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効率化を進め稼げる農業で農業の衰退を止めるには[2025年10月22日(Wed)]
 読売新聞2025年6月4日付け「「アグリテック」農地60ha、わずか3人で管理…一度に8列苗植え・同時に農薬「農業の衰退食い止めたい」」から、水田にはイネの苗の列が100メートル超にわたり真っすぐ並んでいた。自動運転の農機は一度に8列の苗を植え、同時に農薬をまく。
農畜産業に先端技術を取り入れる「アグリテック」に積極的な農業法人「遠藤農産」(福岡県鞍手町)は、最新鋭の農機2台を使い、計1・1ヘクタールの作業を約2時間で終わらせた。
 「等間隔に苗を植えてくれて、農薬や肥料をまく位置、量も正確で一度に3役こなせる。作業が飛躍的に楽になった」。社長の遠藤幸男さん(57)は笑った。
 この農機は、農機大手クボタが2020年に発売した「アグリロボ田植機」(メーカー希望小売価格・税込み705万〜913万円)。GPSやセンサーを搭載し、人の監視下で無人走行できる。複数の人工衛星から位置情報を受信し走行を補正する機能もあり、誤差は数センチの範囲という。
 遠藤農産は、担い手がいなくなった近隣の農地も耕作。みずほペイペイドーム福岡(福岡市)9個分近くに相当する約60ヘクタールをわずか3人で管理し、米や麦、大豆などを生産している。
 借地の交換などで農地集約を進めながら、自動運転の農機を導入した。「米の高騰で、自分たちの仕事が日本を支えていることを実感している」と遠藤さん。「テックを活用すれば、少ない人数でも広い土地を耕作できることを証明し、農業の衰退を食い止めたい」と強調する。
九州は「食料基地」だが…担い手の高齢化と不足は深刻
 畜産王国の鹿児島では、牛の生産農家でもテックの導入が進む。繁殖作業の効率化のため、母牛にセンサーを取り付け、発情の兆候を生産者のスマートフォンなどに通知する仕組みだ。
 鹿児島県肝付町で両親と畜産を営む渡口大作さん(49)も取り入れ、効果を実感。「両親がいつまで畜産をできるか分からない。新技術が営農のカギになるのは間違いない」と話す。
農林水産省によると、九州の農業産出額は23年に鹿児島県が全国2位、熊本県5位、宮崎県6位など、7県で計約1兆9200億円に上る。人口、面積、経済規模は全国の約1割だが農業産出額は約2割あり、九州の強みだ。食料基地として食料安全保障に貢献する。
だが、担い手の高齢化と不足は深刻だ。九州の基幹的農業従事者数は、昨年約19万人(全国約111万人)で、1995年と比べ6割減った。平均年齢は67・9歳(同69・2歳)で10歳上昇し、70歳以上が5割超だ。
三菱総合研究所(東京)は、このままだと2050年には全国の耕地面積は36%減少、農業産出額は半分になり、食料自給率(カロリーベース)は38%から29%まで低下すると推計。アグリテック導入と農地の大規模化が急務だとする。
大手商社子会社と共同出資、米の裏作にタマネギ栽培
 ただ、日本は中山間地が多く、自動運転農機は効果が発揮しにくい場所もある。1経営体の平均経営面積は3・4ヘクタール(2023年)で、米国187・8ヘクタール(同)や欧州連合(EU)17・1ヘクタール(20年)と比べ狭い。
そうした中、中山間地での新たな動きもある。大分県国東市でタマネギ栽培に挑戦する農業法人「らいむ工房」だ。
同社は実家の建設会社を継いだ佐藤司会長(51)が、農業に本格参入するため15年ほど前に設立。当初0・6ヘクタールだった農地は、市内に点在する耕作放棄地を借りるなどして、今では計約190ヘクタールまで増えた。約50人の従業員と米などを生産し、売り上げは年間3億円規模に成長した。
 だが、市内は中山間地で抜本的な農地の集約や拡充は難しい。そこで3年前から、点在した農地でも麦などより収益が見込めるタマネギの生産を始めた。大手商社・双日の子会社と共同出資で「双日大分農人」を設立。米の裏作で昨年は2ヘクタールで70トンを収穫した。タマネギは、双日側が国内向けに出荷しており、新たなビジネスモデルとして注目されている。
 将来的には80ヘクタールで年間3200トンまで生産量を伸ばす考えだ。佐藤会長は「稼げる農業のモデルケースをつくる」と意気込む。
九州の農業が成長産業となり、食料基地であり続けるために
 農家の高齢化で農業の持続可能性が危ぶまれる中、九州の農業がより成長産業となり、食料基地であり続けるには何が必要なのか。
九州地方知事会の河野俊嗣会長(宮崎県知事)は「農業の構造改革の大きな流れの中で、生産者の初期投資の部分のさらなる後押しがどうしても必要だ。国・県・市町村が連携してやっていく必要がある」と話す。
 三菱総研の稲垣公雄・研究理事は「地力のある農業経営体が多い九州に日本の農業の変革をリードしてほしい。九州全体と各県のビジョンを描き、限られたリソース(人材や土地、予算など)を最適化するために連携を深めるべきだ」と指摘する。残された時間は少なく、行政や関係機関の実行力が問われている。IMG_6035.JPG

 水田にはイネの苗の列が100メートル超にわたり真っすぐ並んでいた。自動運転の農機は一度に8列の苗を植え、同時に農薬をまく。農畜産業に先端技術を取り入れる「アグリテック」に積極的な農業法人「遠藤農産」(福岡県鞍手町)は、最新鋭の農機2台を使い、計1・1ヘクタールの作業を約2時間で終わらせた。「等間隔に苗を植えてくれて、農薬や肥料をまく位置、量も正確で一度に3役こなせる。作業が飛躍的に楽になった」GPSやセンサーを搭載し、人の監視下で無人走行できる。複数の人工衛星から位置情報を受信し走行を補正する機能もあり、誤差は数センチの範囲という。担い手がいなくなった近隣の農地も耕作。みずほペイペイドーム福岡(福岡市)9個分近くに相当する約60ヘクタールをわずか3人で管理し、米や麦、大豆などを生産している。農業の効率化は推進すべきでしょう。「テックを活用すれば、少ない人数でも広い土地を耕作できることを証明し、農業の衰退を食い止めたい」畜産王国の鹿児島では、牛の生産農家でもテックの導入が進む。繁殖作業の効率化のため、母牛にセンサーを取り付け、発情の兆候を生産者のスマートフォンなどに通知する仕組みだ。担い手の高齢化と不足は深刻だ。九州の基幹的農業従事者数は、昨年約19万人(全国約111万人)で、1995年と比べ6割減った。平均年齢は67・9歳(同69・2歳)で10歳上昇し、70歳以上が5割超だ。日本は中山間地が多く、自動運転農機は効果が発揮しにくい場所もある。1経営体の平均経営面積は3・4ヘクタール(2023年)で、米国187・8ヘクタール(同)や欧州連合(EU)17・1ヘクタール(20年)と比べ狭い。そうした中、中山間地での新たな動きもある。大分県国東市でタマネギ栽培に挑戦する農業法人「らいむ工房」だ。大手商社・双日の子会社と共同出資で「双日大分農人」を設立。米の裏作で昨年は2ヘクタールで70トンを収穫した。タマネギは、双日側が国内向けに出荷しており、新たなビジネスモデルとして注目されている。「地力のある農業経営体が多い九州に日本の農業の変革をリードしてほしい。九州全体と各県のビジョンを描き、限られたリソース(人材や土地、予算など)を最適化するために連携を深めるべきだ」知恵とアイデアを出して企業と連携して効率化を進め稼げる農業を目指すことで農業を成長産業に推し進めることができるのではないでしょうか。そうなれば農業に参入する人が増える可能性があるでしょう。20210829_064752.jpg
外国籍の人材に活躍してもらえる社会にする必要があるのでは[2025年10月21日(Tue)]
 東洋経済オンライン2025年10月15日付け「「外国籍の人材は替えのきく労働力ではない」人気ラーメン店経営者が“年収800万円”で外国人社員を雇う理由」から、飲食店で働く外国人の姿は、もはや日常となりました。その背景に人手不足があることは間違いありませんが、このとき、外国人を替えのきく労働力ととらえるか、替えのきかない人材ととらえるかで、企業として大きな差がつくと話すのが、人気ラーメン店「すごい! 
