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ひとりの人に【依存させない】という予防支援 [2017年11月17日(Fri)]
先日のパノラマ石井さんの投稿に

「弱った者を自分に依存させることは容易い。そして、依存されていない他者が、その依存を解くことは非常に難しい。」

とあった。

高校内居場所カフェの意義はここにもあるんだなぁと。
若者支援者やボランティアさんが普段から学生と信頼関係を築くことで、悪意ある大人が子ども・若者に近づいてきた時に【依存させない】という予防支援。
パノラマ石井さんのブログから「集団の中の孤独」 [2017年11月16日(Thu)]
・迷惑をかけられる人=依存先、がないということ。
 →自立するということは依存先を増やすこと
・スマホはすぐに生徒にとっての精神安定剤となり、それが唯一の“つながっていられている”安心となる。
・誰よりも自分を理解してくれている自称○○な男への依存はどんどん高まっていく。
・弱った者を自分に依存させることは容易い。そして、依存されていない他者が、その依存を解くことは非常に難しい。
・逃げる場所を用意もせずに逃げなさいと言う。「それができてたらそんなとこ行かないよ…、そんな人に会わないよ」そんな心の声に耳を傾けてあげてほしい。
・このようなことにこそ指導的ではなく支援的な介入が必要なのに、学校は「指導」をする。そして、例外や特別扱いをすることでバランスが崩れることを恐れ、中退という形の学校的解決を選択することで、自分たちの至らなさに蓋を閉めて終わる。

「孤独とは、人生の登場人物が少ないということだ。生徒たちの人生に、手を差し伸べてくれる登場人物を増やす、つまり社会関係資本を豊かにするためにできることを大人たちは職域を越えて考えるべきだ。そんな支援が重要だとぼくは考えている。」

集団の中の孤独〜座間市の死体遺棄事件で被害に遭った高校生について考えたこと〜
https://note.mu/npopanorama/n/na9514687d00a
NPO法人パノラマの正会員になりました!〜「高校内居場所カフェ事業」と支援しない支援「居場所居酒屋」〜 [2017年08月11日(Fri)]
NPO法人パノラマの正会員になりました!これまで、理事や共同代表というかたちでNPO法人の運営に関わったことはありましたが、「正会員」という関わり方は初めてです。

※NPOの正会員とは株式会社の株主のような役割です。NPO法人の総会で議決権があり、法人の運営に関する重要事項については意見を言うことができます。(ちなみに、株式会社のように出資した金額でのパワーバランスはなく、一人一票となります)

■NPO法人パノラマとは

パノラマは、引きこもりなどの困難を抱える若者を長年支援している石井正宏氏が代表となり、日本初の高等学校図書館内での居場所カフェ事業など、すべての人が社会に「フレームイン」されるための活動に取り組まれています。

''私たちNPO法人パノラマは、「すべての人々がフレームインできる社会を創る」をミッションに、既存の社会フレーム(枠組み)では収まり切れずに、社会的弱者となるリスクの高い子どもや若者たちなど、すべての人々がパノラマ写真のようにフレーム・インできる社会で活きいきと暮らせる社会を創るために、活動を開始しました。''

Not-for-Profit Organization PANORAMA Everybody Can Frame In
http://npopanorama.wixsite.com/panorama


■パノラマとの出逢い

石井さんのことは以前より講演会などで存じ上げていたのですが、パノラマとの本格的な出逢いは、2015年11月の高校内居場所カフェ「ぴっかりカフェ」に初めてボランティアとして参加したことでした。

日本初!高校内図書室での居場所カフェ事業「ぴっかりカフェ」のボランティアに参加してきました
https://blog.canpan.info/hataraku/archive/119

NPO法人パノラマ「ぴっかりカフェ」の1周年記念パーティーに参加しました!ー支援って何だろう
https://blog.canpan.info/hataraku/archive/122


