を行う専門家の主観に影響されているという課題がある。多くの研究が、生物学的な客観的指標による自閉症スペクトラム障害の診断を目指して実施されてきたが、実際の臨床で使用されている生物学的検査は現在のところ存在していない。
 近年、100種類以上の代謝産物を網羅的に測定することができるメタボローム解析の技術が発展し、自閉症スペクトラム障害に関しても尿中のメタボロームを解析した研究が報告されている。その一方で、血液中の代謝産物を自閉症スペクトラム障害で測定した報告はこれまでなかった。そのため、血液中の代謝産物を網羅的に測定することで、自閉症スペクトラム障害の客観的指標を開発できる可能性があると研究チームは考察。そして、今回のメタボローム解析が実施されたというわけだ。
 メタボローム解析とは、生体内に核酸(DNA)やタンパク質のほかに存在している、酵素などの代謝活動によって作り出された糖、有機酸、アミノ酸などの低分子の代謝産物(メタボライト)の種類や濃度を網羅的に分析・解析する手法のことだ。外部からの刺激(温度や光など環境の変化や薬物摂取、食事など)や疾病などにより代謝が変化すると、血液、尿、組織、細胞、液胞などの中に存在する代謝産物の種類や濃度に変化が起こる。その変化を分析することにより、生物学的マーカーの探索や代謝の生化学的仮説立案・検証が可能となる仕組みだ。
 そのメタボローム解析は、2回に分けて実施された。1回目の測定は10名の自閉症スペクトラム障害群と10名の健常対照群、2回目は1回目と異なる15名の自閉症スペクトラム障害群と18名の健常対照群の血中濃度が比較されたのである。いずれも100種類以上の代謝産物が同時に測定されたが、1回目と2回目で共通して認められた結果は、アルギニンと「タウリン」の上昇、「5-オキソプロリン」と乳酸の低下だった(画像1)。
 そして、これら4つの代謝産物の濃度の違いを利用することで、有意に高い確率で自閉症スペクトラム障害か健常対照かが判別されたのである(1回目:80.0%;2回目:78.8%)。またアルギニンの上昇の程度は、対人交流や学校や職場での問題の程度などに基づいて精神科医が評定した生活機能の全体的評定の低下と関連していることも判明したのである(画像2)。以上の結果から、アルギニンを初めとする4つの代謝産物の血中濃度を使うことで、自閉症スペクトラム障害の客観的な診断ができる可能性が示された形だ。
 なおアルギニンは天然に存在するアミノ酸の1つで、生体内では尿素回路の中間体として生合成される。必須アミノ酸ではないが、生体内で必要な量を合成できない成長期には摂取が必要と考えられている物質だ。代謝産物である一酸化窒素を介して、成長ホルモンの分泌促進、免疫機能の向上、脂肪代謝の促進など、生体内で種々の機能に関与していることがわかっている。
 ただし、これらの代謝産物の異常が自閉症スペクトラム障害の原因なのか、あるいは逆に自閉症スペクトラム障害に起因するものなのかは、今回の研究では明らかにはなっていない。自閉症スペクトラム障害のどのような特性と関係があるのかも含め、将来の診断・治療技術の確立に向けて、病態と代謝産物の機能的な関連を引き続き検討する必要があるとしている。また、今回の結果が普遍的な事実であると確認するためには、より多数の研究参加者による再現研究が必要であると考えられるという。今回の研究結果からは、合計で50人〜150人程度の研究参加者が必要だと試算できたとしている。

通級指導の児童・生徒、7万人超える 公立小中学校 「朝日新聞」の報道です [2013年05月14日(Tue)]


「朝日新聞」が5月14日付で以下のように報道しました。

 心身に障害があり、公立小中学校で特別の授業(通級指導)を受けている児童・生徒が、昨年度初めて7万人を超えたことが分かった。文部科学省が14日、調査結果を発表した。同省は「学校側の受け入れ態勢が整ってきた影響ではないか」とみている。
 調査は全国の公立小中学校が対象。通常学級で学び、一部で通級指導を受ける子どもは計7万1519人(前年度比6159人増)で、内訳は小学6万5456人(同5292人増)、中学6063人(同867人増)。合計数は公立校の児童生徒全体の0・7%にあたる。
 障害の種別は、多い順に(1)言語障害(3万2674人)(2)自閉症(1万1274人)(3)学習障害(9350人)(4)注意欠陥多動性障害(8517人)――など。(2)〜(4)は「発達障害」と呼ばれ、5年間で人数が2・8倍に増えた。
 障害のある子の教育については、学校教育法が改まった2006年から、通常の学校でも態勢整備が進められている。10〜12年の3年間で、全国の担当教員数は1割増えたという。
消えるアスペルガー症候群 米診断手引19年ぶり改訂で 「朝日新聞」が4月30日に配信した記事を紹介します [2013年05月01日(Wed)]