煮干ラーメン凪」などを展開する株式会社凪スピリッツジャパンの生田悟志社長です。
同社では、外国籍人材を積極的に採用し、幹部にも登用。そのポイントを生田社長の著書『全世界100店舗! 売上10倍! 社員定着率85%! すごい! ラーメン凪の仕組みと人づくり』より紹介します。
幹部に抜擢される外国人社員も  
凪は、求める人材といったとき、価値観が合い、思いを同じにする人であれば、国籍、年齢にこだわらない方針です。特に積極的なのが、外国籍の人材の雇用です。  
現在、凪の正社員は157名(2025年6月時点)で、そのうち、外国籍人材は97名です。ミャンマーやベトナム、インドネシアの人が多くを占め、幹部を務める人材もいます。
外国籍人材の採用は、人材紹介会社にお手伝いいただいて行っています。入社の条件は、特定技能ビザもしくは技人国ビザを持っていること。
 特定技能ビザは、一定の専門性や技能を有する外国人を受け入れることを目的とした在留資格です。  
技人国ビザは、「技術・人文知識・国際業務ビザ」が正式名称で、いわゆるホワイトカラーの人材に対するビザです。  
これらのビザを持っている人材の日本語は、仕事をするうえでまったく問題がないレベルです。  
彼らは、日本での職務経験がない、もしくは浅い分、ほぼゼロベースで教育できるメリットがあります。つまり、凪の価値観を早く吸収して、身につけてくれる。いわば新卒のような存在です。
 もちろん、育ってきた国の文化による考え方の違いはあります。ただ、それも不必要に干渉することはなく、指導が必要な場合、凪ではこうなんだよ、と会社/仕事として切り分けて伝えれば、理解してくれます。その意味でも、社員教育は必要であり、入社後は、日本人スタッフが受けるものと同じ教育を実施しています(凪の教育予算は年間6600万円。平均の10倍です)。  
また、永住者、定住者、日本人の配偶者である外国人も、日常的に問題なく日本語が使えれば、採用の対象になります。
人材の良し悪しと国籍は無関係  
人材の良し悪しと国籍は無関係です。皆も、そんなことは意識せず、切磋琢磨しながら働きますし、教育だけでなく、評価も横並びで行います。日本国籍だから、外国籍だからと区別はしませんが、総じて、外国人の社員は頑張り屋が多いです。  
ミャンマー出身のアウンミャッテッ、同じくミャンマー出身のウィンモーは、幹部に抜擢された、成長意欲の高い社員たちです。  
「新設された危機管理対策室のマネージャーをしています。店舗に寄せられたクレームや、起こったトラブルについて、再発防止のためのマニュアルの作成や周知を行う部署です。現場が安定して営業ができるように、会社に提案したところ、この部署ができました。すごいですよね。毎日、勉強しているところです。
 それまでも、副店主、店主、エリアマネージャー、社内の研修講師も務めましたが、凪は、生田はじめ、上司の皆さんに相談したり、提案しやすい雰囲気があります。困ったことがあってもすぐに相談して、解決できるから、どんどん学んで、自分を成長させられるし、もっとステップアップしていきたいです。  
今は、新規出店のための物件の知識や、店づくりについて興味があって、より会社の中心にかかわっていくことが目標です」(アウンミャッテッ)
年収800万円になるミャンマー人の社員も  
「入社してお店に立っていたときは、いらっしゃった目の前のお客様に、美味しい一杯を届けることが目標でしたが、今はラーメン事業部の営業副部長として、エリア全体へ美味しい一杯を届けることを、エリアマネージャーと取り組んでいます。  
そして、いずれはアジア全体に美味しい一杯を届けるための仕事をしていきたいし、凪は、チャレンジする意欲がある人を後押しする会社なので、それができる環境だと感じています。実際、店長になりたいと言って頑張ったら、店長になれたし、マネジメントの仕事をしたいと言って取り組んでいたら、現在のポジションにつくことができました。
もちろん小さな失敗もいろいろしていますが、フォローしてくれるので安心感があります。そういうことができるのは、会社自体がチャレンジし続けているからなのだと思います」(ウィンモー)  
2人は、特定技能の2号にも合格しています。特定技能2号では、外食ビジネスに関するとても難しい試験が行われます。合格率は35%という、非常にレベルの高い人材です。
当然評価も高く、間もなく年収800万円になるミャンマー人の社員もいます。
外国籍の人材は替えのきく労働力ではない  
あるとき、お客様から次のようなコメントをいただきました。  
「この方たちが仮に自国に帰って、このクオリティのラーメンが進化していって、近未来、面白い、美味しいラーメンのお店が世界中にできればいいな……と思いながら食べていました」  
これはとても嬉しい感想でした。なぜなら、彼らの成長こそが、私たちが世界にラーメンを広げるエネルギーの源になっているからです。  
凪にとって外国籍の人材は、替えのきく労働力ではありません。替えのきかない「人財」です。004.JPG

 飲食店で働く外国人の姿は、もはや日常となりました。その背景に人手不足があることは間違いありませんが、このとき、外国人を替えのきく労働力ととらえるか、替えのきかない人材ととらえるかで、企業として大きな差がつくと話すのが、人気ラーメン店「すごい!外国籍の人材は欠かせない存在になっているのですね。凪は、求める人材といったとき、価値観が合い、思いを同じにする人であれば、国籍、年齢にこだわらない方針です。特に積極的なのが、外国籍の人材の雇用です。現在、凪の正社員は157名(2025年6月時点)で、そのうち、外国籍人材は97名です。ミャンマーやベトナム、インドネシアの人が多くを占め、幹部を務める人材もいます。外国籍人材の採用は、人材紹介会社にお手伝いいただいて行っています。入社の条件は、特定技能ビザもしくは技人国ビザを持っていること。特定技能ビザは、一定の専門性や技能を有する外国人を受け入れることを目的とした在留資格です。技人国ビザは、「技術・人文知識・国際業務ビザ」が正式名称で、いわゆるホワイトカラーの人材に対するビザです。これらのビザを持っている人材の日本語は、仕事をするうえでまったく問題がないレベルです。彼らは、日本での職務経験がない、もしくは浅い分、ほぼゼロベースで教育できるメリットがあります。つまり、凪の価値観を早く吸収して、身につけてくれる。いわば新卒のような存在です。もちろん、育ってきた国の文化による考え方の違いはあります。ただ、それも不必要に干渉することはなく、指導が必要な場合、凪ではこうなんだよ、と会社/仕事として切り分けて伝えれば、理解してくれます。その意味でも、社員教育は必要であり、入社後は、日本人スタッフが受けるものと同じ教育を実施しています。日本に定住できる条件が整っている多様な外国籍の人材を受け入れている企業は成長するのでしょう。永住者、定住者、日本人の配偶者である外国人も、日常的に問題なく日本語が使えれば、採用の対象になります。日本語教育は国が責任を持って行うべきではないでしょうか。人材の良し悪しと国籍は無関係です。皆も、そんなことは意識せず、切磋琢磨しながら働きますし、教育だけでなく、評価も横並びで行います。日本国籍だから、外国籍だからと区別はしませんが、総じて、外国人の社員は頑張り屋が多いです。ハングリー精神があるので外国籍の人が頑張るかもしれませんね。2人は、特定技能の2号にも合格しています。特定技能2号では、外食ビジネスに関するとても難しい試験が行われます。合格率は35%という、非常にレベルの高い人材です。当然評価も高く、間もなく年収800万円になるミャンマー人の社員もいます。あるとき、お客様から次のようなコメントをいただきました。「この方たちが仮に自国に帰って、このクオリティのラーメンが進化していって、近未来、面白い、美味しいラーメンのお店が世界中にできればいいな……と思いながら食べていました」これはとても嬉しい感想でした。なぜなら、彼らの成長こそが、私たちが世界にラーメンを広げるエネルギーの源になっているからです。凪にとって外国籍の人材は、替えのきく労働力ではありません。替えのきかない「人財」です。一方的な外国籍の人たちに対しての偏見、誹謗中傷はあってはならないでしょう。外国籍の人たちが日本社会で日本人と一緒に安心して生活できるような寛容な環境にならなければ人口減少の進む日本は厳しい状況に陥っていくかもしれません。外国籍の人材を積極的に受け入れている成功例がどんどん増えていってほしいものです。DSC_5518.jpg
民主主義と情報の未来、日本は対岸の火事か?[2025年10月20日(Mon)]
 Newsweek2025年6月4日付け「アメリカ発「陰謀論が主流に」──民主主義と情報の未来、日本は対岸の火事か?」から、グローバルノースの民主主義国が世界の中心であった時代が終わった
これまでの国際世論はアメリカを中心とした欧米、グローバルノースのメディアや著名人によって形成されてきた。たとえば我々はCNN、ニューヨークタイムズ、BBCがアメリカ大統領や科学者の発言を聞いて、それを世界の多数が正当と感じている意見だと感じるし、日本のメディアもそのように報道することが多い。
日本においては、特にアメリカの大手メディアや著名人の言うことを国際世論と感じる風潮がある。
そのためロシアが民主主義国に対して世論操作を行おうとした場合、工作しやすい弱小のメディア、ローカル・メディア、SNSを中心に展開することになる。そこから何段階かを経て、大手メディアや影響力を持つ著名人がとりあげ、社会に広く知られるようになる。
これを整理したのがこの分野で先駆的な調査研究を行ってきたベン・ニモで、彼はデジタルフォレンジック・リサーチラボ、グラフィカ、Meta、openAIでデジタル影響工作を担当し、ブレイクアウト・スケールというこの枠組みを使って影響の程度を評価してきた。
しかし、グローバルノースの民主主義国が世界の中心であった時代が終わってしまったため、このブレイクアウトスケールはじょじょに環境にそぐわなくなってきている。国の数でも人口でも非民主主義ではない国の方が多いのだ。
トランプ政権のアメリカが非民主主義化すれば(すでにしているような気もするが)経済規模でも非民主主義国家の方が多くなるだろう。
グローバルノースの民主主義国の人々は民主主義ではない国を「遅れている」と考えることが多いが、実態としては民主主義から権威主義へと変化した国の方が、権威主義から民主主義へ変わった国よりもはるかに多い。
多くの国が民主主義化を経て、非民主主義化しているのだ。民主主義の状態を示すデータと指標を公開しているV-Demでは、民主主義から権威主義への変化をベルターン、権威主義から民主主義への変化をUターンと呼んで分析している。
2024年の段階で、ベルターンの国は27カ国、Uターンの国は12カ国だった。2倍以上の開きがあるうえ、民主主義と権威主義の国の数では権威主義の方が多いのだから、それぞれの統治体制を母数として変化した国の割合にすると、この差はさらに大きくなる。
そもそも以前は民主主義国の方が多い時代があり、いまはそうではないのだから、「民主主義国が非民主主義になった」ことが原因なのは明らかだ。遅れているから民主主義のレベルに達していないのではなく、民主主義を経験し、なんらかの理由でそれを捨てたのである。 それでもいまだにグローバルノースの国々では民主主義が世界の主流、標準と思い込んでいる人々は少なくない。そのため実態としては非民主主義的な意見の方が多数を占めているにもかかわらず、グローバルノースの民主主義が主流という前提に立った発言を行う人が後を絶たない。
アメリカのメディアや著名人の発言を通じて世界を認識している日本でも同様だ。
しかし、第2次トランプ政権がもたらした変化によって、この思い込みが一気に解消される可能性が出て来た。
【変貌するアメリカのメディア】
トランプ政権は極右メディアやネットのインフルエンサーをホワイトハウスの記者会見に招き、大手メディアと同等以上の待遇を与え始めた。これまで大手メディアが独占してきた記者会見が広く親トランプの人々に解放されることになった。
イーロン・マスクなど影響力ある人物もXのスペースを使ったり、人気のポッド・キャスターであるジョー・ローガンの番組に出演し始めた。
さらにヨーロッパ、特にイギリスの労働党の閣僚たちもアメリカ人の歓心を買うためにこぞって、Newsmaxのようなオルタナ右派メディアに出演しはじめた。
これが進めば、政治家の発言を知りたければ大手メディア以外のオルタナ右派のメディアやポッドキャストを見なければならないことになり、大手メディアの存在感が薄れて行く可能性がある。
もともと、世界的に大手メディアの信頼度は低下し、ニュース忌避が広がっているところに、独占取材ができなくなり、オルタナティブ・メディアに先を越されることもあるようになれば、現実と乖離しつつもイメージだけは維持してきた「国際世論」のアジェンダを設定する力が失われる。
いくつもあるメディアのひとつになってしまう。
そうなった時に起きるのはブレイクアウトスケールの崩壊だ。これまでは多数の読者を持つメディアや著名人の多くにプロパガンダや陰謀論を主張させるには何段階も経る必要があった。
多数の読者を持つメディアや著名人が、極右や陰謀論のメディアに変わることで、最初からブレイクアウト・スケールの最大リスクに達することが可能なる。Newsmaxは偽・誤情報の発信源としても有名なのだ。さらに多くの極右は親ロシアであることが多い。
トランプ政権では、大統領や閣僚あるいは側近が陰謀論を語り、それをホワイトハウスに招かれた極右や陰謀論のインフルエンサーたちが拡散し、ヨーロッパの政治家もその番組に登場する、というきわめて短絡的な拡散経路ができている。そこにロシアのプロパガンダが加わることは容易だ。
この原稿を書いている最中にも、トランプが南アの大統領と面談して、南アにおける白人農場主のジェノサイドについて語っている。日本にいる我々は、これを陰謀論として認識するが、そう考えない人の方が多数派なのかもしれないのだ。
これからアメリカの極右や陰謀論の配信に登場するヨーロッパの政治家は白人のジェノサイドの話題を振られた時に明確に否定できるのだろうか? 