ここは、若者支援者と地域住民がカフェ運営のボランティアとして神奈川県立 田奈高校内に入り、学生と交流する場です。若者支援者が学生の前では本職を隠し、顔なじみのカフェの店員となることで、学生が「大人に相談する」ハードルを下げていることが特徴です。

10代の若者は、自分の抱えている困難さが明確になっていなかったり、何に困っているかもわからないことが少なくなく、「自らの悩みに気付き相談する」という行動になかなかつながらないという課題があるそうです。ぴっかりカフェは、学生が石井氏や地域ボランティアと日々の交流から信頼を築くことで、自分が困った状況に置かれていることを認識するようになったり、そこから少しづつ対策を考えいくことにつながるため、困難が大きくしないという予防効果があるのです。

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一番奥にいる男性が、NPO法人パノラマ代表の石井氏。私の周りの女性は、ボランティアさんで、支援者や子供向けシェルターで働いている方。

■居場所居酒屋「汽水」を訪問

パノラマのもうつ1の活動である「汽水」は、『支援をしない支援を目指す』居場所居酒屋です。私は、石井さんの以下の問題意識に大変共感しました。

''若者たちが本当に話したいことは将来の働くコトではなく今のコトや、夢中になっている趣味の話なのではないだろうか。本当に聞きたい話は、先生と呼ばれる人やカウンセラーの話ではなく、町のおっちゃんやおばちゃんの面白い話なのではだないだろうか。

私たち支援者も専門性の肩書きを外せば、町のおっちゃんやおばちゃん、兄ちゃんや姉ちゃんのはず。だけど、支援の場ではなかなかこの肩書きを外すことができません。特に、常に成果を求められる国の委託事業で50分の雑談をするわけにはいきません。

要するに大人がしてあげたいことと若者がしてほしいことのニーズがマッチしていないのではないか? 私たちはそんな疑問を抱きました。

そこで「汽水」。私たちは“支援をしない支援”を目指します。専門性のない町のおじちゃん、おばちゃんたち(多様なロールモデル)と、社会に出にくい若者や、社会に出たもののサードプレイスを持たない孤立しがちな若者を月に一度、お酒も飲める居場所居酒屋というコミュニティ・スペースを作り出会っていただきたいと思います。

時には弾みでお説教もあるかもしれません、時には大人が若者に相談することだってあるかもしれません。私たちは、そんな「地域互恵型支援」を実現させたいのです。ただし、配慮が必要な若者へは私たちの専門性を発揮し、若者たちに安心を提供します。必要であればしかるべき支援機関を紹介することもできます。''



先日、やっと汽水を訪問できました。なんと、満員!!場所は、NPO法人スペースナナさんのコミュニティスペースです。

雰囲気はこんな感じです。(写真はパノラマのFacebookより)
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多世代交流の場。誰が支援者か、というのはこの居場所にはない。誰もが支援者とあり、誰もが支援を必要としている人ともなるというのがすごい。

大人は1000円で、こんなおいしい横浜のお母さんの手料理をいただけるんです☆
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和食から海外の食材を使ったものまで。普段自分が作らないようなお料理が多く、一品一品にストーリーがあり、それを聞いているだけでも勉強になります。

参加者は、地域の方、企業、メディア関係の方、若者支援者、介護事業に従事されている方、整体師さん、若者、占い師さんなど、多様でした。そして、ワイワイ楽しく話ながら、なんとなく、個人が抱えている生きづらさを話してみる場があったり、吐き出してみる場があったり。それが、「なんとなく」が良いのだろうなあと。あと、この居場所居酒屋は、いずれ高校内居場所カフェとも連携していくんだろうなあとか。

■パノラマの応援団

パノラマの特徴は、ボランティアさんをとても大切にしているところだと思います。若者支援の分野でボランティアさんをここまで活用できている団体ってほとんどないのではと思います。背景には、引きこもりや困難を抱えた若者の支援は「専門家の仕事」とされてきたからではないかと考えます。確かに、その通りな部分もあるのですが、でも、結局、普通の一般市民が若者と接することで偏見が変わっていかないと、彼らが生きやすい社会(ソーシャルインクルージョン)というのは訪れないのではと思うのです。

