CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« CSR/CSV | Main | NPO経営»
官僚がNPOに出向することが可能に〜民間・公共・社会の3つの垣根を超えて活躍する時代〜 [2014年07月30日(Wed)]
■官僚がNPOに出向することが可能に

2014年5月、官民人事交流法が改正され、官僚がNPOへ出向、NPOが政府へ出向することが可能になったそうです。

以前、ハーバード・ビジネス・レビューに、「トライセクター・リーダー:社会問題を解決する新たなキャリア」という特集がありました。トライセクター・リーダー(Tri-sector Leader)とは、民間・公共・社会の3つの垣根を超えて活躍する人材を言うそうです。政府にしか解決できない課題は年々減っており、民間が関わり、解決していこうとする流れが加速してきていると感じます。

それに伴い、企業、政府、非営利組織の境界は曖昧になってきており、持続的な発展のためには全てのセクターでの知見を集結させることが必要になってきているのだと思います。

とは言っても、急に企業、政府、非営利組織の垣根がなくなるわけではないので、まさに、私たちは時代の過渡期を生きていくということになるのではないでしょうか。そして、その過渡期を埋めているのが、「ソーシャルビジネス(企業内社会起業家)」や「事業型NPO(社会事業家)」の活躍なのかもしれません。

参考記事:
藤沢烈 BLOG
http://retz.seesaa.net/article/402661092.html

企業、政府、非営利組織の垣根を超えて活躍するトライセクター・リーダーとは?
http://atcafe-media.com/2014/04/15/tri-sector-leader/

■NPOに出向するメリット

では、官僚やビジネスパーソンがNPOに出向するメリットって何でしょうか。ある官僚の方のコメントを参考に、「企業とNPOの連携」という視点で、考えてみました。

1. 社会問題を異なる立場で見ることにより、新しい視点・ソーシャルビジネスにつながる可能性

・NPOの現場に入ることによって、違った立場から社会問題やNPOの活動内容(ビジネスモデル)を見ることができる。また、実際に生活している人の声も聞きやすくなる。それにより、自社の新しいビジネスチャンスにつながったり、商品・サービス開発に役立つ可能性。

2. NPOが抱える本質的な経営上の課題を知ることができ、効果的な支援・パートナーシップができる可能性。

・外からアドバイスするのではなく、NPOの中に入ることによって、NPOの組織が強くなるためには、何が必要なのか、実際に自分でもやってみる、ということができるというのは、企業とNPOの真のパートナーシップにつながるのではないでしょうか。
・助成金プログラムの企画・既存プログラムの見直し。

また、企業サイドから出向する人が誰か、というのも、「社会を変える」という点では大きなポイントかもしれません。先進的な考えをもっている(ポテンシャルのある)人だったら、組織内に新しいうねりを生み出してくれそうな気がします。

実際、私と同世代のビジネスパーソンの中には、社会的事業やソーシャルセクターに可能性を感じている人は少なくありません。彼らは、一方的な支援をしたいと思ってはおらず、双方にメリットがあるようなビジネスモデル、パートナーシップを望んでいますが、「では、実際に何をしたらいいのか」という点で悩み止まってしまっていることも多いように思えます。そのような時、こういった「業界は違っていても、最前線で闘っている人」たちが、一緒に問題解決に向けて活動できるような、企業⇔NPOの人材流入の仕組みがあると、新しいムーブメントがおきるきっかけになるのではないでしょうか。

一方、出向時の人件費の費用負担の問題などもあるようなので、課題もこれから見えてきそうですね。

「アドバイスするだけ」では社会は変わらないかも 〜プロボノ・ボランティアの気持ちを成果に結び付けたい〜 [2014年05月14日(Wed)]
最近、プロボノなど、ビジネススキルをNPO運営に役立てる、という素晴らしい流れがありますが、一方、結果的に成果に繋がっているのかなが?と疑問に感じることがあります。

これは、私も、以前、ある方(プロボノとして成果を出されている方)に指摘され、反省したことなので共有できればと。

私の感覚だと、プロボノのアドバイスの多くは、「目から鱗。そういう視点があったのか。今すぐやろう!」というよりかは「確かにそうだよね〜、でもうまく出来てないんだよね、、」という状況で、つまり、NPO側からすると『知らなかった』のではなく『やらなきゃいけないのに出来ていない』ことの方が圧倒的に多いと思うんです。(NPOスタッフは、プロボノの方にはそうは言わないかもしれませんが)。

NPO側も日々勉強し、実践をしてますから。その中で、出来ていないことがある。そして、その原因の多くが「人手不足」。であれば、いくら口頭のアドバイスをもらっても、状況は変わらない⇒社会は変わらない、のですよね。

私がその方から言われたのが、

@「それが大事なのはわかっている」人が、出来ていないのは何故だと考えているか?
Aその状況の中で、あなたの提案は、本当に今やるべきことなのか?
Bあなたは何が出来るのか?(コミットメント)


