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温暖化を「不都合な真実」にしてしまう世界は厳しい状況になるのでは[2025年11月30日(Sun)]
 TBS NEWS DIG2025年7月7日付け「記録的猛暑も「温暖化は嘘」? SNSで増える懐疑論 トランプ氏は否定…温暖化は「不都合な真実」か」から、年々、厳しさを増す夏の暑さ…ところが、その背景にある地球温暖化から目を背けるような動きが起きています。
猛暑…温暖化に懐疑の声
猛暑の中、コメ作りが進む田んぼに行くと
コメ農家・多田正吾さん(千葉・東庄町) 「今年は雨が降らないので、こんなに(土が)割れてしまった。あんまり割れると稲の成長も悪くなる」
想定より降水量が少なく、異常な高温が続けば、コメの出来への影響は避けられません。
多田さん 「雨がなければ細くなる。実が小さい」
出荷量が減少し、今後更なる価格高騰に繋がる可能性もあります。
街録 「めちゃくちゃ暑いです。暑くて溶けちゃいそうです」
東京都心では、6月の真夏日の日数が観測史上、過去最多を更新しました。7月に入っても列島各地で体温超えの暑さに見舞われています。
こうした猛暑は、世界でも。
火曜日、フランスでは「命が危険にさらされる」として5年ぶりに最高レベルの「熱波警報」を発表。
パリ市民 「冷蔵庫、いや、冷凍庫に入りたい気分だわ」
イタリアのローマでは最高気温が連日40度近くを記録。スペイン南部では、6月28日、46度を観測しました。
スペイン市民 「この暑さには慣れない。どうにもできないので仕方がない」
尋常とはいえない猛暑の背景にあるとされるのが「地球温暖化」。
ところが今、世界を見渡すと、この温暖化に懐疑的な声が広がっているのです。
インフルエンサー ジョー・ローガン氏 「気候が安定してないことは当然。人間の影響で気候変動したのではない」
こうした発言を行っているのは、インターネットの配信番組で、世界的人気を博すインフルエンサー。このチャンネルの登録者数は2000万人に及びます。
イギリスのニュースサイトの分析によれば、気候変動に懐疑的なXの投稿は、2021年と比べ82%、YouTubeでも43%増加しています。
さらに、温暖化という科学的事実そのものに背を向けるのが
トランプ氏が“温暖化否定”で トランプ大統領 「(化石燃料を)掘って掘って掘りまくれ!」
地球温暖化を否定し、温暖化対策を定めたパリ協定から脱退したトランプ大統領。
2025年、政府の歳出削減を名目に、アメリカの気候科学をリードするNOAA「アメリカ海洋大気局」の職員、2000人以上を削減すると発表したのです。
解雇されたNOAA気候科学者 「気候科学と、まさに今取り組むべき重要な仕事が、政権の標的になってしまった」
気候変動を「不都合な真実」として覆い隠すような動きが広がる中、その影響は日本にも及びます。
国立環境研究所がNOAAと予定していた共同観測の計画が頓挫。準備に当たった研究者は
国立環境研究所・谷本浩志さん 「信じられないほどの驚き。科学は『不都合な真実』があったとしても、それを解決していくためのツールであり、非常に重要な武器」
日本人は“温暖化意識”が低い? そうした中で発表された世界32か国の温暖化対策に関する意識調査。その結果は意外なものでした。
気候変動対策として「個人の行動が必要だ」と感じる人の割合が、日本は32か国中最下位の40%。
しかも4年前から19ポイントも減少しているのです。街で聞いても...
街録「私ひとりがやってもなっていう気持ち」
街録「いざ自分で何かやっているかというと、思いつかない」
こうした声の背景を、地球温暖化問題に詳しい専門家は..
江守正多教授(東大未来ビジョン研究センター) 「講演をしていて、温暖化が心配な人と尋ねるとみんな手を上げる。しかし温暖化が止められると思う人と尋ねると全然手が上がらない。ある意味で問題が大きすぎて、自分が何かしてもどうにかなるものではないと多くの人が感じているのではないか」
加えてここ最近、日本でも海外同様、温暖化に懐疑的な主張がSNSで見られるなど、厳しい現実から目をそむける人が増えているようにも見えます。
この状況に対し、今こそ私たちの意識を変える必要があると江守さんはいいます。
江守教授 「本当に気候変動に対して懐疑的な人は、日本の中で1割ぐらい。しかし『気候変動対策をやりましょう』と言われると、便利で快適な生活を犠牲にして、地球にいいことをしろと言われているような『負担意識』を感じてる人はまだ多い。」
「僕はよく『自分のことは棚に上げて下さい』と言っている。一人一人の生活レベルというより政策レベルで大きく変わっていかなきゃいけない。SNSで意見を発信するとか、投票とか、色々な形で意思を表明することはできるんじゃないかと思います」
温暖化対策が逆風にさらされる中、社会を変える取り組みが求められています。DSC00797.JPG

 地球温暖化から目を背けるような動きが起きています。このようなことが続くと厳しい状況に陥らせるだけではないでしょうか。フランスでは「命が危険にさらされる」として5年ぶりに最高レベルの「熱波警報」。 パリ市民「冷蔵庫、いや、冷凍庫に入りたい気分だわ」 、イタリアのローマでは最高気温が連日40度近くを記録。スペイン南部では、6月28日、46度を観測しました。スペイン市民「この暑さには慣れない。どうにもできないので仕方がない」尋常とはいえない猛暑の背景にあるとされるのが「地球温暖化」。インフルエンサー ジョー・ローガン氏 「気候が安定してないことは当然。人間の影響で気候変動したのではない」イギリスのニュースサイトの分析によれば、気候変動に懐疑的なXの投稿は、2021年と比べ82%、YouTubeでも43%増加しています。トランプ氏が“温暖化否定”で トランプ大統領 「(化石燃料を)掘って掘って掘りまくれ!」地球温暖化を否定し、温暖化対策を定めたパリ協定から脱退したトランプ大統領。2025年、政府の歳出削減を名目に、アメリカの気候科学をリードするNOAA「アメリカ海洋大気局」の職員、2000人以上を削減すると発表したのです。解雇されたNOAA気候科学者 「気候科学と、まさに今取り組むべき重要な仕事が、政権の標的になってしまった」気候変動を「不都合な真実」として覆い隠すような動きが広がる中、その影響は日本にも及びます。根拠の乏しいことを勝手な解釈と考え方で拡散している無責任な人たちは今後厳しい状況に陥った場合に責任を取ることができるのでしょうか。日本にも影響が及びますという狭い考えではなく地球規模で対策を考えなければならないでしょう。「『自分のことは棚に上げて下さい』と言っている。一人一人の生活レベルというより政策レベルで大きく変わっていかなきゃいけない。SNSで意見を発信するとか、投票とか、色々な形で意思を表明することはできるんじゃないかと思います」温暖化対策が逆風にさらされる中、社会を変える取り組みが求められています。地球温暖化を軽視してしまうと今でも相当厳しい状況なのにさらに厳しい世界になってしまう可能性が高いでしょう。世界中の人たちが一致団結して真剣に取り組まなければならないことでしょう。DSC00796.JPG
「幸福感下がった」。イギリスZ世代の半数が「インターネットない暮らし」望む」[2025年11月29日(Sat)]
 Forbes JAPAN2025年7月4日付け「「幸福感下がった」。イギリスZ世代の半数が「インターネットない暮らし」望む」から、イギリスの調査によると、16歳から21歳の若者のほぼ半数が「インターネットのない世界の方がいい」と感じていることがわかった。
多くの若者がデジタル疲れを感じている。とりわけソーシャルメディアが自分の感情や精神状態に悪影響を及ぼすといった悩みを抱えているのだ。
70%が「幸福感下がる」
調査によれば、InstagramやTikTokを見た後に「幸福感が下がる」と答えた人は70%になる。また、半数が「夜10時以降にアプリの使用を制限するようなルールがあった方がいい」と考えていることも明らかになった。
さらに、危険なオンライン習慣も浮き彫りになった。調査対象者の約半数が「年齢を偽って登録したことがある」と答え、同じく半数が「オンラインでの行動について親に嘘をついたことがある」と回答。また、40%が偽アカウントを作成し、4人に1人以上が「他人になりすました経験がある」と答えた。
専門家によれば、アプリの使用やスクリーンタイムに制限を設ける「時間制限」は短期的な対策にはなり得ても、デジタルによる有害な影響の根本的な解決にはならないという。
NSPCC(子どもの保護を目的とする団体)のラニ・ゴヴェンダー氏は「依存性を生みにくいプラットフォームの開発など、より広範な改革が必要」と強調する。「有害なコンテンツのリスクは時間に関係なく存在しており、その場しのぎの『時間制限』では止めることはできない」とも話した。
また、回答者の約4分の3が「パンデミック中にオンラインで過ごす時間が増えた」と述べており、そのうち68%が「そのことが精神面に悪影響を与えている」と考えている。
モリー・ローズ財団のアンディ・バローズ氏は、アルゴリズムが若者を有害な情報へと導いている現状を憂慮し、「安全設計(safe by design)」のための法律整備を急ぐべきだと訴える。この調査は、次世代の若者たちがこうした問題をしっかりと認識し、変化を望んでいることを示している。DSC00797.JPG

 16歳から21歳の若者のほぼ半数が「インターネットのない世界の方がいい」と感じていることがわかった。多くの若者がデジタル疲れを感じている。とりわけソーシャルメディアが自分の感情や精神状態に悪影響を及ぼすといった悩みを抱えているのだ。InstagramやTikTokを見た後に「幸福感が下がる」と答えた人は70%になる。また、半数が「夜10時以降にアプリの使用を制限するようなルールがあった方がいい」と考えていることも明らかになった。約半数が「年齢を偽って登録したことがある」と答え、同じく半数が「オンラインでの行動について親に嘘をついたことがある」と回答。また、40%が偽アカウントを作成し、4人に1人以上が「他人になりすました経験がある」と答えた。重く真剣に受け止めなければならないのではないでしょう。そして対策を講じる必要もあるのではないでしょうか。アルゴリズムが若者を有害な情報へと導いている現状を憂慮し、「安全設計(safe by design)」のための法律整備を急ぐべきだと訴える。この調査は、次世代の若者たちがこうした問題をしっかりと認識し、変化を望んでいることを示している。日本でも真剣に考え検討する必要があるでしょう。DSC00796.JPG
米作りは黒字化が難しいという問題を何とかしなければ[2025年11月28日(Fri)]
 女性自身2025年7月3日付け「「米作りは映画より黒字化が難しい」田んぼ継いだ『侍タイムスリッパー』監督が明かす“小規模農家の苦しみ”」から、6月30日、農林水産省は全国のスーパーで6月16〜22日に販売された米5キロ当たりの平均価格が3801円だったと発表した。前週より119円安く、値下がりは5週連続。これを受け、小泉進次郎農林水産大臣は「下げトレンドに順調に入ってきたと思う。これからも状況をしっかり注視していきたい」と語った。
