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『ふとんで年越しプロジェクト2014』報告会に参加しました。 [2015年03月26日(Thu)]
『ふとんで年越しプロジェクト2014』報告会に参加しました。

「ふとんで年越しプロジェクト」は、東京都内を中心に、ホームレス状態の方や生活困窮された方の支援活動をおこなっているネットワークです。

普段だったら、生活に困った時は行政機関の窓口に相談することができるため、必要な支援や制度を利用できると思いますが、年末年始は窓口が長期間閉まっているため、生活に困窮している方・健康状態が悪い方が、何日間も、真冬の路上で過ごさなくてはならない現状があるそうです。

そこで、民間の支援団体『ふとんで年越しプロジェクト2014』を立ち上げ、必要な資金をクラウドファンディングで集めたそうです。

結果的に30名の方がシェルターへ入り安全・安心に繋がり、150人の方への医療福祉相談をおこなうことができたそうです。シェルターというのは、体調が悪いけれど、救急搬送までではない健康状態の方の宿泊場所となるそうです。確かに、誰だって、救急車を呼ぶほどではないけど、ものすごく体調が悪い時ってありますよね。持病がある方なら、なおさらだと思います。それが、年末年始に路上で生活している時に起こってしまったら、病院も休診ばかり、行政の窓口も閉まっていたら、どうすればいいのでしょうか。

◆シェルターへの宿泊者30名の特徴

今年の特徴として、女性の相談者が全体の約23%となり、昨年と比べてかなり増えたそうです。また、平均年齢47.7歳で、野宿者の平均年齢が59歳であることを考えると、住まいを失った層が若年層に広がっているということなんだと思います。

<どのような背景をもっている方と繋がったのか>

@高齢で病気を抱えている方

高齢で病気を抱えている方。過去に施設に入っていたことはあるが、環境が劣悪だったり、病気や高齢になり日雇いの仕事をできなくなった方

A中高年層で生活に困っている方

多くは日雇いで生計を立てているが、年末年始は仕事がなくなったり、体調を崩して急に生活に困ってしまった方

B困難を抱えている若年層

知的障がいや精神障がいを抱えている人が多い。家族との関係悪化や精神科の入退院を繰り返す中で帰る場所を失ってしまった方
※きっと、発達障がいをもった人も多いのだろうと思いました。

<共通していること>

・体調が悪い
・3人に1人が精神障がいの診断を受けている
・4人に1人が知的障がいの手帳をもっている
・3人に1人が身体障がいをもっている


★複数の症状や障害をもっている方が全体の24%を占めている

障がい手帳を持っているということは、過去に公的な支援や福祉サービスを受けていたということであり、それなのに、路上生活となっていることに驚きました。軽度の知的障がい、精神障がい、発達障がいなど、見た目にはわからない困難を抱えている人は、何かあったときに路上生活におちいりやすいということと、一度路上に出てしまうと、自力で公的制度にアクセスすることが困難な人が多いということなのですね。

<必要なサポート>

より困難な人を支えるために「前提」を整える。支援の「質」を高める個室シェルター、アパートへの入居、年末年始の対応、夜間休日の対応・診療など。

・既存施設は、貧困ビジネスの施設も多く、入っても合わずでていってしまうことが多い
・このような民間が運営するシェルターは、公的制度にのれない人たちにとって必要

※シェルターの特徴
複雑な手続きなし。個室。ボランタリーネットワーク。しかし、年末年始だけでなく通年で確保する必要性がある。



◆医療福祉相談を受けた150名の特徴


・150名中125名が男性
・平均年齢は59歳。全体の3割が60歳以上。
・相談者数は、12/27が一番多く、次が1/2

<医療相談で診る病気と死因となる病気のミスマッチ>

・ホームレス状態の方の死因の大半は病死だそうです。しかし、医療相談で診る病気は風邪などで、風邪薬を渡して終わってしまうそうで、死に関わる真の健康問題とのミスマッチがあるそうです。でも、そういった病気は、自覚症状がなかったり、ひどい状態になって初めてくることが多いそうで、死を減らすことにつなげるのは難しいのだと感じました。また、喫煙、飲酒、既往歴をヒアリングすることと安心して治療できる環境を用意することが必要だともおっしゃっていました。

<路上で診察することへの規制>

法的に路上での医療提供(診察・薬を出すこと)が難しいそうです。市販薬を渡すこともグレーなのだそうです。でも、病院となるとハードルが高いですし、病院と路上の間の医療支援の方法を見つけていく必要があるとおっしゃっていました。

<民間の支援者がつながり続けることの困難さ>

今回のように民間の支援団体や支援者が、なんとか信頼関係を構築して、公的制度につなげたとしても、制度に繋がった途端、民間の支援者は遠ざけられてしまうそうです。制度を使ったあとで、どうやって継続してつながっていくかが課題だとおっしゃっていました。


◆まとめ

今回のお話を聞いて、今後の課題は、以下のようなものが挙げられるのかなと思いました。

@支援が必要な人をどうやって見つけるか
A公的制度につなげたあとの民間からの支援の方法
B医療相談と病院の間の支援
C医療関係者の支援者の確保(障がい者の割合が増えている)
D個室シェルターなど、個人の特性に合った住まいの提供


また、シェルターに入った方の背景をみると就労を前提とした自立ではなく、安心して生活できることを前提とした自立を目指すべきではないかと思いました。

就労を前提とした自立だと、障がい者、高齢者、病気をもっている人は、働くことがむつかしいこともあるため、自立できないということになってしまうと思います。そして【生活=人権】よりも【就労=経済]が重視されてしまうと、就労による自立ができない人は、路上生活になってしまったり、自ら声をあげないかぎり、支援には結びつけられなくなってしまう。そんなことあってはならないと思います。

そして、命に関わる制度や支援の受付窓口が、長期間窓口を閉めるという状況は、一刻も早く変えていく必要があると思いました。本プロジェクトでは、この状況から見えてきたものを、国や自治体に対して政策提言をしていかれるとのことでした。今後のご活動に期待いたします。

私は今回寄付できませんでしたが、こうやって、寄付の成果を教えていただけると、また寄付しようという気持ちになると思います。

ふとんで年越しプロジェクト2014 〜誰もが暖かく年を越せるように〜
https://motion-gallery.net/projects/futon-toshikoshi2014
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