ビジネスマンが成長するための「勉強のススメ」[2026年03月08日(Sun)]
東洋経済オンライン2025年8月29日付け「なぜ海外のエグゼクティブは学び続けているのか? ビジネスマンが成長するための「勉強のススメ」」から、元参議院議員であり、ベストセラーになった書籍『頭に来てもアホとは戦うな!』の著者でもある田村耕太郎氏。現在は家族とシンガポールに移住し、シンガポール国立大学の教授として日本のビジネスリーダーに向けて東南アジアの地政学を教えている。
一方、日本をはじめとしたアジアで増加している近視問題に早くから注目し、「予防すべき危険な疾患である」と発信しているのが、眼科医の窪田良氏だ。近視の抑制効果が期待できる「クボタグラス」を開発し、対策を呼びかけている。
この企画では、日本でも関心の高いシンガポールの教育や健康事情について、全5回にわたって対談する。第4回は、変化の時代を生き抜くために必要な「学び」について語り合う。
ビジネスリーダーに教える「ピンチをチャンスに変える方法」
窪田:田村さんは、これまで書籍『頭に来てもアホとは戦うな!』などのベストセラーを出されていますが、今年9月には新刊が発売されるそうですね。どんな内容なのかとても気になります!
田村:『君はなぜ学ばないのか?』というタイトルで、テーマは「死ぬまで学び続けよう」です。400ページを超える大作になりました。今、世界は大きく変わる転換点にあります。そんな時代を楽しく、たくましく生き抜くためには、学びは必須。ピンチをチャンスに変える希望の書になっていると思います。
窪田:なぜ、そのテーマで書こうと思われたのですか?
田村:私は現在、シンガポール国立大学リー・クワンユー公共政策大学院で、日本のビジネスリーダーに向けた「アジア地政学プログラム」を運営しています。私自身、シンガポールに移住した目的の一つは、そうしたエグゼクティブ・エデュケーションを行うことでした。
当初、大学側からはシンガポールの政治家や政府の人材に向けて、「日本の政治や外交について講義をしてほしい」と言われていたのですが、私は地政学の知見はビジネスマンにこそ生きてくると考えていたので、ビジネスリーダーに向けたプログラムにしたいと大学を説得して始めました。
窪田:日本のビジネスリーダーたちが東南アジアを理解するための場にしたいと。
田村:そうです。東南アジアを深く理解できれば、ビジネスで無駄に失敗しなくてすみます。それに、東南アジア各国でどんな政治が行われていて、どんな経済の課題があるのか、情報を欲しがっているビジネスマンはたくさんいます。ただ、はじめはそうした東南アジア進出を支援するようなプログラムだったのですが、徐々にその内容を変えていきました。
短期的に成功するためのコンサルティングのようなやり方ではなく、時代の変化の中でどうやってピンチをチャンスに変えていくか。歴史や外交や政治を学ぶなかで、変化していく世界でピンチをどう切り抜ければよいのかを教えています。それが、今回の本の内容につながっています。
大学で終わりではない。成長し続けるための「学び」
窪田:「アジア地政学プログラム」は、これまで何人くらい受講されているのですか?
田村:2014年にスタートしてから25回開催し、600人を超える修了生がいます。シンガポール国立大学では、最大の顧客が社会人なんです。社会人が学びに行くのが当たり前。
シンガポール政府では、生涯教育が当たり前になっています。政府が官僚に時間とお金を与え、年間130時間、新卒から事務次官クラスまで、国内外で研修を受けられる仕組みができています。研修先として私がいるリー・クワンユー公共政策大学院も人気です。
窪田:それはいい制度ですね。研修の内容は決められているのですか?
