東日本大震災10年(南三陸町) [2021年03月03日(Wed)]
平成23年3月11日の東日本大震災発生から10年の歳月が経とうとしており、現在の南三陸町の様子を報告いたします。
あの忌まわしい過去を思い出したくない方、語り部として次の世代に伝えようとしている方、ご家族や友人、知人を亡くされて今でも心に深い傷を負われている方、被災者それぞれの思いがあり、一概に復興したとは言えない状況です。 ![]() 今回紹介するのはハード面の復興状況です。 台湾を始め国内外からの多くの支援のおかげで、平成27年12月14日に本設復旧した南三陸病院です。現在は地元の中核病院として地域の方々へ医療を提供しています。 次は南三陸町役場です。 平成29年9月に開庁しました。南三陸ブランドの地元の杉などを多く使用し、町民が集える設計になっており、2018年度グッドデザイン賞を受賞しています。 そして全国的にも有名になった「南三陸町さんさん商店街」。「サンサンと輝く太陽のように、笑顔とパワーに満ちた南三陸の商店街にしたい」というコンセプトのもと、平成24年2月に仮設商店街としてオープンした「さんさん商店街」ですが、平成29年3月3日(サンサン)に本設オープンしました。28店舗のお店が営業しています。今は「キラキラ春つげ丼」がおいしいですよ。地元の野菜、魚介類を使用した贅沢な丼です。 震災後は高台集団移転、かさ上げ工事などで震災以前の町並みはすっかり変わってしまいました。住宅再建が難しい人や高齢者向けに災害復興住宅も整備されています。 東日本大震災で南三陸町では20mを超える津波が襲来し、620名の尊い命が失われ、現在も211名の行方不明者がいます。追悼、継承、感謝、未来を想像する協働の場として「震災復興祈念公園」も昨年の10月に開園しました。 この10年、ハード面の復興は目に見える形で進みました。お金(復興予算)で解決できたものが大きいと思います。しかし、心の復興はどうでしょうか。今後も震災の出来事や心の傷を引きずっていく方々が多くいることを忘れないでいてほしいです。そして私たちがほんの少しでも支えになれるよう今後も一緒に歩んでいきたいと思います。 <2021.3.3 医療法人社団湖聖会 小規模多機能ホーム南三陸 千葉宏志> |