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自治体の首長の先を見据えた政策を実現する取り組みが増えれば[2025年09月21日(Sun)]
 毎日新聞2025年5月22日付け「<毎日農業記録賞×聞く>「コメがない」不測の事態を予測 農業連携進めた大阪・泉大津市」から、こんな事態が起きることを見通していた首長がいる。大阪府泉大津市長の南出賢一さん(45)だ。大阪湾を囲む臨海工業地帯に位置する市内に農地はほとんどなく、食料自給率はゼロに近い。「その分、危機感があった」と語る南出市長は、「コメ騒動」が起きる前の2023年夏から全国の農業生産地の自治体と農業連携協定を結び、平時からコメを直接買い付ける仕組みを導入。「不測の事態」で食料供給が止まった場合は、この連携で「市民のための食料」を確保する。これまでに北海道から沖縄県まで9市町村との締結を実現させ、市内のすべての小中学校や保育園などの給食に「安心・安全」なコメを行き渡らせている。
シリーズ「令和のコメ騒動」8  
取り組みの動機から。  
今回のような「コメ騒動」が起きることが明確に見えていたからです。農村を歩き「このままではあと5年もつか分かりませんよ」という切実な声を何度も聞いていました。生産者の平均年齢は70歳に近づいています。一方で、肥料やトラクターなど生産資材の価格は上がり続けている。コメを作っても農家が赤字になる構造的な問題や、政府の事実上の「減反」政策などを考えれば、供給システムそのものが立ちゆかなくなることは予測できたはずです。そうなれば、真っ先に打撃を受けるのは泉大津市のような農業生産基盤が弱い自治体の住民です。率先してそれに備えるのが、首長の仕事です。  
政治家になる前からの問題意識だそうですね。  
学生時代はボクシング一筋。人間の健康は食によって支えられていることを、文字通り「体」で学びました。政治家になる前は大手の水産・食品会社に就職しましたので、おのずと世界の食料事情に目が向き、食の流通構造の問題点や、日本の食が脅かされていることに気づくことができました。主食の安定は「生活安全保障」であり、「国家安全保障」です。
しかしながら、日本の食料自給率は38%にとどまっている。それにもかかわらず、国は「減反」を進めてきました。方向を改めないのなら、首長が率先してやる。同じ考えの首長と連携して、食料の新たなサプライチエーンを築くことが目標です。  
泉大津市の農地は市全体の面積の2・4%しかない。「方向を変える」と言っても、できることは限られているのではないですか。  
生産地と消費地の自治体が連携することで、新たな流れを作ることができます。泉大津市のような都市部の消費地を安定した「出口」として機能させ、生産地からコメをダイレクトに購入することで生産を安定させれば、遊休農地の解消や農家所得の向上につながります。
流通は生産から消費までシンプルな方が農家の所得は上がり、市場価格も安定する。平時から安定的にコメを消費することで、農家も安心して生産することができる。そうやって構築する平時の関係性は、「コメ騒動」のような非常事態にも生かされます。シンプルなサプライチェーンが構築されていれば、非常事態の際にも安定してコメを調達することができる。都市部の人間は、生産地によって支えられています。今こそ、このことに気づくべきでしょう。このような自治体間の連携が増えれば、大きなうねりになる。  
食料の確保と同時に、市民の健康増進も主眼においていますね。  
「医食同源」の考え方が基本にあります。身をもって体験していますからね。農業連携は生産地と消費地に「ブリッジ」をかけることですが、連携先で栽培される有機米や減農薬の特別栽培米などを泉大津の小・中学校や就学前の施設、マタニティー支援などに提供することで、「オーガニックブリッジ」に発展します。年間20トンの有機米の供給を受けている北海道旭川市とは、昨年7月に「オーガニックビレッジ宣言」を出しました。生産から消費まで一貫し、農業者のみならず地域ぐるみで取り組む市町村を指します。農林水産省は「みどりの食料システム戦略」として、オーガニックビレッジを目指す自治体を支援しています。
旭川と泉大津のように「生産地」と「消費地」の2者間で宣言するのは全国初で、農業連携の新しい価値を生むと思います。泉大津市の小学生が旭川市の有機農家の取り組みを取材する「こども特派員」が実現しました。「食育」の広がりが生まれています。  
有機米の供給に限らず、学校給食予算の増額もしているそうですね。  
小・中学校で約5600万円を市が負担しています。食料品の価格が上がっても、給食の質を落としてはいけない。子どもの成長が最優先なので、むしろ充実させたい。仮に「無償化」を実現させたとしても、内容が貧素になれば本末転倒です。  
次の目標は?  