否定したら、わざわざ恥を忍んで出演した意味がなくなるのではないか?
問題はそれだけではない。
トランプ政権はDEIプログラムに批判的であり、政府関係機関からはDEIに関する記述が急速に消されている。ヨーロッパの企業へのDEIプログラム廃棄の要請、米国内企業でDEIプログラムを放棄していない企業への立ち入り調査などが始まっている。
米連邦通信委員会(FCC)は買収の認可を求めている米通信大手ベライゾン社に対し、DEIプログラムの見直しが遅れていると指摘し、同社がDEIプログラムの放棄を発表した翌日に買収を認可している。
報道機関ではないが、メディアやコンテンツの世界で大きな影響を持つ、ディズニーも立ち入り調査の対象となった。ちなみに同社はすでにDEIプログラムの見直しを行っているが、不十分と指摘されている。
今後、これまで国際世論を形成してきたメディアや著名人に反DEIの流れが進むことは間違いない。極右や陰謀論の影響力が増加するのと並行して既存メディアの非民主主義化も進む。
【対岸の火事ではない】
もちろん、アメリカで起きていることは日本にとっても対岸の火事ではない。
これまでのところ、日本は民主主義的な立場を守っているが、アメリカの圧力が増してきた場合、日本の政治家がヨーロッパの政治家のように極右や陰謀論の配信に登場する可能性は否定できない。
実際、日本国内の右派のYouTubeチャンネルに登場している政治家も珍しくはないのだ。
少なくとも何人かの議員が出演する可能性はあるだろう。
欧米で起きようとしている大手メディアのアジェンダ設定能力の減退は、日本でも起きる可能性がある。正確に言えば、メディアへの信頼や閲覧は減少しているので、すでに起きていると言った方がよいだろう。
「メディアは権力の番人」と言われるが、それができるのはアジェンダ設定能力があるからだ。なければ、いくら不正や問題を声高に主張しても多くの耳には届かないし、ヘタをすると陰謀論扱いされる。
誤解しないでほしいのは、大手メディアの凋落は外的要因よりもあるが、大手メディア自身にも問題があったことが大きいことだ。メディアに透明性があり、公正な競争をしていたなら、こうはならなかっただろう。変化はトランプ政権以前から起きていた。正しく現実を認識し、対応してこなかったツケが現在なのだ。山上パノラマ後ろ姿.JPG

 国際世論はアメリカを中心とした欧米、グローバルノースのメディアや著名人によって形成されてきた。たとえば我々はCNN、ニューヨークタイムズ、BBCがアメリカ大統領や科学者の発言を聞いて、それを世界の多数が正当と感じている意見だと感じるし、日本のメディアもそのように報道することが多い。間違いなくそうでしょう。ロシアが民主主義国に対して世論操作を行おうとした場合、工作しやすい弱小のメディア、ローカル・メディア、SNSを中心に展開することになる。そこから何段階かを経て、大手メディアや影響力を持つ著名人がとりあげ、社会に広く知られるようになる。世論操作が広く行われるようになっているのでしょうか。民主主義国が世界の中心であった時代が終わってしまったため、このブレイクアウトスケールはじょじょに環境にそぐわなくなってきている。国の数でも人口でも非民主主義ではない国の方が多いのだ。非民主主義国が増え続けていいのでしょうか。揺り戻しはないのでしょうか。民主主義から権威主義への変化をベルターン、権威主義から民主主義への変化をUターンと呼んで分析している2024年の段階で、ベルターンの国は27カ国、Uターンの国は12カ国だった。2倍以上の開きがあるうえ、民主主義と権威主義の国の数では権威主義の方が多いのだから、それぞれの統治体制を母数として変化した国の割合にすると、この差はさらに大きくなる。人々が望んでいることなのでしょうか。いまだにグローバルノースの国々では民主主義が世界の主流、標準と思い込んでいる人々は少なくない。そのため実態としては非民主主義的な意見の方が多数を占めているにもかかわらず、グローバルノースの民主主義が主流という前提に立った発言を行う人が後を絶たない。そのように思っている人はまだ相当いるのではないでしょうか。トランプ政権は極右メディアやネットのインフルエンサーをホワイトハウスの記者会見に招き、大手メディアと同等以上の待遇を与え始めた。これまで大手メディアが独占してきた記者会見が広く親トランプの人々に解放されることになった。確かに大手のメディアの影響力が減少しているでしょう。世界的に大手メディアの信頼度は低下し、ニュース忌避が広がっているところに、独占取材ができなくなり、オルタナティブ・メディアに先を越されることもあるようになれば、現実と乖離しつつもイメージだけは維持してきた「国際世論」のアジェンダを設定する力が失われる。このような状況がどんどん進んでいくとすれば恐ろしいですね。トランプ政権はDEIプログラムに批判的であり、政府関係機関からはDEIに関する記述が急速に消されている。ヨーロッパの企業へのDEIプログラム廃棄の要請、米国内企業でDEIプログラムを放棄していない企業への立ち入り調査などが始まっている。報道機関ではないが、メディアやコンテンツの世界で大きな影響を持つ、ディズニーも立ち入り調査の対象となった。ちなみに同社はすでにDEIプログラムの見直しを行っているが、不十分と指摘されている。 今後、これまで国際世論を形成してきたメディアや著名人に反DEIの流れが進むことは間違いない。極右や陰謀論の影響力が増加するのと並行して既存メディアの非民主主義化も進む。寛容的な考え方を容認しない傾向になって抑圧が進んでいくとすれば重大事ではないでしょうか。日本は民主主義的な立場を守っているが、アメリカの圧力が増してきた場合、日本の政治家がヨーロッパの政治家のように極右や陰謀論の配信に登場する可能性は否定できない。保守政党ばかりでなく、メディア、ネットではアメリカの影響を受けているでしょう。ネット、SNSの論調は過激になりつつあるのではないでしょうか。誤解しないでほしいのは、大手メディアの凋落は外的要因よりもあるが、大手メディア自身にも問題があったことが大きいことだ。メディアに透明性があり、公正な競争をしていたなら、こうはならなかっただろう。変化はトランプ政権以前から起きていた。正しく現実を認識し、対応してこなかったツケが現在なのだ。メディアは透明性と公平性を担保しなければならないでしょうが、いまの日本のメディアに期待できるでしょうか。国民の判断力が問われることになるのでしょう。IMG_6046.jpeg
資源地サイクルに積極的な日本としてどうなのでしょうか[2025年10月19日(Sun)]
 産経新聞2025年6月4日付け「万博リング「壊すのはもったいない」「ギネス認定が目的か」 大半廃棄に海外から疑問噴出」から、2025年大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングの保存案が波紋を広げている。現在保存が検討されているのは一部にとどまり、再利用分などを合わせても、残りの大半は産業廃棄物となる見通しだ。ギネス世界記録に認定された世界最大の木造建築物を称賛する海外パビリオンの関係者は少なくなく、リングの大半が処分されることに批判や疑問の声が出ている。
「リングの上にあがり、会場を半周した。驚くべき建築物で、衝撃を受けた。日本の職人技を体現している」
5月下旬、オランダのベルイヤーツ経済相は産経新聞のインタビューに興奮した様子で語った。
「素晴らしい光景。まるで京都の清水寺のようだ」。欧州の海外館関係者もリングを称賛する。別のアジアの国では自国に同様の建物を建設できないか、模索する動きも出ているという。
柱と梁(はり)を組み合わせる日本の伝統的な貫(ぬき)工法を活用したリングは格子状の幾何学模様を生み出し、海外の人たちに強い印象を与えている。それだけに、大半が廃棄される見通しの現状に違和感を訴える関係者も。
「壊すなんて本当にもったいない。ギネスに認定されたから、もういらないとでも言うのか」
欧州のある政府関係者はそう語り、現在の一部保存案に疑問を呈する。この国は資源のリサイクルに積極的で「私たちはそもそも、修理しながら使い続けることを前提に物をつくる。直前に開催されたドバイ万博のパビリオンなども大半が残されているではないか」と訴え、日本側に再考を求めた。IMG_7768.JPG

 2025年大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングの保存案が波紋を広げている。現在保存が検討されているのは一部にとどまり、再利用分などを合わせても、残りの大半は産業廃棄物となる見通しだ。ギネス世界記録に認定された世界最大の木造建築物を称賛する海外パビリオンの関係者は少なくなく、リングの大半が処分されることに批判や疑問の声が出ている。「リングの上にあがり、会場を半周した。驚くべき建築物で、衝撃を受けた。日本の職人技を体現している」「素晴らしい光景。まるで京都の清水寺のようだ」。欧州の海外館関係者もリングを称賛する。別のアジアの国では自国に同様の建物を建設できないか、模索する動きも出ているという。柱と梁(はり)を組み合わせる日本の伝統的な貫(ぬき)工法を活用したリングは格子状の幾何学模様を生み出し、海外の人たちに強い印象を与えている。それだけに、大半が廃棄される見通しの現状に違和感を訴える関係者も。多くの人たちが疑問の感じ日本が誇る技術を未来のために保存してほしいと願っているでしょう。「壊すなんて本当にもったいない。ギネスに認定されたから、もういらないとでも言うのか」 現在の一部保存案に疑問を呈する。この国は資源のリサイクルに積極的で「私たちはそもそも、修理しながら使い続けることを前提に物をつくる。直前に開催されたドバイ万博のパビリオンなども大半が残されているではないか」と訴え、日本側に再考を求めた。日本は資源リサイクルに積極的で世界に誇ることができるでしょう。なぜ移設など可能なあり方を検討してすべて残そうとしないのでしょう。IMG_7789.JPG
利他主義的な言動が増えれば住み易い社会になるのでは[2025年10月18日(Sat)]
