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農業を盛り上げる取り組み[2025年05月09日(Fri)]
 KFB2025年3月4日付け「「新たな特産品で農業を盛り上げたい」農業法人の若手社員が目指す復興の現在地#知り続ける」から、福島県南相馬市の鈴木ふみかさん(24)は、地元の農業法人の入社6年目。法人が生産した大豆を使った商品開発の担当者に抜擢された。東日本大震災と原発事故の被災地では、津波被害や作付制限、避難指示によって、基幹産業だった農業が大打撃を受けた。県内では新規就農する人も多い一方、離農する人も後を絶たず、沿岸部にはかつてのように田んぼや畑が広がる光景は戻っていない。祖父母も農業を営み、幼い頃から当たり前のように田んぼや畑で農作業を手伝ってきた鈴木さんは、「南相馬市全体の農業を一緒に盛り上げていけたら」と話し、地域の農業の未来を担う母校の高校生も巻き込んで、南相馬産の大豆を新たな特産品に育てようと奮闘している。
東日本大震災と原発事故で甚大な被害を受けた福島県沿岸部の農業
福島県沿岸部の農地は東日本大震災の巨大津波に襲われ、耕地面積の約20%に当たる 5,991ha が冠水した。津波被害を免れた農地も、原発事故による放射性物質の影響で作付けが制限されたり、避難指示により農家が耕作できなかったりする時期が続いた。
「とれたてのコメや野菜を食べるのが当たり前だったのに…」  
南相馬市原町区の鈴木ふみかさんは、震災当時は10歳。兼業農家に生まれ育ち、祖父母のコメ作りや家庭菜園の作業を手伝うのが大好きな小学生だった。あの日、沿岸部の高台にあった自宅から見た、巨大な津波と砂ぼこりが記憶に残っている。祖父母の田んぼは津波による被害を免れたが、コメの作付けは制限された。家庭菜園の野菜の一部も、放射性物質の検査に持ち込んでから食卓に並んだ。祖父母はその後、高齢になったこともあってコメ作りをやめてしまったという。
「荒れていく農地を見るのが嫌だった。」  
幼い頃から慣れ親しんだ田んぼや畑を守りたいと、鈴木さんは地元の相馬農業高校に進学。農業を基礎から学び、加工や販売の実習も経験し、就職先として選んだのが、農業法人「紅梅夢ファーム」だった。
就職先は地域の農業を守ろうと設立された農業法人
鈴木さんが勤める紅梅夢ファームがある小高区も、沿岸部は津波による甚大な被害を受けた。ほぼ全域が福島第一原発から20q圏内に位置していて、津波を免れた内陸部も原発事故の影響が強かった。紅梅夢ファームの佐藤良一社長(71)は、震災の翌年には、津波で被災した仲間の農家と共に組合を立ち上げ、農地の復旧を目指して田んぼに取り残されたがれきの撤去などに取り組んできた。農家が営農を断念した土地を耕し、地域の農業を守ろうと農業法人を設立したのは2017年のことだった。
「二度と草だらけにはしない。この農地を上手に活用していく」(佐藤社長)  
強い決意とともにスタートしたが、小高区では農地の復旧に向けた歩みが大きく出遅れた。国の農林業センサス(2020年)によれば、市内の他の地区では耕地面積が震災前の7割以上に戻ったのに対し、小高区の耕地面積は2割にも満たないのが現状だ。原発事故による避難指示や作付制限により、離農した人が多かったことが背景にあるとみられている。それでも農業を守ろうと汗を流し続ける佐藤社長たちの姿に惹かれ、鈴木さんは2019年に入社。当初は同世代の社員は他に1人だけで、ずっと年上でベテランの先輩たちに交じって働いた。その後、法人としての作付面積とともに従業員数も少しずつ増え、鈴木さんにも後輩が出来ていった。
新規就農者は増加傾向でも担い手不足の農業の現場
「平均年齢は25歳。おかげさまで若いスタッフがそろっている」(佐藤社長)