なので、こうやって、地域の人や一般市民を若者の協力者として巻き込んでいく活動はとても重要かと思います。

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パノラマ応援者での「すべての人をフレームイン」のポーズ

これからも、よろしくお願いいたします晴れ


NPO法人パノラマ「ぴっかりカフェ」の1周年記念パーティーに参加しました!ー支援って何だろうー [2015年12月08日(Tue)]
12月6日は、NPO法人パノラマが運営する高校内図書室での居場所カフェ事業「ぴっかりカフェ」の1周年記念パーティーでした。前半がトークショー、後半が懇親会。トークショー出演者は、

・石井正宏さん(代表理事/シェアするココロ)
・鈴木晶子さん(理事/インクルージョンネットかながわ 代表理事)
・松田ユリ子さん(理事/田奈高校学校司書)
・黒川祥子さん(監事/ノンフィクション・ライター)


という豪華メンバーでした。

この「ぴっかりカフェ」は、若者支援の専門家であるNPO法人パノラマ代表石井さんと神奈川県立田奈高校の連携による、高校の図書館をカフェにし、そこに支援者が常駐するという交流相談事業です。

この取り組みの良さを伝えるのは、なかなか難しいのですが、私の視点で説明すると

「出入り自由な高校内図書館カフェという形式をとることで、学生たちに自然なかたちでアプローチができる。困っていない時から顔見知りとなることで、日常の中で信頼関係を築くことができ、本当に困った時に相談できる相手となる。学生たちは、その時初めて、ギター好きのカフェマスターが、信頼厚い専門家であることを知る。」

でしょうか。これって、すごいことだと思います。

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すべての人をフレームイン!

■将来に対して複線的ななキャリアイメージをもてる

このぴっかりカフェには、他にも副次的な効果があると思います。
高校生にとっての将来は、塾にいって大学へいくことだけじゃないですよね。でも、具体的に、他にどんな選択肢があるのか、身の回りに、そのような大人は余りいないでしょうから、なかなかイメージがつきにくいかと思います。

ぴっかりカフェには、卒業生のボランティアや地域のボランティアが参加します。それも、相談とか支援をするために来ているわけじゃなく、ウエイター・ウエイトレス的に、そこに居ることから始まります。そこで、学生たちと一緒に話す人、話さない人など、その時々で違うようですが、自然なかたちで、年齢の近い卒業生や、親以上に年の離れた地域の方などとのコミュニケーションから、世の中には、いろいろな職業があるということを知れるのではないかと思います。

また、ぴっかりカフェが部活動の交流の場にもなっているようです。たとえば、日本文化を学ぶ茶道部は、それまであまり注目を浴びていなかったようですが、ぴっかりカフェで茶道を教えることで、学生から見た茶道部の印象が変わったり、日本文化に興味をもつ機会になるという効果もあるそうです。こういうのも、視野が広がりますよね。

そういえば、被災地でも、いろいろな大人・学生ボランティアが入ってきたことで、「こんな人生があるんだ」という職業の選択肢の多さ、それに気づいた子が多かったそうです。大学生や大人と出逢ったことが刺激になり、進路の選択肢が広がった。また、特に、もともと大学進学を視野に入れてなかった子に対して、刺激になっていたそうです。また、大学生と触れ合うことで、逆に大学に行きたいと思う子も出てきたと聞きました。

ぴっかりカフェにも、同じような効果があるのではと思います。

■「支援」って何だろう

トークセッションの中で、「支援をしたがる人は、居場所形式のぴっかりカフェの支援者には向いていないのではないか」という問いかけがありました。支援したがる人は、知らず知らずのうちに、支援者としての自己実現や支援を押し付けてしまっているというものでした。支援者は確かにそういうものかと思う一方、地域ボランティアは、様々な人がいて、ボランティアさんにそこまで求めるべきなのかどうか、はむつかしい課題だと思いました。「支援とは何か」というのは、考えれば考えるほど、わからなくなります。