「米の価格が落ち着いたとしても、根本的な問題が置き去りにされてしまうことが心配です。小泉大臣の働きかけにより、国民が米の問題について考えるきっかけができたのはよかったと思います。しかし、一時のパフォーマンスで終わらせずに、米問題の根本的な解決に向けた議論を深めてほしい。そもそも今回の米不足や価格高騰は、国による長年の農政の結果なんですから……」
そう指摘するのは、第48回日本アカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた大ヒット映画『侍タイムスリッパー』の安田淳一監督だ。安田監督は、3年前から亡き父に代わり、京都府城陽市にある実家の田んぼを継いだ米農家でもある。
「20年ほど前から、父の手伝いで田植え機やコンバインに乗っていましたが、真冬の粗起こしに始まる本格的な米作りを始めてまだ3年ほど。失敗しながらの新人米農家です。
僕は映像制作や飲食店経営・イベントプロデュースなど多角的な商売をしてきて、2013年に自主映画の製作や、その宣伝・配給を行う未来映画社を設立しました。映画までふくめて色んな商売をしてきて感じるのは、もっとも黒字化が難しい職種ではないかということです」
父の代には預かっていたぶんも含めて最盛期は5町(約5ha)あった圃場を、「自分の力ではそんなにたくさんできない」と返したため、安田監督は現在1町半の田で米作りをしているが、米作りは完全に赤字だと言う。
米作りの赤字は兼業で補填。日本の米農家の大多数を占める中小の米農家のほとんどが赤字と言う状況。そのため作り手がいなくなり米の生産が不足する。これこそ、安田監督が言う“根本的な問題”だ。 「父は、亡くなるまでのここ10年ほど、『米を作っても赤字や……』とずっと話していました。そもそも米の買い上げ価格が安すぎる。30キロ作るたびに数百円から1000円近い赤字が出る。
僕が高校生のころ、JAの買い上げ価格が11000円くらいだったのが、去年なんか8000円ちょっとですから。世の中全体の物価は上昇しているというのに」
安田監督のように、扱う田の広さが5haまでの農家を「小規模農家」といい、米農家の9割がこれに該当する。
いっぽう10ha以上の田畑を有する農家を「大規模農家」というが、小規模農家のほうがどうしても生産コストの面から黒字化が難しい状況になりがちなのだ。
「僕が米作りを継ぐのに備えて、父は生前にコンバイン(700万円)、田植え機(300万円)、トラクター(500万円)など農機具を新たに購入してくれていたんです。15年使うとしても機会の償却費が毎年100万円以上かかりますから、年間では実質マイナス100万円からのスタート。それに、いちばん高いコンバインがもっとも壊れやすいんです。
小泉大臣は農機具を『みんなで一つの機械を使えばいい』というような発言をされてましたが、農機具は使う時期が一緒だし、その取り組みの音頭を誰が取るのかなどなかなか難しい。機材の共有化なんて、誰でもいちばん初めに思いつく事ですし(笑)」
さらに、米農家の年齢層は、70歳以上が58.9%、60代が29.8%と、圧倒的に高齢者が多く、後継者も少ないという問題も抱えている。
「中期的に見て、米作りの大規模化の重要性はわかっています。でも、これまで農政が減反政策を推し進めるなどを続けてきて、この10年以上物凄く苦しんでやりくりしてきた中小規模米農家の声は無視されてきた。『自分たちは見放されている』と感じざるをえないんです。大規模化を推進する前に、まずは小規模農家の抱える不安や赤字を解消するための施策を打ち、農政への不信感を解消したのち、では大規模化をどうやって進めていくかと言う話合いをしていくべきではと思います。そもそも国の主食である米の生産を市場原理にまかせるだけでよいのかと言う思いもあります」
7月20日に投開票が行われる参議院選挙。
与党も野党も、農政に関して、消費者・生産者双方に目を向けた政策を届けてほしいところだ。DSC00799.JPG

 米問題の根本的な解決に向けた議論を深めてほしい。そもそも今回の米不足や価格高騰は、国による長年の農政の結果なんですから」目先の米の値段というよりは農政の問題を真剣に議論しなければならないでしょう。米作りの赤字は兼業で補填。日本の米農家の大多数を占める中小の米農家のほとんどが赤字と言う状況。そのため作り手がいなくなり米の生産が不足する。これこそ、根本的な問題”だ。「父は、亡くなるまでのここ10年ほど、『米を作っても赤字や』とずっと話していました。そもそも米の買い上げ価格が安すぎる。30キロ作るたびに数百円から1000円近い赤字が出る。10ha以上の田畑を有する農家を「大規模農家」というが、小規模農家のほうがどうしても生産コストの面から黒字化が難しい状況になりがちなのだ。中小の農家は兼業でなければ生活できないでしょう。「僕が米作りを継ぐのに備えて、父は生前にコンバイン(700万円)、田植え機(300万円)、トラクター(500万円)など農機具を新たに購入してくれていたんです。15年使うとしても機会の償却費が毎年100万円以上かかりますから、年間では実質マイナス100万円からのスタート。それに、いちばん高いコンバインがもっとも壊れやすいんです。農機具メーカーと販売するJAはいいのでしょうが、購入して使っている農家にとっては重い負担ですね。農機具を『みんなで一つの機械を使えばいい』というような発言をされてましたが、農機具は使う時期が一緒だし、その取り組みの音頭を誰が取るのかなどなかなか難しい。機材の共有化なんて、誰でもいちばん初めに思いつく事ですし」さらに、米農家の年齢層は、70歳以上が58.9%、60代が29.8%と、圧倒的に高齢者が多く、後継者も少ないという問題も抱えている。理屈ではわかってもできないのが現実なのでしょう。農業従事者が高齢者中心で後継者もいないことが大きな問題ですね。これまで農政が減反政策を推し進めるなどを続けてきて、この10年以上物凄く苦しんでやりくりしてきた中小規模米農家の声は無視されてきた。『自分たちは見放されている』と感じざるをえないんです。大規模化を推進する前に、まずは小規模農家の抱える不安や赤字を解消するための施策を打ち、農政への不信感を解消したのち、では大規模化をどうやって進めていくかと言う話合いをしていくべきではと思います。そもそも国の主食である米の生産を市場原理にまかせるだけでよいのかと言う思いもあります」選挙で当選することばかり考えないで農業について中長期的な視点で真剣に議論して結論を得る必要があるでしょう。
「人と違うことをやれば」[2025年11月27日(Thu)]
 PHP online2025年7月3日付け「矢部太郎さんが、競争で勝てずとも満たされている理由「人と違うことをやれば」から、芸人で漫画家の矢部太郎さんには、笑顔で過ごすために大切にしている時間があります。新刊『ご自愛さん』では、「こんなふうに考えると、自分を大切にすることにつながるかもしれません」と、気持ちがラクになるような考え方や言葉を漫画でご紹介しています。そんな矢部さんが、誰かと競うことは苦手でも幸せを感じ続けられている理由とは?
新しい環境が苦手
仕事でもプライベートでも、新しい環境や場所が苦手で、いつも緊張してモジモジしてしまいます。
仕事で初共演の方がいると「テレビではいい人に見えるけど、嫌な人だったらどうしよう」などと妄想がふくらんでしまう。プライベートでも、先輩や友達に食事や遊びに誘われると、いつも直前になって憂鬱になるんです。
楽しみにしていたのに、なぜか面倒に感じてしまう。
でも、「はじめまして」とあいさつすると、どなたもすてきな方だし、先輩や友達と遊ぶと、やっぱり楽しい。実際に行動すると、不安や面倒な気持ちは、どこかに消えてしまいます。
結果よりも過程が楽しい
こんな性格なんとかならないかな、と悩むこともあるのですが、ずっと変わらないんです。 僕の父は絵本作家で、僕の成長記録を「たろうノート」という絵日記として残してくれています。それを読むと、「保育園のクラス替えがあって大泣きした」とか「発表会が嫌で泣いていたのに、舞台に上がるとノリノリで踊りはじめた」なんてことが描いてあるんです。今も昔も変わっていなくて(笑)。
好きなことや得意なことも、小さなころから変わっていません。お絵描きをしたり、工作をしたりするなど、黙々と細かい作業をするのが好きでした。
大人になってもそれは同じで、たとえば、休みの日に癒されるのは、料理で使う食材の下ごしらえをしている時間です。料理そのものよりも、もやしのひげ根を一本ずつとったり、鶏肉の余分な脂や筋をとりのぞいたりする作業が楽しいんです。処理のしがいがあるようなお肉に出合うと「やった!」とうれしくなります。
こんな話をすると、「何が楽しいの?」と思われそうですが、僕にとっては時間を忘れるほど没頭できて「これが本職だったらいいのに」と思うくらい楽しいことなんです(笑)。 漫画を描くことも、黙々と作業できるので大好きです。描いているだけで本当に楽しい。
効率を考えると、アシスタントさんを雇って、背景などを代わりに描いてもらう方法もあるのかもしれませんが、漫画を描くこと自体が楽しいので、人にわたしたくない(笑)。
読者の方に喜んでいただけたり、出した本が増刷になったりすると、もちろんうれしいのですが、それはあくまで予期せぬボーナスのようなもの。自分が楽しいと思えることが、描き続ける一番のモチベーションになっています。
完成した作品よりも描いている時間のほうが大切というか、結果より過程が楽しいと思えることは、もしかすると僕の強みなのかもしれません。
不得意なことは無理してやらない
こんなふうに、僕の根本は昔からずっと変わっていません。今後も、劇的に変わることはないんじゃないかなと思っています。
もちろん、努力や歳を重ねることで変わる部分もあるとは思いますが、基本的に、できないことはできないし、しんどいことはしんどいまま。同じように、好きなことも変わらず楽しいままな気がします。
小さいころから僕は体が弱くて、体力も運動神経もなかったので、何かで競争しても一位にはなれませんでした。昔から「自分が勝てることは多くない」という自覚があったんです。
芸人になってからも同じような状況で、もし芸人の能力を評価するシステムがあったとしたら、ほとんどの項目で僕は最弱クラスだと思います。
気象予報士の資格をとったのも、漫画を描いているのも、人と違うことをやれば競争しなくていいという気持ちがあるからです。
だからこそ、自分が好きなことや得意なことを大切にしてきたし、何をしているときが自分にとって心地いいのかを普段から意識してきました。
できるかぎり自分が幸せを感じる時間を増やしていきたいし、そういう時間があれば、たとえ落ちこむことがあっても、また笑える自分をとりもどせるような気がします。