田村:自分で自由に決められます。地政学でもいいし、楽器やアートを学んでもいい。日本に行って、日本の歴史を学ぶこともできます。世界中の政府にそうした研修制度があり、常に学び続けているんです。日本は政府でも企業でも課長補佐クラスでのMBA留学くらいしか社外研修はなく、皮肉にもその後、その会社や政府を辞めてしまう人が多いのは残念ですよね。日本の人的トレーニングコストは欧米企業の20分の1というデータもあります。
窪田:日本では「大学を出たら学びは終わり」という考えが一般的かもしれませんね。
田村:海外では社会人になってからも学び続けて、世界中に新しい友達を作っていきます。その中から、将来につながる縁ができる。海外のスクールで一緒だった人と、将来、外交交渉を進めていくかもしれない。ビジネスにおいても外交においても、「あのとき、一緒だったね」という関係性が、後々効いてくるんです。中国人も韓国人も、中東の人たちも、争うようにずっと学び続けている。そこに日本との大きな差があると思っています。
海外企業の人的資本への投資額は、日本企業の20倍
窪田:海外では、政府が国家的に人への投資に力を入れているということですね。
田村:「大航海時代」ならぬ「大学習時代」が到来しています。私が教員をしているシンガポールやアメリカの大学はエグゼクティブプログラムが非常に盛んで、世界中の社会人が楽しそうにいろんな学問を学んでいます。アメリカでもシンガポールでも、中東でも、アフリカでも、グローバル企業はとにかく社員をどんどん海外に出して、教育を受けさせている。若い人たちに聞くと、今、行きたい企業は給料が高いところではなく、そうしたトレーニングをしてくれるところだと言います。
窪田:自分が成長できるかどうかが重視されていると。
田村:ですから、シンガポールの企業は、どこもみな社員のトレーニングに力を入れています。
窪田:とはいえ、せっかく育てた社員が辞めてしまうこともありますよね。
田村:もちろんあります。シンガポールでは多くの人が3年か4年で会社を辞めていきます。大学の職員もそうです。「明日辞めます」なんてこともざらなんです。以前、ある企業で「こんなに辞めてしまうのに、なぜトレーニングをするのですか?」と聞いたことがあるのですが、「もしトレーニングをしなければ人は来ないから」と。トレーニングをしない企業は、悪い口コミが一気に広がる。すると、新しい人材が来なくなるのだそうです。
それに、他の会社でもトレーニングをしているので、逆にいい人材が入って来ることも。どの会社でもやっていることですから、結果的に損にはなりません。
窪田:考え方ですよね。どんどん成長の機会を与えることが、企業にとってもよい循環になっている。
田村:残念ながら海外では日本企業は人気がないのですが、それは給料が安いことよりも、トレーニングの機会がないからなんです。海外に出て勉強をさせてもらえないから、成長できないと思われている。
社員が学び続ける環境を作ることが、企業の強みになる
窪田:企業の利益を追求するだけでなく、いかに社員が学び続けられる環境を作るかが、これからの企業には求められているのですね。
田村:おっしゃる通りです。アメリカでは幹部たちが集まり、1週間ほどグランドキャニオンでキャンプをする企業もあります。そこにはビジネススクールの講師も参加して、チームビルディングを学ぶのだそう。日本でもそういった投資がもっと増えるといいですよね。
私が「学び」をテーマに本を書いたのも、世界中にそうやって勉強し続けている人たちがいることを知ってほしいと思ったからなんです。
窪田:若い人たちだけでなく、企業で社員の教育にあたっているような方たちにも、ぜひ読んでもらいたい1冊ですね。
