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熊本地震「トレーラーハウスの福祉避難所利用の検討開始」〜一般社団法人 協働プラットフォーム [2016年05月04日(Wed)]
私もお手伝いさせていただいている、一般社団法人協働プラットフォームでは、益城町の避難所担当者との話し合いで、避難所に入所している感染症の方や障害者の方のための福祉避難所としてトレーラーハウスの利用について検討を始めました。

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現状は、福祉避難所が機能しておらず、熊本市では開設が指定の2割程度。介護が必要でも車中泊を強いられていたり、施設でも受入の余地がないことなどが課題となっているようです。

4月25日時点での福祉避難所の開設状況は、
・熊本市・・福祉避難所として指定された176カ所のうち、37カ所と2割程度
・益城町・・福祉避難所として指定された5カ所全て開設できず
・阿蘇市・・受入協定を結んでいた17施設の受け入れはゼロ

(※4/26 読売新聞 夕刊)

先日、長坂先生と岩手で高齢者や障害者のグループホームを運営している方と話していた際に、東日本大震災の時に、岩手で受け入れ体制を整えたけれど、一人も来なかったとう話を聞きました。障害をもった方、高齢者の方は、地元から離れることを、大変嫌がるため、離れた地域に避難させるということがとても難しいとおっしゃっていました。

また、熊本の施設で受入が難航している理由は、以下のようです。
@地震前から満員
A施設職員の被災による人手不足
B施設の損壊


協働プラットフォームでは、トレーラーハウスを活用し、障害者の地域生活を支援する「特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会」の支援員の方とともに、避難所および避難所周辺をまわり、支援をしていきます。

※参考情報
一般社団法人協働プラットフォームが運営する熊本地震災害支援サイト
http://www.platform.or.jp/kumamoto/index.php?top

※福祉避難所とは
災害時、一般避難所での生活が困難な高齢者や難病患者、妊産婦らを受け入れる。災害救助法に基づき公費で運営される。国の指針で、手すりやスロープなどが設置され、バリアフリー化された施設で、要援護者10人につき相談員1人を配置するなどの要件が定められている。全国7647か所(2014年10月時点)が指定されている。(4/26 読売新聞 夕刊より)

「熊本地震の被災者支援のお願い」 〜「災害広報巡回車両(被災者情報ステーション)」の情報支援ボランティア〜 [2016年04月18日(Mon)]
立教大学院21世紀社会デザイン研究科の長坂俊成教授が代表を務める一般社団法人 協働プラットフォームでは、熊本地震被害の支援のため、被災地支援の寄付やボランティアの派遣などをお願いしています。

【熊本地震被災地支援プロジェクトの概要】
一般社団法人 協働プラットフォームの支援内容は、被災者向けの「災害広報巡回車両(被災者情報ステーション)」の運用です。被災地の住民ニーズは、情報支援と、ニーズを発信し適確な支援を受けることです。そこで、一般社団法人協働プラットフォームでは、被災自治体ほか現地の関係機関と連携し、被災者向けの「災害広報巡回車両(被災者情報ステーション)」を運用するミッションを4月21日から開始すること致しました。

被災者向けの「災害広報巡回車両」は衛星インターネット回線、WIFIによるインターネット接続を装備し、避難所等を巡回することで、被災者の避難生活に必要な救援物資の配給や炊き出し、入浴サービスなどに関する情報を、タブレットPCなどを使い、その場で印刷・配布または掲示していきます。この活動は常総市の鬼怒川決壊の被災地支援で行った「避難者向けの情報支援コンシェルジュ」の活動をバージョンアップするものです。

このような巡回活動を通じて、避難所等の被災者や障がい者等の受援ニーズを集約し、行政や被災地外の支援団体とコンタクトをとり、救援物資を偏在なく配給する情報支援を行います。また、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会(http://nsk09.org/ )と連携し、障がい者(精神障害、発達障害、自閉症児など)の支援を同時に行うことにしました。

当面、行政の手が回らない初動の3か月を活動期間とし、状況に応じて延長する計画です。
そのためには、機材と人材、資金、拠点が必要となります。

【具体的なお願いの内容】

@情報支援ボランティア
避難所をまわる広報巡回車両にて、タブレット等を使った情報支援を行うボランティアの派遣。
・避難所等を巡回することで、被災者の避難生活に必要な救援物資の配給や炊き出し、入浴サービスなどに関する情報を、タブレット等を活用し、その場で印刷・配布または掲示する。
・ITスキル:アプリの利用のみとなるため、高度な技術は不要です
・今回のミッションは、被災住民のための移動広報センターを4台運用(当面1台で21日から運用開始)する計画で、車両に全ての情報機材を車載し、チームで避難所を巡回し、情報提供とニーズ調査・情報集約、被災内外の支援団体への受援ニーズの提供を行い ます。
・期間は、行政の手が回らない初動の3か月を活動期間として予定しています。

