10月26日(土)青年センター体育館で
「幸せの地域デザイン学 貧困から地域力を考える〜幸せのつくり方〜」が行われました。約120名もの方にご来場いただくことができました。ありがとうございます。地域のつくり方を多くの方と語り合って考えた1日でした!(
前日にまちづくりセンターで行われた「函館をソーシャルデザインしちゃおう!」はこちら)
冒頭では自立支援センター茜のセンター長である竹花郁子さんから「生活保護受給者の社会的居場所づくり」と題して、函館市内における生活保護の状況、自立支援について、青年センターもボランティア受入先として協力している函館市就労等意欲喚起プログラムについて説明がありました。
その後、大阪市立大学の現役女子大生でもあり社会起業家として大活躍の川口加奈さん(
NPO法人Homedoor理事長)をお招きし、講演をいただきました。
川口さんは、ホームレス・生活保護問題に関する調査を開始しつつ、雇用創出事業として大阪市内で
シェアサイクルHUBchariを通じて、就労にも結びつけるなど大成功をおさめています!日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013若手リーダー部門に選出されるなど、日本における若者のリーダー的存在です。
とても印象的だったスライド・・・
釜ヶ崎におけるホームレスの現状とその体験談は衝撃でした。親からは釜ヶ崎に近づいてはいけないと言われたけれど、どうしてこの豊かな日本においてホームレスがいるのか疑問がふつふつと沸いてきて、炊き出し活動に参加するようになったそうです。その現状や、年間217人、3日に一人の割合でおっちゃんたちが亡くなっている事実、少年たちによる卑劣な犯行を目の当たりにして、高校時代に校内新聞を発行したり講演活動を開始したそうですがなかなかそのことを伝えることは難しかったと言います。
しかし、徐々に仲間は増えて行き、その功績が讃えられて高校時代にはボランティア親善大使に選ばれたそうです!継続は力ですね・・・
炊き出し活動を続けていくだけでは目の前で死にゆくおっちゃんたちは減らない・・・
「ホームレスを生み出す日本の構造を変えたい!」という理念のもと、
NPO法人Homedoorを2010年に設立しました。
ホームレスのおっちゃんたちの声に耳を傾けると・・・
「本当は仕事がしたいけれど、この体ではきつい労働はできない」
「税金で暮らしていて肩身が狭い」
「1人なのでとても孤独」
「ホームレスになり、生活保護者になってもそれの出口が見つからない…」
などが聞こえてきたそうです。
そんななか「自転車の修理なら得意!」という声がおっちゃんから聞こえてきて、
シェアサイクルHUBchari(ハブチャリ)を開始し、軒先にそのサービスを提供する場所の協力先を募ったと言います。徐々に実施個所は増えて行き、HUBchariでの経験が評価されて就労に結びつくおっちゃん方も・・・おっちゃんたちにとっては「働けることが生きる力」になっているそうです。まさに、大坂における「生活保護」と「放置自転車」の問題を解決することにつながった事業です!
講演の最後には「どうせ私なんか何もできないよ!と思うのではなく、一人一人が何ができるかを皆で考えることできっとまちのためにいいことができます。」と締めくくってくれました。
その後、「共に生きる〜幸せの地域デザインとは〜」と題してトークセッションが行われました。進行は冒頭で情報提供した竹花さんが行い、能登 正勝さん(
NPO法人日本障害者・高齢者生活支援機構 理事長)、荒木 明美さん(
はばたきの会〜道南・女性の自己実現を支援する会 代表)、小川 佳也さん(
泣潟oーマーケティング 代表)、丸藤 競さん(
函館市地域交流まちづくりセンター センタ−長)が登壇しました。川口さんもオブザーバーとして参加しましたよ!
それぞれ自己紹介のあと、国が示している2030年の函館(17年後)の人口数値や年代の割合をどうなっているのかをもとに、それぞれが考える社会的包摂と課題、これから行政に求められる責任などが話されました。
講演会の後は実行委員のほか、手伝ってくれた学生ボランティアスタッフ、川口さんを囲んで交流会が行われました!冒頭では今回の交流会での振る舞い料理を提供してくれた青年団体
「海を渡った故郷の味会(海渡会)」代表の三浦由貴子さんから団体の活動紹介と日本における難民の現状などをプレゼンしてもらいました!
振る舞われた料理は写真のとおりです。写真左が、タピオカとサツマイモのデザート(ビルマ族)で、その隣に盛り付けられているのがさっぱり味のカラフルサラダ(アゼリ族)と鶏肉と小松菜のカレー(チン族)です。とてもおいしかったですよ!
朝からみんなで丁寧に仕込んでくれました!
食事後は今日の講演会で感じたことや川口さんに対する質問などを参加者が出し合って交流を深めました!
私も川口さんに質問しました!「踏み出すチカラ(原動力)はどこから来るのですか?」という質問に対して「モチベーションというものは気にしていない。あくまでも自然体で自分らしさがあるからやっていられる。」とのことでした。自然体という川口さんが取り組む姿勢に関心を抱きました!無理なく負担なくが何ごとも続ける秘訣なのかもしれませんね!
その他、ソーシャルデザインの研究や何かを始めたいという学生からも質問が飛び交って充実した交流会となりました!
川口さん、関係者の皆さん本当にお疲れ様でした!
なお、川口さんの講演の様子は
ケーブルテレビNCVでも下記の通り放送されます!函館市内および近郊の方はぜひご覧ください。
初 回/11月4日(月・祝)20:00〜
再放送/11月8日(金)20:00〜、10日(日)16:00〜 13日(水)20:00〜
センター長 仙石