世界は大きく変わる転換点にあります。そんな時代を楽しく、たくましく生き抜くためには、学びは必須。ピンチをチャンスに変える希望の書になっていると思います。向学心、向上心のある人を育てていかなければならないでしょう。短期的に成功するためのコンサルティングのようなやり方ではなく、時代の変化の中でどうやってピンチをチャンスに変えていくか。歴史や外交や政治を学ぶなかで、変化していく世界でピンチをどう切り抜ければよいのかを教えています。重要なことですね。シンガポール国立大学では、最大の顧客が社会人なんです。社会人が学びに行くのが当たり前。シンガポール政府では、生涯教育が当たり前になっています。政府が官僚に時間とお金を与え、年間130時間、新卒から事務次官クラスまで、国内外で研修を受けられる仕組みができています。研修先として私がいるリー・クワンユー公共政策大学院も人気です。国のことを考えた素晴らしい人材育成ですね。自分で自由に決められます。地政学でもいいし、楽器やアートを学んでもいい。日本に行って、日本の歴史を学ぶこともできます。世界中の政府にそうした研修制度があり、常に学び続けているんです。日本は政府でも企業でも課長補佐クラスでのMBA留学くらいしか社外研修はなく、皮肉にもその後、その会社や政府を辞めてしまう人が多いのは残念ですよね。日本の人的トレーニングコストは欧米企業の20分の1というデータもあります。人材育成というか向上心のある人を増やそうとしているのでしょう。海外では社会人になってからも学び続けて、世界中に新しい友達を作っていきます。その中から、将来につながる縁ができる。海外のスクールで一緒だった人と、将来、外交交渉を進めていくかもしれない。ビジネスにおいても外交においても、「あのとき、一緒だったね」という関係性が、後々効いてくるんです。中国人も韓国人も、中東の人たちも、争うようにずっと学び続けている。そこに日本との大きな差があると思っています。確かに日本は、日本人はチャレンジすることを恐れているのか内向きになって海外に目が向かなくなっているのではないでしょうか。海外では、政府が国家的に人への投資に力を入れているということですね。「大航海時代」ならぬ「大学習時代」が到来しています。私が教員をしているシンガポールやアメリカの大学はエグゼクティブプログラムが非常に盛んで、世界中の社会人が楽しそうにいろんな学問を学んでいます。アメリカでもシンガポールでも、中東でも、アフリカでも、グローバル企業はとにかく社員をどんどん海外に出して、教育を受けさせている。若い人たちに聞くと、今、行きたい企業は給料が高いところではなく、そうしたトレーニングをしてくれるところだと言います。まさに海外に出て学ぶということは求められていることでしょう。どんどん成長の機会を与えることが、企業にとってもよい循環になっている。残念ながら海外では日本企業は人気がないのですが、それは給料が安いことよりも、トレーニングの機会がないからなんです。海外に出て勉強をさせてもらえないから、成長できないと思われている。内向きで安定志向の日本人が増え続ければどうなるのでしょうか。企業は内部留保を溜め込むのではなく、人材育成というか成長するために進んで学びつける人を増やす努力をしなければならないでしょう。役員報酬を増やすよりはやる気のある向上心のある人たちの待遇を改善していい仕事をしてもらうことがプラスになるのではないでしょうか。
一方、日本をはじめとしたアジアで増加している近視問題に早くから注目し、「予防すべき危険な疾患である」と発信しているのが、眼科医の窪田良氏だ。近視の抑制効果が期待できる「クボタグラス」を開発し、対策を呼びかけている。
この企画では、日本でも関心の高いシンガポールの教育や健康事情について、全5回にわたって対談する。第4回は、変化の時代を生き抜くために必要な「学び」について語り合う。
ビジネスリーダーに教える「ピンチをチャンスに変える方法」
窪田:田村さんは、これまで書籍『頭に来てもアホとは戦うな!』などのベストセラーを出されていますが、今年9月には新刊が発売されるそうですね。どんな内容なのかとても気になります!
田村:『君はなぜ学ばないのか?』というタイトルで、テーマは「死ぬまで学び続けよう」です。400ページを超える大作になりました。今、世界は大きく変わる転換点にあります。そんな時代を楽しく、たくましく生き抜くためには、学びは必須。ピンチをチャンスに変える希望の書になっていると思います。
窪田:なぜ、そのテーマで書こうと思われたのですか?
