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県民健康管理調査って何?リスクコミュニケーションって何?報告[2014年02月27日(Thu)]
2月14日開催「県民健康管理調査ってなに? リスクコミュニケーションってなに?」
報告:岩田渉

2月14日の金曜日、須賀川市の自然食レストラン「銀河のほとり」で、はっぴーあいらんどネットワーク主催ワークショップ「県民健康管理調査ってなに? リスクコミュニケーションってなに?」を種市靖行医師を迎え、雪の降り始める中、15名ほどの参加者とともに行いました。

冒頭では、私のほうから、東京電力原発事故の影響がどのようにして過小評価されているかという問題提起を含め、拡散シミュレーションや汚染地図の様子をスライドで映しだしながら、現在行われている・行われようとしているリスクコミュニケーションに使用される前提の認識についてご説明いたしました。要約すると、以下の3点があげられます。

1. 時間的なもの
2. 定量的なもの
3. 空間的なもの

1.の時間的なものというのは、記憶や緊張感の持続する時間と、現在問題となっている主たる核種であるセシウムの半減期、また原発事故収束までにかかると目されている時間の長さと関係するものです。事故当初にほぼ同量で放出、沈着したセシウム134とセシウム137は、セシウム134の半減期が約2年であることから、現在の比率は0.4:1程度になっています。
しかしセシウム137の半減期は30年と長期に渡るため、事故当初の緊張感やその記憶自体持続していくことが困難となり、防護意識が薄れていきます。また、東電原発事故の収束は、事故当事者である東電や経産省のロードマップを見ても30−40年、チェルノブイリ事故の経験からも、そのまた30年後には、第二石棺の建設といったことが必要とされ、「世代を超えて」取り組まなければならない問題として横たわっており、この事実に正面から向き合うのは容易ではありません。

次にあげた定量的なものというのは、現存被ばくの状況を許容するかしないか、という選択以前に、“数値の多寡”にすり替えられてしまっている問題についてです。
100mSv以下健康影響はない」といった単純な嘘が前提とされているものもあります。
そして、同時に数値の多寡へと問題がすり替えられることによって、時には被害者がそのまま加害者ともなっている現状が浮かび上がります。放射能の健康影響については、個々人に対する影響として、現在の科学では解明できない部分が多いわけですが、集団に対する被ばくの影響は、長期間にわたる疫学調査によって明らかにされています。
また、LNT(閾値なし直線モデル)というリスクモデルは、昨今の医療被曝、自然放射線による被ばくの影響調査から、低線量域においても発がん率が上昇することが支持されており、“基準値”なるものは、どこまで犠牲者を受け入れるか、という社会的問題であるということに意識を向けて考えることが重要です。ある基準値を社会が許容するということは、それ以下で影響を受けるものを切り捨てる社会を創っていくことになるのだという意識が、現在、被ばくの影響が語られ、また考えられるときに欠けているのではないでしょうか?


3つ目にあげた、空間的なものというのは、東電原発事故の影響が及んでいる範囲はどこであるか、影響地域と影響を受けた人々は誰であるのか?といった点について、明確さが欠けている現状にアプローチしてみました。
事故が起こった東京電力福島第一原発は、日本で唯一、県名がつけられている原子力発電所です。そしてそのことによって、福島県のみが原発事故の影響地域であるという認識が強固に築き上げられました。確かに、最も影響を受けた地域、そして影響を受けた人々は、福島県であり、そこに在住していたかたがたということについては疑いえるものはいません。
被ばくの影響を考えるとき、プルームの通過地域とその影響を受けた人々と、当時の天候によって汚染地域になった深刻な現存被ばくがもたらされる汚染地域の2つを分けて考える必要があります。
そしてWSPEEDIやその他の大気輸送シミュレーションからは、実際のプルーム通過は東日本一帯、東海地方の一部を含めた地域に及ぶこと、そして当時の雨によって土壌沈着が管理区域を超える地域もまた岩手南部、宮城北部・南部、栃木北部、茨城、群馬、千葉、東京の一部地域にまで及んでいることが、文科省の汚染マップからもわかります。
しかし、現在では、「福島」という県名が影響地域の代名詞として、政府、東電、国内外メディア、国際機関、国内外の市民団体によって語られることによって、影響地域の大幅な過小評価が植え付けられています。
2013年10月12日に閣議決定された「子ども被災者支援法」の対象地域が福島県内33市町村のみとなり、居住や帰還に対する支援には予算がつけられるものの、避難・自主避難・移住に対する支援はとても平等とはいえないものとなりました。また今後、帰還を促進するためのリスクコミュニケーション、これまで以上に正当なリスク評価が欠けたままのリスクコミュニケーションになるだろうと目されていますが、こうした現状を放置できるのは、やはり福島という一部地域のみが影響地域であるという認識があることによって正当化されるだろうと政府・東電が考えていることを如実に表わしています。

WS開催予定
「311後の報道・情報〜あの時人々はどう動いたか?」
日時:2014年3月2日(日)  会場:銀河のほとり
この記事のURL
https://blog.canpan.info/happyisland/archive/275
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