 ココカラネクスト2025年6月3日付け「利他主義者の多さは強さに関係する?運動パフォーマンスとの関係性」から、あなたの組織の中には、自分のことよりも相手の利益や幸福を優先して考えることのできる「利他的な人」はいますか?実は利他的な人の多さは組織全体のパフォーマンスに影響する可能性が示唆されています。特に、取り組む競技をされている方は「強いチームにはなんとなくおおらかな人が多い気がする」「ギスギスしているチームは総じて結果が残せない印象がある」と感じることもあるのではないでしょうか。
 そこで、この記事ではそんな利他主義な人の占める割合がチームの成功因子になりうるのかという点について、ある競技のプロリーグを取り上げた研究も交えて解説します。
利他的行動、利他的な人とは
利他的行動とは、自己犠牲を顧みずに他人の利益を考え行動することです。具体的には「寄付」や「ボランティア」などの行動が挙げられます。また、このようなもの以外にも些細な「自分よりも先に順番を譲る」などの行為も利他的行動と言えます。
 ヒト以外の動物は他人に利他的行動を行わない?
 利他的行動はヒトだけでなく、さまざまな動物において行われています。ただし、多くの動物では利他的行動を行う対象は家族に限定され、ヒトだけが直接的な見返りの期待できない、血縁関係がない他者へも利他的行動を行うとされています。
 本来、自分が損をし、赤の他人が得をする利他的行動は生存・子孫繁栄においてはマイナスな要因であり、進んで行うことに疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。しかし、実際に人間は他人へ自分の身体の一部を分け与える「献血」や「臓器ドナー提供」、自分の資産を分け与える「募金」などの利他的行動を行います。
 こうした利他的行動をする方の多くは行動に対する「見返り」や「お返し」は求めていません。なぜ、ヒトがこのように赤の他人への利他的行動を行うようになったかは、これほど進歩した生物学においても説明できない”謎”であるとされています。
利己的な人と利他的な人の決定的な違い
利他的な行動は一見すると自分にとってメリットのない、非生産的・非効率的なことのように感じる方もいるのではないでしょうか。ただし、利己的な人と比べると実は利他的な人こそ強い精神性を保持していると考えることもできます。
 利己的行動を行なっている人は、自身の利益を優先するあまり他人を羨ましく思うことや、時には憎んでしまうこともあります。こうした行動を繰り返すと周囲に仲間が増えず、孤独を強く感じるようになることも多いようです。
 特に、困窮した状況で手を差し伸べてくれる人がいないと精神的に受けるダメージは計り知れないでしょう。一方、利他的な人は同じ志を持つ人や近いコミュニティの人との良好な関係を構築しやすいため、一時的にアウェイな状況や困難な場面に陥ってもすぐに救いの手を差し伸べられやすいです。
このように利他的な人こそ困難を乗り越えやすいことが多く、結果的に幸福感を感じやすくなることが多いと考えることができるのではないでしょうか。これはスポーツなどの競技においても言えることであり、特にチームでプレイをする競技の場合は仲間の支えなくして逆境を乗り越えることは非常に難しいのではないでしょうか。
 こうした考えからも利己的であることは、チーム全体にとっても重要なことなのではないでしょうか。
利他主義者の多いホッケーチームは得点率も高い
ニューヨーク大学スターン経営大学院の行なった研究※There’s No “I” in Team: Altruism as a Predictor of Team Success in the National HockeyLeague(Stevens et al.2018)では、実際のナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)において利他主義者の多さが成績に影響を及ぼす要因であるということがで説明されたそうです。
 この研究では選手をそれぞれ「タフ」「技巧派」「利他主義者」に分け、得点に対してこれらの選手を要因として主成分分析を行いました。この結果、利他主義者を多く含むチームでは得点や目標の達成率が高いことが浮き彫りになりました。また、同時に得点に繋がるプレーの多い利他主義者の選手は他の選手と比べて年棒も高い傾向にあるということも示唆されたそうです。
ホッケーは「氷上の格闘技」とも呼ばれ白熱することも多いスポーツですが、こうした競技ではチーム全体を俯瞰し気にかけてあげることのできる選手が多いほど成果が出やすいということがわかりました。利他主義者の多さが良い結果をもたらすという傾向は、ホッケーにかかわらず多くのチームスポーツにおいても同様の傾向がみられそうです。
 激しいスポーツであればなおさら、「周囲への気配り」を意識して行なってみてはいかがでしょうか。
強さは優しさの中に存在する、利他的な人であふれたチームは全体的な運動パフォーマンスも高い
利他的な考えが当たり前になっているチームでは「相手の状況を把握すること」が無意識で行われているのではないでしょうか。
 成果としての本質的な強さは「他者を打ち負かすこと」ではなく「仲間を最高のパフォーマンスへ導き合うこと」と考えることもできます。
 自身のことだけでなくチーム全体の状況を把握することは、一見すると直接的な成果に繋がらないようで、実は成果に大きく影響する重要なポイントになります。“単に個々の運動パフォーマンスが高い寄せ集めチーム”ではなく、”お互いに気遣うことができるチーム”こそ真の強いチームと言えるのではないでしょうか。
 もし、自身のチームの成績が伸び悩んでいると感じる場合は、今一度、自分が仲間と自分の優先順位を見直してみると解決の糸口が見えてくるかもしれません。IMG_1401[1].JPG

 自分のことよりも相手の利益や幸福を優先して考えることのできる「利他的な人」はいますか?実は利他的な人の多さは組織全体のパフォーマンスに影響する可能性が示唆されています。特に、取り組む競技をされている方は「強いチームにはなんとなくおおらかな人が多い気がする」「ギスギスしているチームは総じて結果が残せない印象がある」と感じることもあるのではないでしょうか。利他的行動とは、自己犠牲を顧みずに他人の利益を考え行動することです。具体的には「寄付」や「ボランティア」などの行動が挙げられます。また、このようなもの以外にも些細な「自分よりも先に順番を譲る」などの行為も利他的行動と言えます。利他的行動をする方の多くは行動に対する「見返り」や「お返し」は求めていません。利己的行動を行なっている人は、自身の利益を優先するあまり他人を羨ましく思うことや、時には憎んでしまうこともあります。こうした行動を繰り返すと周囲に仲間が増えず、孤独を強く感じるようになることも多いようです。利他的な人は同じ志を持つ人や近いコミュニティの人との良好な関係を構築しやすいため、一時的にアウェイな状況や困難な場面に陥ってもすぐに救いの手を差し伸べられやすいです。このように利他的な人こそ困難を乗り越えやすいことが多く、結果的に幸福感を感じやすくなることが多いと考えることができるのではないでしょうか。これはスポーツなどの競技においても言えることであり、特にチームでプレイをする競技の場合は仲間の支えなくして逆境を乗り越えることは非常に難しいのではないでしょうか。強さは優しさの中に存在する、利他的な人であふれたチームは全体的な運動パフォーマンスも高い。利他的な考えが当たり前になっているチームでは「相手の状況を把握すること」が無意識で行われているのではないでしょうか。成果としての本質的な強さは「他者を打ち負かすこと」ではなく「仲間を最高のパフォーマンスへ導き合うこと」と考えることもできます。自身のことだけでなくチーム全体の状況を把握することは、一見すると直接的な成果に繋がらないようで、実は成果に大きく影響する重要なポイントになります。“単に個々の運動パフォーマンスが高い寄せ集めチーム”ではなく、”お互いに気遣うことができるチーム”こそ真の強いチームと言えるのではないでしょうか。納得できますね。利他的な考え、言動が浸透する社会は住み易く安心して生活できるようになるでしょう。IMG_7778.JPG
日本は「戦略的縮小」を目指すべきなのか[2025年10月17日(Fri)]
 テレ朝NEWS2025年6月2日付け「人口減少危機、20年で1億人割れ? 専門家は「戦略的縮小」提唱 玉川徹が取材」から、最近、ようやく少子化問題が政治の世界でも取り上げられるようになりました。しかし、仮に少子化問題が解決したとしても、これから労働人口は減少していきます。
少子化の問題が今のままであれば、全体の人口もどんどん減少します。このままで大丈夫なのでしょうか。玉川徹氏は、危機感を持っています。  
今回は、これらの問題がどれくらい深刻なのかを、人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長に聞きました。
2040年には…約1100万人の労働人口が不足する予測も
玉川氏 「少子化は何とかすれば止まるのかというイメージを持っている方もいらっしゃるのかもしれない。人口は、これから減っていくものなんですか」
河合理事長 「減っていきます」  
人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長は、日本の人口はこれから先も減り続けていくと話します。
河合理事長 「日本人だけで見ていくと現状、大体1億2300万人ぐらい。政府の推計で見ていくと2050年に9740万人と言っている」
玉川氏 「2050年」
河合理事長 「25年後です」
玉川氏 「1億人切っちゃう?」
河合理事長 「1億人切ってくるだろう」  
国立の研究機関が発表した将来人口推計では、2048年に1億人を切ります。  
一方、河合理事長が2019年から5年間の日本人の出生数の実績を基に行った予測では、政府の推計よりも5年早いといいます。また、45年後の2070年には、今の半数である6220万人まで減少すると予測しています。
玉川氏 「そのペースでずっと減っていくと、一体この国に何が起こるのか具体的にイメージできない。何が起きていくんですか?」
河合理事長 「暮らしを考えていくと、先に起こるのは人手不足」
玉川氏 「労働力不足」  
民間の研究機関の予測では、人口減少に伴い、2040年には日本国内でおよそ1100万人の労働人口が不足するといいます。
河合理事長が提案 
「戦略的縮小」とは?