<私の情報支援ボランティア経験から>
※高齢者は、スマートフォンやタブレットを持っていない方も多く、情報弱者となる傾向があります。情報が入ってこないことで、不安やストレスが大きくなることが懸念されます。
※避難所の運営は、まだまだアナログであり、重要な情報が貼り紙を中心に共有されていました。避難所によって、貼り出されていなかったり、多くの貼り紙の中から自分が知りたい情報を見つけるだけでも一苦労です。高齢者が避難所を歩き回るのも、負担が大きいと思いました。
※高齢者の方を中心に我慢強い方が多く、自分から「困っている」とはなかなかおっしゃらない方が多いように感じました。従って、「待っている」のではなく、こちらから「聞きにいく」支援が必要だと感じました。


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※常総市での情報支援ボランティア

A必要としている資機材
・センターの基地となるキャンピングカーバスタイプ(5名宿泊可)×4台・・レンタル
・巡回車両の載せる資機材
PC×12:ノートPC、地図印刷・動画編集用(iMac27インチ)
タブレットPC×12(セルラー通信契約のもの)
衛星インターネット回線×4
WIFIルーター×12
カラー大判プロッター(A0)×2
高速モノクロレーザープリンター×8
発電機(インバーター機能)×8
それに付随する消耗品(ロール紙、トナー、インク、A4用紙)
Webラジオ用サーバー、マイク、ミキサー等
プロジェクター × 4
スクリーン(可搬型80インチ)×4
被災者証言記録用ビデオカメラ×4(FDR-AX55、長時間バッテリー予備)
バルーン型LED投光器+発電機 ×4
巡回車両運転手報酬(有償ボランティア)、旅費
ガソリン等

B障がい者支援関連で不足している物資
エンシュアリキッド
大人用のオムツ
コンタクトのケア用品
化粧落としや水のいらないシャンプー
歯ぶらし
生理用品
ラップ
割り箸

【一般社団法人 協働プラットフォームとは】
一般社団法人協働プラットフォーム(http://www.platform.or.jp/)は、防災科学技術研究所災害リスク研究ユニットのリーダーであった長坂俊成氏(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)が、全国各地に於ける災害支援の取り組みを通じて得られた知見を集約する形で設立した情報・メディア支援の非営利組織です。

※補足:益城町役場対策本部のIT利用状況
益城町役場対策本部のIT利用状況(4/17現在)※本庁舎から急きょ移設
・利用できるノートPCが1台しかない
・有線電話の回線無し
・インターネット通信回線無し
・使えるノートPCが無線LAN利用できないタイプ
・従って、役場としてメールのやりとりもできない
※現状は、避難所への情報提供や罹災証明等以前の問題

私も、出来る限り、ご協力させていただきたいと思っています。一方、大規模な災害になると、一つの団体や個人で出来ることは限られているとも思います。努力を最大限の成果にするためにも、一緒に取り組んで下さる方・団体をたくさん集めたいと思います。

ご協力いただける方、関心をもっていただいた方は、ご連絡ください。お待ちいたしております!
(e-maill: gifter.kurusu@gmail.com)

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※常総市での支援の様子
市町村地域継続計画〜災害発生時に地域の経済活動を早期に復旧させるためには〜 [2014年12月26日(Fri)]
■DCP 地域継続計画

DCP(地域継続計画)とは、企業や自治体などの組織の事業継続計画BCPの概念を援用した、地域の災害対応のこと。特徴は、主に企業の共助による業務市街地での帰宅困難者対応や早期復旧の促進を目的としているとのこと。工業団地や事務所ビルの集積する駅前周辺地域など、町会・連合町会程度の広がりの範囲における、企業同士の共助による防災対策および地域貢献の向上・効率化の位置付けとして認識

◎DCPの課題

@BCPの中核的要素である「供給責任を果たす、重要業務の優先順位付け、サプライチェーン対策」などが無い

・地域防災の域から出られていない
・経済活動の議論にまで至っていない
・自治体の継続計画で終わってしまっている
・ガバナンスの指揮命令系統などが不明確(発災後、誰が指揮をとるのか)

