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「奥尻島ホソメコンブ調査隊〜海と日本プロジェクト〜」フォトレポート [2021年08月09日(Mon)]

はこだて海の教室実行委員会は2021年8月5〜6日、海藻をテーマに海について学ぶ「子ども海藻アカデミー」の特別版として、1泊2日の海洋教育講座「奥尻島ホソメコンブ調査隊〜海と日本プロジェクト〜」を実施しました。
参加者は、函館エリアからの小学生6名と、地元・奥尻町の小学生6名。実施にあたって、日本財団 海と日本プロジェクトと、奥尻地区海藻生産・活用調査検討協議会の皆様(※下記)のご支援をいただきました。
様々な体験を通じた「海の学び」の2日間をフォトレポートにまとめましたので、ぜひご覧ください。

※「奥尻地区海藻生産・活用調査検討協議会」構成メンバー:奥尻町、ひやま漁業協同組合奥尻支所、国土交通省北海道開発局、海藻活用研究会、公益財団法人函館地域産業振興財団、北海道檜山振興局、奥尻地区水産技術普及指導所 オブザーバー:北海道経済産業局

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【主催者あいさつ(はこだて海の教室実行委員会事務局 阪口)】
「今回の講座は、日本財団 海と日本プロジェクトの一環として行います。皆さんに、海を好きになってもらうのと同時に、海が困ってることを知ってもらって、私たちみんなで海を助けて、元気な海を未来に残そうとすることが、日本財団がやっている海と日本プロジェクトです。

奥尻島にはホソメコンブという価値のある海藻がありますが、まだ世の中に知られていません。この2日間、皆さんにしっかりホソメコンブについて調べてもらって、10月に函館で報告会をしたいと思っています。力を合わせて良い2日間にしましょうね。」

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【全体講師(海藻活用研究会 布村さん)による授業】
「奥尻島は日本海に浮かぶ島です。海産物が豊富で、特にウニが甘いと有名です。なぜ甘くなるのかというと、ウニがホソメコンブを食べているからです。ホソメコンブには”粘性多糖類”というネバネバ成分が多く含まれおり、ウニはこの成分を体の中で分解してエネルギーに変え、その時に単糖、いわゆるお砂糖に変化するので、ウニが甘くなるのです。ホソメコンブには、濃い出汁がとれるという特徴もあります。

奥尻島は縄文時代から人が住んでいて、奈良時代には、ここで採れたホソメコンブが天皇に献上されていました。しかしその後、幅の広い見た目が立派なコンブが評価されるようになり、使われなくなりました。

今、ホソメコンブを”幻の献上昆布”としてブランド化し、町おこしにつなげようという活動が、町役場や漁協などを中心に行われています。」

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【ホソメコンブ収穫体験】
さあ!赤石漁港にて、ホソメコンブと対面です!
養殖実験を行っていたホソメコンブの一部を、この講座のために、岸壁でキープしてくださっていました。引き上げてみましょう。


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「わ〜!すっごく大きい!」
「これがホソメコンブ…?太くない!?」


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【ホソメコンブについて(奥尻町水産農林課 横田さん、檜山地区水産技術普及指導所 澤田さん)】
「天然のホソメコンブは細く、長さが2メートルくらいです。養殖実験を行ったところ、天然モノよりも幅が広く、長さも5メートルにもなることが分かりました。その理由は実はまだハッキリしていないので、これから研究するところです。

ホソメコンブ養殖は昨年12月、種苗糸を差し込んだ養殖ロープを、奥尻島の東側の沖に設置して育てました。今後、食用にします。

天然ホソメコンブはウニの餌になっているため、収穫しないというルールにしています。現在の海の生態系を守りつつ、同時に、地域の漁業の未来を考えて、養殖を始めました。」

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【収穫したホソメコンブを天日干し】
コンブは干すことによって、うまみ成分が熟成します。


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【ホソメコンブ出汁の比較実験】

干したホソメコンブと、干していないホソメコンブ、それぞれをお湯に入れて「出汁」をとり、味見をしてみました。

「確かに、干したホソメコンブの出汁のほうが、濃くておいしい!」


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【色の変化】

生のホソメコンブをお湯に入れると、茶色から緑色に変化!

