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改憲論議は政治家だけでなく国民的議論として盛り上げて行うべきでは[2022年09月21日(Wed)]
 毎日新聞2022年6月21日付け「司馬遼太郎さん最後の「お手伝い」だった作家 危ぶむ改憲論議と残された言葉」から、振り返れば「この国のかたち」を左右する分岐点だった。7月の参院選はそんな選挙になるかもしれない。参院で、憲法改正に前向きな勢力が3分の2以上の議席を取れば、改憲発議に必要な条件をクリアするからだ。岸田文雄首相は就任直後の所信表明演説で、改憲について「国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します」と述べた。直後には、コロナ禍を団結で乗り越えてきたとして「社会の底力を強く感じます。まさに、『この国のかたち』の原点です」と語った。同名の随筆の著者は、日本が戦争に進んだ力学を分析し、行く末を案じていた司馬遼太郎さんだ。その最後の「お手伝い」を務めた村木嵐(らん)さん(54)は今の改憲論議を危ぶみ、司馬さんのある言葉を思い出すという。
 司馬さんから聞いた戦争体験
 村木さんは、京都大在学中には周囲が司法試験を目指している中で自分は何をしたらいいか分からず、就職した銀行でも朝に女性だけが掃除する慣習になじめなくて、すぐに退職した。5年ほど職を転々とした後、ファンだった司馬さんの自宅に「働かせてください」と電話をかけると、妻のみどりさんが受け入れてくれた。司馬さんが亡くなる3カ月前の1995年11月のことだった。  
お手伝いとして朝食を作る村木さんに、司馬さんは自身が所属した戦車部隊での体験など戦争の話もしてくれた。80〜90年代は太平洋戦争時の韓国を巡り「日本に侵略の意図はなかった」など閣僚の失言が相次いだ。村木さんが司馬家で働き始めた頃にも、大きく報じられる失言があった。そんな時、司馬さんは新聞を読みながら「嫌な国になった」と漏らしていたことを覚えている。  
司馬さんが亡くなった後はみどりさんの秘書を務めながら作家になった。司馬さんが執筆を勧めていた、とみどりさんから聞かされたことにも背中を押された。2010年には松本清張賞を受賞した。
 「押し付けられたもの」への違和感
 法学部で法律を学んでいた学生時代、「刑法や民法と比べても分かりやすい」と憲法に関心を持った。作家になってから、「占領期に押しつけられたもので、改正すべきだ」という論調が広がっていることに違和感を抱いた。  
16年から、政治学者として終戦工作に関わり、終戦直後に東大学長を務めた南原繁を主人公にした小説「夏の坂道」を連載した。執筆に当たって、南原が戦後、新しい憲法の起草に占領軍の介入がなかったかを帝国議会で問いただしたり、占領軍が国会に「変更部分はないか」と確認したりしていたという文献も読み、「『押しつけ憲法』じゃなかった」との意を強くした。  
その南原が終戦直後に草案を練った教育基本法は、制定から59年たった06年に初めて改正され、憲法と同じ「平和の希求」という理念を掲げた部分が前文から削除された。「教育の憲法」と言われた法律が、「なぜ今」という声もある中で改正されたことに「後になってから、大きな変化だったと気付くと思うと怖い」と感じた。  
17年には、当時の首相が大手紙のインタビューで憲法改正の意欲を語った数日後、国会で改めて見解を問われて「新聞に書いているので、熟読していただければ」と発言し、国会軽視と批判された。「国民を説得しようという気持ちもない人が、憲法を変えようとしている」。こうした時、村木さんも司馬さんのように「嫌な国になった」と感じるようになった。
 24条が掲げる家庭内での「個の尊厳」
 村木さんが憲法の中で大事だと思うのは、戦争の放棄をうたった9条に加えて、両性の平等を掲げた24条だ。昨年、女子教育が制限されたアフガニスタンのニュースを見て、初めて意識した。  
24条には「(家族に関する法律は)個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とも書かれ、家庭内での「個の尊厳」を明記している。一方、自民党は12年に公表した改憲草案で「家族は、互いに助け合わなければならない」という条文を加えた。これには「育児も介護もすべて家庭内で担うべきだと解釈できてしまう」「多様な生き方を阻む」との懸念も広がる。  
最近父をみとり、母の世話を続ける村木さんだが「家族の形なんて千差万別。こんな条文は無用」だと思う。司馬さんは「この国のかたち」の中で、こう記していた。「考え方の多様性が認められ、かつ守られることが憲法によって保証されている」。職を転々とし、「変わっている」と自認する村木さんがたどり着いた司馬家も、多様な個人を受け入れてくれる場所だった。