それに、自分のことを知っていると、苦手なことを避けられて、不必要に落ちこまなくてすみます。 僕は競争や瞬発力を求められるのが苦手で、お笑いのコンテストや大喜利のお仕事の話がくると、やんわり断ります(笑)。自分に合わない、しんどいことを無理してやっても続かないと感じていて。
「これができない、あれもできない」とは思わなくて、「これができれば充分だ」と満足してしまう。幸せのハードルが低いんでしょうね。「芸人なのに、そんな消極的でいいのか」とよく言われますが。
そういえば、つい最近また一つ、自分にとって幸せな時間を見つけました。家の庭の穴掘りです。庭のある古い平屋に引っ越したのですが、庭で穴を掘っているだけで楽しくて。これまでの家はベランダだったので、土を自由に掘れてうれしいんです。
そのうちお花でも植えようかな、と思っているのですが、今は穴を掘るだけで満足なので、まだそこまで到達していません。
近所の方からは「変な人が引っ越してきたな」と思われているかもしれませんが(笑)、今日も黙々と庭を掘ろうと思います。DSC00802.JPG

 好きなことや得意なことも、小さなころから変わっていません。お絵描きをしたり、工作をしたりするなど、黙々と細かい作業をするのが好きでした。大人になってもそれは同じで、たとえば、休みの日に癒されるのは、料理で使う食材の下ごしらえをしている時間です。料理そのものよりも、もやしのひげ根を一本ずつとったり、鶏肉の余分な脂や筋をとりのぞいたりする作業が楽しいんです。処理のしがいがあるようなお肉に出合うと「やった!」とうれしくなります。こんな話をすると、「何が楽しいの?」と思われそうですが、僕にとっては時間を忘れるほど没頭できて「これが本職だったらいいのに」と思うくらい楽しいことなんです(笑)。 漫画を描くことも、黙々と作業できるので大好きです。描いているだけで本当に楽しい。あまり好き好んでやらないかもしれませんね。完成した作品よりも描いている時間のほうが大切というか、結果より過程が楽しいと思えることは、もしかすると僕の強みなのかもしれません。なるほど。基本的に、できないことはできないし、しんどいことはしんどいまま。同じように、好きなことも変わらず楽しいままな気がします。小さいころから僕は体が弱くて、体力も運動神経もなかったので、何かで競争しても一位にはなれませんでした。昔から「自分が勝てることは多くない」という自覚があったんです。「これができない、あれもできない」とは思わなくて、「これができれば充分だ」と満足してしまう。幸せのハードルが低いんでしょうね。「芸人なのに、そんな消極的でいいのか」とよく言われますが。確かに自分自身に素直に生きることが大事ですね。つい最近また一つ、自分にとって幸せな時間を見つけました。家の庭の穴掘りです。庭のある古い平屋に引っ越したのですが、庭で穴を掘っているだけで楽しくて。これまでの家はベランダだったので、土を自由に掘れてうれしいんです。無理をしないで正直に生きることが満足できているのですね。人はそれぞれなので生き方は多様であっていいのでしょう。個人個人が尊重されることが大事でしょう。DSC00801.JPG
日本の政治はどうなればいいのでしょうか[2025年11月26日(Wed)]
 Yahooニュース2025年7月2日付け「『日本を変える政治知識』〜 今の国民の苦境は、政治家の貴族化がもたらしたものだ」から、政治家の「世襲化・家業化」がもたらす大弊害
1991年のバブル崩壊以降、日本では17人の首相が誕生した。そのうち、10人が世襲議員だ。自民党の首相だけでみると、実に11人のうち8人が世襲議員なのだ。
そのうえ、政権与党の要職にある方々に何と世襲議員が多いことか、まったくもって驚かされる。
前回の連載【2025年6月30日の記事】でも、政治と既得権層の長年の癒着について申し上げたが、政権与党が目先のバラマキだけを重視し、長期的な視点に立った政策立案を怠ってきたツケは、あまりにも大きい。
日本が長期低迷から抜け出せないのは、日本を引っ張るリーダー層の「政治家」が「政治屋」または「貴族」になってしまったという結果だ。
政治家が世襲して政治屋という家業を継ぐと同時に、特権を持った貴族のような存在になってしまい、その貴族の地位を選挙で守るのが最優先事項となってきたわけだ。
国民は「演出が上手い政治家」に騙されるな
政治資本が本来投入されるべき政策に投入されてこなかったという事実は、国民にとって非常に不幸な出来事だったといわざるをえない。
かつて小泉純一郎首相は劇場型政治の先駆者として国民の人気を誇ったが、彼はその政治資本のほぼすべてを「郵政民営化」に費やした。その後、郵政民営化は成功したのだろうか。
実際のところ、日本郵政公社は2007年に日本郵政として民営化して以来、不祥事を繰り返している。その組織の中身は旧態依然としたままだ。郵政民営化は見事に失敗したのだ。
今の政治の世界をみても、政治ショーの演出は優秀だが「この人は本当に大丈夫?」という政治家が多い。SNSの見せ方が得意だからといって、見識や行動力が備わっているかどうかは別物だ。
おそらく、彼らは今の物価高の主因を理解していない。主因がわかっていないのだから、有効な政策を訴えることなどできるわけがない。(この点については、次回か次々回の連載で申し上げたい。)
この日本を世襲議員がダメにした
少子高齢化。これは30年前から予見されていた問題だ。
社会保障費の膨張。深刻な人手不足。老朽インフラの更新費用不足。これらも少子高齢化に起因する問題で、30年前から予見されて問題だ。【2023年3月1日の記事参照】
氷河期世代の老後。地方医療の疲弊。買い物難民の増加。これらも10年以上前から言われてきた問題だ。
このように、ずっと前からわかっていたにもかかわらず、未だ有効な手立てが講じられていない問題を取り上げたら枚挙にいとまがない。すなわち、リーダー層を担ってきた世襲議員が日本をダメにしたといっても過言ではない。
選挙のたびに「景気を良くする」「暮らしを良くする」と訴える候補者ばかりで辟易する。もう30年近く同じ言葉を聞かされ続けてきた国民にできるのは、政治屋貴族を一掃することくらいではなかろうか。DSC00804.JPG

 1991年のバブル崩壊以降、日本では17人の首相が誕生した。そのうち、10人が世襲議員だ。自民党の首相だけでみると、実に11人のうち8人が世襲議員なのだ。そのうえ、政権与党の要職にある方々に何と世襲議員が多いことか、まったくもって驚かされる。世襲を一方的に悪いとは言えないかもしれませんが、多様性に欠けることは明かで、新しい芽が出ないようにしているかもしれません。政治と既得権層の長年の癒着について申し上げたが、政権与党が目先のバラマキだけを重視し、長期的な視点に立った政策立案を怠ってきたツケは、あまりにも大きい。日本が長期低迷から抜け出せないのは、日本を引っ張るリーダー層の「政治家」が「政治屋」または「貴族」になってしまったという結果だ。政治家が世襲して政治屋という家業を継ぐと同時に、特権を持った貴族のような存在になってしまい、その貴族の地位を選挙で守るのが最優先事項となってきたわけだ。確かに政治と既得権層との癒着した政治になっているかもしれません。選挙目的の短期的視点が中心で長期的な視点が欠けていることも明らかでしょう。今の政治の世界をみても、政治ショーの演出は優秀だが「この人は本当に大丈夫?」という政治家が多い。SNSの見せ方が得意だからといって、見識や行動力が備わっているかどうかは別物だ。おそらく、彼らは今の物価高の主因を理解していない。主因がわかっていないのだから、有効な政策を訴えることなどできるわけがない。支持率を意識してSNSを駆使して上げようとしている政治家が多いことは危惧されるのではないでしょうか。国民には政治家を見極める力が必要になってくるでしょう。ずっと前からわかっていたにもかかわらず、未だ有効な手立てが講じられていない問題を取り上げたら枚挙にいとまがない。すなわち、リーダー層を担ってきた世襲議員が日本をダメにしたといっても過言ではない。選挙のたびに「景気を良くする」「暮らしを良くする」と訴える候補者ばかりで辟易する。もう30年近く同じ言葉を聞かされ続けてきた国民にできるのは、政治屋貴族を一掃することくらいではなかろうか。国民の生活について真剣に考えるのではなく、選挙で当選することしか考えていないような政治家をしっかり見極める必要があるでしょう。国の政治を左右するのは国民でしょう。その責任は重大だと言えるのではないでしょうか。DSC00803.JPG
日本の経済失政の連続は、政治と既得権層の癒着によるものだ[2025年11月25日(Tue)]
 Yahooニュース2025年6月30日付け「『日本を変える政治知識』〜 日本の経済失政の連続は、政治と既得権層の癒着によるものだ」から、バラマキがやめられない背景
私が大学生になったばかりの頃に、「1.57ショック」が起こった。1989年の出生率が過去最低値の1.57となり、大きな社会問題としてクローズアップされたのだ。
その結果、少子化は「深刻で静かなる危機」と位置づけられ、政治の最優先の対策事項になるかにみえた。昨今騒がれている社会保障の負担や人手不足の問題などは、当時から概ね予測されていたわけだ。【2023年3月1日の記事参照】
しかしながら、その後の政権与党はバブル崩壊後の後始末に追われ、いつの間にか少子化対策は忘れ去られてしまった。
政権与党がバブル崩壊後にやってきたのは、長期的な視点で欠かせない最優先の政策を先送りしながら、選挙のために場当たり的なバラマキに終始してきたということだ。特に多くの業界団体に補助金を出すことで、選挙の応援や票を買ってきたのだ。
自民党は支持母体となる友好団体が500を超える。すべての業界団体に日頃から応援してもらうためには、予算をばらなくしかないというのが実状だ。
コメ価格の高騰はバラマキの結果だ
しかし、補助金付けにされた業界はむしろ劣化が著しい。農業がその典型例だ。
農業の成長戦略は難しくなかったはずだが、既得権層の利益を重視し続けた挙げ句、今となっては農業の復活は極めて厳しい状況になってしまった。コメ価格の高騰は、補助金付けの後遺症にすぎない。【2013年1月24日の記事参照】
政治の世界は、結果が出るまでに10年〜20年といった長い時間を要する政策、すなわち、すぐには票にならない政策を重要視しない。それゆえ、少子化対策や成長戦略は放置されてきた。【2017年5月18日の記事参照】
その帰結として、日本の少子化は不可逆的な臨界点をあっさりと通過してしまった。50年後も少子化は止まらないだろう。そのうえ、成長が伴わない高インフレも襲来した。
岸田政権下での「異次元の少子化対策」も、場当たり的なバラマキにすぎない。韓国が大規模な予算を投じてきた少子化対策でまったく成果を出せなかったことを、とても分析しているとは思えない内容だった。
日本は選挙が多すぎる
なぜ、このようなバラマキの繰り返しが起こるのか。
それは、政権与党の政治資本が「選挙に勝つ」という一点に集中しすぎているからだ。