田村:私は現在、シンガポール国立大学リー・クワンユー公共政策大学院で、日本のビジネスリーダーに向けた「アジア地政学プログラム」を運営しています。私自身、シンガポールに移住した目的の一つは、そうしたエグゼクティブ・エデュケーションを行うことでした。
当初、大学側からはシンガポールの政治家や政府の人材に向けて、「日本の政治や外交について講義をしてほしい」と言われていたのですが、私は地政学の知見はビジネスマンにこそ生きてくると考えていたので、ビジネスリーダーに向けたプログラムにしたいと大学を説得して始めました。
窪田:日本のビジネスリーダーたちが東南アジアを理解するための場にしたいと。
田村:そうです。東南アジアを深く理解できれば、ビジネスで無駄に失敗しなくてすみます。それに、東南アジア各国でどんな政治が行われていて、どんな経済の課題があるのか、情報を欲しがっているビジネスマンはたくさんいます。ただ、はじめはそうした東南アジア進出を支援するようなプログラムだったのですが、徐々にその内容を変えていきました。
短期的に成功するためのコンサルティングのようなやり方ではなく、時代の変化の中でどうやってピンチをチャンスに変えていくか。歴史や外交や政治を学ぶなかで、変化していく世界でピンチをどう切り抜ければよいのかを教えています。それが、今回の本の内容につながっています。
大学で終わりではない。成長し続けるための「学び」
窪田:「アジア地政学プログラム」は、これまで何人くらい受講されているのですか?
田村:2014年にスタートしてから25回開催し、600人を超える修了生がいます。シンガポール国立大学では、最大の顧客が社会人なんです。社会人が学びに行くのが当たり前。
シンガポール政府では、生涯教育が当たり前になっています。政府が官僚に時間とお金を与え、年間130時間、新卒から事務次官クラスまで、国内外で研修を受けられる仕組みができています。研修先として私がいるリー・クワンユー公共政策大学院も人気です。
窪田:それはいい制度ですね。研修の内容は決められているのですか?
田村:自分で自由に決められます。地政学でもいいし、楽器やアートを学んでもいい。日本に行って、日本の歴史を学ぶこともできます。世界中の政府にそうした研修制度があり、常に学び続けているんです。日本は政府でも企業でも課長補佐クラスでのMBA留学くらいしか社外研修はなく、皮肉にもその後、その会社や政府を辞めてしまう人が多いのは残念ですよね。日本の人的トレーニングコストは欧米企業の20分の1というデータもあります。
窪田:日本では「大学を出たら学びは終わり」という考えが一般的かもしれませんね。
田村:海外では社会人になってからも学び続けて、世界中に新しい友達を作っていきます。その中から、将来につながる縁ができる。海外のスクールで一緒だった人と、将来、外交交渉を進めていくかもしれない。ビジネスにおいても外交においても、「あのとき、一緒だったね」という関係性が、後々効いてくるんです。中国人も韓国人も、中東の人たちも、争うようにずっと学び続けている。そこに日本との大きな差があると思っています。
海外企業の人的資本への投資額は、日本企業の20倍
窪田:海外では、政府が国家的に人への投資に力を入れているということですね。
田村:「大航海時代」ならぬ「大学習時代」が到来しています。私が教員をしているシンガポールやアメリカの大学はエグゼクティブプログラムが非常に盛んで、世界中の社会人が楽しそうにいろんな学問を学んでいます。アメリカでもシンガポールでも、中東でも、アフリカでも、グローバル企業はとにかく社員をどんどん海外に出して、教育を受けさせている。若い人たちに聞くと、今、行きたい企業は給料が高いところではなく、そうしたトレーニングをしてくれるところだと言います。
窪田:自分が成長できるかどうかが重視されていると。
田村:ですから、シンガポールの企業は、どこもみな社員のトレーニングに力を入れています。
窪田:とはいえ、せっかく育てた社員が辞めてしまうこともありますよね。
田村:もちろんあります。シンガポールでは多くの人が3年か4年で会社を辞めていきます。大学の職員もそうです。「明日辞めます」なんてこともざらなんです。以前、ある企業で「こんなに辞めてしまうのに、なぜトレーニングをするのですか?」と聞いたことがあるのですが、「もしトレーニングをしなければ人は来ないから」と。トレーニングをしない企業は、悪い口コミが一気に広がる。すると、新しい人材が来なくなるのだそうです。
それに、他の会社でもトレーニングをしているので、逆にいい人材が入って来ることも。どの会社でもやっていることですから、結果的に損にはなりません。