紅梅夢ファームでは現在、従業員12人が雇用就農という形で農業に携わっている。  
実は福島県内では新規就農者が年々増えていて、最新のデータ(2024年度)では3年連続で300人を超え、震災直後の2倍を超えている。その就農形態を見ると、紅梅夢ファームのような農業法人などで働く「雇用就農」を選んだ人が170人と、全体の半分以上を占めている。ただ、定着率の低さが課題で、雇用就農者の6割以上が5年以内に退職しているのが現実だ。  
紅梅夢ファームでは離職した従業員はいないというものの、南相馬市全体では農業従事者の減少が顕著で、行政も危機感を募らせる。
「市内の農業従事者は震災前から7割減の約700人。その約8割は60歳以上で、20年後には200人ほどまで減ると見込まれる」(市の担当者)  
市内に約60ある農業法人のほとんどで人手が足りていない現状を受け、市も農業を支える人材を育成しようと、2024年度から「みらい農業学校」を開設。20代から50代の15人が1期生として農業のノウハウを学ぶ。在学中は市営住宅を割安で提供するなどの支援体制を整え、関東などから生徒を呼び込んでいる。
「農業を一緒に盛り上げていけたら」大豆を新たな特産品に
新規就農者の受け皿となる農業法人側も、農業復興に向けた試行錯誤を続けてきた。県産米は原発事故が起きた直後から風評の影響で価格が低迷していたことに加え、特に震災で水路が壊れるなどした沿岸部では農業用水の確保にも課題があり、紅梅夢ファームはコメに代わる作物に活路を見出そうとしていた。そこでここ数年、力を入れてきたのが、大豆の栽培だった。夏は比較的涼しく冬でも温暖な気候が栽培に適していて、少しずつ作付け面積を広げている。鈴木さんは、その大豆を使った商品開発の担当者に抜擢された。いわき市に本社を置きスーパーマーケットなどを展開するマルトが、高校生と連携して地場産の農作物を使った商品を開発する枠組みに参画。去年9月からは母校の相馬農業高校で、授業の一環として南相馬産大豆を使った商品開発が進められた。
「南相馬産大豆を通して、国産大豆のおいしさを知ってほしい。南相馬全体の農業を一緒に盛り上げていけたら」  
鈴木さんも授業に参加しながら、後輩である高校生たちにパッケージや味付けを考案してもらい、自慢の大豆の魅力を最大限生かす商品づくりに取り組み、半年がかりで納豆やいなり寿司などの新商品が誕生した。
加工のプロも太鼓判で販売会は大盛況!販路拡大で知名度アップなるか
納豆の加工を担当したのは、創業120年を迎え、県産大豆を中心に国産の大豆にこだわった納豆を作り続ける、いわき市のメーカー。
「色つや、風味、食感ともにすごくいい。これ以上いい大豆はない」  
大豆に精通する鈴木政喜社長も、持ち込まれた南相馬産大豆の品質に太鼓判を押した。パック詰めされた納豆は、今年2月にスーパーの店頭に並んだ。  
発売当日にはいわき市で販売会が開かれ、紅梅夢ファームの鈴木さんと高校生も立ち会った。惣菜コーナーに並んだいなり寿司は飛ぶように売れ、補充が間に合わないほどの売れ行きに。納豆も試食した人たちのアンケートで高評価を得た。
「直接お客様の反応も見られて、商品開発の苦労が報われた。より多くの人に食べてもらって、南相馬産大豆の魅力を知ってもらいたい。」  
まずは順調なスタートを切った、南相馬産大豆の6次化商品。ここから、どこまで販路を広げられるかが、次の課題だ。鈴木さんは、地元の道の駅など観光客が訪れる店での販売も模索。県内外での知名度を高め、大豆を南相馬の新たな特産品として盛り上げることが、古里の農業の復興につながると信じている。DSC00367.JPG