日本は選挙が多すぎる。国政選挙は1990年以降で23回(衆院選12回、参院選11回)行われているのだ。他の先進国の2倍以上の回数で、地方選挙を含めると重要な選挙は毎年ある。
選挙の頻度が高ければ多ければ多いほど、少子化対策や成長戦略といった、結果が遠い先に出るような改革は先送りになる傾向が強い。【2025年4月21日の記事参照】
日本は30年にわたって、経済も国民生活も沈み続けてきた。これは、政権与党の先送り体質や無責任が招いた災難だ。政治の怠慢をこれ以上放置するのは、なんとしても避けたいところだ。DSC00806.JPG

 私が大学生になったばかりの頃に、「1.57ショック」が起こった。1989年の出生率が過去最低値の1.57となり、大きな社会問題としてクローズアップされたのだ。その結果、少子化は「深刻で静かなる危機」と位置づけられ、政治の最優先の対策事項になるかにみえた。昨今騒がれている社会保障の負担や人手不足の問題などは、当時から概ね予測されていたわけだ。しかしながら、その後の政権与党はバブル崩壊後の後始末に追われ、いつの間にか少子化対策は忘れ去られてしまった。政権与党がバブル崩壊後にやってきたのは、長期的な視点で欠かせない最優先の政策を先送りしながら、選挙のために場当たり的なバラマキに終始してきたということだ。特に多くの業界団体に補助金を出すことで、選挙の応援や票を買ってきたのだ。自民党は支持母体となる友好団体が500を超える。すべての業界団体に日頃から応援してもらうためには、予算をばらなくしかないというのが実状だ。効果的な少子化対策がなされてこなかったことが今の厳しい状況になっているのでしょう。政権与党は選挙で勝利するために高齢者や業界団体を中心にバラマキと補助金を出して投票してもらっていたことは確かでしょう。農業の成長戦略は難しくなかったはずだが、既得権層の利益を重視し続けた挙げ句、今となっては農業の復活は極めて厳しい状況になってしまった。コメ価格の高騰は、補助金付けの後遺症にすぎない。政治の世界は、結果が出るまでに10年〜20年といった長い時間を要する政策、すなわち、すぐには票にならない政策を重要視しない。それゆえ、少子化対策や成長戦略は放置されてきた。日本の少子化は不可逆的な臨界点をあっさりと通過してしまった。50年後も少子化は止まらないだろう。そのうえ、成長が伴わない高インフレも襲来した。日本の政治では中長期的な視点が欠如していることで明るい未来を展望できなくしているのでしょう。政権与党の政治資本が「選挙に勝つ」という一点に集中しすぎているからだ。日本は選挙が多すぎる。国政選挙は1990年以降で23回行われているのだ。他の先進国の2倍以上の回数で、地方選挙を含めると重要な選挙は毎年ある。選挙の頻度が高ければ多ければ多いほど、少子化対策や成長戦略といった、結果が遠い先に出るような改革は先送りになる傾向が強い。日本は30年にわたって、経済も国民生活も沈み続けてきた。これは、政権与党の先送り体質や無責任が招いた災難だ。政治の怠慢をこれ以上放置するのは、なんとしても避けたいところだ。選挙には莫大な公金が使われています。選挙が多いということは選挙に勝利するために目先の投票してくれそうな政策が増え中長期的な視点で考えなければならない重要な政策が論じられない可能性が高いでしょう。このような政治を国民はどう思っているのでしょうか。政治を変革できなければますます厳しい状況に陥ってしまうのではないでしょうか。DSC00805.JPG
参議院は本当に必要なのか議論すべきでは[2025年11月24日(Mon)]
 Yahooニュース2025年6月30日付け「参議院とは何か? 棄権や安易な選択で6年もの国会議員の地位と年収数千万円を与える重要な選挙」から、いよいよ参議院通常選挙が迫ってきました。そこで「そもそも論」として参議院とは何で今回の選挙がいかなる意味を持つのかを改めて確認してみます。
 ネット上でも国会議員に対する不信感は相当なもの。でもその面々を選んでいるのは他ならない私たち有権者です。その意味で国会議員批判は正当な批判であると同時に自業自得でもあります。
基本的に衆参両院は同格
 国会は衆議院(任期4年・定数465)と参議院(任期6年・同248人)の二院で成り立っています。学校で以下のような「衆議院の優越」規定があるので衆議院の方が力があると思われがちですが、基本的に両院は同格なのです。
 優越規定は「衆議院可決、参議院否決」の場合、以下のようになります。
法律案……衆議院で出席議員の3分の2以上で再可決すれば成立
予算案……最終的に衆議院の議決で成立
条約の締結……最終的に衆議院の議決で成立
首相指名……最終的に衆議院の議決で成立
 また内閣不信任決議は衆議院だけできる制度。決議されたら首相は衆議院解散か内閣総辞職のいずれかを選択しなければいけません。似た制度の参議院首相問責決議に「しなければいけない」法的拘束力はないのです。
今回は参院選でも「政権選択選挙」
 国会は立法府だから件数だけで比較したら「法律案」特に内閣提出法案の審議と採決が圧倒的。現在は衆議院で少数与党、参議院は多数なので衆議院さえ何とか通過(可決)させれば参院を与党は心配せずに済みます。
 しかし次の選挙で与党が参院でも過半数を失ったら「衆議院可決、参議院否決」がにわかに現実味を帯びるのです。その際は前記の通り衆院3分2の再可決しか選択肢はなく、少数与党ゆえ到底及びません。あらゆる法律案を葬り去る能力を野党が持つと言い換えてもいい。その意味で今回の参院選は通常、衆院総選挙に用いる「政権選択選挙」でもあって極めて重要です。
当選させるとは多額の報酬を我々の税で保証するのを容認したに等しい
 任期4年とはいえ、ほぼ確実に解散・総選挙がある(任期満了は過去1回のみ)衆院議員と異なって当選すれば6年間の身分を保証されます。6年は長い。小学校1年生が6年生になるまでといえば改めてご理解いただけるかと。
 先述の通り衆参は基本的に同格なので報酬面も原則同額。議員個人に支給される歳費(基本給に近い)の月額は約130万円。期末手当の約635万円を加えると年収約2200万円。
他に「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)が月額100万円(年間1200万円)。
 加えて法律を作るための研究などに充てる立法事務費が議員1人につき月額65万円が会派に、年間約320億円の政党交付金が政党に入ってきます。ただちに議員個人の収入とならないものの、ならせば数百万円はもらっていそう(政党交付金を拒否している日本共産党を除く)。合計すると年4000万円程度はもらう勘定です。
 さらに都心の一等地に10万円を切る月額家賃で住める議員宿舎(東京23区に自宅がある議員は除外)も用意され、政策秘書、公設第一秘書、第二秘書の3人を雇えます。いずれも国費から給料が出て3人合わせて年間2000万円から2400万円ぐらい。公設第一と第二は資格が要らないので家族を据えている場合も。こうなると実質的な給与でしょう。
 選挙に当選させるとは以上のような報酬を我々の税で保証するのを容認したに等しい。あだや疎かにできません。
「良識の府」にふさわしい担い手なのかも見極めたい
 参院選が衆院より盛り上がらないのは定数がそもそも約半分な上に、衆議院が「総」つまり全員を一斉に選ぶのに対して参院は半数を3年ごとに選ぶ仕組みというのも関係していそう。
 憲法のどこを読んでも「参議院の役割」を明記した個所はありません。あえていえば衆議院が解散されている状況下で国に緊急の必要があると内閣が判断したときに参議院の緊急集会を求められるという条項ぐらい。でも過去1回も行われていないのです。
 だいたい何で衆議院に加えて参議院があるかについて毎日新聞2010年7月18日付朝刊における冠木雅夫論説委員長の署名記事「『強すぎる参議院』創設時の論議は参考になる」が興味深い。戦後日本を占領したGHQの高官が「一院制が一番簡明」と主張したのに対して日本側の責任者が「多数党が一時の考えでやったこと、一時の誤りでとんでもないことをやる」「ことを一ペン考え直す」「第二院があれば、政府の政策に安定性と継続性がもたらされる」と反論し「第1院の多数党による暴走の抑制に大きな関心があった」と記事は伝えます。
 だからか今日まで衆議院の多数党(ほとんどは与党)の「暴走」を防ぐ「良識の府」という異称が参院に与えられています。候補者や政党の公約などからふさわしい担い手なのかも見極めたいところ。
選挙区選出議員も地域代表でなく「全国民を代表する」
 「すべて国民は、法の下に平等であって」(憲法14条)「国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」(同前文)とあるにも関わらず参院選挙区の1票の格差は直近の22年参院選で最少の福井選挙区と最大の神奈川選挙区の格差が3.03倍。神奈川の有権者の1票は福井の3分の1以下なのです。これが「正当」な「選挙」なのか。
 1票が軽い側には他に東京、千葉、大阪など大都市圏が目立ちます。定数是正(格差の縮減)の公職選挙法改正は国会議員の身分に関する事柄ゆえ行政府からでなく議員立法で行います。近年だと15年に「10増10減」、18年に「6増」。このご時世に議員数を増やし、なお3倍以上の格差が残っているのです。
 この話をすると決まって有権者数の少ない=削減対象の県選出議員側から「地域の声が届きにくくなる」と反論してきます。でも国会議員は地域代表でなく「全国民を代表する」(憲法43条)と明記されているのです。
 抜本的な解消は今の選挙区=原則都道府県を廃して衆院比例区のようなブロック制導入が目下最有力。反対しているのが自民と立憲民主党となります。
「いわゆる裏金議員」13人が「全員お咎めなし」で立候補予定
 自民党に限れば今回の選挙で派閥の政治資金パーティで得た収入を政治資金収支報告書に記載していなかった「いわゆる裏金議員」が全部で13人公認され立候補する予定です。
 「そろそろこの話題も国民は忘れているのでは」との楽観論は先の都議選における自民大敗でみごと覆されました。
 しかも今回の参院選における「裏金」議員への対応は非公認や比例への重複立候補を認めなかった24年総選挙、幹部を非公認とした都議選より甘く端的にいって「全員お咎めなし」。何らのハンディも課さず堂々の公認です。
 都議選は「裏金」都議候補が軒並み落選というより党全体への不信が過去最低議席数という結果に結びつきました。個人に止まらず党のガバナンス不信と言い換えてもよさそうです。さて「全員お咎めなし」に有権者がいかなる判断を下すのか。興味が尽きません。DSC00808.JPG

