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生活保護を利用している当事者のお話から〜生活保護に対する偏見が社会参加を難しくしている [2015年02月26日(Thu)]
先日NPO法人もやいの研修に参加したのですが、そこで、生活保護を、2回利用している当事者の女性(30代くらい?)の詳細なストーリーをお聞きする機会があり、そこで感じたことを書きたいと思います。

◆当事者の方からのお話

たまに、当事者の紹介として要約されたお話を聞くことはありましたが、思ったのは、【要約された話じゃ大事なことはわからない】ということでした。今回は、大事な部分を聞くことができたので、生活保護の重要性(必要性)を知ることができました。

彼女のストーリーを要約してしまうと
「適応障害と診断され精神科に通院、初めて生活保護を2年利用。その後、2年働いたが精神疾患が悪化し、退職。NPO法人もやいに支援を依頼し、再度生活保護を利用。今はメッセージクロスを作ることを通じて生活保護に関するメッセージを出したり、女性限定リラクゼーションででボディケアの仕事をしている」

ですが、私が印象として残った部分を中心に説明すると、

「適応障害と診断され精神科に通院、初めて生活保護を2年利用することになる。本当は、生活保護を受けることに抵抗はあったが、別居している関係の悪い母親(年金暮らし)から生活保護を受けるように言われ、【やむを得ず利用】。しかし、生活保護を受けていることを人に話せないため、家に引きこもるようになり、【孤立】していく。

この状況がすごく嫌で早く抜け出したく、仕事を一生懸命探す。その結果仕事は見つかったが、精神疾患が良くなっていない状況で無理をして就職したため、病状が悪化し退職することになる。

自分ひとりで生活保護の申請のため福祉課へ行くが「若いんだから働きなさい」と言われ、生活保護申請をあきらめ、仕事を探すが見つからない。そのうち、貯金を使い果たし、関係の悪い年金暮らしの母親から仕送りをしてもらう状況になる。

そこで、彼女は、【自分で生活保護を利用することを決心し】、NPO法人もやいに、福祉課へ同行してもらえるよう依頼し、再度生活保護を利用する。今回は、自分で【生活保護を利用することに納得】している。そして、NPO法人もやいのネットワークを通じて、【仲間や居場所に出会う】(孤立しなかった)。

今は、生活保護を利用しながら、月1回女性限定リラクゼーションのボディケアの仕事をしながら、メッセージクロスという大きな布に、刺繍やキャラクター、文字などを縫い付け、生活保護への偏見や差別が大きい社会に対して、生活保護の重要性を訴えたり、自分自身を表現する作品を作っている。

今は、「生活保護ありがとう」と思っている。」


◆生活保護に対する偏見や差別が当事者に与える影響

このお話を聞いて感じたことは、

@生活保護に対する偏見や差別があると、「本当は利用したくないのに...」という思いから、利用を拒否したり、利用しても孤立してしまうため、社会参加も就労も難しくなる。

A生活保護の重要性を理解し、納得して利用すると、生活保護に対する感謝の気持ちがでてきて、繋がり(ネットワーク)につながり、少しづつ社会参加、就労ができるようになる。


@とAじゃ、全然違いますよね。@→Aへのステップが大きく、大事なのであり、この方は、そのステップを踏んで、今社会に対して自分を表現することができるようになったというのは、本当にすごいことだなと思いました。これも、生活保護のおかげなのですね。

これは、ご本人にとっても、社会にとっても、日本の経済的にとっても、間違いなくAの方が良いはずです。それなのに、一部の不正受給が注目されたり、根強い偏見が消えなかったりするのは、みんなにとって、もったいないことだと思いました。(不正受給がどれくらいあるのかとか、実際の詳しいデータなどは、調べてみたいと思います。)

◆一般の人が当事者への共感を感じるには

また、大学院の授業のゲストスピーカーも当事者や元当事者の方をもっと呼んで欲しいなと思いました。

ゲストスピーカーの多くが、有名なNPOの代表や事業家ですが、それもとても勉強になりますが、社会的な取り組みに大切な【当事者への共感】という点があまりフォーカスされなかったりとか、大学院じゃなくてもセミナーなどで聞けるチャンスは比較的多いと思います。

一方、当事者の方へアプローチするのはハードルが高いですし、そこで、その現場を知っている先生が間に入るからこそ、学生に気づきを与えることも多いと思うのです。

今回の研修は、まさにこの気づきを得られたので、参加して本当に良かったと思います。

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手作りのメッセージクロス
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