A地域外の代替拠点に企業が移転することがDCPでは評価されず、域外移転する代替戦略の発動に「反対」の圧力がかかる可能性がある

・東日本大震災で、ある水産加工会社が他県が用意する工場に移転し代替生産をしようとしたが、断念するに至った事例がある
・不可欠な資源をDCPによる地域内の努力では確保できず、継続がDCPで実現しない懸念がある。
・DCPがBCPに優先するという論理で企業に制約を与えると、その企業の先にサプライチェーンがあり、被災地外の企業群の経済活動にも多大な影響を与える


※DCPとは
D としてガバナンス、主体、スコープ(例;町会単位)
C として継続させる機能(例;電気、通信、トイレ)
P としてハード、ソフトの事前準備(例;非常用発電機、WIMAX の活用など)

■MCP 市町村地域継続計画

・市町村の地域防災計画の重要部分を発展させた地域産業復旧・復興計画と位置付けられる市町村地域継続計画
経済の指標を使用。例えば市町村内の生産額や所得など(速報では生産額、雇用者数など)で捉える
・香川県地域継続検討協議会が取り組んでいる(市町村や県単位でDCPを捉える活動)

◎具体的な取り組み

・自治体のBCP(代替庁舎、職員被災の想定による受援体制)、各企業のBCP構築、地域の重要産業(重要地域)の復旧の優先順位の事前決定、地域の重要産業および生活必需品の小売店、 ガソリンスタンドやクリーニング屋などの基礎的サービス業、など地域の復旧に不可欠な産業への仮設店舗や工場などの支援策の事前構築。
・これらの全てがMCPに必要かについては議論があり、マチュリティモデルにより順次実現することでも良い。

◎MCP が目指すゴール

・行政(市町村)からライフライン企業などへ事前の合意に基づき依頼が実施され、あらかじめ定められた優先順位や選択肢で、地域の中核となる産業が早期復旧するためのライフラインなどの復旧対応がなされる。
早期に地域の中核産業が回復し、雇用が回復され、地域の生産額の回復の立ち上がりが早くなり、市民の収入や税収も早期に確保される。
・被災地域は、ライフラインの回復の他、学校、病院、小売店、ガソリンスタンドやクリーニング屋、など生活に必要な基盤を担う各産業が仮設商店街、仮設工場など、事前に準備された施策を活用し、目標復旧時間以内に立ち上がり、住民が避難生活から早期に復旧する。
・場合によっては地域経済のカギとなる産業を担う企業を早期に地域外から自治体が誘致することも行う。
・市町村を基本とするが、主要交通路など都道府県のレイヤーでは都道府県がMCPの主体となる。市町村の優先順位が理解されており、実際の被災状況に応じて優先順位を踏まえた対応策がとられ、また被災自治体に対する市町村レベルの相互広域応援体制が整備されている。


◎MCPの課題

産業の優先順位付けの合意形成(特定産業に税金を突っ込むということでもある)
・単一の産業が突出している場合には市町村で優先順位に合意を得やすいが、そうでない地域は優先順位をつけることが難しい。どうやって決めるのかが大きな問題。→利害関係の問題から、議論が対立し、進まない。香川では、中立的な立場として、香川大学がリードしている。
・市町村は、各企業が代替戦略を含む個々のBCPを発動させ供給責任を果たし生き延びることを積極的に位置づけ、その後、市町村の早期復興に合わせて各企業が復帰してくるシナリオも視野に入れたMCPを策定することが求められる
・地域と全国をつなぐコネクターハブとなる企業を事前に把握
・大企業のBCPと異なり地場産業のBCPは考慮点が異なる。鯖江の眼鏡、京都の西陣織、燕三条の銀食器など地域のブランド産業であり世界に通用する産業構造で、中堅中小企業のネットワークで成り立っている場合がある。この各企業のネットワーク全体がどのように災害時に継続できるか。重要な地場産業で地域が成り立っている場合は地場産業の衰退が自治体と地域の衰退に直結する。

■感想

MCPとは、地域マーケティングという見方もできると感じる。自分たちの地域のブランド戦略や効果的な投資。そのために必要な企業を誘致したり、企業だけでなくソーシャルセクターとの総働も必要。あと、情報発信。そして、MCPの延長線上に地域創生がある気がする。