 国会議員というか政治家に対する国民の信頼感が薄れ、不信感が募っている中で参議院選挙がありますが、衆議院と同じような機能を持つ議会が必要なのでしょう。議員の定数を削減することを求めている国民が少なくないでしょう。優越規定は「衆議院可決、参議院否決」の場合、以下のようになります。法律案……衆議院で出席議員の3分の2以上で再可決すれば成立、予算案……最終的に衆議院の議決で成立、条約の締結……最終的に衆議院の議決で成立、首相指名……最終的に衆議院の議決で成立。また内閣不信任決議は衆議院だけできる制度。決議されたら首相は衆議院解散か内閣総辞職のいずれかを選択しなければいけません。似た制度の参議院首相問責決議に「しなければいけない」法的拘束力はないのです。衆議院の方が優越であることを考えれば参議院はなぜ必要なのでしょうか。議論をする場としての意義はあるでしょうが、国会の場での議論が事前に数合わせをして盛り上がらない状況ではどうなのでしょうか。次の選挙で与党が参院でも過半数を失ったら「衆議院可決、参議院否決」がにわかに現実味を帯びるのです。その際は前記の通り衆院3分2の再可決しか選択肢はなく、少数与党ゆえ到底及びません。あらゆる法律案を葬り去る能力を野党が持つと言い換えてもいい。その意味で今回の参院選は通常、衆院総選挙に用いる「政権選択選挙」でもあって極めて重要です。それでも参議院がなぜ必要なのかと考えると説得力に欠けるのではないでしょうか。衆院議員と異なって当選すれば6年間の身分を保証されます。6年は長い。小学校1年生が6年生になるまでといえば改めてご理解いただけるかと。先述の通り衆参は基本的に同格なので報酬面も原則同額。議員個人に支給される歳費(基本給に近い)の月額は約130万円。期末手当の約635万円を加えると年収約2200万円。他に「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)が月額100万円(年間1200万円)。加えて法律を作るための研究などに充てる立法事務費が議員1人につき月額65万円が会派に、年間約320億円の政党交付金が政党に入ってきます。ただちに議員個人の収入とならないものの、ならせば数百万円はもらっていそう(政党交付金を拒否している日本共産党を除く)。合計すると年4000万円程度はもらう勘定です。さらに都心の一等地に10万円を切る月額家賃で住める議員宿舎(東京23区に自宅がある議員は除外)も用意され、政策秘書、公設第一秘書、第二秘書の3人を雇えます。いずれも国費から給料が出て3人合わせて年間2000万円から2400万円ぐらい。公設第一と第二は資格が要らないので家族を据えている場合も。こうなると実質的な給与でしょう。選挙に当選させるとは以上のような報酬を我々の税で保証するのを容認したに等しい。あだや疎かにできません。参議院に限らず衆議院も含めて公金が使われ過ぎでしょう。議員ではなく第3者が公正、公平にあり方を真剣に議論すべきでしょう。何で衆議院に加えて参議院があるかについて、戦後日本を占領したGHQの高官が「一院制が一番簡明」と主張したのに対して日本側の責任者が「第二院があれば、政府の政策に安定性と継続性がもたらされる」と反論し「第1院の多数党による暴走の抑制に大きな関心があった」。そうかもしれませんが、国民は納得するでしょうか。「すべて国民は、法の下に平等であって」(憲法14条)「国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」(同前文)とあるにも関わらず参院選挙区の1票の格差は直近の22年参院選で最少の福井選挙区と最大の神奈川選挙区の格差が3.03倍。神奈川の有権者の1票は福井の3分の1以下なのです。これが「正当」な「選挙」なのか。1票が軽い側には他に東京、千葉、大阪など大都市圏が目立ちます。定数是正(格差の縮減)の公職選挙法改正は国会議員の身分に関する事柄ゆえ行政府からでなく議員立法で行います。近年だと15年に「10増10減」、18年に「6増」。このご時世に議員数を増やし、なお3倍以上の格差が残っているのです。この話をすると決まって有権者数の少ない=削減対象の県選出議員側から「地域の声が届きにくくなる」と反論してきます。でも国会議員は地域代表でなく「全国民を代表する」(憲法43条)と明記されているのです。首都圏を除いた地方の県の議員も大事でしょうが、格差は是正しなければならないことを考えれば議員数が増える2院が本当に必要なのでしょうか。選挙で当選することしか考えていないのか、国会議員は地域代表ではなく全国民の代表であることが認識されていないのでしょう。参院選挙で与野党が逆転するかどうかということだけが注目されますが、参議院が本当に必要な課という真摯な議論をするときがきているのではないでしょうか。DSC00807.JPG
教育に情熱を燃やした45歳で主幹教諭が今からでも「教育界を去る」深刻な事情とは[2025年11月23日(Sun)]
 東洋経済education×ICT2025年6月29日付け「「困難校」教育に情熱を燃やした45歳で主幹教諭が今からでも「教育界を去る」深刻な事情とは……“1人の歪なリーダー”が招いた人材流出の結末」から、人間誰しも、愚痴を聞いてほしいときもあれば、喜びを分かち合いたいときもある。それは学校の教員も同じだ。つらい経験に共感したり、笑い話にほっこりしたり、はたまた、成功体験をシェアしたり――、そんな学校現場の知られざる「リアル」をお届けしていく。
今回話を聞いたのは、教員21年目の若林直人さん(仮名)。公立高校で主幹教諭を務めているが、今年度限りで退職することを決意。別業種への転身を予定しているという。一定の収入と、積み重ねてきたキャリアを捨てる決断の背景には何があったのか。若林さんの教員人生を追った。
<プロフィール> 投稿者:若林直人(仮名) 年齢:45歳 勤務先:公立高校(主幹教諭)
「生徒を見捨てない」教育困難校で伸ばした教員のスキル
若林さんが教育に関心を持ったのは、大学生のときだった。ただ、当時は教員採用試験の競争倍率が非常に高かった時代。文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」によれば、若林さんが大学生だった25年前の2000年は、小学校12.5倍、中学校17.9倍、高校13.2倍といずれも10倍以上だった。
「そんな狭き門を通過できるとは思えなくて、大学時代は教職課程をとりませんでした」
就職氷河期でもあり、うかうかしていると働き口が見つからないという危機感もあったのだろう。若林さんは進路を教員に絞る選択はせず、いったんは民間企業に就職した。
しかし、教育への情熱は消えなかった。働きながら通信制大学の教職課程で学ぶことを決意し、2年後に採用試験の合格を勝ち取る。
最初に勤務した高校は、いわゆる進学校ではなかった。地域では「教育困難校」とみなされており、タバコを吸っている生徒が多数いたほか、校内暴力も目立っていたという。それでも、学級崩壊に関心を持っていた若林さんにとってはむしろ意欲を掻き立てられる状況だった。
「加えて、校長先生をはじめとする先生方が『生徒を見捨てない』という意思を共有していたので、今思えばやりやすい環境だったと思います。困ったときは先生同士で当たり前のように助け合っていたので、私も必要なときはすぐに動ける行動力が身につきましたし、初任だったこともあって先生方からいろいろなアドバイスを得られたのもありがたかったです」
そうして日々生徒と向き合う中で、教員としてのやりがいもより味わえるようになっていく。
「ともにいろいろなことに取り組む中で、生徒たちは学力だけでなく社会性もつけていきました。取り組んだことが成果となって表れるので、本当にやりがいがありました」
担任を持たない場合は、授業でしか生徒と接することができないため、若林さんは積極的に担任を受け持つようになった。
「担任をしていると、教科の授業だけでは見えない生徒の実態が掴めます。まったく勉強に集中できない生徒に、実は発達障害があることが判明したり、保護者が事件を起こして逮捕されていたりなど、本人だけでは解決できない問題が発生することもあります。こうしたケースは、適切な関係機関や制度による支援につなげるなど、生徒だけで抱え込まないように努めてきました」
異動でぶち当たった「パワハラ環境」の弊害
若林さんが担任にこだわる姿勢は、異動後の2校目で主幹教諭に任命された際に“担任を持つこと”を条件に加えたところにも表れている。主幹教諭は、校長や副校長、教頭を補佐するポジションで、学校運営に関する企画・調整を行うとともに、教職員の指導・監督・育成も担う。担任がプレイヤーだとしたら、主幹教諭はいわゆるマネジメントの役割を担うため、担任を兼務するのは簡単ではない。
「担任をしても手当がつくわけではありませんし※、主幹教諭は業務量も多いので、当然負担は増していますが、やはり楽しいんですよね。大変ではありましたが、だからこそ続けてきました」※2025年6月現在、文部科学省の審議会において、教員の処遇改善策として「担任手当の支給」が検討されており、2026年度から実施される可能性がある 続けられたのは、前述のように教員同士が自然に助け合うなど働きやすい環境が整っていたからでもあったという。初任の高校も、主幹教諭となった2校目も、その点は共通していたそうだ。
ところが、3年前に異動した現在の勤務校は様子が違った。着任初日から明らかな違いを感じさせる出来事があった、と若林さんは明かす。
「事前に、主幹教諭として着任することは決まっていましたが、その仕事内容は着任当日までまったく知らされなかったんです。私は複数の教科で教員免許を持っているのですが、どの教科を担当するかすらわかりませんでした」 教員のキャリアは長かったものの、異動の経験は実質2回目だった若林さんは、初めこそ「こんなものなのかな」と思っていた。しかし、周りに聞くと「そんなことはありえない。副校長がサボっていたのでは」という驚きの言葉が返ってきたという。
「当時の体制では、副校長がそうした連絡を担当していたのですが、それを怠っていたわけです。実際に勤務をするうちに、副校長自体に問題があることがわかってきました。
一言でまとめると、ものすごくパワハラ気質の人だったんです」
教員を理不尽に怒鳴りつけ、聞くに堪えない暴言を吐く。これが日常的に行われていたため、職員室内の雰囲気は非常に悪かった。若林さんも、さしたる理由がないのに毎日暴言を受けたという。
「ひどかったのは、保護者から電話がかかってくると、対応する担任の横に副校長がぴったり仁王立ちでついて『その言い方はないな』などとダメ出しをするんです。前の勤務校では、その場にいる先生たちで一緒に対応策を考えたり、必要に応じて助け舟を出したりしていましたが、副校長は助けるどころか、“評価”が始まってしまうのです」
こうした雰囲気の中で、助け合いの輪が生まれるはずもない。それどころか、生徒や保護者の対応は担任のみが行い、他の教員は介入しないという不文律ができあがっている。
副校長のほか、彼に近いベテラン教員がこの風土を主導している状況だ。
「担任をしているのは20代、30代の先生がほとんどで、みんな本当に一生懸命取り組んでいるんです。でも、それは個々の若さと情熱に支えられている部分が大きいと感じます。理不尽な暴言を受け続ければ、いつかそれも崩れて、メンタルに悪影響を及ぼすのではないかと危惧しています」
ずさんな会計処理の尻拭いで「完全に心が折れた」
そう話す若林さん自身も、副校長のパワハラには疲弊している。そこへ追い打ちをかけたのが、使途不明金の発覚だった。
