最近、社会事業家100人インタビュー(
https://blog.canpan.info/iihoe/)という、世界のモデルとなる日本の社会事業家の大先輩から、ビジネスモデルづくりを学ぶ連続インタビューに参加しています。ここに参加して、毎回思うことは、みなさん「ハッピーオーラ」があるということ。もちろん、営利企業の事業家もオーラがあると思いますが、「何か」が違う。インタビューの内容も素晴らしいですが、どちらかというと、それを肌で感じたくて、毎回参加しているのかもしれません。
そんなことを考えていたときに、大学院の授業で「幸せ」について考える機会があり、自分が考える幸せ・幸福感とは何だろう、私が幸せそうに見える人の共通点って何だろう、と。
■幸せは「成功に先行する」以前読んだ「幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論 」(著者は、ハーバードで、ポジティブ心理学を教えていたショーン・エイカー)。この本の中で、興味深かったのが、
幸せは「成功に先行する」のであり、単なる「成功の成果」ではない。
幸福感そのものが競争力の源となる。「ハピネス・アドバンテージ(幸福優位性)」と呼ばれおり、これが、研究結果から証明されている、と書かれています。
私の場合、よく、「なぜ、無償のNPO活動を、こんなにプライベートの時間を使ってやれるの?しかも、3年も。」と言われることがあります。自分でも「う〜ん、なんでだろう。誰かのために立ちたいというだけじゃないことは確かなんだけれど、、」と結構悩んでいたときがあったのですが、この本を読んで
、「ギフターラボの活動を通じて、思いを行動に出すチカラが身に付いた。また、そのプロセスで予想以上にたくさんの人が助けてくれることに驚いて、自分は人(社会)に支えられて生きているのだと気づいた。また、自分が好きでやっていることが、誰かの役にも立っていて、ポジティブな連鎖が起きることがある」というのが「NPO活動の楽しさ・やりがい」なのかな、と。
つまり
「人と一緒に、自分が成長していることを実感できること(人の繁栄)」が、私にとっての幸せなのかもしれません。
■信じることが、その人の努力や行動を支配する本書によると、人は
「固定したマインドセット」を持つ人と
「成長のマインドセット」を持つ人に分かれるそうです。「固定したマインドセット」の持ち主は、自分の能力はもともと決まっていると考え、「成長のマインドセット」の持ち主は、努力によって、自分の基本的能力を伸ばせると信じています。「固定したマインドセット」の持ち主は成長の機会を逃し、常に劣った成果しか出せないのに対し、「成長のマインドセット」の人は常に能力が向上していくということが実証されたとのこと。
努力すれば、ポジティブな変化が起きると信じている人は、一生懸命努力し、無力感に屈しない興味深いのは
『信じることが、その人の努力や行動を支配する』ということ。私は、ギフターラボで、発達障碍児の強みを伸ばす支援をしていますが、子どもたちが成長していく中で、私たち運営メンバー、ギフター(ボランティア先生、支援者)、保護者の方が一緒になって子どもたちの強みを信じ、行動することが、彼らの潜在的可能性を最大にすることにつながるのだと思いました。一方、私たちが「固定したマインドセット」で接すると、彼らの成長を止めてしまうかもしれないのです。
■パラレルキャリアが幸福感を生み出すこれは、子どもの話だけではなく、大人に関しても同じことが言えると思います。私たち大人の潜在能力も、固定したものではなく、
支点を動かせば(マインドセットを変えれば)、あるいはてこの長さを長くすれば、より大きな力(レバレッジ)となります。
最近、本業のスキル(社会人経験)を、非営利活動に役立てるプロボノや、本業以外のキャリアを持つパラレルキャリアが注目されていますが、私は、ここにも、幸福感との強いつながりを感じます。
仕事を通じて得られた経験のレバレッジ化
↓
自分の強みを活かすことが、社会のためになる
活動に社会的意義を感じられることで満足感を得る
↓
やりがいを感じるので、熱心に長期間活動できる
↓
自分がリーダーシップをとるようになる
仕事では出会えなかった多様な人との出会いや刺激
↓
公私とも幸福感が生まれるこのような連鎖を作るきっかけを、私たちNPOがつくっていけたらいいなと。そして、ビジネスパーソンの新しい働き方には、「幸福感」というキーワードが、きっと入ってくるような気がします。