 祖父母も農業を営み、幼い頃から当たり前のように田んぼや畑で農作業を手伝ってきた鈴木さんは、「南相馬市全体の農業を一緒に盛り上げていけたら」と話し、地域の農業の未来を担う母校の高校生も巻き込んで、南相馬産の大豆を新たな特産品に育てようと奮闘している。幼い頃から慣れ親しんだ田んぼや畑を守りたいと、鈴木さんは地元の相馬農業高校に進学。農業を基礎から学び、加工や販売の実習も経験し、就職先として選んだのが、農業法人「紅梅夢ファーム」だった。紅梅夢ファームの佐藤良一社長(71)は、震災の翌年には、津波で被災した仲間の農家と共に組合を立ち上げ、農地の復旧を目指して田んぼに取り残されたがれきの撤去などに取り組んできた。農家が営農を断念した土地を耕し、地域の農業を守ろうと農業法人を設立したのは2017年のことだった。 「二度と草だらけにはしない。この農地を上手に活用していく」農業を盛り上げようと奮闘する人がいなければ農業を維持することはできないでしょう。原発事故による避難指示や作付制限により、離農した人が多かったことが背景にあるとみられている。それでも農業を守ろうと汗を流し続ける佐藤社長たちの姿に惹かれ、鈴木さんは2019年に入社。当初は同世代の社員は他に1人だけで、ずっと年上でベテランの先輩たちに交じって働いた。その後、法人としての作付面積とともに従業員数も少しずつ増え、鈴木さんにも後輩が出来ていった。紅梅夢ファームでは現在、従業員12人が雇用就農という形で農業に携わっている。  実は福島県内では新規就農者が年々増えていて、最新のデータ(2024年度)では3年連続で300人を超え、震災直後の2倍を超えている。その就農形態を見ると、紅梅夢ファームのような農業法人などで働く「雇用就農」を選んだ人が170人と、全体の半分以上を占めている。ただ、定着率の低さが課題で、雇用就農者の6割以上が5年以内に退職しているのが現実だ。紅梅夢ファームでは離職した従業員はいないというものの、南相馬市全体では農業従事者の減少が顕著で、行政も危機感を募らせる。「市内の農業従事者は震災前から7割減の約700人。その約8割は60歳以上で、20年後には200人ほどまで減ると見込まれる」農業を盛り上げるためには担い手がいなければならないが、全国的に減少傾向が続いているでしょう。さらに中高年が中心なので今後のことを考えれば危機感があるでしょう。紅梅夢ファームはコメに代わる作物に活路を見出そうとしていた。そこでここ数年、力を入れてきたのが、大豆の栽培だった。夏は比較的涼しく冬でも温暖な気候が栽培に適していて、少しずつ作付け面積を広げている。鈴木さんは、その大豆を使った商品開発の担当者に抜擢された。いわき市に本社を置きスーパーマーケットなどを展開するマルトが、高校生と連携して地場産の農作物を使った商品を開発する枠組みに参画。去年9月からは母校の相馬農業高校で、授業の一環として南相馬産大豆を使った商品開発が進められた。「南相馬産大豆を通して、国産大豆のおいしさを知ってほしい。南相馬全体の農業を一緒に盛り上げていけたら」鈴木さんも授業に参加しながら、後輩である高校生たちにパッケージや味付けを考案してもらい、自慢の大豆の魅力を最大限生かす商品づくりに取り組み、半年がかりで納豆やいなり寿司などの新商品が誕生した。アイデアを出して地域全体で盛り上げることは大事でしょう。南相馬産大豆の6次化商品。ここから、どこまで販路を広げられるかが、次の課題だ。鈴木さんは、地元の道の駅など観光客が訪れる店での販売も模索。県内外での知名度を高め、大豆を南相馬の新たな特産品として盛り上げることが、古里の農業の復興につながると信じている。高校生と一緒に商品開発を進め盛り上げていくというのは、将来的に高校生も農業に関わってくれるようになる可能性が高く期待が持てるのではないでしょうか。DSC00366.JPG
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