河合理事長 「これから起こっていくことの最大の危機は内需の縮小、要するに消費者不足で企業や組織が立地(維持)できなくなる。国全体として上がってくる消費税の歳入は減ってくるわけですよね。いろんな社会を形づくっていく公的サービスが、税収不足で立ち行かなくなってくるということが起こってくる」  
今年1月、埼玉県八潮市で下水道管の腐食によって道路が陥没し、トラックが転落する事故が発生しました。  
下水道が原因の道路陥没事故は、年間2600件を超えています。  
国内にある下水道管の長さは総延長50万キロで、地球12周以上の長さ。国交省によると、それらの維持管理に30年間で38兆円かかるとみています。  
また、下水道やダムを含む、道路や河川など、さまざまなインフラを維持し続けるための予防保全には、30年間でおよそ190兆円という莫大なコストが必要になるといいます。
河合理事長 「今の時代までの間、日本はかなり国土開発をして、人口密度が低いエリアができてきて、全部メンテナンスしていこうと思うと、莫大(ばくだい)な費用がかかってきて、費用対効果が合わない」  
人口が減少すれば、その分税収が減り、インフラ維持の費用捻出も今まで以上に困難になることが予想されます。
玉川氏 「避けられない未来なんですよね。このままいけば」
河合理事長 「そうですね」
玉川氏 「人口が減っていくというのは。どうすればいいんですか」
河合理事長 「戦略的に縮小しようと」
玉川氏 「戦略的縮小?」
河合理事長 「縮むのはやむを得ないので、縮むなりにきちんと経済が伸びていく仕組みに変えていく」  
河合理事長が提案する「戦略的に縮小する」とは、一体どういうことなのでしょうか。 河合理事長 「社会保障全体をまず縮める。国力に合った社会保障サービスの見直しをまずやるということが1つです」
玉川氏 「縮めるというのは『ここからは払うけど、ここから払わない』ということ?」
河合理事長 「(そう)だったり、高度医療を保険から外すだとか」  
また河合理事長は、経済においても方針転換が必要だと指摘します。
河合理事長 「社会保障にしても、財政の均衡にしても、やはり一番の王道というのは経済成長なんです。人口が減っても経済が成長する仕組みに変えようという」
玉川氏 「そんなこと可能なんですか。人口が減らない時だって経済成長しなかった国が」
河合理事長 「海外に打って出ていくという方向へ切り替えることで、人口が減っても経済を伸ばしていける方法は多分あるんだろう」
玉川氏 「輸出ってことですか」
河合理事長 「そうです。海外のマーケットが欲しいものを高く売っていく。それも少ない労働力で。生産性向上です」  
GDPに対する貿易額の割合を見ると日本はおよそ35%で、経済の多くが国内消費で成り立っています。  
一方、ドイツはおよそ60%と貿易の割合が高くなっています。  
輸出額から輸入額を引いた貿易収支を見てみると、去年、日本は5兆円以上の赤字ですが、ドイツは39兆円以上の黒字。GDPでも2023年以降、日本はドイツに抜かれています。  
河合理事長は、日本は海外の増加する需要を取りに行くことで、経済成長を目指すべきだと主張します。
人口を集約…新たな街づくり
 もう一つ、河合理事長が提案するのは、人口減少に合わせた「新たな街づくり」です。玉川氏 「人口が地方で減っている状況があるとしたら、どうすればいい?」
河合理事長 「集約するしかない。色々なサービスが立地しうる程度の人口規模を維持しないといけない」  
内閣府の試算では、スーパーや病院、銀行、介護施設、百貨店など通常の生活に必要なあらゆるサービスを維持するためには、30万人程度の人口規模が必要だといいます。
玉川氏 「どこかに集約するって、具体的にどうすればいい?」
河合理事長 「最後の最後まで残る交通インフラ、現実的なものは高速道路。高速道路のサービスエリアとかパーキングエリアとかインターチェンジでも構わないんですけど、こういう所に地域の人口集約をして、そこにすべてのインフラを集めていく。その周辺に、役所機能とか病院機能だとか、色んなものを集約したオアシスのように」
玉川氏 「確実に人口が減少していくっていう未来が分かっていて、そこから逆算して今何をやるかって考えなきゃいけない」
河合理事長 「なので本当は、短期で困っているような状況が出てきたところへの政策を議論する場、10年・20年先の社会のために、今から仕込まないといけない政策を作って検討する場っていうのは分けてやっていく必要があるんだろう」20220117_153620.jpg

 政権は厳しい指摘をしてくれる専門家の意見を尊重して参考にしないのでしょうか。「日本人だけで見ていくと現状、大体1億2300万人ぐらい。政府の推計で見ていくと2050年に9740万人と言っている」河合理事長が2019年から5年間の日本人の出生数の実績を基に行った予測では、政府の推計よりも5年早いといいます。また、45年後の2070年には、今の半数である6220万人まで減少すると予測しています。国の予測は楽観的に見ているでしょう。それに対して専門家は客観的に予測できるでしょう。「暮らしを考えていくと、先に起こるのは人手不足」「労働力不足」民間の研究機関の予測では、人口減少に伴い、2040年には日本国内でおよそ1100万人の労働人口が不足するといいます。海外から日本で一緒に働いてくれる人を求めるしかないでしょう。「戦略的に縮小する」とは、「社会保障全体をまず縮める。国力に合った社会保障サービスの見直しをまずやるということが1つです」「縮めるというのは『ここからは払うけど、ここから払わない』ということ?」「(そう)だったり、高度医療を保険から外すだとか」経済においても方針転換が必要だと指摘します。「社会保障にしても、財政の均衡にしても、やはり一番の王道というのは経済成長なんです。人口が減っても経済が成長する仕組みに変えようという」まさに大きな発想転換ですね。「海外に打って出ていくという方向へ切り替えることで、人口が減っても経済を伸ばしていける方法は多分あるんだろう」「輸出ってことですか」「そうです。海外のマーケットが欲しいものを高く売っていく。それも少ない労働力で。生産性向上です」GDPに対する貿易額の割合を見ると日本はおよそ35%で、経済の多くが国内消費で成り立っています。日本は海外の増加する需要を取りに行くことで、経済成長を目指すべきだと主張します。人口減少に合わせた「新たな街づくり」です。「集約するしかない。色々なサービスが立地しうる程度の人口規模を維持しないといけない」スーパーや病院、銀行、介護施設、百貨店など通常の生活に必要なあらゆるサービスを維持するためには、30万人程度の人口規模が必要だといいます。「最後の最後まで残る交通インフラ、現実的なものは高速道路。高速道路のサービスエリアとかパーキングエリアとかインターチェンジでも構わないんですけど、こういう所に地域の人口集約をして、そこにすべてのインフラを集めていく。その周辺に、役所機能とか病院機能だとか、色んなものを集約したオアシスのように」奇抜というか今まで考えられていなかったような発想とアイデアですね。「なので本当は、短期で困っているような状況が出てきたところへの政策を議論する場、10年・20年先の社会のために、今から仕込まないといけない政策を作って検討する場っていうのは分けてやっていく必要があるんだろう」確かに短期的な視点と中長期的な視点が必要ですね。IMG_1402[1].JPG
都市部と地方のつながりを創り出すことができないか[2025年10月16日(Thu)]
 西日本新聞2025年6月2日付け「【社説】関係人口の拡大 縮小する地域支える力に」から、関係人口の拡大に力を入れる自治体が増えている。人口が減っても地域を持続する手掛かりになるからだ。  
関係人口といっても、まだ耳慣れない人が多いかもしれない。その地域に居住していなくても、イベントへの参加や特産品購入などを通じて、継続的に関わりを持つ人の総和を指す。  都市などから定期的に足を運び、農作業を手伝ったり、伝統行事に参加したりする人は、人手不足に悩む地域にとってありがたい存在だ。  
