小さな命を救うために国民が立ち上がる必要があるのでは[2018年08月05日(Sun)]
毎日新聞6月9日付け「<目黒虐待死>結愛ちゃんの「叫び」に反響 いたたまれず」から、東京都目黒区のアパートで両親に虐待された末に死亡した船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)は、ひらがなの書き取り帳に「反省文」を残していた。衰弱した小さな体で、何を思い書いたのだろう。その文章が多くの人の心を揺さぶっている。そっと置かれた熊のぬいぐるみの横で、ひまわりの花束が風に揺れる。8日、現場アパートの前には多くの人が訪れ、代わる代わるに手を合わせていた。その一人、千葉県鎌ケ谷市の会社員、皆川秀典さん(49)はオレンジジュースを供えた。「私にも10歳の長女がいるが、早朝に起きて反省文を書いた結愛ちゃんを思うといたたまれない。私たち大人はいったい何ができたのだろうと思う」。そうつぶやいた。事件は3月2日、結愛ちゃんが搬送先の病院で死亡して発覚した。今月6日に保護責任者遺棄致死容疑で父親の雄大(33)、母親の優里(25)の両容疑者を逮捕した警視庁捜査1課の幹部は捜査経過を説明した際、声を詰まらせながら「反省文」を読み上げた。大学ノートには悲痛な叫びが並んでいた。4歳の息子と1歳の娘を育てる西東京市の主婦(34)は「遊ぶのが子どもの仕事なのに、『あそばない』という記述はショックだった。子どもらしく生きられればよかったのに」と声を落とす。
容疑者を糾弾するだけでは消えない、「心のとげ」を感じた人もいた。2人の子どもがいるという東京都品川区の主婦(42)は「子育てをしていると、孤立して心の余裕がなくなる。言うことを聞かない子どもに手をあげてしまうことがある」と明かした。ツイッターは事件の書き込みであふれている。5児の父でもあるタレントのつるの剛士さんは「覚えたてのひらがなでなぜこんな悲痛な想いを綴(つづ)らなきゃならないのか。一番の安全地帯であるはずの親に」とツイート。「守ってあげることができなかった我々の方が本当にごめんなさい。そんな想(おも)いに駆られて胸が潰れそう」と吐露した。1歳5か月の娘を育てるエッセイストの犬山紙子さんは、ツイッターで「#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しません」というハッシュタグ(検索の目印)を作った。このハッシュタグを使ったツイートは既に5万件以上が拡散された。犬山さんは「政治家に取り上げてほしい。大人にしか子どもは守れない。多くの人に行動してほしい」と話す。こうした声に押されるように、東京都の小池百合子知事は8日の記者会見で児童相談所の体制強化を表明。加藤勝信厚生労働相も児相の対応について、省内の専門委員会で検証する方針を示した。「じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください」結愛ちゃんの言葉が、私たちを揺さぶっている。
結愛ちゃんが書き取りノートに書いた文章の一部<日付不明>ママ、もうパパとママにいわれなくてもしっかりと じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして<日付不明>きのう ぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおすこれまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめるので もうぜったい ぜったいやらないからね わかったね ぜったいのぜったいおやくそく あしたのあさは きょうみたいにやるんじゃなくて もうあしたは ぜったいやるんだぞとおもっていっしょうけんめいやって パパとママにみせるぞというきもちで やるぞ
小さな命を救うことができなかった社会が問われているのかもしれません。亡くなった5歳の子どもを救い出す機会は何回でもあったはずです。なぜ温かい手を差し伸べることができなかったのでしょうか。児童相談所の責任ではありませんが、警察と協力して虐待をしている両親のもとから解放することはできたのではないでしょうか。他人事と考えずにかかわろうとする気持ちが大事なのかもしれません。自己責任というのは大変冷たい言葉です。公的な支援が行き届かないところもあるでしょう。まわりの人たちや民間組織が気付いて支援することも含めて国民的議論として真剣に考える必要があるのではないでしょうか。虐待、いじめなどで小さな命が犠牲になることが増えているような気がします。この世に生まれてきてくれた子どもたちが夢を持って生きることができる社会にする必要があるのではないでしょうか。
容疑者を糾弾するだけでは消えない、「心のとげ」を感じた人もいた。2人の子どもがいるという東京都品川区の主婦(42)は「子育てをしていると、孤立して心の余裕がなくなる。言うことを聞かない子どもに手をあげてしまうことがある」と明かした。ツイッターは事件の書き込みであふれている。5児の父でもあるタレントのつるの剛士さんは「覚えたてのひらがなでなぜこんな悲痛な想いを綴(つづ)らなきゃならないのか。一番の安全地帯であるはずの親に」とツイート。「守ってあげることができなかった我々の方が本当にごめんなさい。そんな想(おも)いに駆られて胸が潰れそう」と吐露した。1歳5か月の娘を育てるエッセイストの犬山紙子さんは、ツイッターで「#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しません」というハッシュタグ(検索の目印)を作った。このハッシュタグを使ったツイートは既に5万件以上が拡散された。犬山さんは「政治家に取り上げてほしい。大人にしか子どもは守れない。多くの人に行動してほしい」と話す。こうした声に押されるように、東京都の小池百合子知事は8日の記者会見で児童相談所の体制強化を表明。加藤勝信厚生労働相も児相の対応について、省内の専門委員会で検証する方針を示した。「じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください」結愛ちゃんの言葉が、私たちを揺さぶっている。
結愛ちゃんが書き取りノートに書いた文章の一部<日付不明>ママ、もうパパとママにいわれなくてもしっかりと じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして<日付不明>きのう ぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおすこれまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめるので もうぜったい ぜったいやらないからね わかったね ぜったいのぜったいおやくそく あしたのあさは きょうみたいにやるんじゃなくて もうあしたは ぜったいやるんだぞとおもっていっしょうけんめいやって パパとママにみせるぞというきもちで やるぞ
小さな命を救うことができなかった社会が問われているのかもしれません。亡くなった5歳の子どもを救い出す機会は何回でもあったはずです。なぜ温かい手を差し伸べることができなかったのでしょうか。児童相談所の責任ではありませんが、警察と協力して虐待をしている両親のもとから解放することはできたのではないでしょうか。他人事と考えずにかかわろうとする気持ちが大事なのかもしれません。自己責任というのは大変冷たい言葉です。公的な支援が行き届かないところもあるでしょう。まわりの人たちや民間組織が気付いて支援することも含めて国民的議論として真剣に考える必要があるのではないでしょうか。虐待、いじめなどで小さな命が犠牲になることが増えているような気がします。この世に生まれてきてくれた子どもたちが夢を持って生きることができる社会にする必要があるのではないでしょうか。