窪田:考え方ですよね。どんどん成長の機会を与えることが、企業にとってもよい循環になっている。
田村:残念ながら海外では日本企業は人気がないのですが、それは給料が安いことよりも、トレーニングの機会がないからなんです。海外に出て勉強をさせてもらえないから、成長できないと思われている。
社員が学び続ける環境を作ることが、企業の強みになる
窪田:企業の利益を追求するだけでなく、いかに社員が学び続けられる環境を作るかが、これからの企業には求められているのですね。
田村:おっしゃる通りです。アメリカでは幹部たちが集まり、1週間ほどグランドキャニオンでキャンプをする企業もあります。そこにはビジネススクールの講師も参加して、チームビルディングを学ぶのだそう。日本でもそういった投資がもっと増えるといいですよね。
私が「学び」をテーマに本を書いたのも、世界中にそうやって勉強し続けている人たちがいることを知ってほしいと思ったからなんです。
窪田:若い人たちだけでなく、企業で社員の教育にあたっているような方たちにも、ぜひ読んでもらいたい1冊ですね。
世界は大きく変わる転換点にあります。そんな時代を楽しく、たくましく生き抜くためには、学びは必須。ピンチをチャンスに変える希望の書になっていると思います。向学心、向上心のある人を育てていかなければならないでしょう。短期的に成功するためのコンサルティングのようなやり方ではなく、時代の変化の中でどうやってピンチをチャンスに変えていくか。歴史や外交や政治を学ぶなかで、変化していく世界でピンチをどう切り抜ければよいのかを教えています。重要なことですね。シンガポール国立大学では、最大の顧客が社会人なんです。社会人が学びに行くのが当たり前。シンガポール政府では、生涯教育が当たり前になっています。政府が官僚に時間とお金を与え、年間130時間、新卒から事務次官クラスまで、国内外で研修を受けられる仕組みができています。研修先として私がいるリー・クワンユー公共政策大学院も人気です。国のことを考えた素晴らしい人材育成ですね。自分で自由に決められます。地政学でもいいし、楽器やアートを学んでもいい。日本に行って、日本の歴史を学ぶこともできます。世界中の政府にそうした研修制度があり、常に学び続けているんです。日本は政府でも企業でも課長補佐クラスでのMBA留学くらいしか社外研修はなく、皮肉にもその後、その会社や政府を辞めてしまう人が多いのは残念ですよね。日本の人的トレーニングコストは欧米企業の20分の1というデータもあります。人材育成というか向上心のある人を増やそうとしているのでしょう。海外では社会人になってからも学び続けて、世界中に新しい友達を作っていきます。その中から、将来につながる縁ができる。海外のスクールで一緒だった人と、将来、外交交渉を進めていくかもしれない。ビジネスにおいても外交においても、「あのとき、一緒だったね」という関係性が、後々効いてくるんです。中国人も韓国人も、中東の人たちも、争うようにずっと学び続けている。そこに日本との大きな差があると思っています。確かに日本は、日本人はチャレンジすることを恐れているのか内向きになって海外に目が向かなくなっているのではないでしょうか。海外では、政府が国家的に人への投資に力を入れているということですね。「大航海時代」ならぬ「大学習時代」が到来しています。私が教員をしているシンガポールやアメリカの大学はエグゼクティブプログラムが非常に盛んで、世界中の社会人が楽しそうにいろんな学問を学んでいます。アメリカでもシンガポールでも、中東でも、アフリカでも、グローバル企業はとにかく社員をどんどん海外に出して、教育を受けさせている。若い人たちに聞くと、今、行きたい企業は給料が高いところではなく、そうしたトレーニングをしてくれるところだと言います。まさに海外に出て学ぶということは求められていることでしょう。どんどん成長の機会を与えることが、企業にとってもよい循環になっている。残念ながら海外では日本企業は人気がないのですが、それは給料が安いことよりも、トレーニングの機会がないからなんです。海外に出て勉強をさせてもらえないから、成長できないと思われている。内向きで安定志向の日本人が増え続ければどうなるのでしょうか。企業は内部留保を溜め込むのではなく、人材育成というか成長するために進んで学びつける人を増やす努力をしなければならないでしょう。役員報酬を増やすよりはやる気のある向上心のある人たちの待遇を改善していい仕事をしてもらうことがプラスになるのではないでしょうか。