一時的なイベントでも多数の人が訪れると、普段は静かな地域に活気が増す。その状態を「にぎやかな過疎」と呼ぶ研究者もいる。  
都市と田舎は相互に依存する関係である。両者を行き来する人たちがもたらす効果は幅広い。近年、関係人口への期待が特に高まっているのは災害時の支援だ。  
過疎と高齢化が進む地域が被災すると、自治体と住民だけでは生活の復旧が難しい。能登半島地震の被災地が象徴的だ。がれきの撤去や被災家屋の掃除を手助けする人が多ければ多いほど、復興のスピードは速くなる。  
人口減少を抑制しようと、多くの自治体が移住者の獲得に躍起になっている。成果は上がっただろうか。全国の人口が減り続けているので、おのずと限界がある。  
移住者に比べると、関係人口を増やすことはそれほど難しくない。ファンから2地域居住まで多様な結びつきがあっていい。  
こうした人たちを「特別町民」や「応援大使」の名前で登録し、関係を強化している市町村が九州にもある。オリジナルの名刺を作り、旬の情報を提供するなどの特典に工夫を凝らしている。  
政府も6月にまとめる地方創生の新たな基本構想に、関係人口の拡大を盛り込む方針だ。自治体を後押しする施策を打ち出してほしい。  
ただし、数値目標を設けることは疑問だ。関係人口は曖昧さもあって把握しにくい。自治体の取り組みなので、政府の数値目標になじまないのではないか。  
政府はさらに踏み込んで、関係人口を明確にする「ふるさと住民登録」の創設を検討している。居住地とは別の自治体で第二の住民登録ができる制度だ。  
住民登録されると地域への愛着は高まりそうだ。自治体にとっては関係人口が可視化され、地域づくりについて具体的な支援を求めやすい。検討の価値はある。  
第二の住民票は以前から議論されている。整理が必要なのが納税と選挙権の扱いだ。二つの自治体に分割納税することは可能といわれる半面、居住自治体の税収が減るため反発も予想される。  
一朝一夕に解決できる課題ではない。複数の地域に積極的に関わりたいと思う人と、関係自治体が共に納得できる議論を求めたい。20220510_185915.jpg

 関係人口という考え方をどのように生かして都市部と地方のつながりを創り出していけばいいのでしょうか。その地域に居住していなくても、イベントへの参加や特産品購入などを通じて、継続的に関わりを持つ人の総和を指す。都市などから定期的に足を運び、農作業を手伝ったり、伝統行事に参加したりする人は、人手不足に悩む地域にとってありがたい存在だ。一時的なイベントでも多数の人が訪れると、普段は静かな地域に活気が増す。その状態を「にぎやかな過疎」と呼ぶ研究者もいる。都市と田舎は相互に依存する関係である。両者を行き来する人たちがもたらす効果は幅広い。近年、関係人口への期待が特に高まっているのは災害時の支援だ。過疎と高齢化が進む地域が被災すると、自治体と住民だけでは生活の復旧が難しい。能登半島地震の被災地が象徴的だ。がれきの撤去や被災家屋の掃除を手助けする人が多ければ多いほど、復興のスピードは速くなる。人口減少を抑制しようと、多くの自治体が移住者の獲得に躍起になっている。成果は上がっただろうか。全国の人口が減り続けているので、おのずと限界がある。地方が助けてもらうような発想が主になっているような気がします。都合よく考えるだけでは継続できないでしょう。災害は都市部も首都圏直下型地震、南海トラフなど甚大な被害が予想されていますが、その際には地方が被災した人たちに救いの手を差し伸べることが可能でしょうか。移住者に比べると、関係人口を増やすことはそれほど難しくない。ファンから2地域居住まで多様な結びつきがあっていい。都市部に住んでいる人たちがお互いさまという考えで地方と関係性を創ることができればWin&Winになり望ましいのでしょう。第二の住民票は以前から議論されている。整理が必要なのが納税と選挙権の扱いだ。二つの自治体に分割納税することは可能といわれる半面、居住自治体の税収が減るため反発も予想される。一朝一夕に解決できる課題ではない。複数の地域に積極的に関わりたいと思う人と、関係自治体が共に納得できる議論を求めたい。国が考えているように一気に順調に進むことはないでしょうが、議論を積み重ねて少しでも前に進み国内で抱えている問題が解決に向かって動き出せばと願います。IMG20211002132137.jpg
情報被害あふれる現代社会へ「ブレーキが必要やな」[2025年10月15日(Wed)]
 スポーツ報知2025年6月2日付け「情報被害あふれる現代社会へ「ブレーキが必要やな」社会派作家・塩田武士さん「週刊誌批判」意欲作」から、「罪の声」「騙し絵の牙」など数々の映画化作品で知られる塩田武士さん(46)の新作「踊りつかれて」(文芸春秋、税込み2420円)は、SNS、週刊誌報道などの情報被害がテーマ。元新聞記者の社会派作家の第一人者として、真贋(がん)定かならぬ情報があふれ過ぎる現代社会に問題提起を投げかける意欲作だ。「取材したことを出し尽くした」と苦笑いで語る気鋭作家の情報被害に対する思いを聞いてみた。
ある日、突如更新されたブログに書き込まれた「宣戦布告」と題された文章には、SNSで誹謗(ひぼう)中傷を繰り返す人々の個人情報が晒(さら)されていた―。「罪の声」や「騙し絵の牙」「存在のすべてを」などで現代の問題を斬り込んできた社会派作家が新しく描いたのは、SNSや昔の週刊誌報道などの「情報被害」をフックにした人間ドラマだ。  
「18年に誤報をテーマにした短編集『歪んだ波紋』を書いたんですよ。世の中の情報についての反応が多いんだろうな…と思っていたら、ストーリーが面白い面白くないとかの感想ばかり。あれ? 
情報の時代なのに、情報に興味のない人の方が多いんじゃないのか?と思ってしまって」  
抱いた違和感。それは「歪んだ波紋」を書く以前から考え続けてきた。  
「SNSなどに関しては、2010年代の中頃から息苦しさを感じていました。相互監視で圧力があったり、畏縮(いしゅく)したり。まさに第5権力(立法・司法・行政の三権と報道機関に加え、オンラインでつながった個人が権力を持つ考え方)的になってきたなと」  
実は塩田さん、ずっと情報被害についての自身の考え方をメモに取り続けていた。いつか小説の題材にと、悶々(もんもん)としながら構想を温めていたのだ。  
「宿題として残ってきたこの感情、SNSの問題とかを、どっかで吐き出さなアカンと思っていて。週刊文春で連載できたら一番面白いんじゃないかと思っていたら…ホンマに連載依頼来たんですよ。どんぴしゃのタイミングで」  
ただ一つ問題が。この話題がテーマなら、週刊誌の新旧情報被害についても取り上げなければいけない。  
「最初は『週刊文春ならではのものにします』の言い方で逃げてました。いざ連載になったとき最初にどう言い出そうかと…」  
そこで一計を案じた。  
「今作の冒頭部分を書いて、週刊文春のデスクが私が住んでいる京都へ新幹線へ向かう最中に『読んでほしい、これで打ち合わせしよう』とメールしました。読んだら続きが気になるモノを書いたら絶対OKしてくれるだろうと」  
返ってきた返事は、絶賛。  
「文春の懐の深さですね。ノリの良さ、チャレンジ精神があって、週刊誌連載で週刊誌批判するってことも受け入れてくれる。メチャクチャ気合入りましたよ」  
週刊文春での連載は23年5月〜24年8月。その最中にも、文春砲をはじめとしたさまざまなニュースと、SNSでの誹謗中傷があった。  
「ダウンタウンの松本人志さんとか、歌舞伎の人のこともあったし、1発目の広末騒動とかもありました。いろいろ見て思ったのは、あらためて『ブレーキが必要やな』ということ。
文春が書いたから本当だろうとか思って、リポストしてすぐ信じたり。文春は確かにすごい裏付けしているんですけど、一歩引いて判断する姿勢が大事なのでは」  
SNSでは、信じたいと思った内容にすぐのめり込む傾向があると指摘する。  
「自分の気に入っているものや考えだけを集めてより強化し、正しいんだと持っていくことが多い。つまり、自分を聡明だと思い込むママゴトをしている気がするんですよ。その際、『情報源はどこだ』『表現は過剰すぎないか』とか意識して見ていけば、アレ? 