話はそれますが、先日参加した被災地・子ども教育白書のセミナーでお聞きした被災地の高校生の話を思い出しました。東京の企業から被災地の高校に、就職支援(就職マッチング)というものが、結構あったそうです。そして、高校の先生が、そこに多くの学生を送ったそうですが、なんと、半年で半分の学生が地元に帰ってきてしまったということでした。東京に進路を決めた子が半分戻ってきたことは始めてだったことで、先生も困惑してしまったというものでした。

学生たちは、なぜ戻ってきたのか。東京で何を感じたのか。

東京では、みんな親切で、手厚いサポートがあったそうです。それに、学生たちは、ちやほやされることに違和感を感じた。親切だったけれど、それはなぜかを考えてしまったのではないか。また、東京の人は、震災のことなんて忘れていて、自分のトラウマとのギャップが違和感だったのかもしれない。自分だけ家族から隔離されたようにも感じてしまう。支援という名目でやったことをどう思うか

「就職など「結果の支援」をする前に、学生たちが喪失体験を自分の中でどう意味づけし、再構築していくか。その視点がないと、支援は本人にとって違和感のあるもの、より孤独にさせるものなのかもしれない。大企業から声をかけたことは、弱い者としてみなされている、上から目線の支援と感じるかもしれない。それは、逆に彼らの自尊心を下げたのかもしれない。支援とは、彼らの喪失体験を自分の人生の一部と認めつつ、自尊心を再現する機会をどうつくっていくか、ではないか」

という趣旨のお話でした。

自分自身で、現状を受け入れて、自分の価値を見出すことができるかどうか。現状を自分のものにできるかどうか。そのうえで、自己価値・自尊心を再現する機会をどうつくっていくか。特に、貧困家庭など困難を抱えた子どもたちは、そういう機会をつくりづらい。それを、支援者だけでなく社会はどのように創出していくか、という視点は、もしかしたら、田奈高校の学生を応援する人にも共通する部分があるのではないかと思いました。

■感想

ぴっかりカフェを始めて1年が経ち、課題のひとつとして、石井さんが日々のカフェ業務に追われてしまって、本来の交流相談に時間が割けていなく、今後は具体的な支援に結び付けていきたいとおっしゃってしました。

でも、この課題の背景には、カフェの認知が高まり予想以上に来店する生徒が多かったことや、石井さんの交流相談の質へのこだわり(目の前の1人の学生に集中したい)と対応可能人数の限界のジレンマがあるのだと思いました。今後は、コアメンバーとなるボランティアさんが増えてくることで、本来の目的が達成されてくるのではと思います。

また、質疑応答の中で、「いじめなど、ぴっかりカフェに会いたくない人がいる子は、図書館に行けないのではないか。そういう子へのフォローはあるのか」という、若者支援者の方からの質問がありました。たぶん、その方は「ぴっかりカフェは万能ではない」ということが言いたかったんじゃないかと思いました。

大人もそうですが、人間って「ひとり」にこだわってしまうものだと思います。「あの人」がいるからあそこに行きたい、「あの人」がいるからあそこには行きたくない。

私は、ぴっかりカフェというのは、既存の居場所をなくして出来たものではなく、選択肢として増えたという位置付けであれば、例えば、保健室や空き教室なども、ぴっかりカフェに行けない学生のための学校内居場所として、もっと積極的に改善されていてもいいのかな〜と思いました。

日本初!高校内図書室での居場所カフェ事業「ぴっかりカフェ」のボランティアに参加してきました [2015年11月23日(Mon)]
11月17日に、NPO法人パノラマの取り組みである、日本初の高等学校図書館内での居場所カフェ事業「ぴっかりカフェ」のボランティアに参加してきました。

