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「身の丈資本主義」 小さな町が示す[2026年04月13日(Mon)]
 Yahooニュース2025年9月16日付け「三豊市から始まる「身の丈資本主義」 小さな町が示す、地方創生の可能性」から、「地方創生」という言葉を聞いて、あなたはどんな光景を思い浮かべるだろうか。再開発という名のもとに税金が大量投入された巨大なハコモノ施設、補助金頼みのイベント、そして数年で消えていく熱気。
 そんな“借り物の未来”ではなく、人々が自分の意思と小さな資本で積み上げる“本物の未来”が、香川県三豊市ではじまっていると聞き、夏休みを利用して先日訪問してきました。
三豊市の名前に聞き覚えのある方はどれほどいるでしょうか。わずか5000人の観光客だった父母ヶ浜が南米ボリビアのウユニ塩湖のよう、と評判になり50万人にまで観光客が爆上がりしたまちとして、目にしたことのある方もいるでしょう。
 しかし「インスタ映え」だけではないのです。
 決して交通の便も良いとも言えない人口わずか5万人の町が全国から注目を集める理由は、三豊のまちづくりに取り組む方々が提唱する「身の丈資本主義」という思想と、まち自体が巨大なインキューベーター(孵化器)であり、続々と小さな挑戦が生み出されていることにあると感じられました。
「ペリー」がやってきたまち・三豊
仕掛け人は、東京で「六本木農園」や「丸の内朝大学」など数々のプロジェクトを立ち上げてきた古田秘馬さん。縁あって三豊に移り住んだ彼を、地元の人はときに「ペリーのうような存在だ」と呼ぶのです。あの、江戸末期・幕末に浦賀に現われたペリーです。
 黒船でやってきたペリーのように、新しい風を町にもたらしたからだというのです。ただペリーと違うのは、古田さんは三豊に定住し、外からの刺激を内発的な変化へとつなげていったことだとも言います。
三豊には華やかな繁華街も大型商業施設も決してありません。最寄りの都会…といっても、高松市までだって車で1時間弱。東京駅まで飛行機を乗り継いで2時間半から3時間。新幹線があるわけでもなく、アクセスも良いとはいえない。だが、その「何もない」が、逆に挑戦者たちの可能性を広げてきたといえるのではないでしょうか。
 人口減少や高齢化といった現実も、見方を変えれば、古民家や土地が安価に手に入る環境といえるでしょう。初期投資のリスクを最小限に抑え、若者が思い切って事業を始める土壌がある、ともいえるのです。
 都心で1店舗構える資金があれば、三豊では複数のプロジェクトが立ち上げられる。
 この余白の多さが、イノベーションの余地を生んでいます。空き店舗が多く、寂れている…というのも、見方を変えれば低コストでどんどんチャレンジする余白がたくさんあるということなのです。
「身の丈資本主義」という思想から、クラウドファンディングも続々誕生
三豊の方々が掲げる「身の丈資本主義」とは、外部の大資本や補助金に依存せず、地域の人が自分たちの範囲で資本を出し合い、自由に挑戦するスタイル。
「自分たちの金でやる。補助金に依存しない」
このシンプルな原則が、まちづくりの主体を市民へと取り戻したのです。例えば若手経営者たちが1人10万円ずつ出資して拠点をつくる。少額でも「自分たちの金」を投じれば、そこに当事者意識が芽生え、プロジェクトは個人の挑戦から「みんなの夢」へと変わる。そして、前述の通り寂れてしまったからこそ、むしろ限りなく低い家賃や土地代で、若者にとっても気軽に挑戦できる環境にあるわけです。
実際、三豊市では人口あたりのクラウドファンディング件数が全国有数だといいます。
クラウドファンディングを通じて、たくさんの応援をあつめ、小さな挑戦がそこかしこで生まれるまちへとなっているのです。
「一人称」が拡張するまち
挑戦者となった地域の経営者たちが口にするのは「一人称が、拡張する感覚」という言葉。
「ちょっとしたリスクをとって挑戦すると、仲間が増える。そして、大切な人が増える。だから毎日が楽しくなるんです」
彼らにとって事業とは、儲けだけを目的とするものではないのでしょう。愛する人や仲間を増やし、好きな町で好きな人たちと暮らすための実践なのだと感じました。夜ご飯を食べにいく場所がほしいから、と仲間たちと出資し合ってお店を出店する。仮に収支はトントンだとしても、まちに賑わいや雇用が生まれ、まちや人との接点が増えることが楽しいというのです。その延長線上に、自然と経済の循環が生まれているのです。
「意味のイノベーション」としての三豊
三豊で生まれるビジネスが、従来型の「付加価値戦略」とはときに異なる点にも注目したい。古田さんがプロデュースする「うどんハウス」を例にとって紹介しましょう。単なる食体験ではなく、うどん作りを通じて地域の歴史や文化を学び、人と出会い、新しい経験を得る仕組みを持つ。ここにあるのは「意味のイノベーション」だと思うのです。
イタリアの経営学者ロベルト・ベルガンティが提唱した「意味のイノベーション」とは、機能や性能ではなく「製品やサービスの意味」を再定義し、人々の価値観や体験そのものを変える革新を指します。うどんハウスが提供しているのは単なる「うどんを食べる体験」ではなく、「地域と出会い、自分の生活の意味を広げる体験」なのです。
同様に、三豊で生まれるカフェや宿泊施設、コワーキングスペースは、単なる場所提供にとどまらず、人と人をつなぎ、学びや出会いを生み出す「意味」を再設計している。そこにこそ、三豊モデルの革新性があるのでしょう。
小さな町から始まる大きな未来
