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自己肯定感を高める努力 [2015年08月22日(Sat)]
グローバルで活躍する人々は自己肯定感を強める努力をしている、何より国際競争力を高めるためには自己肯定感は必須であり、その背景には愛国心が影響しているという内容の記事。

経済成長を続ける国の国民は、なぜ愛国心と自己肯定感が強いのか。(http://diamond.jp/articles/-/77109

GAISHIKEI LEADERS(http://gaishikei-leaders.com/)の先輩方の自己肯定感の高さや「和魂洋才」というメッセージにも通じる。日本で、「自己肯定感」や「希望」という言葉が頻繁に出てくるようになったのは、いつからだろうか。この言葉の裏側には、それだけ日本社会・人間の劣化があるということを示しているのかもしれない。昔は、わざわざ訴える必要がなかったといえるのかもしれない。

平成26年版子ども・若者白書の国際比較データをみると

「自分自身に満足している」と答えた割合は45.8%。アメリカは86%。「社会現象が変えられるかもしれない」と答えた割合は30.2%。アメリカは52.9%。

一方、自国のために役立つことをしたいと思っている割合は,諸外国と比べて相対的に高く、日本54.5%、アメリカ42.4%。


この日本の閉塞感を打ち破るには、高い自己肯定感を持っている人が、低い自己肯定感の人に何ができるか、という視点が大事なのではないかと思う。

自己肯定感は、自分の努力も勿論あるけれど、自分だけで持てるものではない。生まれ育った環境等が大きく影響していることも少なくない。それは、子ども・若者自身ではどうしようも出来ないことが大半であり、そうなると運とも言えるのではないだろうか。

自己肯定感を高めるには、多様性のある緩い絆のある居場所が必要。このような場をいかに作っていけるか。それが、私たちにできることの一つなのかもしれない。

(引用)
「様々なバックグラウンドのメンバーが集まる場所においては、自分自身の価値観や存在が否定される場面に直面することも多いが、
自分の可能性を信じる人たちは、いくら打たれたとしても立ち上がり、彼らは日常的にポジティブな言葉の環境に身を置く努力や習慣により、
自己肯定力を強めている。」
「グローバルで活躍しているプロフェッショナルを見ていると、自分のパートナーや仲間を褒めてとにかく大切にしている。
自分自身で自分を励ますことも大切だが、自分を受け入れ認めてくれる土壌を増やすことが、さらに自己肯定を強くさせるのだ」

経済成長を続ける国の国民は、なぜ愛国心と自己肯定感が強いのか?
http://diamond.jp/articles/-/77109
他力本願、大切。1人でできるってそんなにすごいの?〜ルンバ的なコミュニケーション〜 [2014年03月09日(Sun)]
今週末は、4月からお世話になる立教大学の社会人大学院 21世紀社会デザイン研究科(http://www.rikkyo.ac.jp/sindaigakuin/sd/)の坂本文武先生が代表をされている、一般社団法人Medical Studio(https://www.facebook.com/medicalstudio.jp)のイベントに参加してきました。

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ここで、岡田 美智男さんの「他力本願なロボットが教えるケアの本質」という講演があり、いろいろな気付きがありました。

岡田さんは、豊橋技術科学大学 情報・知能工学系の教授で、最近の研究分野は、ヒューマン=ロボットインタラクション、ソーシャル・ロボティクス、コミュニケーションの認知科学で、「ゴミ箱ロボット」「トーキング・アリー」などの関係論的なロボットを開発しているそうです。

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ここで、ルンバのお話が。ルンバって、一人でお部屋を掃除してくれますが、部屋の壁にぶつかることを繰り返し、物(人)の支えを予定しながら、お掃除をしている。それって、人の人生に通じることがあるのでは?というお話でした。

他力本願なルンバとは

◆entrusting behavior:
投機的行為:どうなってしまうのかわからないけれど、周囲の環境や他者にゆだねている

◆grouding:
それを支える行為:周囲の環境がそれを支える行為


これは、誰でもできることではないけれど、少ないリソースで成果を求められ、人生をかけて未来を創る社会事業家・NPOリーダーには必要だと思いました。応援されるチカラ、この人を助けたいと思わせるチカラ、そして共感により他者を巻き込み、巻き込んだ人の長所を引き出せるチカラ。

現在の社会は、一人が全部できることを前提としているし、それができる人が評価されていると思います(学校・教育、企業・就労)。でも、それは、社会で活躍しないで人生を終える人がどれだけ多いのだろうかと、疑問に思います。(そのしわ寄せに合っているのが発達障碍をもった方だとも思っています)