おかしいなと気づけるはず」  
SNSの実感のなさにも危機感を感じている。  
「すでに炎上したことに関して便乗する必要があるのか。炎上に乗っかった時に、対象者や家族を実在の人間として認識できているのか。質感がないから、物事を虚像として捉えてしまってはいないか。SNSは対面じゃないから、対面の時に生じる反論の恐れがない。目の前で悲しそうな顔をされるとかの罪悪感も一切消えちゃう」  
誹謗中傷や情報被害を加えてしまう人の心理はどう分析しているのだろうか。  
「根底は『相手を屈服させたい支配欲』だと思います。己で消してしまわないといけないところを、より共有しやすくなって、モンスター化していく。例えば1人が一家を支配して事件を起こす監禁事件とかのようなものと、同じようなものなのではないでしょうか」
一方、ネットをファクトチェックするにも限界が。  
「悪魔の証明に近いですよね。事実か否かの判定なんて薄氷のようなものです」  
だからこそ1次報道の大切さも強調する。  
「調査報道大賞で選考委員も務めてますが、あの分厚い裏付けのために人をかけてお金をかけることに感動するんですよ。確かに、調査報道ほどコスパが悪くてビジネスに向かないものはない。けれども、メディア側もそのソースに選ばれると、情報価値ができてマネタイズのビジネスチャンスも生まれる。今後は情報源の重要性はもっと認識されてくるはずですから」  
現代社会を生きやすくするための使命感もある。  
「法律は罰則が厳しくなるでしょうが、誹謗中傷の数が多すぎてどうしようもない。だから、小説なり何なりで一人一人意識を変える方が早いと思っているんです。昭和時代はたばこの吸い殻が落ちまくっていましたが、今は違う。これって倫理観が上がってるってことですよね。ブレーキをかけなければと感じ、複数の確認ソース持つのが当然と考える若い世代が育ってくれば、世の中の意識も変わってくる」
共有してほしい 
情報被害が横行することへの恐怖感。賛否両論を覚悟で問題提起するため、長年書きためたメモは今作でほとんど使い果たした。  
「今までは何か伝えたくて書いていたんですが、今回はそれを超えて、物語を共有してほしい気持ちなんですよ。将来、みんな『あんな時代やったな』って振り返る時が必ず来る。その時に『あの小説読んで、少し考えた』と思ってもらえれば、この小説を書いたかいがあったなと思いますね」20221020_091102.jpg

 SNSで誹謗(ひぼう)中傷を繰り返す人々の個人情報が晒(さら)されていた。「SNSなどに関しては、2010年代の中頃から息苦しさを感じていました。相互監視で圧力があったり、畏縮(いしゅく)したり。まさに第5権力(立法・司法・行政の三権と報道機関に加え、オンラインでつながった個人が権力を持つ考え方)的になってきたなと」SNSを好き放題に放置していい訳がないでしょう。SNSでは、信じたいと思った内容にすぐのめり込む傾向がある。「自分の気に入っているものや考えだけを集めてより強化し、正しいんだと持っていくことが多い。つまり、自分を聡明だと思い込むママゴトをしている気がするんですよ。その際、『情報源はどこだ』『表現は過剰すぎないか』とか意識して見ていけば、アレ?おかしいなと気づけるはず」確かにその通りですね。「すでに炎上したことに関して便乗する必要があるのか。炎上に乗っかった時に、対象者や家族を実在の人間として認識できているのか。質感がないから、物事を虚像として捉えてしまってはいないか。SNSは対面じゃないから、対面の時に生じる反論の恐れがない。目の前で悲しそうな顔をされるとかの罪悪感も一切消えちゃう」その通りで対面でないことが大きな問題ですね。「根底は『相手を屈服させたい支配欲』だと思います。己で消してしまわないといけないところを、より共有しやすくなって、モンスター化していく。例えば1人が一家を支配して事件を起こす監禁事件とかのようなものと、同じようなものなのではないでしょうか」「法律は罰則が厳しくなるでしょうが、誹謗中傷の数が多すぎてどうしようもない。だから、小説なり何なりで一人一人意識を変える方が早いと思っているんです。昭和時代はたばこの吸い殻が落ちまくっていましたが、今は違う。これって倫理観が上がってるってことですよね。ブレーキをかけなければと感じ、複数の確認ソース持つのが当然と考える若い世代が育ってくれば、世の中の意識も変わってくる」SNSは消え去ることはないでしょうが、安心して安全に生活できるためにはSNSのあり方を真剣に考える必要があるでしょう。真贋(がん)定かならぬ情報があふれ過ぎる現代社会に問題提起を投げかける人が影響力を持つことは大事でしょう。20221019_094218.jpg
「トランプ氏を怖がるな!」メルケル氏が考える“自由”の深層[2025年10月14日(Tue)]
 TBS NEWS DIG2025年6月1日付け「「トランプ氏を怖がるな!」メルケル氏が考える“自由”の深層  原点は、旧東ドイツの“色彩なき日々”【サンデーモーニング】」から、冷戦後の世界で大きな存在感を発揮した、ドイツのメルケル元首相。来日し、現在のトランプ政権について語りました。
留学生の受け入れ資格を停止…自由の国・アメリカの“検閲”
27日、アメリカのハーバード大学で起きた抗議デモ。トランプ政権が、反ユダヤ主義を理由に、留学生の受け入れ資格を停止したことに非難の声が上がりました。
ハーバード大学 ライアン・イーノス教授 「トランプ氏がハーバードを倒そうとするのは、大学が自由な思想と言論の自由を体現しているから」
さらに… アメリカ トランプ大統領 「留学生がわが国を愛せる人材かどうかを確かめたい」
アメリカに留学を希望する学生の、ビザ取得の手続きを一旦停止。彼らのSNS上の投稿を審査するとしたのです。
自由の国・アメリカが、自ら門戸を閉ざすように課した“検閲”。この変容に危機感を抱く人物がいます。
自由の尊さと国際協調を訴えたメルケル氏の歩み ドイツ 
メルケル元首相(27日) 「米国の大学は米国という“自由”を象徴しています。外国の学生にとっては大きな魅力だったのです。しかし今、その自由や民主主義が、歴史的にみて大きな危機に直面しています」
2005年〜2021年まで、16年にわたってドイツの首相を務めたアンゲラ・メルケル氏。
回顧録『自由』の出版に合わせて来日し、講演でアメリカの状況を厳しく批判しました。
メルケル元首相(27日) 「トランプ氏は不動産業者の発想で、『1人しか勝つことができない』と思っています。でも世界は、そういった筋道で協力しているわけではない。世界は『ウィン・ウィン』の状況を作り出すことができるのです」
自由の尊さと国際協調を訴えたメルケル氏。そこには、彼女の半生が深く関わっていました。
東西冷戦ただ中の東ドイツ。秘密警察が国民生活を監視し、市民の自由が奪われたこの国で、メルケル氏は育ちました。
1970年代、厳しい検閲を逃れ、東ドイツで流行ったのはニナ・ハーゲンの『カラーフィルムを忘れたのね』という曲。
「カラーフィルムを忘れたのね。すべてが色付いていたけどもう何も残っていない」
カラーフィルムを忘れたせいで、写真がすべて白黒になったことを嘆く歌ですが、自由を奪われ輝きを失った国への怒りが込められていました。
当時の東ドイツについて、メルケル氏も回顧録でこう語っています。
「私にとって国家としてのドイツ民主共和国(東ドイツ)は悪趣味の権化だった。心を明るくするような色もなかった──」
そんなメルケル氏の転機となったのが冷戦の終結。政治家の道に進んだメルケル氏は若くして大臣に抜擢されるなど、頭角を現します。
そして2005年、ドイツで女性初の首相に就任。任期中の彼女を印象づけたのは、強権を振りかざし自由を脅かす指導者に、徹底して抗する姿勢でした。 2014年のロシアによるクリミア併合に際しては、隣にいるプーチン大統領を、公然と非難しました。
メルケル首相(2015年当時) 「クリミア併合はウクライナの領土の侵害だとするドイツの姿勢は変わらない」
2018年には、1期目のトランプ氏に眼光鋭く詰め寄り、自由貿易を揺るがす関税政策を厳しく批判しました。 27日の講演でも「トランプ氏相手に恐れおののいてはいけない。自分の意見をはっきり伝えることが大事なのです」と語っています。
強権化する世界で、メルケル氏が発するメッセージは
さらにメルケル氏は、「人類の大きな問題は多国間主義によってしか解決できない」とも。 メルケル氏の首相在任時、最大の危機となったのが2015年の欧州難民危機です。シリア内戦などで祖国を追われた大量の難民が、ヨーロッパに流入。メルケル氏は受け入れに積極的な姿勢を見せます。
メルケル首相(2015年当時) 「助けを求めてヨーロッパに逃れてくる人々を尊重しなければならない」
しかし当時、こうした姿勢はトランプ氏と対立。
トランプ大統領(2017年) 「移民は特例であり権利ではない。市民の安全が優先される」
ドイツ国内でも、難民や移民の排斥を訴えるデモが相次ぎ、排他的な極右政党が台頭します。
ドイツ AfD ガウラント副代表(2017年)
「メルケルであれ誰であれ追い詰める。この国と国民を奪い返す」
その後、連邦議会選挙や地方選挙でも極右政党が躍進。こうした状況のなか、メルケル氏は退任を決意します。
期を同じくするように、ヨーロッパ各国では相次いで極右政党が勢力を伸ばし、ロシア、アメリカなど、権威主義の脅威が世界を覆っているのです。
16年におよぶ首相を退任したメルケル氏。退任式では首相が望む曲を演奏するのが恒例ですが、そこで流れたのは旧東ドイツ時代、自由への憧れを歌ったニナ・ハーゲンの『カラーフィルムを忘れたのね』でした。
メルケル氏は講演の最後に、“自由”についてこう語っています。 メルケル元首相(27日) 「自由は個人のためだけにあるものではありません。アメリカ大統領のように、やりたいようにやることでもありません。自分の目の前にいる人々の自由を考える、その努力が必要なのです」20230121_104957.jpg

 「トランプ氏がハーバードを倒そうとするのは、大学が自由な思想と言論の自由を体現しているから」知性主義に対する対峙なのでしょうか。「米国の大学は米国という“自由”を象徴しています。外国の学生にとっては大きな魅力だったのです。しかし今、その自由や民主主義が、歴史的にみて大きな危機に直面しています」「トランプ氏は不動産業者の発想で、『1人しか勝つことができない』と思っています。でも世界は、そういった筋道で協力しているわけではない。世界は『ウィン・ウィン』の状況を作り出すことができるのです」確かにそうですね。ドイツで女性初の首相に就任。任期中の彼女を印象づけたのは、強権を振りかざし自由を脅かす指導者に、徹底して抗する姿勢でした。 2014年のロシアによるクリミア併合に際しては、隣にいるプーチン大統領を、公然と非難しました。メルケル首相(2015年当時) 「クリミア併合はウクライナの領土の侵害だとするドイツの姿勢は変わらない」 2018年には、1期目のトランプ氏に眼光鋭く詰め寄り、自由貿易を揺るがす関税政策を厳しく批判しました。 27日の講演でも「トランプ氏相手に恐れおののいてはいけない。自分の意見をはっきり伝えることが大事なのです」「人類の大きな問題は多国間主義によってしか解決できない」正しいと思うことをしっかり主張することが大事ですね。「助けを求めてヨーロッパに逃れてくる人々を尊重しなければならない」トランプ大統領(2017年) 「移民は特例であり権利ではない。市民の安全が優先される」ドイツ国内でも、難民や移民の排斥を訴えるデモが相次ぎ、排他的な極右政党が台頭します。逃れてきている人々を尊重した政策を推進するのは容易ではありませんが、実行することで救われる人たちがたくさんいるでしょう。メルケル氏は講演の最後に、“自由”についてこう語っています。「自由は個人のためだけにあるものではありません。アメリカ大統領のように、やりたいようにやることでもありません。自分の目の前にいる人々の自由を考える、その努力が必要なのです」世界情勢は厳しい状況になってきていますが、それに打ち勝つためには人々の自由を考え努力するはっきり主張する世界のリーダーが求められているでしょう。20221020_091700.jpg
「学業」と「農業」の“兼業農家”19歳の大学生のような人が増えればいいですね[2025年10月13日(Mon)]
 SBC信越放送2025年6月1日付け「「学業」と「農業」の“兼業農家”!祖父の影響で農業のとりこになった19歳の大学生 二刀流で奮闘中 「耕作放棄地などに視点を置いて規模拡大を図りたい」長野」から、現在、長野県内の農家のおよそ8割が、農業のほかにも仕事を持ついわゆる「兼業農家」とされます。そうした中、安曇野市には、学業との兼業で農業に奮闘する若者がいます。その働きぶりとは?