三豊市が描く地方創生の姿は、従来の補助金頼みのモデルとは一線を画している。地域の人々が自ら小口で資本を出し合い、ゼロから事業を積み重ね、拡張する「一人称」と「意味」をベースに新しい文化を紡ぎ出しているのだ。そして、まち全体が新たなチャレンジを次々と生むインキュベーションとなっている。さらに、そんな三豊に可能性を感じて、全国から意欲ある若者が続々と移住してきているのだ。
三豊という小さな町の挑戦は、日本の他地域にも希望の光を投げかけているのではないでしょうか。大きなお金がなくても、立派な施設がなくても、いや、むしろ一度寂れてしまったからこそ、挑戦の余白があるんだという可能性。
 自分たちの「身の丈」に合ったやり方で未来はつくれるんだということです。
三豊で芽吹いた数々の試みは、町を超えて日本全体に問いを投げかけています。三豊での様々なチャレンジに、補助金や行政支援の話は殆ど出てこない。過去5年間で100件を超えるプロジェクトが生まれ、30億円以上の民間投資が実行され、確実に活力が生まれているます。地方創生とは、どこかの誰かが与えてくれるものではなく、そして行政が行うものでもないということ自らの手で意味をつくり出す営みなのだということ。とても、大きな論点を我々に投げかけているのではないでしょうか。
さらに三豊市仁尾町では、日本初のDAOを活用した商店街再生「身の丈商店街」プロジェクトが進行中です。「DAO」とは「分散型自立組織」という訳語で呼ばれる資金調達の方法。空き家をリノベし飲食店や宿泊施設へ再生、出資者が話し合いと投票で決定。無料宿泊などの特典付きで1口10万円から参加可能、9月末までに4000万円の調達を目指しています。こうした取り組みも民間主導であって、補助金や行政によるものではないのです。
小さなまちら始まった、大きな未来の物語。
その次の章を描くのは、全国各地の私たち一人ひとり、なのだと考えずにはいられません。DSC00594.JPG

 決して交通の便も良いとも言えない人口わずか5万人の町が全国から注目を集める理由は、三豊のまちづくりに取り組む方々が提唱する「身の丈資本主義」という思想と、まち自体が巨大なインキューベーター(孵化器)であり、続々と小さな挑戦が生み出されていることにあると感じられました。三豊には華やかな繁華街も大型商業施設も決してありません。最寄りの都会…といっても、高松市までだって車で1時間弱。東京駅まで飛行機を乗り継いで2時間半から3時間。新幹線があるわけでもなく、アクセスも良いとはいえない。だが、その「何もない」が、逆に挑戦者たちの可能性を広げてきたといえるのではないでしょうか。人口減少や高齢化といった現実も、見方を変えれば、古民家や土地が安価に手に入る環境といえるでしょう。初期投資のリスクを最小限に抑え、若者が思い切って事業を始める土壌がある、ともいえるのです。都心で1店舗構える資金があれば、三豊では複数のプロジェクトが立ち上げられる。この余白の多さが、イノベーションの余地を生んでいます。空き店舗が多く、寂れている…というのも、見方を変えれば低コストでどんどんチャレンジする余白がたくさんあるということなのです。三豊市では人口あたりのクラウドファンディング件数が全国有数だといいます。クラウドファンディングを通じて、たくさんの応援をあつめ、小さな挑戦がそこかしこで生まれるまちへとなっているのです。確かに発想を変えることでできなかったことができるようになるかもしれません。しかし、小さな農山村でもできないことはできないのかもしれません。三豊の方々が掲げる「身の丈資本主義」とは、外部の大資本や補助金に依存せず、地域の人が自分たちの範囲で資本を出し合い、自由に挑戦するスタイル。この考え方自体は素晴らしいと思います。イタリアの経営学者ロベルト・ベルガンティが提唱した「意味のイノベーション」とは、機能や性能ではなく「製品やサービスの意味」を再定義し、人々の価値観や体験そのものを変える革新を指します。うどんハウスが提供しているのは単なる「うどんを食べる体験」ではなく、「地域と出会い、自分の生活の意味を広げる体験」なのです。三豊で生まれるカフェや宿泊施設、コワーキングスペースは、単なる場所提供にとどまらず、人と人をつなぎ、学びや出会いを生み出す「意味」を再設計している。そこにこそ、三豊モデルの革新性があるのでしょう。なる程わかるような気がします。三豊という小さな町の挑戦は、日本の他地域にも希望の光を投げかけているのではないでしょうか。大きなお金がなくても、立派な施設がなくても、いや、むしろ一度寂れてしまったからこそ、挑戦の余白があるんだという可能性。自分たちの「身の丈」に合ったやり方で未来はつくれるんだということです。身の丈に合ったやり方ですね。三豊市仁尾町では、日本初のDAOを活用した商店街再生「身の丈商店街」プロジェクトが進行中です。「DAO」とは「分散型自立組織」という訳語で呼ばれる資金調達の方法。空き家をリノベし飲食店や宿泊施設へ再生、出資者が話し合いと投票で決定。無料宿泊などの特典付きで1口10万円から参加可能、9月末までに4000万円の調達を目指しています。こうした取り組みも民間主導であって、補助金や行政によるものではないのです。小さなまちら始まった、大きな未来の物語。その次の章を描くのは、全国各地の私たち一人ひとり、なのだと考えずにはいられません。その通りですが、地域を動かすキーマンが必要になるでしょう。一人ひとりが誰かになって力を合わせて地域を変えていかなければならないのでしょう。元気になるための考え方を共有して動き出す地域が増えれば地方も元気になっていくのではないでしょうか。DSC00593.JPG
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