「私は主幹教諭としてPTAとも連携しているのですが、会計をチェックしたら決算の数字と通帳の残高に相違があったんです。前の学校でも会計処理を担当していたので、このあり得ない事態にはとても戸惑いました」
PTA会費の管理担当は、問題の副校長だった。数字が合わないことを報告した若林さんに対し、副校長は「通帳がおかしいんじゃないのか?」と言い放ったという。
「仕方なく、引き継いだ帳簿をすべて整理しておかしな点を1つひとつ指摘したところ、なんと『こっちの帳簿が正しかった』と別の帳簿を渡してきたんです。しかしよく見ると、元の帳簿には校長がしっかり印を押しているのに、新しい帳簿には校長印がなかったんですね。それを指摘すると、『印鑑だけの話だろ』と軽くあしらわれました」
新しい帳簿では、通帳の残高との差異こそ少しマシになっていたが、日付の記入がないなど、やはり不信感があった。そこで、こちらもすべての支出を洗い出して整理してみると、領収書がない支出がいくつも出てきたという。さらに、先にPTA役員にまとまった額の現金を渡し、あとから使った分の領収書を受け取る、というずさんな処理を何年も続けていたこともわかった。最終的に判明したのは、過去5年間で約5万円の使途不明金だった。
「金額も中途半端ですし、本当に領収書の管理不足だったのか、実は不正使用があったのかまではわかりませんでした。でも、当然看過することはできないので、過去5年分のすべての帳簿を作り直し、問題点を洗い出して保護者に報告と謝罪をしました。正直、保護者たちはあまり興味がないようでしたが、当然PTAからは非難されました」
本来ここで説明責任を果たすべきはずだった副校長は、不在にしていた。パワハラなど複数の問題で内部から追及を受け、年度の最後まで休職したあげく、その後退職したのだという。矢面に立つべき人が雲隠れし、問題にまったく関わっていなかった若林さんが後始末に奔走し、各所に頭を下げる羽目になったのだ。
「これで完全に心が折れました。教育とはそもそも『尻拭い』の要素が強いものですが、教え子や後輩、お世話になった先輩ならまだしも、悪意ある副校長の尻拭いにそこまでの時間を費やしたくありませんでした。副校長は退職しましたが、学校内には影響を色濃く受けているベテラン先生がまだ多くいるので、生徒と十分に向き合える環境ともいえません。何より、こうした状況では自分自身の成長が見込めないと思い、今年度限りで教員自体を退職することに決めました」
45歳で退職、給与や退職金に揺らぐも「もう耐えられない」
勤続年数がすでに20年超の若林さんは、あと5〜10年働けば給与や退職金がさらに上がったはずだ。本人も「正直、そこは迷った」と言うが、生き生きと働けない環境でくすぶることに、もう耐えられなかったという。もう1年我慢して別の高校に異動することも考えたが、次の勤務校が必ずしも恵まれた環境とは限らないことを考えると、退職を踏み止まる理由にはならなかった。
「年齢的にも、教員を辞めるなら今がラストチャンスだと思いました。教員の経験とスキルを生かせる仕事がどれほどあるのかわかりませんが、50代、60代になってから仕事を探すとなると、なかなか採用されないと思うのです。45歳でもすでに厳しいでしょうが、もう辞め時だと思いました」
若林さんは自嘲気味に「たぶん、天職ではなかったと思うんです。教えるのもそんなに上手ではなかったと思いますし」と語る。しかし、前述のように、若林さんは熱意を持って生徒に向き合い、困っている生徒を救ってきた。いわゆる「教育困難校」での教育にやりがいを感じて20年以上一貫して取り組んできた人材が、一部の大人、しかも同じ教員に振り回されて教育界を去っていく現実を、私たちはどう受け止めるべきだろうか。DSC00810.JPG

 若林さんが教育に関心を持ったのは、大学生のときだった。ただ、当時は教員採用試験の競争倍率が非常に高かった時代。文部科学省「公立学校教員採用選考試験の実施状況」によれば、若林さんが大学生だった25年前の2000年は、小学校12.5倍、中学校17.9倍、高校13.2倍といずれも10倍以上だった。教員を目指す人が多かった頃もありましたが、今はどうでしょうか。教育現場が厳しい状況になっています。「ともにいろいろなことに取り組む中で、生徒たちは学力だけでなく社会性もつけていきました。取り組んだことが成果となって表れるので、本当にやりがいがありました」担任を持たない場合は、授業でしか生徒と接することができないため、若林さんは積極的に担任を受け持つようになった。「担任をしていると、教科の授業だけでは見えない生徒の実態が掴めます。まったく勉強に集中できない生徒に、実は発達障害があることが判明したり、保護者が事件を起こして逮捕されていたりなど、本人だけでは解決できない問題が発生することもあります。こうしたケースは、適切な関係機関や制度による支援につなげるなど、生徒だけで抱え込まないように努めてきました」教員としての醍醐味は担任を持って子どもたちと向き合うことでしょう。「年齢的にも、教員を辞めるなら今がラストチャンスだと思いました。教員の経験とスキルを生かせる仕事がどれほどあるのかわかりませんが、50代、60代になってから仕事を探すとなると、なかなか採用されないと思うのです。45歳でもすでに厳しいでしょうが、もう辞め時だと思いました」若林さんは自嘲気味に「たぶん、天職ではなかったと思うんです。教えるのもそんなに上手ではなかったと思いますし」と語る。しかし、前述のように、若林さんは熱意を持って生徒に向き合い、困っている生徒を救ってきた。いわゆる「教育困難校」での教育にやりがいを感じて20年以上一貫して取り組んできた人材が、一部の大人、しかも同じ教員に振り回されて教育界を去っていく現実を、私たちはどう受け止めるべきだろうか。熱意を持って教育にやりがいを感じてやり続けてきた教員が辞めてしまうような教育現場は大丈夫でしょうか。大丈夫でないから教員になる人は少ないし、心の病などで休職する教員が多いのでしょう。子どもたちの未来を創る教育が厳しい状況になっていることは日本にとっては大きな問題でしょう。DSC00809.JPG
稼げない農業から稼ぐ農業へ[2025年11月22日(Sat)]
 SPA!2025年6月28日付け「都会暮らしをやめて鹿児島に移住、“農業”の道へ。「稼げない」から3年で売上10倍にした若手夫婦の挑戦」から、かつては「農業の若者離れ」が叫ばれていたものの、近年では農業に対する関心が若年層を中心に高まっている。
都会暮らしから地方での生活や自然に魅力を感じ、農業を新たなキャリアの選択肢として考える人も。最近ではモデル・タレントのローラさんが農業に取り組む様子をSNSで発信するなど、今後さらに若年層の“就農”に注目の兆しが見えている。こうしたなか、農業未経験ながら独自のブランディングと販路開拓でビジネスを拡大しているのが、鹿児島県阿久根市で農園を営む「うとさんち」。
代表の宇都風香さんは、福岡から移住して夫婦で農業を始め、「儲かる農業」の情報を積極的に発信している。
「農業=稼げない」を痛感した就農1年目を乗り越え、いかにして「稼げる農業」を実現したのか。宇都さんに詳しい話を聞いた。
都会暮らしから“予想外”だった農業の道へ
宇都さんは小学生から大学生までバトミントンを続け、キャプテンを務めていたほど。
最初はリーダーとしてチームをまとめるのが難しいと思っていたものの、どうにか立て直したいという思いが強く、「誰もいないなら私がやる」というスタンスでリーダーになったそうだ。
大学卒業後は一般企業の事務職として働く日々を送るなか、農業を始めるきっかけになったのは、夫からの懇願だった。
「夫は農業系の学校に通っていたことから、以前から農業に興味を持っていました。社会人になってからは農業関連の会社で事務をやっていましたが、私との結婚式を挙げた直後に『自分の地元である鹿児島県阿久根市で農業をやりたい』と言われて。
私自身、結婚後は福岡の都会に住むつもりだったので、最初はすごく戸惑ってしまったんですよ。それでも、お互い話し合いを重ねて『私は全く土は触らない』という条件で嫁ぎました」(宇都さん、以下同)
「本当に生活できるか不安だった」。就農1年目で味わった農業の現実
就農1年目はまさに、「農業は稼げない」というイメージ通りであることを痛感したそうだ。当時は畑面積も少なく、どんなに頑張って出荷しても、手元に入ってくるお金は微々たるものだった。 これでは、農業を続けられない。
そう感じた宇都さんは、「販路を変える」ことを決意する。
「その頃はちょうどコロナ禍のタイミングで、食に対する関心がとても高まっていた時期だったこともあり、多品目の野菜を詰め合わせた『野菜セット』をネットで販売することにしました。ありがたいことに、その野菜セットは順調に売れ、事業としても良いスタートを切れたと思います。
ただ一方で、いつかコロナ禍は終わるという前提があったので、この需要がなくなってしまうんじゃないかという不安が常にありました。そこで、今のうちに次の柱になる品目を考えなければと思い、早い段階で次の展開を模索し始めました」
栽培品目を絞り込んだことで見えてきた勝ち筋
そして、年間100品目以上の野菜を栽培していた中でも売れ筋だった「とうもろこし」と「さつまいも」に目をつけ、その2つに絞って栽培を始めることに。特にとうもろこしは、抜群の“甘さ”に感動し、その思いを伝えたいということから、ブランドコーン「雪やこんコーン」と名付け、うとさんちの看板商品に仕立てたのだ。
「私は農業の知識が全くなかったので、野菜本来の美味しさや土づくりのこだわりは説明できませんが、『甘い野菜』なら農業経験がなくてもその美味しさを伝えられると思いました。誰にでも伝わりやすい“甘さ”という特徴は、後々ブランディングを考えるうえでも大きな武器になると感じたので、甘い野菜に特化して栽培することに決めたんです」
また、多品目栽培をしていたときは、飲食店に営業をかけるなかで「どの野菜がウリなんですか?」と聞かれても、うまく答えられずに「全部です」としか言えない自分に違和感を覚えていた。
これでは全く伝わらないと感じ、もっと強みが伝わりやすくて、はっきりと特徴を出せる野菜に絞った方がいいと思うようになったそうだ。
夫婦の役割分担が生んだ農業経営の新しいカタチ
しかし、とうもろこしとさつまいもの栽培面積を急に増やしたことで、人手が足りなくなってしまい、当初は虫の被害や病気の蔓延で作物がうまく育たずに苦労したという。
「常時雇用はなかなか難しかったため、単発で外国人労働者の方々に来てもらうようになってからは徐々に安定してきました。転機になったのは2023年に、鹿児島で最も大きな南日本新聞に取り上げてもらったこと。このときはメディアの影響力の大きさを実感しましたし、それによってたくさんの注文をいただけるようになりました」
このような成果につながった背景には、農業経営の役割分担がある。 畑仕事は夫に任せ、宇都さんは広報やブランディング、Eコマースに専念するといったように、自分の強みを活かし、お互いの得意分野に専念しているそうだ。
