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NPOの間接費用が認められにくい理由〜NPO業界の男性の寿退社問題!?〜 [2014年01月06日(Mon)]
今日は、NPOサポートセンターさんの記事から、NPOの間接費用について思ったことを書きました。

★海外記事の紹介:洞察力に富む「新しいNPOの評価方法」とイノベーションを封じる5つの障害(TED2013より:日本語未翻訳)
https://blog.canpan.info/nposc/archive/526

私も知らなかったのですが、NPOの活動費用に対して「間接費が少ない団体を支援先として選ぶ」という評価があるとのこと。それにより、NPOのイノベーションを封じる、下記障害が出ているそうです。

◆報酬(給与)問題による人材流出(NPO→営利企業)

NPO業界から営利セクターへの人材の流出問題。社会に貢献することが自分自身・家族への貢献とリンクしないことが理由です。

日本では、ビジネスパーソンがNPOへ転職するという働き方が注目されていますが、いずれはこの逆のことが起こってくるのかもしれません。ある調査によれば、日本のNPO職員の平均年収は200万円を下回っているとのこと。以前、NPO(NGO)の理事クラスの方が、年収450万円だという噂が流れ、バッシングを受けたという話を聞きました。実際は、そんなに高くなかったようですが。

営利企業で考えれば、その倍の年収レベルのお仕事はされていると思うのですが、それは、NPO/NGOという事業形態、社会貢献だと受け入れられず、利益を追求することを目的としている企業であれば、受け入れられやすいということなのでしょうか。

「私たちは他人を助けるために大金を稼ぐ人・考え方に拒否反応を起こします。興味深いことに、人々を助けずに大金を稼ぐ人には拒否反応を起こしません」(社会起業家 ダン・パロッタ氏)

給与問題において、自分だけなら我慢できても、家族の将来を考えると、「営利企業で働こう」と決断する考えも当然のことのように思えます。特に、ビジネスの世界で評価が高い人であれば、なおさらですよね。

「ビジネスマインドあふれる優秀な人材は、多額の給与を受け取り、そのうちの10万ドルを毎年食糧支援のNPOに与えることで、税控除を享受するだけでなく、慈善活動家としてのイメージを手に入れることの方が、自分にとって有益であるとわかっています。」(社会起業家 ダン・パロッタ氏)

日本のNPO業界では、「男の寿退社」(自分の家庭の結婚や出産を機にNPOを退職する男性)という言葉があるようです。NPOの収入だけでは、家族を支えることが難しいので、転職をせざるを得ない状況のことです。これは、まさにNPOのイノベーションを妨げていますよね。NPOにとって、1人の社員を育成することって、本当に大変なことなんです。(そもそも、育成が難しいことも多いため)

しかし、最近は、日本でも、事業収益を社員の給与に還元していくことを明言しているNPOも増えてきています。今は低いけれど、徐々に上げていく方向性を示しているんですよね。それであれば、その間は、団体の許可を得て副業をしながらとか、パートナーと協力しながら、という方法で給与の壁を乗り越えている人も少なくないと思います。また、前回のブログで書いた「社会貢献企業」や「パラレルキャリア」の浸透によって、NPOの社会的地位も上がっていき、給与に関する問題も少しづつ改善されてくるのではないかと考えています。

◆広告宣伝とマーケティングにおける障害

支援者は、NPOが寄付金等を「広告宣伝活動に使わないこと」を望んでいる。これは、自分が寄付したお金は、できる限り困っている人へ直接充てて欲しいと、思っているということのようです。

確かに、NPOをボランティア団体だと思っていたりとか、NPO経営を知らない方からすれば、当然のことかもしれません。しかし、NPOが成果を出す(社会問題を解決する)ためには、今よりもっと世間・一般の人と繋がりを強め(共感してもらい)、自分たちが行っている活動を広く発信する必要がありますよね。そして共感だけでなく、実際に行動に移してもらえるように働きかける必要があります。それには、広告費用は必要且つ効果的な投資だと、私は思います。

また、広告費だけでなく、人件費においても、NPOだからこそ費用がかかるという現状があります。

NPOなど非営利セクターの役割(事業)は、営利企業等が、合理性・効率性の点から、対応しきれない部分を担っていることが多いわけです。

例えば、病児保育であれば、子どもの命を預かっているので、当然管理に携わる人間は多くなるわけですし、ボランティアさんを中心にするわけにもいかないでしょう。引きこもりの就労支援においても、多くの悩みを抱え、精神状態が不安定な若者と接するということは、スタッフの発言が若者の生死の問題に関わるような事態と隣り合わせなわけで、人件費を削減するわけにはいかないでしょう。
また、障碍を持った子どもへの教育支援をしている団体も、学校の集団生活には馴染めない子どもたちに対して、その子に合った個別の授業や支援をしているため、当然「人」の管理にお金も時間もかけているわけです。

それなのに、営利企業と同じ基準で評価されてしまうって、おかしくないでしょうか?

「(NPOが)世界に大きな影響力を生み出す組織を構築するためには、合理的な“間接費”が必要」

「これからあなたがNPOを調べる際には、間接費の大きさについて質問せず、彼らの夢の大きさについて質問してください」
(社会起業家 ダン・パロッタ氏)


NPOの成長フェーズによっても、評価方法は異なるのかもしれませんが、NPO側の人間として、自分なりに、NPOの評価基準についてちょっと考えてみようと思います。

参考ブログ:
「NPO・ソーシャルベンチャーの『収入不安の壁』の乗り越え方」かものはし山元圭太さん 
http://www.etic.or.jp/drive/labo/879

「寄付するとき事務局費にもご活用ください、とあえてつけることにしました。」育て上げネット工藤啓さん
http://ameblo.jp/sodateage-kudo/entry-11736569294.html
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