消えるアスペルガー症候群 米診断手引19年ぶり改訂で
2013年4月30日 朝日新聞

 【行方史郎=ワシントン、土肥修一】
 日本でも広く使われている米精神医学会の診断の手引(DSM)が5月に改訂され、発達障害の一種「アスペルガー症候群(AS)」の分類が消える見通しだ。「適切な支援が受けられなくなる人が出る」などの不安が米国で出ており、日本の臨床現場への影響も出そうだ。
 ASは、言語発達の遅れや知的障害はないが、対人関係を築くのが苦手なのが特徴で、「アスペルガー障害」とも呼ばれる。「軽い自閉症」と見なされることもあり、19年ぶりに改訂されるDSM第5版では、重い自閉症からASまでを連続的に捉える「自閉症スペクトラム(連続体)障害」に一本化される。
 診断に使う項目も改訂版では、「社会コミュニケーションの障害」「限定した興味や反復行動」に絞る。改訂に関わったグループは「第4版の基準は医師によって診断名が違ってくる」などとし、「より正確な診断が可能になる」としている。
 だが、米エール大の研究グループが、第4版でASと診断される人のデータを第5版で診断し直したところ、4分の3の人が、自閉症スペクトラム障害に該当しなくなった。
 そのため、今後は同じような障害を抱えていても診断で除外され、コミュニケーション技術の支援教育などが受けられない可能性があるという。さらに、現在、ASと診断されている人の間でも、診断名がなくなることへの不安の声が出ている。
 日本の発達障害情報・支援センターによると、ASの人は約4千人に1人と言われている。ただ、障害が軽くて厳密には自閉症と診断されないが、ASと似た状態を含む広義のASは、数百人に1人とされる自閉症よりも多いという。
 「ニーズに合った適切な支援が望ましい」とされるが、日本自閉症協会会長で精神科医の山崎晃資さんは「臨床の現場でどのような影響が出るか注意深くみていく必要がある」と話す。
 発達障害は多様な障害を含み、何度も診察して診断する必要がある。山崎さんは今回の改訂で「よく診察されず、『自閉症スペクトラム障害』と診断される人が逆に増えるかもしれない」といい、適切な支援が遠のく可能性を危惧する。
 国立精神・神経医療研究センターの神尾陽子・児童・思春期精神保健研究部長は「診断基準を理解しやすくするため、学会が指針を作成したり、診断が難しい場合に評価、助言をする専門機関を整備したりするべきではないか」と話す。
     ◇
 〈自閉症スペクトラム障害とアスペルガー症候群〉発達障害情報・支援センターによると、自閉症は(1)対人関係をうまく築けない(2)他人との意思疎通がうまくできない(3)興味や行動がパターン化しているという特徴を持ち、半数以上は知的障害を伴う。
 「自閉症スペクトラム障害」は、近い状態を一体として扱う考え方で、日本でも定着してきている。
 広い意味で自閉症に含められることもあるアスペルガー症候群は、言語発達の遅れがなく、知的障害も見られないのが特徴だ。
 「状態を正しく理解し、個々のニーズに合った適切な支援につなげていく」ことが必要とされる。
文部科学省が、特別な支援が必要な児童が6.5%いるという調査結果を公表 [2012年12月06日(Thu)]

 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課が12月5日、「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」を公表しました。
 この調査の結果について、文部科学省は「発達障害のある児童生徒数の割合」を示すものではなく、発達障害の可能性のある「特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意する必要がある」としています。
 報告書は、ここからダウンロードして下さい。→121205.pdf

 
映画監督のスティーブン・スピルバーグさんが学習障害(ディスレクシア)を告白 [2012年10月04日(Thu)]

映画監督のスティーブン・スピルバーグさんが学習障害(ディスレクシア)を告白し、話題になっています。『朝日新聞』デジタル版からご覧下さい。
http://www.asahi.com/international/update/1003/TKY201210030452.html
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