一人で全部できる人って限られているし、特にNPOの仕事は、自分だけができるのでは広がらないし、みんなができるようにする必要があると思うのです。

また、障碍を持った人と健常者の違いは、「依存先の多様性」だというお話もありました。自立するということは、依存先を増やすこと(多様性)であり、依存先を増やすチャンスが限られているということは、自由がないということでもあると思っています。

私は、Gifter LABOの活動を通じて、自分自身が足りないところを、応援してくれる人を巻き込めるチカラを身につけたいと思います。でも、それには、岡田さんのお話にもありましたが、自分自身の「弱さ」を自覚しつつ、他との関係性を志向できるかが問われてくると思います。

自分自身の成長と、個性豊かな発達障碍児が活躍する社会=障碍を持った方も自由な生き方ができる社会を目指していきたいと改めて思いました。
NPOリーダーが次世代に伝えたいこと。 〜NPOリーダーに求められること。次世代を担う学生との関わり方〜 [2014年01月25日(Sat)]
今日は、さいたま市市民活動サポートセンター主催のイベント「伝えるチカラ・巻き込むチカラ〜市民活動の広げ方・進め方〜」に参加して、考えたことを書きたいと思います。

このイベントは、さいたま市が、埼玉のNPOなど155団体にアンケート調査を実施した結果をもとに、NPOの課題上位に上がったテーマについてのトークセッション。さいたま市は、NPO支援やCSRに力入れているので、今後注目です。

【議論1.NPOリーダー論。次世代に伝えるとは】

NPOリーダーに求められることって、何でしょうか。

『NPOリーダーとは、メンバーを指導するのではなく、パートナーとして付き合うことにより、自分の価値観を押し付けることなく、でも「相手の心を焚き付ける」ことができる人。そこから、深く議論・共に行動できる関係になることで、「次世代に想いを引き継ぐ」ことができる』

ということなのかなと思いました。
また、NPOにとって、世代間でのバトンタッチはとても重要です。

・50〜60代以上の方は、NPOで生きていくという、道なき道をつくってくれた方々。
・そして、いま私たちの世代は、NPOの持続性や戦略という進化を目指している。
・では、次の世代には、私たちがボールを渡した時、どういう進化をしていくのか?


それは、きっと、いまのNPOリーダーが、次世代に「想いをしっかり伝える」ことができれば、きっと彼らは私たちが想像もつかないような、未来を創ってくれると信じ切ることが大事なのではと思います。


【議論2:学生がNPOでのボランティアから得られること】

学生が、NPOでボランティア活動をすることで、得られることって何でしょうか。

●自発性と創造力を引き出すきっかけになる → 未来を切り開くチカラ

・社会貢献活動を行うことで、学生が潜在的にもっている自発性と創造力が発揮されることが少なくない

・学生の多くは、自分の将来の選択肢は限られていると不安に感じている。しかし、自発性と創造力を発揮することにより、新しい将来の選択肢を創り出す勇気と自信がもてるようになるのではないか。

●自分には「これしかない」と思いこんでいる学生が、多様な生き方があるということを知ることができる

・社会起業家やNPOスタッフの生き様を知り、社会には多様な生き方があり、自分らしく生きることに関心を持つ

・社会起業家やNPOスタッフ、プロボノ・ボランティアの社会人と出逢うことにより、人生の転機を得ている学生も多い

しかし、学生が自発性・創造力を発揮するには、ボランティアは強制であってはならないし、NPOリーダーは、彼らが「楽しく」「無理なく続けられているか」を、常に見ている必要があると思います。また、上記のような環境・出逢いをつくってあげることも、NPOリーダーの役割ではないかと思います。

最後に、84歳のNPO業界の大先輩が、

「ボランティアとは、強制や義務ではない、楽しみながらできる、社会への恩返しだ」

とおっしゃっており、会場にいる人皆が頷いていました。

そして、本来は、団体に入らなくても、個人(一人)でも出来るものでないといけないが、今注目されているボランティアは団体に依存しているところに、ブームを感じるというご指摘でした。確かに、最近は、ボランティア・NPO・プロボノがブームになっていると感じる方も少なくないと思いますが、ブームじゃ本当の意味で浸透しないし、ブームが去ったらどうなってしまうんだろうという不安もあります。

東日本大震災以降、寄付やクラウドファンディングも流行りましたが、3年近く経った今、確実に当時の勢いはなくなっていると感じます。

そうならないように、社会に対しても協力してくれるボランティアに対しても、成果・成功体験を提供していけるようにするのが、私たちの世代のNPOの役割でもあるのかもしれません。簡単なことではないですが。