この3つをセットで提案しなさい、と。最初は、「(本業の仕事じゃないのに)厳しい〜」と思いましたが、よくよく考えてみると、本当にその通りだなと反省しました。
私は、特にBが大事で、このような状況で、コミットしない人の言葉は誰も聞かないし、@は人手不足、Aはよくわからないことも多いと思うんです。なので、先ず、自分が行動することが、大事なのかなと思っています。

その方は、確かに、いつもこの3つを実践されており、納期・コミットメントは必ず守ります。だから、彼の支援は成果に繋がっていることが多いのですよね。こういう人が、今後、プロボノとして求められる人なんだろうと。

とは言っても、みんなが、ここまで出来るわけではないし、もっとハードルの低い支援の方法というのも、大事だと思います。


玄道優子さんのブログ↓を読んで、今一度自戒をこめて書きました。
「行動者」が増えてこそ変化は起きる NPOが最も欲しい人財について語らせて!玄道優子の個人ブログより。
http://yukogendo.com/?p=554
「企業と比べたときの、NPOの強みって何だろう?」 [2014年01月14日(Tue)]
NPOの強みを活かした企業とのパートナーシップ。企業CSRの観点からも、今後重要になってくると思います。でも、「NPOの強み」って何でしょうか。先日、「企業と比べたときの、NPOの強みって何ですか?」と聞かれ、答えに詰まってしまった反省から、自分で少し調べてみたことを共有したいと思います。

今日は、坂本文武先生の「NPOの経営〜資金調達から運営まで〜」から。本書では、企業と比べた際のNPOの強みを、以下のように説明しています。(P.18)

1.専門性

現場に根ざした活動を行っているため、活動分野についての専門性が高くなります。介護や教育、環境保全や国際協力などの現場のニーズや問題点は、NPOがもっとも詳しいはずです。

生活している人の声を知っているのは、企業よりもNPOですよね。NPOは企業が入り込めない現場で顧客の声を聞けるからです。そこには、消費者が本当に必要としているモノ・サービスや、商品開発のヒントになるものがあるのではないでしょうか。

特に、これからのビジネスの主戦場として、顧客中心のサービス「生活支援」「生活提案」が出てきているという点においても、企業とNPOの協業の可能性を感じます。でも、具体的にどんな協業が考えられるのか?以下協業の例が挙げられています。(P.160)

(フランスベッド)
介護系NPOと連携して、介護用ベッドのテスト商品を現場で使ってもらい、その結果を基に商品開発。

(スターバックス)
国際協力団体「コンサベーション・インターナショナル」と協業し、生物多様性を破壊せずにオーガニックコーヒーを栽培して販売。


また、先日読んだ記事では、ベネッセコーポレーションは、進路など高校生の本音を引き出す対話の授業を行う「NPOカタリバ」に社員を参加させ、高校生の進路に関する悩みを直接聞き、感覚でニーズを知ることにより、商品開発に役立てているそうです。

どの例も、支援する(企業)>支援される(NPO)ではなく、企業がNPOを、顧客を熟知している対等なパートナーとして捉え、協業に至っています。先進的な企業は、NPOを通じて、本業と社会をつなげる価値を感じ始めているのではないでしょうか。


2.中立性

非営利を原則に活動することが、組織への信頼性を高めています。営利を目的としないことが明確であるため、第三者として客観的な立場を保つことができます。

利益追求が目的ではなく、社会的ニーズに応えることが目的であるということを明言することで、団体の中立性・信頼性は高まります。自分たちの利益のために活動しているのではない、ということを明確にしているので「信頼できる」→「応援したい(共感)」という気持ちが、企業よりも湧いてきやすいと思います。企業はNPOと協業することで、社会からの信頼性が高まり、一般の消費者からのイメージが変わるきっかけになるのではないでしょうか。

3.ネットワーク

地域に根差した活動は、非営利で中立的なネットワークを形成するのに適しており、比較的強いコミュニティを持てます。社会的地位を超えたフラットな人的つながりがあります。

これは、被災地支援活動をしているNPOを見ていて感じました。例えば、沿岸部の漁師さんを支援している団体、福島の子どもをしている団体、女性の就労支援をしている団体、それぞれ、地域の中に溶け込んでいき、キーパーソンと繋がることで強いネットワークを持っています。また、共感から始まるリレーションシップを構築しているので、フラットな関係を築けていると思いました。企業が、その地域や人々にサービスを提供したいと考えた場合、こういったNPOの力を借りることは有効だと思いますし、三者(企業、地域、NPO)の共有価値創造に繋がると思います。

4.即応性

緊急の社会ニーズにも対応できる柔軟性を持っています。特に、国際協力の現場において、政府よりも早い対応ができます。また、迅速にきめ細かい活動を行うことができるのもNPOの特色の一つです。


最後に、NPOと企業の協業は「協業することが目的ではなく、社会変革をするための手段」であるということを忘れてはならない、と本書では説明しています。企業のリソースを得るために、NPO側の信念を曲げて企業と連携するのは本末転倒であるということや、連携して協業する以上、お互いに成果を求め合うパートナーとして、評価の視点を持つことが、お互いのリソースを投資する価値を見出す取り組みに繋がるということです。

また、興味深かったのは、新規の商品開発や事業開発は、NPOの専門性を活かした連携の可能性が高いという見解もあり、NPO側が企業の課題や目標を理解したうえでアウトプットを行い、企業側もNPOの提案を待つだけでなく、積極的に企画に関与し、NPOの専門性を活かしたアドバイスを受けるような姿勢を意識するなど、お互いが歩み寄る努力が、企業とNPOをつなげるには必要だということです。

みなさんは、企業と比べたときのNPOの強みって、何だと思いますか?
また、企業とNPOが繋がるには、お互い足りないものって何だと思いますか?