宇都さんは日頃から一旦立ち止まり、「本当にこれでいいのか」「このやり方で正しいのか」を俯瞰で考えることを心がけているという。さらに、農業系YouTuberのコンテンツをチェックしたり、気になった農家にアドバイスをもらいにいったりと、情報のインプットに対してもアンテナを張っているとか。
「多くの農家が栽培に専念する中で、私は経営計画の策定や営業活動といった、他業種では当たり前とされていることを農業でも行うことが必要だと感じています。当農園でも、栽培品目を2つに絞ってからは野菜を魅力的に見せるための工夫や、効果的なキャンペーンの実施など、試行錯誤を重ねてきた結果、少しずつ成果につながっています。もし私自身が畑仕事も兼業していたら、こうした取り組みにまで手が回らなかったと思います」
「家族の幸せを大事にしたい」子育て世代の農家が実践する働き方
農業を始めた当初は、本当に生活していけるのかと不安になるほどの収入しか得られなかったが、自分たちで販路を開拓するようになってからは右肩上がりに成長していると宇都さんは話す。
「基本的に農業は面積を広げていくことで収益を伸ばしていくビジネスで、うちも毎年少しずつ規模を拡大しています。JA出荷に頼っていた初期と比べて、現在は売り上げ規模が10倍に成長していて、その収益を事業への投資に回せるようになったことは非常に大きいと感じています。
今年は新たに同世代である30代の従業員が入ってきてくれたことで、年間を通して安定的に働いてもらえるのはすごく心強いなと思っていますね」
その一方で、「仕事も大切だが、家族を大事にしたいという思いが強い」と宇都さんは語る。もちろん農業なので、天候によってどうしても休めない日もある。その場合でも必ず後日休みを取るようにするなど徹底しているそうだ。 仕事だけに追われるのではなく、家庭とのバランスを取る。 あえて忙しい時ほどしっかりと休みを入れて、リフレッシュすることを信条にしているのは、「子どもの今しか見られない成長の瞬間を逃したくないから」だと宇都さんは話す。
地域を巻き込み、町の活性化につなげたい
今後の展望としては、さらなる事業成長を見据え、BtoB向けの新たな商材を検討しているとのこと。現在はいくつかのアイデアを候補に出している段階で、「それが形になり、販路を広げていければ、さらに事業拡大が期待できる」と宇都さんは意気込む。
「将来的に事業が大きくなったときには、自分がずっと暮らしていく予定の『阿久根市』をもっと魅力的で面白い町にしたいという想いがあります。畑のそばには美しい海もあって、そうした地域資源を生かす取り組みなど、まだまだ可能性はたくさんあると感じています」
農業は努力次第でしっかり収入を得られる仕事だからこそ、「気持ちよくポジティブにいられる考えを持つこと」が大事だと宇都さんは言う。「農業=泥だらけで大変」という固定観念にとらわれず、自分が気持ちよく、前向きに取り組める環境づくりが大事になるわけだ。
これからも、うとさんちの挑戦は続いていく。DSC00812.JPG

 都会暮らしから地方での生活や自然に魅力を感じ、農業を新たなキャリアの選択肢として考える人も。若い世代の人たちの目が農業に向いているとすれば明るい兆しでしょう。「夫は農業系の学校に通っていたことから、以前から農業に興味を持っていました。社会人になってからは農業関連の会社で事務をやっていましたが、私との結婚式を挙げた直後に『自分の地元である鹿児島県阿久根市で農業をやりたい』と言われて。就農1年目はまさに、「農業は稼げない」というイメージ通りであることを痛感したそうだ。当時は畑面積も少なく、どんなに頑張って出荷しても、手元に入ってくるお金は微々たるものだった。 これでは、農業を続けられない。「コロナ禍のタイミングで、食に対する関心がとても高まっていた時期だったこともあり、多品目の野菜を詰め合わせた『野菜セット』をネットで販売することにしました。ありがたいことに、その野菜セットは順調に売れ、事業としても良いスタートを切れたと思います。ただ一方で、いつかコロナ禍は終わるという前提があったので、この需要がなくなってしまうんじゃないかという不安が常にありました。そこで、今のうちに次の柱になる品目を考えなければと思い、早い段階で次の展開を模索し始めました」そして、年間100品目以上の野菜を栽培していた中でも売れ筋だった「とうもろこし」と「さつまいも」に目をつけ、その2つに絞って栽培を始めることに。特にとうもろこしは、抜群の“甘さ”に感動し、その思いを伝えたいということから、ブランドコーン「雪やこんコーン」と名付け、うとさんちの看板商品に仕立てたのだ。「私は農業の知識が全くなかったので、野菜本来の美味しさや土づくりのこだわりは説明できませんが、『甘い野菜』なら農業経験がなくてもその美味しさを伝えられると思いました。誰にでも伝わりやすい“甘さ”という特徴は、後々ブランディングを考えるうえでも大きな武器になると感じたので、甘い野菜に特化して栽培することに決めたんです」思い切った判断と知恵、アイデア次第で状況を転換できるのですね。「常時雇用はなかなか難しかったため、単発で外国人労働者の方々に来てもらうようになってからは徐々に安定してきました。転機になったのは2023年に、鹿児島で最も大きな南日本新聞に取り上げてもらったこと。このときはメディアの影響力の大きさを実感しましたし、それによってたくさんの注文をいただけるようになりました」「多くの農家が栽培に専念する中で、私は経営計画の策定や営業活動といった、他業種では当たり前とされていることを農業でも行うことが必要だと感じています。当農園でも、栽培品目を2つに絞ってからは野菜を魅力的に見せるための工夫や、効果的なキャンペーンの実施など、試行錯誤を重ねてきた結果、少しずつ成果につながっています。もし私自身が畑仕事も兼業していたら、こうした取り組みにまで手が回らなかったと思います」柔軟な発想、熱意と研究熱心さが大事ですね。「基本的に農業は面積を広げていくことで収益を伸ばしていくビジネスで、うちも毎年少しずつ規模を拡大しています。JA出荷に頼っていた初期と比べて、現在は売り上げ規模が10倍に成長していて、その収益を事業への投資に回せるようになったことは非常に大きいと感じています。自分たちで販路を開拓するのは容易ではないかもしれませんが、収入が増えることでやりがいが増してくるのでしょう。「仕事も大切だが、家族を大事にしたいという思いが強い」と宇都さんは語る。もちろん農業なので、天候によってどうしても休めない日もある。その場合でも必ず後日休みを取るようにするなど徹底しているそうだ。 仕事だけに追われるのではなく、家庭とのバランスを取る。 あえて忙しい時ほどしっかりと休みを入れて、リフレッシュすることを信条にしているのは、「子どもの今しか見られない成長の瞬間を逃したくないから」必要なことですね。「将来的に事業が大きくなったときには、自分がずっと暮らしていく予定の『阿久根市』をもっと魅力的で面白い町にしたいという想いがあります。畑のそばには美しい海もあって、そうした地域資源を生かす取り組みなど、まだまだ可能性はたくさんあると感じています」農業は努力次第でしっかり収入を得られる仕事だからこそ、「気持ちよくポジティブにいられる考えを持つこと」が大事だ。「農業=泥だらけで大変」という固定観念にとらわれず、自分が気持ちよく、前向きに取り組める環境づくりが大事になるわけだ。地域を元気にすることができれば地域住民からも感謝され充実感が高まるでしょう。若い世代の中で農業に従事して成功する人が増え続ければいいですね。DSC00811.JPG
少子化の影響もありますが、明らかに大学数は多過ぎるでしょう[2025年11月21日(Fri)]
 Yahooニュース特集2025年6月19日付け「留学生増員も、定員割れ私大6割──経営難なら撤退すべきか #老いる社会」から、学生の定員割れが6割に迫り、経営の悪化が指摘される私立大学。少子化の影響が深刻化する中、学生募集を停止する私大も相次ぐ。公立化や留学生増員を模索するところもあるが、文部科学省の中央教育審議会は「教育の質が十分に担保されていない機関については撤退を促していくことが望ましい」と厳しい指摘を行っている。問われるべきは大学だけか。
6割が定員割れという危機
取材依頼に対して、二つの大学はこう回答した。
「担当者が長期入院している」 「休暇に入るので対応できない」 また、三つ目の大学は返信もなかった。
尋ねたかったのは、日本高等教育評価機構から「不適合」と判定された件についてだ。同機構は文部科学大臣が認証した評価機関で、大学・短期大学・専門職大学院の教育研究活動の適切性や運営体制を点検している。2025年3月、この機構により東京福祉大学(群馬県)、日本ウェルネススポーツ大学(茨城県)、北洋大学(北海道)の3大学は「不適合」と評価されていた。 だが、いずれも取材に応じる様子はなかった。
日本の私立大学の多くが今、厳しい選択を迫られている。 2024年度、私立の大学598校、短期大学272校のうち、入学者が定員に満たない「定員割れ」は4年制大学で6割近く(354校)、短期大学では9割以上(249校)に及んだ。収入の大半を学費に頼る私大にとって、定員割れは経営危機に直結する問題だ。 学生の募集停止も相次ぐ。高岡法科大学(富山県)、ルーテル学院大学(東京都)が2025年度から、京都ノートルダム女子大学(京都府)が2026年度から学生を募集しないと発表している。
私大にはどんな生き残り策があるのか。その数が今後さらに減ったとき、地域社会や教育の現場にどのような影響が及ぶのか。
公立化を目指すも頓挫
ヤシの木の向こうに広がる青い海。キャンパスの真横にはヨットを係留するマリーナもある。
千葉県銚子市に本部を置く千葉科学大学は、2004年に開学した。薬学部や看護学部などもあるが、警察官や自衛官などを養成する危機管理学部をもつところに同大の強みがある。その運営が今、定員割れなどの影響から別の法人に譲渡されようとしている。
同大を設立・運営してきたのは加計学園(岡山県)だが、この数年目指してきたのは拠点のある銚子市による「公立化」だった。
公立大学への転換は経営難に陥った私大の起死回生の一手となり得る。自治体からの資金が入ることで学費が安く抑えられ、志願者の増加が期待できるからだ。
千葉科学大学では定員充足率が2018年度に53%まで減少。その後持ち直した時期もあるが、減少傾向に歯止めがかからず、2023年度は47%まで急落した。2016年度から連続して赤字でもあった。なお同大にも取材を依頼したが、応じなかった。
銚子市は2023年10月に同大から公立化の要望を受け、翌年4月に有識者らによる検討委員会を設置。4カ月後に委員会がまとめた答申では、公立化に難色が示された。市の財政負担が増える恐れがあることから「私立大学として運営が継続されることが望ましい」とし、公立化する場合でもいくつかの条件を満たす必要があると結論づけた。
