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若者の住まいと貧困問題〜市民が考える若者の住宅問題〜『若者の住宅問題』ー住宅政策提案書発表シンポジウムより [2015年02月09日(Mon)]
昨日参加した市民が考える若者の住宅問題〜『若者の住宅問題』ー住宅政策提案書発表シンポジウム(http://www.bigissue.or.jp/activity/info_14121201.html)、200名を超える方が来場。このテーマにこれだけの人が集まるということに、問題の深刻さを感じました。

低収入の若者が増えてきている中(20〜39歳の年収200万未満は3割)で、若者の住宅事情が厳しくなってきており、若者ホームレスが増えているという現状。今回は、このシンポジウムに参加して知ったこと感じたことを書きたいと思います。

■若者・未婚・低所得者の住宅事情と課題

若者のホームレス問題への対策として、【仕事づくり】【住宅問題】は二大問題。しかし、今まで、貧困問題というと、【雇用】【福祉】という視点での議論ばかりで(働ける人は雇用、働けない人は福祉)、【住宅】の視点が抜けており、研究もほとんどされていない。しかし、住まいが無い状況では、雇用もないし、福祉も効果が出ない。住まいの問題は、社会の持続可能性の問題でもある。(平山洋介さん:神戸大学大学院人間発達環境学科研究科教授)

【住まいの貧困の問題】は、全体像をとらえた対策が必要。20年くらい前からホームレス問題がでてきて、その後、ネットカフェ難民、派遣切りなど、個別の問題として捉えられ、全体像を観ることなく、対策も切り縮められてきた。行政は「外に暮らしている人」だけをホームレスと捉え、ネットカフェ難民はホームレスではないとしているが、路上かネットカフェにいるかは、その日の稼ぎによって変わるだけであり、分けられる問題ではない。

また、持ち家に暮らす人も住宅ローンに苦しみ、家賃負担率が高く、滞納で追い出されたり、公営住宅も資格制限があって入りにくい。そういった住まいの問題全体を捉える必要がある。(稲葉剛さん:NPO法人もやい、東京つくろいファンド)

■調査対象
今回は、住宅政策提案・検討委員会、ビッグイシュー基金が行った調査結果をもとに、議論が進められました。調査対象は、

首都圏・関西圏の20〜39歳、未婚、年収200万未満の若者1767人が対象。この年代は無職率14.3%、年収200万未満は3割を占める。

■私が気になったポイント

@みんなが結婚して、みんなが家を買うというモデルは崩壊している
しかし、日本の住宅政策は、このモデルのまま変わっていないため、若者に皺寄せがいっている。
・生涯未婚率が、2025年には男性では3割、女性は2.5割となる予測
・単身者への住宅政策が日本にはほとんどない

A所得が減っているのに、平均家賃は上がっている(消える低家賃住宅)
家賃負担率が非常に大きい。30%が5割以上、50%以上が3割。

B日本の住宅政策は「企業の社宅」と「家族の支援」→すでに崩壊
若者やこれから中年になる人が過酷な状況にある。低収入、親の介護、家賃手当無しなどの要因。家族共倒れのリスク。

C若者世代において、年収200万未満は、もはや特殊な層ではない。
「未婚で年収200万円以下の若者」の約8割は親の実家に住んでいる
・親との同居も続く保障はない。
・結婚について消極的・悲観的が7割を超えている

D住まいは人権>空き家対策
生活困窮者自立支援法が施行されるが就労支援に偏っているが、住宅支援に抜本的に改革する必要がある。また、空き家対策という切り口ではなく、住まいは人権という視点から、考え直すことが必要なのでは。


■若者の状況

・低所得の若者が住宅を借りることができなくなってきている。

・親の家を【出たくても低収入で】出られない若者が増えている

学歴に関係なく、大卒でも住居に困っている

いじめ、不登校などの経験者も多い
 →いじめ、不登校、引きこもり、新卒就職挫折がそれぞれ2〜3割。しかも相談相手が、とりわけ男性は47%が相談相手がいない

自立したくてもできないストレスが続くと、精神疾患を発症したり家族への暴力になる。

・親や友人知人との望まない同居を余儀なくされている人もいる

仕事の喪失が、【住居の喪失】【繋がりの喪失】につながる。

・若者ホームレスに特徴だったのは複合的な社会的な困難(発達障害など)が自立を阻害していること。仕事の経験がない or 仕事を通しての自己肯定感が低い

・若者ホームレスは、路上とシェアハウスや施設など不安定居住を行き来し、見えにくい存在となっている

■実際にある相談内容

@70代夫婦と同居する40代女性。若者だったときに何も対処できなかったので、今の状況になっているのではないか。両親は16万円の年金から7万円の住宅ローンを払い、女性を扶養する。女性は精神疾患で両親に頼らないと暮らせない。子を扶養することで両親も共倒れになる危険。

A30代男性の家庭内暴力に苦しむ80代女性からの相談。男性も有名大学を卒業してIT企業で働いていたが、長時間労働で過労になり病気退職。家を出たい、働きたいというストレスが母親への暴力に向かっている。

B70代母を扶養する40代男性。家賃8万円、非正規雇用、母は無年金。母を扶養するにもどうしたらいいのか。月収は12〜14万円。母の介護のために広いスペースの家が必要。今は生活保護を検討。


■対策

@収入が少なくても入居できる公的な仕組みが必要
・住宅政策提案検討委員会を立ち上げ、調査活動をして今回の提案書を発行

A住まいの貧困の問題 全体像をとらえた対策が必要
・20年くらい前からホームレス問題など住まいの貧困の問題がでてきた。しかし、ホームレス問題、ネットカフェ難民、派遣切りなど、個別の問題として捉えられ、全体像を観ることなく、対策も切り縮められてきた
・行政は「外に暮らしている人」だけをホームレスと捉え、ネットカフェ難民はホームレスではないとした。しかし、路上かネットカフェかはその日の稼ぎによって変わるだけ。。
・持ち家に暮らす人も住宅ローンに苦しみ、賃貸は家賃負担率が高く、滞納で追い出される、公営住宅も資格制限があって入りにくい。そういった住まいの問題全体を捉える必要がある

■感想

若者に住まいの安心を提供することは、本当に大きな社会的投資だと感じた。ここが崩れると、様々な社会問題が複雑化してくるように思える。

また、最近話題になっているシェアハウスは、本当に困窮している人にどれだけ届いているのだろうかと疑問に感じた。ホームレスの方など、社会を信頼できなくなってしまった社会的排除にあっている方々は、見知らぬ人と一緒に住みたくない人が多いと思うし、人に合わせるというのが苦手な人も多いはず。
(一緒に住みたくない人と住むことを余儀なくされている人もいるのだろうと思う。)

人づき合いが苦手な人、または人間不信になってしまった人の社会復帰の通過点として、【一人で住める低家賃の住まい】をもっと増やしていかなくてはならないのではと思った。そのためにも、大家さんからの理解、協力は必須であり、そういった志ある大家さんをどのように見つけていくかも課題だと思った。
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