地震や津波などの大規模災害が発生した時、個人や地域でどのように対処・行動すればいいのか?児童が様々な年代の大人たちと、災害発生時における自助・共助について体験しながら学ぶ「防災体験校庭キャンプ」が実施されました。
児童を指導するのは災害救助青年部、青少年指導員、ボランティア参加の地元中高生、PTA、そして消防署員の方たちです。まずは子どもたちに、このキャンプの目的とスケジュールを説明し、さっそく「受入準備・避難者のシチュエーション選択」から体験がスタートしました。
もし災害が発生して、たくさんの避難者が学校に集まった時、健康に問題がない人もいれば、風邪を引いていたり、ケガをしている人など、状況は様々です。そんな避難者の方たちをスムーズに誘導することは、とても重要な仕事です。開始直後はぎこちなかった子どもたちの受入態勢も、時間とともに慣れてきたのか、てきぱきとこなせるようになりました。
簡易トイレやリヤカーの組み立て、ロープの結索訓練などにも、子どもたちは積極的に参加。消防署の方のお話もしっかり聞けていて、重要な内容の時は静かにきちんと、楽しい内容のときは小学生らしく元気に盛り上がり、メリハリのある講習となりました。物干し竿と毛布を使った「担架」づくりでは「自分を乗せて持ち上げて欲しい!」と希望者が続出。大人が乗ってもびくともしない簡易担架に、子どもだけでなく中高生も驚いていました。
AEDの使い方講習は、災害時に限らず日常でも緊急に使う可能性が高く、大人が聞いても大変ためになる内容でした。使用法のレクチャーを受け、人形を使った機材操作の体験をすることで、もし緊急事態に遭遇しても、落ち着いて対処できる自信がつきました。一人では大変な胸部人工マッサージも、複数人で交代しながらやれば、子どもたちでも人の命を救うことができることが理解できる、とても貴重な場となりました。
講習後は、みんなで協力しながらのテント設営です。まさにキャンプ気分を味わうことができて、子どもたちも大興奮!テント完成後は、みんなしばらく中で「秘密基地ごっこ」を楽しんでいました。そしてお待ちかねの食事タイム。カレーや牛丼、ハヤシライスにおでんなど、たくさんのメニューから好きなものを選び、友達と一緒にテントの中で楽しみながら食べました。もちろん食事後のテントの片付けも、子どもたちは手を抜くことなく最後までやれました。
このような体験を通じて地域の防災意識を高めるとともに、緊急時に行動や対処スキルを学ぶことができました。重要なことは、高い防災意識を持ち、それを継続することだと思います。子どもたちが今回学んだことを、今後多くの人に伝えてくれたらと思います。