先週、会社帰りに
NPO法人育て上げネットの若者支援者 井村さんを訪問しました。井村さんとは立川の地域活動「あたみ会」でご一緒させていただいており、その引き継ぎがありました。
あたみとは、
立川市曙町、高松町、緑町のお役に立ちたい!と考える有志による地域活動で、今は子どもと高齢者の居場所と出番をつくる取り組みを中心に活動しておりますが、基本的には
地域の人なら誰でも気軽に来れる多世代交流の場を目指しておりますので、対象は貧困家庭などに絞っておりません。スティグマ(偏見)をつくらないことが、結果的に困っている状況の人に届くと考えているからです。運営メンバーは、民生委員、児童館長、法政大学の学生、地域包括センター、社会福祉協議会の方、若者支援者、一般企業で働く人など多様で、このメンバーで
多様な人がこの立川で共に住み合っていくことを可能にする知恵や仕掛けをためていっています。
<参考>明日は立川あたみ塾開催です!
https://lineblog.me/comriap/archives/50541.htmlこの活動の中で、特に印象に残っていることがあります。立川の通信制高校に通う絵の得意な女子高生が「似顔絵 イラストかきます」コーナーを昨年の秋から始めました。500円かお菓子との交換で似顔絵をお願いできるというものです。
このコーナーが始まった経緯としては、井村さんのある思いがありました。実は、育て上げネットでは、彼女が通う通信制高校で「高校内居場所カフェ事業」という高校内の居場所づくりに3年前から取り組まれています。そして、ここで彼女と出会ったのだそうです。
ここは、若者支援者や地域住民がカフェ運営のボランティアとして高校内に入り、学生と交流する場です。若者支援者が顔なじみのカフェの店員となることで、学生が「大人に相談する」ハードルを下げていることが特徴です。NPO法人育て上げネット井村さんが高校に働きかけ、3年前にカフェが出来たそうです。そして、今は高校内無料託児所まであるのです。
東京都立砂川高校通信制の教育活動@〜公立通信制高校に通う学生たちが置かれている環境とは〜
https://blog.canpan.info/hataraku/archive/123
東京都立砂川高校通信制の開かれた学校〜地域に開放する高校内居場所カフェと高校内無料託児所〜
https://blog.canpan.info/hataraku/archive/124この女子高生は複雑な家庭環境の中で育ち、絵を描くことが唯一の心の拠り所だったそうです。
だから、彼女は電車の中で立っている状況でも、似顔絵を5分で描けるという特技をもっています。そこで、井村さんが特技をワンコインで稼ぐ力に発展させていこうと、特技を収入に変えていこう、と提案しこの企画がスタートしました。
これが、私の似顔絵です。(実はここには感動的なエピソードがあるのですが、ここでは割愛します。ちなみに、会社のoffce365のプロフィール写真に設定しています(笑))
<参考>ワンコインを稼ぐ力
https://lineblog.me/comriap/archives/51308.htmlそして、井村さんより、この女子高生が先日お母さんになったことを教えていただきました。10代で高校に通いながらの母親というのは本当に大変だと思います。一般の高校でしたら、学校に通うことはあきらめる方が多いのではないでしょうか。でも、せっかく入った高校を中退してしまうのはもったいないですし、この時代に中卒での就職は大変厳しいことも事実です。「高校を中退しない」ということは重要なんですね。
この通信制高校の中にある託児所は、高校内居場所カフェから派生したものです。
この高校には、2015年6月から無料の託児所が開設されました。きっかけは、試験のときに、学生夫婦が、1歳の子どもを抱えて、交代でスクーリングを受けていたのを見たことだったそうです。それから、副校長が、学校内に託児所を開設するための勉強をし、具体的な開設に向けて動き出されたとのこと。しかし、いざ開設しようとしても、「保育士不足」という大きな課題があったそうです。そこで、高校内居場所カフェの地域ボランティアさんに保育士の相談をしたところ、地域の子育てネットワークを紹介してもらい、地域の子育てネットワークを使って、7名の保育士さんにご協力いただけることになったとのことです。
年間の託児室の費用は年間の保険料のみで、1歳から5歳までのお子さんを預かることにしているそうです。学校に通うための保育費用をねん出するのも大変なことだと思うので、この託児所は、勉強したい学生を就学から遠ざけないためにも、大事なサポートだと思っていました。
そして、ここに彼女が繋がったというのが、何ともうれしいことでした。
育て上げネットが、この高校に通うみんなのために始め、それに共感した地域の人が広げて生み出された「高校内無料託児所」。そして、それが、多世代交流事業「あたみ会」につながった。これで、高校を卒業しても居場所はある。でも、居場所だけでなく、これから、地域で支えていくにはどうしたらいいか。
今、あたみでは彼女がデザインしたバッジをつくって、地域の方に寄付を集めています。半分は彼女の収入、半分はあたみの運営資金です。ここで一番大事だったのは、自分のためにここまで人が動いてくれるんだ、ということが伝えられたということです。
そして今、こんなプロジェクトも立ち上がりました。クラウドファンディングで、井村さんが『イラストを描くと製品化されてヴィレッジヴァンガードで売られる大賞』を見つけ、少しでもこれからの新しい生活の足しになればいいなぁとおもって、イラストを描くことをすすめてみたところ、見事、一次審査に合格!。
かぶるだけでぴょこっとお耳が!耳付きニット♩https://camp-fire.jp/projects/view/34476これからも、応援しますよーーー!みんなでね