また、各企業がBCPにより生き残ったとしても、地域の経済が生き残っていなければ意味がない。産業に優先順位をつけることはとても大変なことではあると思うが、大規模災害が起きる可能性が非常に高くなってきている今、本気で取り組まなくては、どこも生き残れなくなってしまうと思った。
帰宅移動者を出さないことが減災につながる〜首都圏の企業が減災のためにできること〜 [2014年10月27日(Mon)]
内閣府の一日前プロジェクト(http://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/ichinitimae/)って、ご存知でしょうか。被災者・災害体験者の方に「もし、災害の1日前にもどることができたら、あなたは何をしますか」をテーマにインタビューをまとめたものです。

私たちは、震災直後は、自然災害の恐ろしさを実感し、防災に関心をもちますが、日々の生活に戻ってしまうと、なんとなく「自分は大災害には遭わない」と漠然と思ってしまいがちです。

先日の大学院での授業は、「震災時に企業・社会人が、減災のためにできること」というテーマで、主に、私たちに一番身近な「首都圏の帰宅困難者・帰宅移動者」について勉強しました。


■東日本大震災発生時の首都圏の混乱

まず、東日本大震災発生時の首都圏の混乱を振り返ってみたいと思います。

<東京駅の大混雑>

JRが駅では人の受け入れをせず、中にいた人を一斉に外に出すという判断をし、東京駅は危険なほど大混雑になりました。
翌日になっても、始発で満員となり、途中の駅からは乗車できない状態で、ターミナル駅に人が集中しました。

当時、各駅が帰宅困難者を受け入れるか否かは、駅長の判断に委ねられていたそうです。今回、このような問題が起きたので、今後は各駅で帰宅困難者を受け入れるという方針に変わったとのことでした。

<マイカーの使用による大渋滞>

帰宅・移動する人が、マイカーで移動することで、大渋滞が発生し救急車が大往生。本当に困っている人のところへ、救急車がたどり着けないという状況が発生しました。
地震発生時には、会社や公共施設で待機する、マイカーの使用を控えるルール作りが必要だと思います。


■帰宅移動者が引き起こした問題(帰宅移動者は間接的な加害者となり得る)

東日本大震災時には、帰宅困難者のうち、半数が徒歩などで帰宅移動したと言われているそうです。これにより、徒歩帰宅者が車道にあふれ渋滞を発生させてしまいました。

では、移動しないためには、どうしたら良いのでしょうか?
そもそも、緊急時に、移動しないということは、できることなのでしょうか。


人が移動したくなる時(帰りたくなる時)の、一番の理由は、「家族の安否」です。となると、事前に、以下のような準備が必要となります。

・家族の安否が確認できること
・(家族・要支援者が)保護されていることが確信できること
・(家族間・企業内で)帰らない・帰さないの対応がされていること


一方、以下のような状況の場合には、それでも、移動せざるを得ません。

・建物崩壊
・火災発生
・高速道路・鉄道など、交通手段の崩壊



■移動はきわめて危険!

実は、東日本大震災発生時には、私は会社から徒歩で帰宅をしようと、まさに帰宅移動者でした。でも、災害時の徒歩移動って、本当に危険な行動なのです。具体的には..

火災などに巻き込まれる可能性
・避難途中のラッシュアワーの混雑による圧死の可能性
・寒さ、暑さ、脱水症状などの、健康障害余震による怪我(落下物が頭にぶつかる危険性。)
・落橋、道路陥没などによる怪我

身動きがとれない程の人の大混雑って、本当に危険だと思います。例えば、目の前に大きな穴があったとします。普段だったら、当然避けて通ると思いますが、大混雑時には、穴の前で止まったり方向を変えたりすることは難しく、きっと落ちてしまうと思います。そういう危険を孕んでいると思うと、ぞっとしてしまいました。

また、首都直下地震被害に限定すると、徒歩で帰る際には下記のようなリスクがあるようです。

首都圏のドーナツ型の地図を思い出してみてください。都心部のオフィス街の少し外側が、一番火災が多いだろうと想定されているそうです。

・先ず、都心部オフィスから外に向かって帰ろうとすると、燃えているところを帰ることになります
・燃えている人たちはどこに逃げるのかというと、中(都心部オフィス街の方向)に逃げようとします。そこで、都心部の人が外に行こうとするとぶつかり、燃えている場所にいる人たちが逃げられなくなります

帰宅移動をする(人が逃げる)ということは、逃げて助かるはずの人が助からなくなる、火災による被害者を増やすということでもあるということでした。

でも、首都直下型地震では、ここまでは想定されていないそうです。

<予想される首都圏の状況>
・山手線と環状7号線が不通
・3日間が行き気が困難
・首都圏は外側と内側に分断
・ドーナツ状の内側は熱やススなどの影響がどれくらいあるか


※補足:火災の怖さを本当に知っているか

1923年9月2日未明 気温46.4度(!)。場所は東京。
この異常高温は関東大震災で発生した大火災の熱によるものだそうです。翌日の朝で、この気温です。こんな状況の中で、本当に人は過ごせるのでしょうか?