その鮮やかな色の変化に、「わっ!」と歓声があがりました。
緑色のイメージがあるワカメも実は、生きている時は茶色です。


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【料理体験で体感!ホソメコンブの特徴】

続いて、ホソメコンブのネバネバ成分を生かした料理づくりに挑戦しました。教えてくださったのは、海洋活用研究会の渡辺さん、吉川さん。

「ホソメコンブはさっとゆでた後、叩いて刻むとネバネバを出します。コンブが身体を守ろうとして出しているんですね。皆さん、できるだけ細かく刻んで、ネバネバを出してみましょう。」

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下の写真でネバネバのすごさをご覧ください。手を遠く離しても切れることなく、糸のように伸びます。

このネバネバに含まれる成分は、血圧を下げたり、血栓やガンの予防に役立つことが分かっています。

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【ウニとホソメコンブの関係を確かめよう】
奥尻島漁協青年部 川瀬さんが「ウニ殻剥き」の技を見せてくれました。
専用の器具で殻を割り、身を取り出した後、棘の破片や内臓などを丁寧にとりのぞきます。

続いて、みんなもチャレンジ!


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殻を割った中には…確かに、ウニが食べたコンブが。
「本当に、ウニはホソメコンブを食べてるんだね!」

さっそく味見をして、ウニの甘さを体感!!


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ウニは鶏卵と合わせて卵焼きにして、刻んで味付けしたホソメコンブなどと一緒にご飯と海苔で巻いて、超贅沢な海苔巻きに!
(おいしかったです♪)


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【1日目の最後に、奥尻島の海岸へ】
この日は最高気温が30度をこえる真夏日でしたが、夕方の潮風は涼しく、参加児童は砂浜をかけまわって遊びました。


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海岸には、きらきら輝くアワビの貝殻や、波が創り出したシーグラスが。奥尻の思い出にと、みんな大事に持ち帰りました。

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【青苗漁港で学ぶ「漁業と漁港整備」】

2日目の最初に訪れたのは、奥尻島南端の青苗漁港。
国土交通省北海道開発局の増田さん、渡部さん、田邊さんが説明をしてくれました。

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「漁港には複数の役割があります。
漁師の船をとめること。船から魚をとりだす。魚を保管する。魚を加工する、など。
ここ青苗漁港には、津波から命を守るという役割もあります。
奥尻島は今から28年前の1993年、北海道南西沖地震による大きな津波で、甚大な被害がでました。その教訓を生かして作られたのが、今、皆さんが立っている"人工地盤"です。当時の津波は約6メートルの高さでした。人工地盤は7メートルの高さがあるので、同規模の津波が来てもここに避難すれば助かります。」
(下写真:青苗漁港の人工地盤)


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「最近の漁業は、海でとれる魚が減ったり、漁師の高齢化などによって、つくり育てる漁業へ変化しています。港も、変わる必要があります。たとえば、養殖の作業をしやすいように港を作り変えたり、高齢の方が水産物を船から港へあげやすいように階段をつけるなど。国(国土交通省北海道開発局)は、将来の水産業のために、より良い港の整備に取り組んでいます。」
(下写真:人工地盤から漁港を眺める)


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【奥尻島津波館で知る、奥尻の歴史】

北海道南西沖地震の記憶と教訓、全国から寄せられた復興支援への感謝を後世に伝える施設、奥尻島津波館。

「津波と、その後の火災で、この青苗地区の約500世帯のうち400世帯が消滅しました」

すさまじい津波の力。
海が時として引き起こす災害の大きさに、児童たちは言葉を失い、ただただ語り部の話に耳をかたむけました。


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津波館には、奥尻島で発掘された遺物も展示されています。学芸員の稲垣さんが、青苗の海岸段丘で見つかった墓から出土した「ヒスイ勾玉」について説明してくれました。