 「みんな行列のあるところに並ぶ」
 憲法改正の発議には、衆参両院で3分の2以上の議員の賛成が必要だ。衆院では改憲に前向きな4党ですでに確保しており、参院でもこの数に届けば条件を満たす。改憲案に国民投票で過半数の賛成があれば、憲法は改正される。岸田首相在任中の憲法改正について聞いた4月の世論調査では、賛成が反対を上回った。自民党は、16日に発表した参院選の公約でも「改憲を早期に実現する」と意欲を示す。  
村木さんは、米国が日本に配備した核兵器を日米で共同運用する「核共有」について、岸田首相が「認められない」と否定し、非核三原則の堅持を明言したことは評価する。一方、自民党は憲法改正で、非常時に政府の権限を強化する緊急事態条項を設けようとしている。三権分立や基本的人権の尊重など憲法の原則を一時的に停止・制限する条項だ。権力が憲法の理念から簡単に逸脱し、民衆も追従した南原の時代を書いただけに、警戒心もある。  
司馬さんが「みんな行列があるところに並ぶ」と付和雷同を戒めていた言葉が今、村木さんの道しるべになっている。国民投票に臨むかもしれない有権者には、自戒も込めてこう呼び掛けたい。  
「私が今になって両性の平等を意識するように、憲法には、当たり前すぎて大切さに気付いていないことがいっぱい書いてある。『新しい権利を入れよう』ともっともらしいことを言われても、多くは憲法を変えずに立法で解決できる。私たち一人一人が勉強して、『だまされているのでは』という気持ちを持っていたい」029.JPG

 振り返れば「この国のかたち」を左右する分岐点だった。7月の参院選はそんな選挙になるかもしれない。参院で、憲法改正に前向きな勢力が3分の2以上の議席を取れば、改憲発議に必要な条件をクリアするからだ。岸田文雄首相は就任直後の所信表明演説で、改憲について「国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します」と述べた。直後には、コロナ禍を団結で乗り越えてきたとして「社会の底力を強く感じます。まさに、『この国のかたち』の原点です」と語った。確かに国会の場では議員数がものを言うでしょうが、国民は選挙で投票した結果とは言え、国民が考えていることを同じという訳ではないでしょう。改憲に反対の弱体野党がどんどん存在感を失ってきていることが大きな要因ですが、従来野党と言っていた政党が自民党にすり寄って与党に賛成して予算案を通しているような状態です。自分たちが生き残ることを優先にして自民党員になろうとしているのでしょうか。3分の2の議席を占め憲法改正法案を可決させればどのようになるかシミュレーションする必要があるでしょう。司馬さんは自身が所属した戦車部隊での体験など戦争の話もしてくれた。80〜90年代は太平洋戦争時の韓国を巡り「日本に侵略の意図はなかった」など閣僚の失言が相次いだ。村木さんが司馬家で働き始めた頃にも、大きく報じられる失言があった。そんな時、司馬さんは新聞を読みながら「嫌な国になった」と漏らしていたことを覚えている。嫌な国になってしまってからでは手遅れになってしまうかもしれません。平和な日本を守り続けるとすれば国民が選挙でしっかり自分たちの意思表示をする必要があるのでしょう。24条には「(家族に関する法律は)個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とも書かれ、家庭内での「個の尊厳」を明記している。一方、自民党は12年に公表した改憲草案で「家族は、互いに助け合わなければならない」という条文を加えた。これには「育児も介護もすべて家庭内で担うべきだと解釈できてしまう」「多様な生き方を阻む」との懸念も広がる。個人の尊厳が明記されることは大変重要なことでしょう。個人の尊厳よりも家族を強調する自民党の考え方がどうなのか国民はしっかり受け止め考える必要があるでしょう。そして必要なときには声を上げる必要があるでしょう。司馬さんが「みんな行列があるところに並ぶ」と付和雷同を戒めていた言葉が今、村木さんの道しるべになっている。国民投票に臨むかもしれない有権者には、自戒も込めてこう呼び掛けたい。「私が今になって両性の平等を意識するように、憲法には、当たり前すぎて大切さに気付いていないことがいっぱい書いてある。『新しい権利を入れよう』ともっともらしいことを言われても、多くは憲法を変えずに立法で解決できる。私たち一人一人が勉強して、『だまされているのでは』という気持ちを持っていたい」同行圧力が強まり、同質性を強調すれば、多様性を容認しない社会になっていくかもしれません。多様性に欠ける日本が世界から取り残されないためにも国民が自らしっかり考え投票して意思表示しなければならないでしょう。028.JPG
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