第一には、お話ししたように、農業連携でコメの生産拡大につなげることです。目先の市場原理に左右されない供給の仕組みを作る。自治体の連携で実現させます。  
二つ目は「医食同源」に関して、玄米の価値をもっと知ってもらうことです。和歌山県日高川町との農業連携では「マタニティー応援プロジェクト」として、同町産の減農薬米を泉大津市に住む妊婦の方に毎月10キロお届けしているのですが、この連携では、「金芽米」のブランドで知られる「東洋ライス」とも提携しています。玄米の栄養成分を多く残した金芽米の原料に、同町産のコメを使っています。今考えていることは、市内全域に金芽米のコイン式精米機を設置し、市民の皆さんに直接、医食同源米を食べる機会を増やすことです。DSC00444.JPG

 「コメ騒動」が起きる前の2023年夏から全国の農業生産地の自治体と農業連携協定を結び、平時からコメを直接買い付ける仕組みを導入。「不測の事態」で食料供給が止まった場合は、この連携で「市民のための食料」を確保する。これまでに北海道から沖縄県まで9市町村との締結を実現させ、市内のすべての小中学校や保育園などの給食に「安心・安全」なコメを行き渡らせている。自治体の首長として模範になる取り組みではないでしょうか。生産者の平均年齢は70歳に近づいています。一方で、肥料やトラクターなど生産資材の価格は上がり続けている。コメを作っても農家が赤字になる構造的な問題や、政府の事実上の「減反」政策などを考えれば、供給システムそのものが立ちゆかなくなることは予測できたはずです。そうなれば、真っ先に打撃を受けるのは泉大津市のような農業生産基盤が弱い自治体の住民です。率先してそれに備えるのが、首長の仕事です。住民のことを最優先で考えた先を見据えた素晴らしい取り組みですね。日本の食料自給率は38%にとどまっている。それにもかかわらず、国は「減反」を進めてきました。方向を改めないのなら、首長が率先してやる。同じ考えの首長と連携して、食料の新たなサプライチエーンを築くことが目標です。生産地と消費地の自治体が連携することで、新たな流れを作ることができます。泉大津市のような都市部の消費地を安定した「出口」として機能させ、生産地からコメをダイレクトに購入することで生産を安定させれば、遊休農地の解消や農家所得の向上につながります。流通は生産から消費までシンプルな方が農家の所得は上がり、市場価格も安定する。平時から安定的にコメを消費することで、農家も安心して生産することができる。そうやって構築する平時の関係性は、「コメ騒動」のような非常事態にも生かされます。シンプルなサプライチェーンが構築されていれば、非常事態の際にも安定してコメを調達することができる。都市部の人間は、生産地によって支えられています。今こそ、このことに気づくべきでしょう。このような自治体間の連携が増えれば、大きなうねりになる。自治体間の連携が国内で広まっていけば住民は安心して生活できるでしょう。農業連携は生産地と消費地に「ブリッジ」をかけることですが、連携先で栽培される有機米や減農薬の特別栽培米などを泉大津の小・中学校や就学前の施設、マタニティー支援などに提供することで、「オーガニックブリッジ」に発展します。年間20トンの有機米の供給を受けている北海道旭川市とは、昨年7月に「オーガニックビレッジ宣言」を出しました。生産から消費まで一貫し、農業者のみならず地域ぐるみで取り組む市町村を指します。農林水産省は「みどりの食料システム戦略」として、オーガニックビレッジを目指す自治体を支援しています。旭川と泉大津のように「生産地」と「消費地」の2者間で宣言するのは全国初で、農業連携の新しい価値を生むと思います。泉大津市の小学生が旭川市の有機農家の取り組みを取材する「こども特派員」が実現しました。「食育」の広がりが生まれています。国も積極的支援することが望ましいでしょう。DSC00443.JPG
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