注)大災害の最中に出たこの数字は、公式記録としては扱われておらず、先生がYaho!天気予報から見つけてきたそうです。(http://blogs.yahoo.co.jp/wth_map/62412715.html



■東日本大震災と大きく違う点(ここが大きな問題)

また、ライフラインの状況は、東日本大震災とは大きく異なることが予想されています。 東日本大震災発生時は、都内では、そこまで被災が大きくなかったため、多くの人が、震災が起きても、家に帰れると思ってしまっているようです。ここが、次に震災が起きたときに、帰宅移動者を増やしてしまう一つの要因になっている気がします。

<東日本大震災と大きく違う点>
・停電 ・・・ 真っ暗の中での移動となる。安全に移動できるのか。
・交通規制・・・信号停止。交通マヒ。車では移動できない。
・通信輻輳・・・スマートフォンが使えない。情報が入ってこない。
・鉄道利用不可・・・東日本大震災は、21時くらいから復旧したのが大きかった


※補足:CSRとして通行者の保護をするかどうか

少し話はそれますが、「CSRとして通行者の保護をするかどうか」という議論を企業の方と先生がされたことがあったそうです。そのときに、多くの企業が、「保護をしない」という方針を希望したとのこと。理由は、「通行者に何か問題が起きたときに、訴えられる」ことを企業としてのリスクだと捉えていたからです。

その時、松下電器産業顧問の上野 治男さんが、下記のように一喝されたそうです。

「苦情または訴訟をおそれて人道的対応をしないのは本末転倒。人道的な対応で最善を尽くしていれば、苦情や訴訟はおそれることではない。法務部門や顧問弁護士のがんばりが経営者の意向に合っていない。」

かっこいいです。


■まとめ

<企業に求められる対策>

1.従業員を帰さない方針の確立
2.備蓄の用意
3.帰宅困難者対応計画
 →やむを得ない理由で、帰宅を希望する人への危険性の説明ができるように(本当に、それでも帰るのか?)
4.家族の安否確認の手段の周知
5.建物の耐震性の確保


<人を移動させないために>

・3日間は従業員を留める
・備蓄は、従業員数の10%分を多めに確保することが義務付けられている
 →通行人や観光客の保護。企業が通行人を保護してあげる。これはお互い様。
・また、企業だけでなく、従業員も自ら備蓄につとめる

※補足:自治体の支援策を活用
帰宅困難者用の備蓄品購入費の6分の5が、東京都より補助される。
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/001/180/0602.pdf

私は、この半期の授業が終わったら、学んだことを、今働いている会社に当てはめて、提案してみようと思います。自分の頭の中にだけあっても、何も変わりませんから。
南海トラフ地震とBCP〜首都圏の企業が想定すべきシナリオとは〜 [2014年10月15日(Wed)]
南海トラフ地震、もうすぐ来るとか、とてつもなく大きい被害だと言われながら、私自身、まだよくわかっていませんでした。今日は、大学院の授業で学んだことから。

■30年以内に南海トラフがくるという根拠は?

南海トラフ巨大地震の最古の記録は、『白鳳地震』(684年・M8〜9)、それから最後に発生した『昭和南海地震』(1946年・M8.0)まで、計12回発生しており、その地震発生パターンを調査してみると、共通している傾向があるそうです。授業では、「年代」「地域別」「連動制」「同時期」という視点から、予測できることを考えました。

過去のパターンを見ると、大きい地震の前に直下型地震が、複数回起きていて、約50年単位に大規模な地震が発生するという特徴があるとのこと。そして、今回懸念されている南海トラフ地震の予兆となる直下型地震の1発目は、既に発生していて、それが1995年の阪神淡路大震災だと言われているそうです。そして、このあとに、各地で続いています。'95年の阪神淡路大震災(M7.8)、'00年の鳥取県西部地震、'01年の芸予地震(M6.7)。阪神淡路大震災は来年で20年を迎えます。そこで、50年単位という傾向を考えると、「30年以内」となるそうです。