「このヒスイ勾玉は長さ5cm、幅2cmで、全国でも5本の指に入るほど大変大きいものです。原石産地を鑑定したところ、新潟県糸魚川産であることが分かりました。この勾玉から、6世紀頃(古墳時代後半)、奥尻島には大変身分の高い人がいたことが分かります。また、日本書記には、西暦660年に大和朝廷の命を受けた阿倍比羅夫が奥尻島と想定される島を訪れたらしい記述があります。奥尻島は昔から日本海において重要な島で、海を通じて、朝廷や日本全国の町とつながっていたのですね。」


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【ホソメコンブと温泉をいかした栽培漁業】

続いて訪れたのは、「奥尻町あわび種苗育成センター」。奥尻島の特産品である蝦夷あわびが減少傾向であったことから、資源回復のため、1999年に開設した施設です。


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技師の道下さんが説明をしてくれました。

「この施設では、あわびの赤ちゃん(種苗)を育てて、ある程度大きくなって海に放す前まで育てます。エサとして、コンブの根っこの部分を活用したフレーク状のエサを与えます(下写真左:道下さんが手にしているバケツの中)。ただし夏の時期は消化不良になるため、生のホソメコンブをあげています(下写真右:ホソメコンブを食べている様子)。また、冬には奥尻島の温泉水を利用して温め、成長を促進させています。」


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【森と川、海のつながりを知る】

最後の訪問地は、「奥尻21世紀復興の森」。島の北央部にひろがるブナの原生林です。


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奥尻町水産農林課の横田さんが案内してくれました。

「奥尻町は小さな島ですが、この森が天然の貯水池の役割を果たしているため、水が豊富にあります。その水で、お米も作っているんですよ。

皆さんの足元には、ブナの葉っぱがたくさん落ちていますね。葉っぱが混ざってできた土を『腐葉土』と言います。このフカフカな腐葉土に落ちた雨水は、栄養たっぷりの水になって地下水にしみこみ、川を通じて海に注がれます。森と川、海はつながっていて、森の栄養がウニや魚などを育てているんです。」


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【奥尻町長・北海道檜山振興局長との交流昼食会】


奥尻島ホソメコンブ調査隊に会いに、奥尻町長 新村さんと、北海道檜山振興局長 槇さんがいらしてくださいました!

まず、参加児童が、この2日間で勉強した内容や感想を発表。続いて、新村さん、槇さんがお話してくださり、児童の質問にも対応いただきました。


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新村町長「ちょうど今日、ホソメコンブの出汁を使った最初の商品のサンプルが届いたところです。これから奥尻町では、ホソメコンブを町の新しい産業につなげられるよう頑張っていきます。皆さん、今回の講座で勉強した内容を、お父さんお母さんやお友達に伝えて、ホソメコンブの魅力をPRしてくださいね。」

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【学びのまとめ・発表】


昼食後は参加児童がおのおの、講師やスタッフのサポートのもと、2日間の学びをまとめました。

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そして、みんなの前で発表。
函館エリアからの参加児童は、6項目のうちの1つずつを担当し、学んだ内容について報告しました。奥尻町の参加児童は、2日間の感想について話しました。


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最年少の1年生2人も立派にお話しました!
高学年向けの学習内容でしたが、最初から最後までしっかりと参加してくれて素晴らしかったです。


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【お土産】

昨日の収穫体験後に天日干ししていたホソメコンブをお土産に!とっても良い香りで、その場でかじりだしてしまう児童も。ホソメコンブに夢中です。


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【記念撮影】

自然豊かな奥尻島で、体験を通じて学んだ2日間。様々な専門家による説明も充実しており、贅沢な学びの時間でした。

10月末、函館蔦屋書店2階ステージにて、参加児童による「奥尻島ホソメコンブ調査隊」報告会を予定しています。詳細は後日、当ブログでお知らせしますので、ぜひご来場ください!


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