この居場所カフェ事業「ぴっかりカフェ」は、若者支援の専門家であるNPO法人パノラマ代表石井氏と神奈川県立 田奈高校の連携による、高校の図書館をカフェにし、そこに支援者が常駐するという交流相談事業です。(2014年12月からの取り組み)

石井氏の問題意識は、今までの相談事業は、「相談する」という本人の意思がないと支援に結びつかないことであったそうです。このぴっかりカフェの特徴は、オープンで出入り自由な図書館という場所で、子どもたちが、相談するという意識なく相談員と出会うことができ、自然な関係性が構築できます。(石井氏は信頼貯金を貯めるという表現を使っています)。そこから、普段、なんとなく感じている(漠然とした)不安を、雑談の延長で話すことができるということが特徴です。

子どもからの直接のニーズがないと(本人も自分が困っている状況に置かれていることに気づいていないケースもある)、支援が遅れがちになりますが、そこをカバーする取り組みです。

<実施場所>
神奈川県立 田奈高校 図書館内
田奈高校は、生活困窮など、様々な課題を抱えた生徒が多く在籍している、クリエイティブスクールです。

<実績 (2015年10月末現在)>
・ぴっかりカフェ実施回数 35回
・ぴっかりカフェに来た高校生の延べ人数  3,699人
・ボランティアの数 66人 
2015年10月末現在、計35回の開催をし、延べ3699人の生徒が参加。
ボランティアは、延べ66人が毎回の運営を手伝っている。


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一番奥にいる男性が、NPO法人パノラマ代表の石井氏。私の周りの女性は、ボランティアさんで、支援者や子供向けシェルターで働いている方。

■そもそも「居場所」とは何か

居場所とは、もともと、「いどころ」「人が居るところ」などの物理的な概念でしたが、1980年代以降、子どもの不登校問題などから、「心の居場所」という、心理的側面を含んだ概念へ転じていきました。また、「子どもの居場所」への注目は、1980年代から登場したフリースクールであると言われています。

経済的環境、家庭・地域社会の変化により、子どもたちを取り巻く環境は、より一層厳しい状況になってきています。いじめ、不登校、引きこもり、自殺など、問題は深刻になる一方です。こうした中で、子どもたちの居場所というのは、物理的な場所の提供や、親が一方的に連れていく習い事などの場ではなく、子どもたちが【(親に頼らなくても)自らの力で、自らの居場所を見つけることができるような環境をつくること】、とりわけ学校において、安心していられる環境をつくることが必要になってきていると、私は考えます。しかし、現状、そのような居場所はほとんど存在していません。

■高校内の居場所事業「ぴっかりカフェ」とは

そういった問題意識を持っていた中で、このぴっかりカフェを知り、今回ボランティアに参加させていただきました。私は、このぴっかりカフェで、高校生が、若者支援の専門家の石井氏や、地域のボランティアと触れ合うことで、大きく分けて、3つの効果があると感じました。


@ 自分の悩みに気づくことができる
A 他者の経験を知る、他者との経験を増やす(=人の考えを知る=自分の考えを増やす)
B 自己肯定感が高まる(家族・先生以外の大人から認められる)


@については、以下にて臨床心理士の鈴木晶子氏が、大変わかりやすく書かれているため、こちらをご紹介したいと思います。

(2) ぴっかりカフェの二次予防効果
二次予防は早期発見です。早期に発見して、困難が大きくならないように働きかけていく機能
http://akikosuzuki.net/2015/07/08/%e3%81%b4%e3%81%a3%e3%81%8b%e3%82%8a%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e3%81%ae%e4%ba%88%e9%98%b2%e5%8a%b9%e6%9e%9c%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e4%bb%ae%e8%aa%ac%ef%bc%88%e5%be%8c%e7%b7%a8%ef%bc%89/


10代の若者は、自分の抱えている困難さが明確になっていなかったり、何に困っているかもわからないため、「自らの悩みに気付き相談する」という行動に、なかなかつながらないということです。