「既に活動期に入っている」ということ、また、過去の傾向と同じであれば、「約30年以内に、今までにない規模の地震が発生」する可能性が、高い確率であるということは事実のようです。

■南海トラフ地震の被害想定

・経済的な被害 220兆(東日本大震災20兆、首都圏直下型[予測]100兆)
・マグニチュード 9,1
・死者 32万3千人(スマトラ沖地震30万人、ハイチ20万人)
 うち、津波による死者 11.7〜22.4万人
・全壊 239万戸(首都圏直下型[予測]60万戸)
・建物倒壊等で救助を要する人 14〜24万人

■南海トラフ地震の特徴

1. 被災エリアの拡大
南海トラフは、被災エリアが大きく、東西が分断される可能性もあるため、西日本の被害だけではなく、全国の被害、国全体への打撃となる。経済的な被害220兆円というのは、起きてしまったら、日本が立ち直れない規模。

2. 巨大な津波と逃げられない速さ
高知県黒潮町では、34メートルの津波。また、高知県では、20メートル単位の津波が多く発生すると予測。
→発生後、10分で到達すると予測。夜中に起きて逃げても助からない

ここで、特徴的なのは、今までは、国が対策を打ち出せていない被害については、パニックを呼ぶので情報を公開していなかったそうです。しかし、今回は、この津波に対して対策を打てていませんが、先ず情報を公開しようという判断になったとのこと。それで、全国で波紋を呼んだそうです。

3. 山間部の孤立
長期間救出できない地域が複数発生する可能性が高い。共助・自助で生き延びるしかない。水・食糧問題は本当に深刻。水は、備蓄というレベルではなく、井戸を作ることなどを考えなければならない。

また、これだけ被災者が多いと、国や自治体(公助)は助けてくれませんし、頼ることができません。となると、近所の建物倒壊などで埋もれている人がいたら、自分たちで(共助)で助けるしかないということなのです。ますます、平時の地域づくり、骨太な地域をつくっていく必要があると感じました。

■首都圏の企業の被害はシナリオに入っていない。

南海トラフは、西日本の被害だけではなく、全国の被害になる点が、一番恐ろしいと思いました。
にも関わらず、南海トラフの被害想定については、首都圏の企業の被害は、殆どシナリオに入っていないそうです。

では、首都圏の企業の予想される被害とは、どういうものがあり、どの程度なのでしょうか。

また、政府が出している想定被害は、震災発生から3日間までしかなく、3日目〜1週間、1ヶ月後のシナリオがありません。その中で、企業が一番苦戦するだろうと言われているのは「ロジスティックの確保の困難」だそうです。

・計画停電対策
・食糧・飲料水の確保
・燃料ガソリンの確保
・要員の確保

具体的には...

@長周期地震動による影響
長周期地震動は、高層ビルや建物に大きな影響を与えるそうです。長周期地震動が起きると、首都圏の高層ビルは20分程大きく揺れ続け、これにより被害がとても大きくなるだろうと言われているとのこと。まず、オフィスとして長期的に使えなってしまう。また、長周期地震動により、湾岸エリアのタンクが被災する可能性もでてくるそうです。

A火力発電所がとまることによる影響
火力発電所がとまることで、西日本の電力は、需要の5割程になってしまう。長期的な計画停電。インターネットへの接続が困難な状況。

B富士川断層が大きくズレた場合、東西が分断される

富士川断層が大きくズレた場合、東名高速道路、東海道新幹線が切断され、長期的に利用できなくなることで、地域が分断されます。これが、「企業」にとっても「復旧」にとっても、相当大きな痛手になると言われているそうです。

C帰宅困難者
直接の被災地である中京・京阪神地域で1060万人と言われているようですが、首都圏でも1000万人規模の帰宅困難者が出ると言われているそうです。また、朝の通勤時間帯に被災すると、東京・大阪・名古屋でも交通マヒとなることを想定する必要があるとのことでした。

D全国の航空が運航停止する可能性
被災地に限らず、この規模の震災になると、優先順位の関係で全国の航空は運航停止となり、企業の利用はできなくなる可能性がでてくるそうです。(被災地以外の航空だったら利用できるという考えはリスクが大きいとのこと)