その条件の一つは薬学部の廃止。薬剤師国家試験の合格率が低く、学生が集まりにくくなっていたからだ。検討委員の一人で、長野県立大学教授の田村秀さんは「仮に公立化して定員が確保できても、教育の質が上がらなければ再び定員割れに陥り、今度は銚子市の財政負担が重くなる」と話す。
公立化は定員割れを解決する「打ち出の小槌」ではないという。
「公立化すると地域外からの受験者が増えて競争率が上がり、地元の学生は行きにくくなる傾向がある。卒業後に地元に定着してくれる人を増やすのも一筋縄ではいかない」
加計学園は2025年3月、学校法人・大城学園(沖縄県)に事業譲渡すると発表した。
留学生の増員で定員割れを防げるか
私大の定員割れ打開策は他にもある。昔からよくあるのが留学生の積極的受け入れだ。
留学生で学生数をそろえれば、形式上、定員割れを防げるからだ。
しかしそこにはリスクも伴う。2001年には、酒田短期大学(山形県)に在籍する中国人留学生が多数、東京に移り住んで不法就労していたことが発覚、「歌舞伎町学部」と揶揄された。文科省から学校法人の解散命令が出て、廃校に追い込まれた。
当時は進学を隠れ蓑に就労目的で中国などから留学生が来日し、定員割れ私大に多く入学するケースがあった。
近年でも、東京福祉大学で、2016〜2018年度に受け入れた留学生約1万2000人のうち1610人が授業に出ない、連絡が取れないなど、所在不明の状態であることが2019年に発覚した。これを受け、法務省は2024年、在籍管理が不適切な大学などに留学生の受け入れを認めない、高等教育機関等へ入学するための日本語能力要件を厳しくするなどの措置を施行した。学生ビザの悪用を防ぐためだ。
現在も留学生に依存する私大は少なくない。福岡、渋谷、神戸にキャンパスをもつある大学では、学部学生の約半数が留学生であり、山口や東京にキャンパスがある大学は同じく約6割が留学生だ。2024年度に留学生数が学部学生の3割以上を占める私大は11校に及ぶ(『大学ランキング2026』朝日新聞出版より)。
では、今、その当事者の留学生はどんな目的で日本の私大を選んでいるのか。留学生の割合が多い都内のある大学を訪れ、複数の留学生に直接声をかけて話をしてみた。
仕送り30万の中国人留学生も
結論から言えば、現在の留学生事情は、一昔前の就労目的の人たちとは異なっていた。
中国・重慶市出身の男子学生チェンさん(仮名、20歳)は日本語学校に1年通い、現在の大学に入学。両親はチェンさんにイギリスへの留学を望んでいたが、彼自身は日本映画好きが高じて日本を選んだという。「特に好きなのは中国で高校時代に見た『川っぺりムコリッタ』(荻上直子監督、2022年)。将来は日本の映画製作会社に就職したい」と話す。
江蘇省出身のウーさん(仮名、19歳)、上海市出身のワンさん(仮名、19歳)は日本のアニメ風イラストが好きで、その興味の流れで日本の大学を選んだ。2人はオリジナルのイラストを中国人向けのイラスト販売アプリを通じて1点数百円程度で売ってもいる。ワンさんはコスプレイヤーとしても活動する。
「中国の大半の高校生が大学から海外へ出ることを考える。アメリカやヨーロッパが留学先として人気だが、アニメや漫画で日本文化に触れ、日本に行ってみたいと考える人も多い」(ウーさん) 3人は今どきの学生だが、昔と違うのは暮らしぶりだ。3人ともアルバイトはせず、品川や恵比寿などの都心のマンションに住み、1カ月の生活費は「だいたい30万円くらい」だという。2024年度の私立大学新入生の平均仕送り額、8万8500円(東京私大教連)と比較すると、留学生のほうがはるかに豊かそうだ。
今でもアルバイトに精を出す留学生はいる。「夜中まで居酒屋のバイトをして料理長に上り詰めた中国人留学生」や、「朝まで物流倉庫で働き、日中は教室で寝ているベトナム人留学生」。ワンさんは「ベトナム、ミャンマーから来た人たちはよく働いている印象がある」と話す。
3人は斡旋団体を通じてではなく、自ら日本の大学について調べたり、先に留学した先輩からの話を聞いたりして、いまの進学先を決めたのだという。日本の私大における「定員割れ」事情についてはよく知らず、あくまでも個人的志向や入学のしやすさなどから選んでいた。その意味で、日本の私大は留学しやすい進学先になっているのだろう。
しかし、日本の高等教育行政という点では必ずしもよいとは言えない。日本では私大にも助成金(財源は税金など)が投じられているためだ。そうした助成金は一般的な私大経営において収入の1割ほどを占める。
1980年代からの「留学生10万人計画」では国際的な「相互理解や研究水準の向上」が掲げられ、そのために国も積極的に支援してきた。だが、定員割れで実質的に数合わせのためだけに留学生を受け入れているような私大へ助成金を投入することに国民の理解が得られるだろうか。実際、経営が厳しくなった私大は撤退させればよいという声はネット上には少なくない。
文科省も私大の整理に乗り出している。今年2月、「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」という名称で、私大の“計画的撤退”を支援する方策などを話し合う会議体を設置した。この会議は、破綻リスクのある学校法人に経営改善計画を提出させ、計画通りに進まない場合、助成金を減額する方針を示している。現状の見通しとして、100法人が対象とされているが、目的は「学生保護の観点から」「急な破綻を避けるため」(2025年2月、中央教育審議会)だという。
要は、文科省は現状の571の私大法人から、100法人ほどの撤退を見据えているということだ。少子化に伴う18歳人口の減少からすれば、避けがたい選択だろう。
ただ、それに対して違和感を表明する声もある。
「私大を撤退させればよいのか」
「定員割れの私大が出たからといって、安易に撤退せよというのはおかしいと思います」
そう語るのは、玉川大学を運営する玉川学園理事長・学園長の小原芳明さんだ。日本の私立大学約400校が加盟する日本私立大学協会の会長でもある。とくに小原さんが懸念しているのが地方の私大における教員養成の行方だ。「一つに、経営難から教職課程を存続させる苦労を強いられる大学が相次いでいる問題がある」と指摘する。
「教職課程を維持するには多くの教員が必要で、その人件費が地方の小規模私大の負担になっています。もし地方の私大が教職課程を廃止した後、都市部の大学や国公立出身の教員が地方に赴任するかといえば、それも考えにくい」
地方で小中学校の教員不足が進めば、義務教育が崩壊しかねない。そこで小原さんは私大間で必要な教職科目を融通し合う「教職アライアンス」に期待している。
「学生は自分の大学に取得したい科目を担う教員がいなければ、別の大学が提供するオンライン授業を受けることで必要な単位を取得する仕組み。こうした仕組みが私大には必要となるでしょう」
日本の大卒者の7割は私大出身だ。私大が地域を支える人材の育成に果たしてきた役割は小さくない。教育、福祉、行政を担う人材が枯渇すれば、地域そのものが立ち行かなくなる恐れがある。
文科省はこれまで少子化が進むと分かっていながら、大学設置基準を緩和し続け、私大の増加を止めることはなかった。「定員割れ=淘汰」の論理が進めば、国が求めてきた地方振興の拠点まで失われかねない。高等教育政策がこのままでよいのか、今こそ政治に問うべきときである。DSC00617.JPG

 文科省は少子化が進むと分かっていながら、大学設置基準を緩和し続け、私大の増加を止めることはなく、結果として「定員割れ=淘汰」の論理が進めることになるのではないでしょうか。文科省の責任は大きいでしょう。地方でも大学を安易に設置して一時的な賑わいを創出して地域を活性化しようと考えたのであれば、自治体の責任も大きいでしょう。2024年度、私立の大学598校、短期大学272校のうち、入学者が定員に満たない「定員割れ」は4年制大学で6割近く(354校)、短期大学では9割以上(249校)に及んだ。収入の大半を学費に頼る私大にとって、定員割れは経営危機に直結する問題だ。 学生の募集停止も相次ぐ。高岡法科大学(富山県)、ルーテル学院大学(東京都)が2025年度から、京都ノートルダム女子大学(京都府)が2026年度から学生を募集しないと発表している。今後ますます厳しい状況に陥るのは明かでしょう。公立大学への転換は経営難に陥った私大の起死回生の一手となり得る。自治体からの資金が入ることで学費が安く抑えられ、志願者の増加が期待できるからだ。千葉科学大学では定員充足率が2018年度に53%まで減少。その後持ち直した時期もあるが、減少傾向に歯止めがかからず、2023年度は47%まで急落した。2016年度から連続して赤字でもあった。「仮に公立化して定員が確保できても、教育の質が上がらなければ再び定員割れに陥り、今度は銚子市の財政負担が重くなる」確かにその通りでしょう。2001年には、酒田短期大学(山形県)に在籍する中国人留学生が多数、東京に移り住んで不法就労していたことが発覚、「歌舞伎町学部」と揶揄された。文科省から学校法人の解散命令が出て、廃校に追い込まれた。東京福祉大学で、2016〜2018年度に受け入れた留学生約1万2000人のうち1610人が授業に出ない、連絡が取れないなど、所在不明の状態であることが2019年に発覚した。これを受け、法務省は2024年、在籍管理が不適切な大学などに留学生の受け入れを認めない、高等教育機関等へ入学するための日本語能力要件を厳しくするなどの措置を施行した。学生ビザの悪用を防ぐためだ。ひどい実態ですね。日本では私大にも助成金が投じられているためだ。そうした助成金は一般的な私大経営において収入の1割ほどを占める。1980年代からの「留学生10万人計画」では国際的な「相互理解や研究水準の向上」が掲げられ、そのために国も積極的に支援してきた。だが、定員割れで実質的に数合わせのためだけに留学生を受け入れているような私大へ助成金を投入することに国民の理解が得られるだろうか。実際、経営が厳しくなった私大は撤退させればよいという声はネット上には少なくない。財政が厳しくなっている国としては大学への助成制度などをしっかり検証する必要があるでしょう。文科省は現状の571の私大法人から、100法人ほどの撤退を見据えているということだ。少子化に伴う18歳人口の減少からすれば、避けがたい選択だろう。甘い見立てではないでしょうか。中長期の視点で考えればさらに削減しなければならないでしょう。日本の大卒者の7割は私大出身だ。私大が地域を支える人材の育成に果たしてきた役割は小さくない。教育、福祉、行政を担う人材が枯渇すれば、地域そのものが立ち行かなくなる恐れがある。確かにそうかも知れませんが、少子化の影響は容易ではないでしょう。もし職を失ってしまったら、教職員は自ら今までの経験を生かして起業したり、地方で地域貢献することを考え実行できれば細っていく地方の地域が元気になる可能性があるのではないでしょうか。大学数が減るという逆境をプラスに転じるために知恵やアイデアを出す時がきているのではないでしょうか。DSC00616.JPG
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