札幌で行われた「指定管理」研修講座(11/5)のレポート [2012年11月09日(Fri)]
11月5日(月)札幌の北農健保会館で行われた「指定管理」研修講座に行ってきました!この講座は「北海道新しい公共支援事業 NPO等活動基盤強化事業委託業務」の一環です。 講師のお一人目はNPO法人留萌体育協会(以下:協会)の専務理事である伊端隆康さんから「留萌体育協会のとりくみ」というタイトルでご講演いただきました。 協会は、留萌市内にあるスポーツ施設、公民館、文化センター、図書館など様々な施設を公募による指定管理制度で受託し運営しています。 実は、図書館の運営を行うということで最初は「畑違いでは?」と批判を浴びたということですが、開館時間延長などのサービス向上を図ることで評価されるようになったそうです。また、三省堂書店の誘致にもポイントカードによる署名集めで尽力したそうです! ミッションとして掲げているのは「文武両道の推進」「誰もが気軽にスポーツを楽しむことのできる環境の整備」「文化に親しむことができる環境の醸成」「読書の普及」です。具体的には、各種スポーツ教室・カルチャー教室を通して子どもたちの運動能力向上や学習機会を増やすことなどです。 市民アンケートに基づいた運営と、徹底したコスト削減を実施し利用者数が右肩上がり!社会教育分野で地域の課題解決に挑戦しつづけています。アンケート結果が良好だと職員のモチベーションを上がるとのことです! 今後、青年センターを運営する上でとても参考になったヒントは下記のとおりです。 ○場の有効活用 ・ターゲットを明確にし、使われていない場を有効に使う。 ・隙間の時間帯を有効に使う。 ・使い勝手の悪い馬を改善する。 ○キーワード ・市民目線で対応する⇒僕たちが利用者だったらどのような講座、サービスを求めるか。何を言われようが市民が言ったことが正しい。 ・事業のコンセプトを明確にする。 ・マネジメント能力のある人材を配置する。いい人材を集めるには金がかかる。 ・ビジネスの視点を持つ。⇒NPOはボランティアではない。ある程度儲けて還元する。まともに税金は取られるがお金を貯める。 ・危機管理をおろそかにしない。⇒不測の事態は起こりうる。 ・わかりづらい、入りづらいを解消する。 ・申請業務の簡素化 ・雇用不安を解消することが課題 ・施設管理をするものが、市であっても指定管理者であっても、いかによいサービスを提供するかが大事。施設概要や指定管理者契約内容に「市民のために」という趣旨を盛り込むべき。その上で、市民から評価を得ているのであれば何らかのインセンティブを発生させることで雇用不安の解消やモチベーションの維持につながる。 ○目からうろこの実施事項 ・中央公民館事務室に図書館分室を開設。 ・スポーツ教室に来る人はふれあいを求めている。 ・学習コーナー開設したことでテスト前の子どもたちが集まるようになった。 ・会議室の後片付けを不要にして市民負担を軽減。乱暴に扱われることがなくなったので、備品が痛まないようになり清掃も楽になった。 講師のお二人目はNPO法人杜の伝言板ゆるるの代表理事である大久保朝江さんが「みなぎNPOプラザの指定管理業務から見えてきた課題」と題して講演されました。 みやぎNPOプラザの指定管理を軸に、月刊 杜の伝言板ゆるるを通じてのNPOの情報発信支援、ボランティア育成、NPOのIT化支援などを展開しています。東日本大震災以降は、9団体に寄付が集まる仕組みサイトを作成するなどして被災したNPO復興支援室を設置しており、多方面において活動しています。 今後、青年センターを運営する上でとても参考になったヒントは下記のとおりです。 ・指定管理者になってから、設置目的達成のために公益に該当しない団体はお断りし始めた。公益なNPOを育てたいと思うからこそ。既得権の廃止。 ・貸し室の有効利用してもらう。貸し方を変えた。半分空いたところを他に貸した⇒既得権のある団体からはクレームがあったが説得。その団体も次第に自主的に育っていった。 ・随時、会計講座などの専門相談業務を行った。 ・すべて数字化して管理・公開している。(ブログ、メルマガ、をむすび案内帳、One to Oneなど) ・民間の発想と言いつつも、行政と民間の考え方が違うので譲る部分も多いが、利益が出る自主事業を積極的に行い、それを行政が認める柔軟性を行政が持たないといけない。(施設内にあるレストランの運営などを例に) ・実態的にやっていることが仕事としていいことや地域の課題を解決すること、施設設置目的に合致していることをしていれば、NPOが管理費を積算して指定管理委託料に盛り込んでよいと考えている。具体的に数字をあげて実績を積み重ねることで理解してもらえる。 公共施設といえども、ビジネスセンスを忘れてはいけない。 それをあらためて強く感じた講演でした! 主催者である北海道NPOサポートセンター、北海道二十一世紀総合研究所の皆さん、伊端さん、大久保さんありがとうございました! センター長 仙石 |