E燃料の供給不足
震災発生から1週間後くらいに、燃料の供給不足が全国に広がり、被災地以外の企業にも影響が出始める。

最後に、「実際起きてしまったら、被害が少なかった企業ができることは何か?」という質問を先生にしたところ、「行政は、先ずボランティア含め人を送り込む。でも、企業は逆のことをしなければならない。被災地の企業が、企業活動やサービスを、被災していない地域で再開できるようにすること。被災地に行くのではなく、被災地にある人・モノをひっぺがして、再開できる地に移動させてあげることではないか」とのこと。確かに、本当にそうだなと思いました。
地域防災と市民情報団〜地域が情報発信者を育てる時代?調布市の事例から〜 [2014年10月08日(Wed)]
今日は、CEATEC JAPAN( http://www.ceatec.com/ja/ )に参加してきました。そこで、地域防災アプリの開発をされている、NPO法人湘南市民メディアネットワーク( http://scmn.info/ )代表森さんからお聞きした、「ICT地域防災情報支援システム」の調布市フィールド試験( http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/press/26/0108re.html )のお話が勉強になったので、忘れないうちに。

■災害発生時の情報発信は誰が(どこが)行うべきか


調布市は、比較的木造住宅が多い地域特性から有事には同時多発火災のリスクがあるそうです。津波の場合は「高台へ避難」となりますが、同時多発火災では ローカル情報がないと、どこが安全かわからないため、避難行動が取れません。

そして、過去を振り返ってみても、東日本大震災にしても、広島の土砂災害にしても、行政が被災者に情報提供することは非常に困難です。そして、ハザードマップも、具体的なリスクを特定(一体何が自分にとって危険でどうすればいいのかまでわからない)はできていないので、震災時にはあまり役に立たないと思います。でも、混沌とした初動期こそ被災者は、一刻も早く身の安全を確保する必要があります。そこで、調布市が考えたことは、「地域で、情報収集、適切な情報を発信できる人を育てよう」ということ。市民による情報団です。市民情報団が情報収集と情報の仕分けを行い、地域に発信します。

■市民情報団とは

市民情報団とは、情報収集する市民ボランティアで、町内会毎に予め登録をしておくそうです。そして、自宅周辺の被害状況をSNSから情報フロント(避難所に開設した情報前進基地)に報告し、情報フロントでは、情報団長が集まった情報の中から確度の高い情報だけを選定しコンテンツサーバーに入力するそうです。

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■ポスターをスマホアプリで撮ることで情報を入手

では、地域の人々は、どうやってその情報を入手するかというと、コンビニや自動販売機に貼られている「ネオポスター」をスマホアプリで撮影することで、情報を入手できるそうです。(例:最寄りの避難所ルートが住宅倒壊で通行止めとなっている等)。また、このスマホアプリは、平時は商店街や地域のお得情報やお役立ち情報が入っているので、普段から使い慣れているアプリであるという点もポイントです。デジタル機器が得意でない人も、普段から使っているアプリであれば、カメラで撮影するくらいなら、有事のときにでも出来るのではないでしょうか。

また、このポスターは暗闇&逆さまになっても反応できるという優れものらしいです。

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■観光客や外国人にとっても有効

みなさんは、旅行中に被災したらどうしますか?知らない地域で被災するって、本当に不安だと思います。避難の仕方もわからないし、そもそも、どこから情報を入手したら良いかわからないですよね。外国人の方も、同じ状況であることも多いのではと思います。でも、このネオポスターのように、自分で情報を取りに行ける方法があったら、安心感があるのではないでしょうか。地域に馴染みのない人の負担を軽減するという意味でも、有効だと思いました。

全国にこのような仕組みがあれば、予想できない災害、旅行中に被災したときなどの対応に、実際の対応や精神的な面でも、効果があるのではないでしょうか。

私も、地域の情報団やってみたいな。
人はなぜ逃げ遅れるのか〜広島土砂災害の事例から〜 [2014年10月01日(Wed)]
立教大学院 21世紀社会デザイン研究科の授業で、履修はしていないのですが、「人はなぜ逃げ遅れるのか〜広島土砂災害の事例から〜」という大変時代性のある授業があったので、オブザーブで参加させていただきました。先生は、東京海上日動リスクコンサルティングにご勤務されながら危機管理分野で立教でお教えになっていて、気象予報士、情報処理システム監査技術者の資格もお持ちとのことで、様々な角度から物事を捉えられており、大変勉強になりました。

■今日の議論のポイント

広島土砂災害は、何が問題で、どうすればよかったのか?以下について、議論。

@ 気象庁、広島市、マスコミ、住民、企業の対応は?