「メイン(の枝)に一番栄養が行くように、1番下とか2番目当たりの枝はこうやって切っちゃってあげます」
伸び盛りの、トマトの苗。わき芽を取り除き、支柱に固定していきます。
川下大翔さん:「植物って自分が手を加えた分だけ応えてくれるので、それが楽しいから。今もそうだし、昔からずっとやってるかなっていう感じですね」
川下大翔さん。2006年生まれの19歳、この畑の主です。
「(何歳から畑に?)4歳ですね。僕の祖父が管理してた頃は、田んぼも自分一緒にやってたので、一緒にトラクター乗ったり、あとは畑に入って収穫を手伝ったりしながら」
母方の祖父の影響で、いつしか農業のとりこに。その祖父が4年前、体調を崩したのをきっかけに高校1年生だった大翔さんが畑の跡継ぎになりました。
この春からは山梨県内の大学に進学して経済学や経営学を学ぶかたわら、「まごころファーム」と名付けた安曇野市内にある5か所の畑で農業に取り組んでいます。
すなわち、「大学生」と「農家」の二刀流!学業と農業という“兼業農家”なのです。
こちらは、収穫期を迎えたレタスの畑。
川下大翔さん:「今年は出来栄え的には、何も管理してないんですけど、よくできてるかなという感じです」
畑を見回すと、少々、雑草が伸びているようにも見えますが…これも異色の“兼業”だからこそ。
川下大翔さん:「一番の理由としてはコスト削減をしたいので、なるべく農薬使わないで自分のもとに入ってくるお金の量を増やすってところで。自分1人でやっているので、来年度の次の資材投資とかもあるので、その辺も考えながらやってますね」
平日は大学の授業があるため、農作業は週末が中心。不在の間の水やりだけは両親に頼んでいるものの、基本的にすべての作業は大翔さんが1人で行います。
制約がある中でもしっかり収穫につなげられるよう、何に時間とお金をかけるべきかを見極めているといいます。
ただもちろん、うまくいくことばかりではありません。今月上旬、夏野菜の種をまいてあった苗床に、悲劇が…。
川下大翔さん:「遅霜が来て、朝見に来た時にはもう、くたーってなっていて全滅しちゃっていました。気温を見ながら、あす(霜が)来そうだなみたいな感じだったら、ビニールかけてあげなきゃいけないんですけど、僕はそれを怠ったせいでこうなってるので、今年は大失敗っていう…」
苦労はあるものの、それも含めて畑と向き合う時間は人生に欠かせないもの。
大学との“兼業”にも、迷いはなかったといいます。
川下大翔さん:「あまり規模は大きくないですけど、でも野菜に触れていた時間は誰よりも長いと思うので、その中で自然とふれあいながら生きていくことが自分にとって楽しいんだなっていうことに気づいて、祖父が残してくれたこの畑を使わない理由はないかなっていうところで」
今の時期は、レタスや小松菜、チンゲンサイなどの葉物が中心。
夏はトマトやキュウリ、ブロッコリー、秋には、ジャガイモにキャベツ。
さらに冬もホウレンソウや白菜と、1年を通して50種類以上もの作物を栽培しています。
川下大翔さん「一つの野菜に頼り過ぎると、災害や病気でダメになったときに売り上げが得られないので…」
朝収穫した野菜は、新鮮なうちに包装していきます。
主に、インターネットの直売サイトなどを通じた販売をしてきましたが、去年からは、直売所にも出し始めました。
とれたての野菜を持って、近所の直売所へ。
直売所の値付けは、それぞれの生産者の自由です。この日は、小松菜とチンゲンサイを120円、レタスを130円に設定。シールには、生産者として大翔さんの名前が記されています。
Vif穂高 小林幸岐人理事長:「これだけのものができるっていうのは素晴らしいよ」
さっそく、地元産のコーナーに並べていきます。棚にはほかにも、新鮮な野菜や果物がずらり。どんな種類がどの時期にいくらで売られているのか、市場調査も欠かせません。
川下大翔さん:「周りの人との値段関係が一番売れるコツでもあるので、そこは常に気にしながら。できれば全部売れてほしいな」
祖父が残してくれた蓄えを基に始めた農業経営は、今年で4年目。 最初の1年の売り上げは支出に対して2割ほどでしたが、試行錯誤を続けることで去年は9割近くに伸ばしました。
SNSなどを通じて全国各地の農家からノウハウを学びながら、大学生との“兼業農家”の間にその後に向けた足掛かりを作りたいと考えています。
川下大翔さん:「今のままこの規模でやってくわけにはいかないので、大学に通ってる間に、規模拡大。今少しずつ力を入れてますけど、耕作放棄地とかに視点を置いて、もうちょっと規模拡大を図れればなと思っています」
ゆくゆくは農家民宿の開業なども思い描く、大翔さん。19歳の挑戦は、続きます。IMG_20230702_091214.jpg

 「植物って自分が手を加えた分だけ応えてくれるので、それが楽しいから。今もそうだし、昔からずっとやってるかなっていう感じですね」その祖父が4年前、体調を崩したのをきっかけに高校1年生だった大翔さんが畑の跡継ぎになりました。山梨県内の大学に進学して経済学や経営学を学ぶかたわら、「まごころファーム」と名付けた安曇野市内にある5か所の畑で農業に取り組んでいます。すなわち、「大学生」と「農家」の二刀流!学業と農業という“兼業農家”なのです。「一番の理由としてはコスト削減をしたいので、なるべく農薬使わないで自分のもとに入ってくるお金の量を増やすってところで。自分1人でやっているので、来年度の次の資材投資とかもあるので、その辺も考えながらやってますね」苦労はあるものの、それも含めて畑と向き合う時間は人生に欠かせないもの。「あまり規模は大きくないですけど、でも野菜に触れていた時間は誰よりも長いと思うので、その中で自然とふれあいながら生きていくことが自分にとって楽しいんだなっていうことに気づいて、祖父が残してくれたこの畑を使わない理由はないかなっていうところで」インターネットの直売サイトなどを通じた販売をしてきましたが、去年からは、直売所にも出し始めました。祖父が残してくれた蓄えを基に始めた農業経営は、今年で4年目。 最初の1年の売り上げは支出に対して2割ほどでしたが、試行錯誤を続けることで去年は9割近くに伸ばしました。SNSなどを通じて全国各地の農家からノウハウを学びながら、大学生との“兼業農家”の間にその後に向けた足掛かりを作りたいと考えています。「今のままこの規模でやってくわけにはいかないので、大学に通ってる間に、規模拡大。今少しずつ力を入れてますけど、耕作放棄地とかに視点を置いて、もうちょっと規模拡大を図れればなと思っています」大変共感できる考え方、生き方ですね。このような若者が増えてきてほしいですね。そうすれば日本の農業にも明るい展望を描くことができ変わってくる可能性があるでしょう。いい話ですね。20230121_110232.jpg
プロフィール

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