福祉新聞2022年10月6日付け「「脱施設へ戦略必要」　国連障害者権利委員会の副委員長が来日講演」から、国連の障害者権利条約に基づく初の対日審査が終わったことを受け、国連障害者権利委員会副委員長のヨナス・ラスカス氏（リトアニア）が9月20日、衆議院第2議員会館で講演した。ラスカス氏は「日本に脱施設化を勧告したが、自然には実現できないだろう。はっきりとした戦略が必要だ」と主張した。 　
また、障害児の教育を一般児童と分ける分離教育を改めることが、施設収容を減らすことにもつながると訴えた。脱施設化、分離教育の廃止に向け、障害者自身が政策決定の過程に参加することが重要だとした。 　
講演は日本障害フォーラム（JDF・阿部一彦代表）が主催し、オンライン配信を1000人超が視聴した。 　
日本の審査は8月22、23両日、スイスで行われ、ラスカス氏ら18人の国連障害者権利委員の質問に対し、日本政府（関係省庁の担当者）が回答した。 　
審査を踏まえて9月9日に発表された総括所見（勧告）は「脱施設化」「分離教育の廃止」など75項目に及んだ。勧告に法的拘束力はないが、日本政府は勧告に沿った対応を迫られることになる。

　ラスカス氏は「日本に脱施設化を勧告したが、自然には実現できないだろう。はっきりとした戦略が必要だ」と主張した。また、障害児の教育を一般児童と分ける分離教育を改めることが、施設収容を減らすことにもつながると訴えた。脱施設化、分離教育の廃止に向け、障害者自身が政策決定の過程に参加することが重要だとした。日本では障害のある子どもたちへの教育を特別支援学校などに任せてきましたが、国連障害者権利委員会は脱施設化、分離教育の廃止に向けて障害者自身が政策決定の過程に参加することが友情であると指摘しました。健常の人、障害のある人という区別を進めてきたのは、障害のある子どもたちに合った教育を提供することで、健常の子どもたちの教育をやり易くすることを優先してきたということはなかったでしょうか。社会には健常な人も障害のある人も一緒に共生していることを考えれば、教育も一緒に教育を受けさせることで障害のある人たちに対しても特別な見方というか差別、偏見が薄れ、自然体で一緒に助け合って生活できるようにあるのではないでしょうか。国連の勧告に法的拘束力はないが、日本政府は勧告に沿った対応を迫られることになる。世界の他の国々と違うあり方の日本が国連などのように外から指摘されなければ変わらないということでは困るでしょう。拘束力の有る無しにかかわらず推進すべきことは実現すべきでしょう。残念ながら日本では結婚、婚姻、家族、ジェンダー、性教育のあり方など政治を中心に保守的考え方が強く残りなかなか国民が変えたいと希望しても変えることが容易ではまりません。中高年の男性中心の政治をこのまま続けていけば、取り残される可能性があるでしょう。若い人たち、女性が大きな声を上げ続けなければ世界の中で孤立してしまうかもしれません。