A事前、当日、事後の対応を時系列でみた時にわかることは?

■避難勧告のイメージと本当の意味(法令と慣習のGAP)

自分が住んでいる地域に、避難勧告がでたら、みなさんどのように行動されますか?
「避難所へ逃げなきゃ」もしくは「大袈裟な」と思う方が多いのではないでしょうか。
日本の慣習では、「避難勧告=避難所などの受け入れ準備ができて初めて出せるもの」というのが実態のようです。広島土砂災害では、深夜に起きた予想がむつかしい災害だったため、小学校などの避難所のカギを開けることもできなかった(カギを開けに行くことができなかった)そうです。そのため、避難勧告を出すことがむつかしかったという経緯があるそうです。

しかし、条例を見ると、避難勧告は、「避難所へ」という本格的な避難だけでなく、「二階に逃げる」「知人の家に行く」という意味でも、避難勧告は出して良いことになっているとのこと。しかし、日本の歴史(慣習)において、そうは捉えてない人が多いので、避難所へ行くことで逆に危険になってしまう可能性があったので(避難できる状況ではなかった)、避難勧告が出しづらかったとのことでした。つまり、法令と慣習がずれているのです。

■自分だけは大丈夫だと感じている

でも、人が災害時に逃げ遅れてしまうのは、本当にこれだけの理由でしょうか?私は、多くの人が、「自分だけは大丈夫」だと、潜在的に思っていることが、本当の問題だと思っています。ちなみに、人間は、予期せぬ異常に鈍感にできているそうです。なぜなら、外部の些細な変化に反応していては疲れるからだそうです・・。なんとなく、その気持ちもわかりますが。。。でも、これは、思考をストップさせているということであり、その結果大変で複雑なことに無関心でいたいという気持ちが、働いてしまうのだとうと思いました。

■自己判断の重要性

最近よく聞く言葉ですが、「避難勧告がでなかったから避難はしなかった」は正しいと思われますか?避難勧告を出せない理由ってあるんですよね。今まで、私も知りませんでしたが、複数あることがわかりました。例えば、

・今回のように急な自然災害の場合、避難所へ避難することが反対にリスクになる。
避難所へ行かないで安全を確保する方法が大事なケースがあるが、住民の認識はそこまでない。
→避難所だけでなく、知人の安全な家に逃げるなどの方法も避難勧告にあると思っていない。

また、「ハザートマップでわからなかったのか?」というご意見もあります。
・ハザードマップ自体が、住民に見られていない
・大々的に、広島のような土地のリスクを公表すると、地価が下がるため、地主が反発し土砂災害警戒MAPに入れられなかった。しかし、実際には、広島には、危険な場所が1万か所以上ある。

自己責任という言葉は好きではありませんが、この気象が荒れくれってしまった現代社会では、やはり行政の情報だけでなく、自分で情報を取りに行き、判断をしていきながら、行政の対応とトータルして判断していくということが必要なのかもしれないと思いました。簡単ではないですが。

■夜間に突発的に起きる災害への対応。情報発信のあり方。

広島もそうですが、23時の時点では変化がなく、その後数時間で集中した豪雨。そこで逃げ遅れてしまった人々。では、ここで、どのような情報発信が有効なのでしょうか。ひとつは、アナログですが、防災無線は有効だと思いました。無理矢理たたき起こしてくれる昔ながらの方法も、今一度見直す時なのかな。アナログとICTの組み合わせが活用できればと。

本当にむつかしい問題ですが、これから、「災害」「異常気象」は少子高齢化問題のように、誰にとってもどの地域においても、避けては通れない問題になるのではないかと思っています。私のように、地域づくりやソーシャルデザイナーを目指す者は、もっと厳しく問題意識を持ち、勉強しなくてはならないのではと感じました。

また、同時に、東日本大震災のように、目の前の人を助けることに一生懸命なケアワーカーさんの死亡率が高いというような、胸が痛くなる結果にも真摯に向き合わないといけないと思います。

防災に対して、「恐怖と危機感をテコにして周りを本気にさせる」という方法もあると思いますが、私は、やっぱり、もっと前向きな意識で取り組めるようにしたい。そのほうが、副次的な効果もあると思うんです。そのためには、まずは自分が行動しなくては、と思いました。