これは、私たち大人でもそうだと思います。少しズレますが、たとえば、「介護離職」という潜在的な問題を抱えている人はたくさんいます。でも、具体的に、それを相談したり行動に出す人はほとんどいないと思います。多くの人が、実際に介護が必要になってから気付き、事前準備もなく会社を離職していき、困難な状況に陥ってしまっています。

ぴっかりカフェは、石井氏とおしゃべりをしながら、自分がそういう状況に置かれていることを知り、少しづつ対策を考えいくことにつながるため、困難が大きくならないような二次予防効果があるのだと思います。

A他者の経験を知ることで、自分の可能性が広がるというのがあると思います。普段一緒に居る家族や友人との関係からは、なかなか、自分の新しい一面というのは見出しづらいものです。ですが、ぴっかりカフェのボランティアは、多様な社会人・卒業生で構成されているため、自分の新しい発見=希望が生まれる可能性があるのではないかと思いました。今、困難な状況だからこそ、いろいろな価値観をもった大人と出逢うことが重要なのではないでしょうか。

Bについては、子どもの好きなことや得意なことは、案外、親や先生以外の、利害関係の無い人の方が見つけられるものだったりすると思います。親や先生は「責任」があるため、マイナスの部分に目が行きがちですが、例えば、私のような第三者は「責任」がないため、子どもたちの良いところを見つけることに注力できたりします。

また、自己肯定感が高まるのは、子どもたちだけでなく、場合によっては、ボランティア(卒業生・地域の人)も当てはまるかもしれません。仕事や家庭で何か疲れてしまっていたとき、このぴっかりカフェで、子どもたちや石井氏と触れ合うことで、心が癒される効果もあるのではないでしょうか。どちらかが一方的に何かをするのではなく、一緒に「場」をつくっている雰囲気が、子どもたちから受け入られ、信頼に繋がっているのではないでしょうか。

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お昼休みに、図書室でくつろぐ高校生たち。お昼を食べながら、カフェのお菓子とドリンクを楽しむ子も


■「ぴっかりカフェ」にあって「地域主体の居場所」に無いもの

子どもの居場所が叫ばれている中で、最近では、「地域食堂」など地域の取り組みが出来始めています。しかし、現状、地域で運営されている居場所には、石井氏のような、専門家がいることはほとんど聞いたことがありません。また、対象も小(中)学生が中心となっており、思春期の子どもたちの地域の居場所というのは、あまり耳にしないように思います。今回のぴっかりカフェを見ていて、やはり、思春期の子どもたちと信頼関係を築くには、専門家のテクニックが効果を発揮するということ、また、子どもたちの「見えづらいSOS」を見過ごさない=支援に結び付けられる、というのが地域主体の居場所との大きな違いではないかと感じました。地域の居場所づくりなどの取り組みと専門家の連携という発展も、今後必要なのかもしれません。

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ぴっかりカフェでドリンクをつくるボランティアさん

■地域も受益者となる

最後に、この取り組みの魅力は、受益者がたくさんいるということだと思いました。一番は、言うまでもなく、在学中の高校生です。そのほかに、前述した卒業生や地域のボランティアへの効果、また、このような素敵な高校がある地域も、地域活性化の拠点となる可能性があると思います。

残念ながら、現在は、地域からは、田奈高校への偏見(過去の学校イメージや頭髪などの見た目)があり、厳しい状況だそうです。しかし、私が出会った田奈高校の子どもたちは、とても人なつっこく、ドリンクを渡すときも「ありがとう!」や「どうもね!」と一言いってくれたり、廊下で迷っていたら、向こうから挨拶をしてくれる子たちでした。

今の偏見がなくなり、地域から誇りに思われる学校になる日がきっとくるはず!そう思いましたし、そのお手伝いをさせていただきたいなと思います。

12219441_959907407421400_2257442656111918710_n[1].jpgぴっかりカフェを運営している図書室のエントランス

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ぴっかりカフェのメニューを書くボランティアさん