営利と非営利の枠を超えた「社会貢献企業」 〜社会起業家とCSRという二つの潮流の合流〜 [2014年01月03日(Fri)]
今日は、先日読んだ、田坂 広志先生の『未来を予見する「5つの法則」』の中から社会起業家・CSRに関わる部分の内容共有と、今後社会が生み出していくであろう「社会貢献企業」とについて思ったことを書きました。

先ず、本書のP.140に書かれてある内容を一部ご紹介。
-------------
「営利企業」と「非営利企業」は、互いに「社会貢献企業」への進化する。

営利企業が「社会貢献」という点で非営利組織から学び、
非営利組織が、「経営基盤」という点で営利企業から学びながら、
両者が「相互浸透」をしている姿と言えます。

従って、これからの時代には、
この「CSR」と「社会起業家」という二つの大きな潮流が合流し、
その結果、そこには
「営利」と「非営利」という二頂対立を超えた、
「社会貢献企業(Social Enterprise)」と呼ぶべき
新たな企業組織の姿が生まれてくるでしょう。

引用:未来を予見する「5つの法則」田坂 広志 (著)

-------------

本書によると、「社会貢献企業」とは、本業を通じて社会に貢献するという明確な目標を掲げつつ、同時に、その本業を通じて、組織の運営、継続、発展のための『収益を確保』していくという
新たな企業組織の姿であり、今後多くの企業や非営利組織が「社会貢献企業」へ進化していくだろうと説明しています。

非営利企業から社会貢献企業への進化。これは、事業型NPOが良い例かもしれません。また、その他にも、「社会問題を解決する/社会を変える」ことをミッションとしている株式会社(ソーシャルベンチャー)も増えています。社会貢献企業は事業成功による社会貢献を目的としていることから、株式会社という事業形態をとることも一般的になるのではないでしょうか。

とは言っても、ピンと来ない方のために、事業型NPOの事例をご紹介します。

-------------
『特定非営利活動法人育て上げネット』
2001年に無業の若者(ニート、フリーター)を中心に、働くことに不安を感じるなど問題を抱えている若者、保護者等に対して自立支援を行うために設立された団体。
http://www.sodateage.net/

-------------

育て上げネットさんは、「政府も民間も対応できていない社会課題」に対して立ち向かい、無業の若者の就労支援を事業化し、成果も出されています。ボランティアではなく、より多くの困難を抱えた若者たちに支援を届ける「社会インフラ化」をすることを目指している点が特徴。スタッフも有給スタッフが殆どであり、新しい働き方・雇用(=新しい価値観)も創出。代表の工藤さんは、社会起業家として、企業CSRとの連携がとても上手です。私も勉強させていただいています。

NPOというと、ボランティア団体の延長線と思っている方も多いと思います。CSRについても、単発的な支援というイメージがある方が多いと思います。でも、既にNPOも企業CSRも、戦略的・持続可能な仕組み作りに取り組む流れになってきているのです。

「社会貢献企業」と共に、B to N(Business to NPO)ビジネス企業とNPOを跨ぐチカラ、が注目されてくると思います。実際、B to Nも、企業とNPOを跨ぐチカラを持っている人は、まだまだ少なく、企業とNPOをつなげることができる人材の育成は、今後重要になってくると思います。何より、私自身が最も身につけたいスキルの一つです。

社会問題解決の最前線で闘っている社会起業家、企業の中でビジネスの最前線で闘っているビジネスパーソン、この両者がパートナーとなり、同じ目標に向かって進んでいったら、日本に新しい価値観(働き方・生き方)が生まれ、日本の未来も変わってくるのではないでしょうか。

そして、まさに私の周りでも、その動きが出始めています。
外資系企業を中心とした、企業の中の最前線で働いているビジネスパーソンが、プロボノの中間支援組織『ENPOWER (※NPO法人申請中)』を立ち上げ、私も共同代表の一人として活動しています。ENPOWERとは、「NPO」に「EMPOWER(力を与える)」という意味の造語で、日本の社会起業家を支援する団体です。社会人経験豊富で志の高いビジネスパーソンが持っている職業スキル、また企業の仕組みを活用して、NPO向けサービスを提供することにより、『''世の中を変える力''を日本の社会起業家へ』というミッションを持っています。

そして、実は、メンバーの多くが、今までNPOやボランティアとは無縁だった方で、そういったビジネスパーソンが、社会起業に関心を持ち、自ら団体を立ち上げるというリーダーシップをとる姿を見て、時代が大きく変わってきていることを実感しています。

まだ、立ち上がったばかりですので、本格始動しましたら、こちらのブログでも活動報告をしていきたいと思っています!