地球温暖化の中で可能性を追い求めなければならないのでは[2026年02月23日(Mon)]
婦人公論.JP2025年8月25日付け「「地球沸騰の時代」コシヒカリの高温障害、リンゴやミカンの栽培適地が北上…。一方で、栽培が難しかった<熱帯果樹>が普及する可能性も」から、農林水産省によると、令和6年の基幹的農業従事者の平均年齢は69.2歳で、高齢化が進行しています。そのようななか、ジャーナリストの山口亮子さんは「すでに始まっている『大量離農』により、農業地図が大きく塗り替わろうとしている」と話します。そこで今回は、山口さんの著書『農業ビジネス』から、農業現場の実情と最新事例を一部ご紹介します。
「一等米」比率が過去最低に 2023年の猛暑の影響で、米どころの新潟や東北を中心に米粒が白く濁ったり割れたりする高温障害が起きました。新米で最も等級の高い「一等米」の比率は、過去最低を記録し、関係者に衝撃を与えました。
その一因となったと考えられるのが、ブランド米の代表格であるコシヒカリが猛暑に弱いことです。コシヒカリは、もっちりした粘りと甘味、粒のつや感などに優れ、おいしい一方、病気にかかりやすくて倒れやすいといった欠点も多い品種です。全国で生産されるコメの作付面積の3分の1を占めます。
日本経済新聞によると、23年の猛暑を受けて17県が「コシヒカリ」の栽培を減らす意向を示しました(「『コシヒカリ離れ』猛暑で進む 24年は17県で減産意向」24年3月10日)。 JA全農にいがたはコシヒカリをやや減らし、代わりに高温に強い品種「新之助」を増産する方針を24年3月に公表しています。
とはいえ、高温に強い耐性品種が全国の作付面積に占める割合は、16.2%(2024年)に留まり、動きはまだ鈍いです。
地球沸騰の時代 23年7月は世界の平均気温が最高を更新し、「史上最も暑い月」になりました。これを受けて国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と警告を発しました。
世界の平均気温は、今後も上がり続けると予想されています。産業革命前と比べてすでに1.1度上昇しており、2030年代に1.5度の上昇、21世紀末には3.2度の上昇に達する可能性が高い。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が23年3月に出した最新の報告書は、こう指摘しています。 気象庁はIPCCの気温上昇のシナリオを踏まえ、21世紀末の日本の姿を次のように予測しています。
平均気温は上がり、多くの地域で猛暑日や熱帯夜が増え、冬日が減少。大雨や短時間強雨、いわゆるゲリラ豪雨の発生頻度や強さは増し、猛烈な台風が増える−−というのです。
北上するリンゴとミカン
温暖化による影響では水稲のほかに、高温によるリンゴやブドウの着色不良も深刻です。病虫害の発生する地域が広がる可能性もあります。コメや果樹などさまざまな作物で、高温に耐えられる品種の開発と普及が急がれています。
猛暑で2年連続で供給量が減り、値上がりが続くリンゴについては、標高の高い地帯で果樹園の整備を進める国の方針もあります。
農研機構は2002年という早い時期に「地球温暖化によるリンゴ及びウンシュウミカン栽培適地の移動予測」という研究成果を出しています。気温の上昇により栽培適地が徐々に北上し、2060年代には今の主要な産地の多くが気候の面で栽培に向かなくなるかもしれない。そんな衝撃的な予測内容でした。
ウンシュウミカンを例にとると、現在は栽培適地である四国や九州の低地は2060年代には適地より高温になってしまうとの予測結果が出ています。逆に適地ではなかった北関東や南東北が適地になると予測されています。
熱帯果樹が普及するか 既存の農産物の生産適地が北上する一方、国内で栽培が難しいと考えられてきた作物が普及する可能性も出てきました。やはり農研機構が25年3月に発表した成果に「温暖化に対応したミカンとアボカドの適地予測マップ」があります。これによると、現在はごく一部に限られるアボカドの適地が今世紀末には北日本を除く沿岸部に拡大しそうです。
愛媛県の松山市は、アボカドを新たな名物にしようと、全国に先駆けてアボカドの産地づくりをしてきました。
同県八幡浜市で柑橘類を生産する株式会社柑高地の梶谷光弘さんは、オーストラリア原産の熱帯果樹「キャビアライム」(フィンガーライム)の栽培を始めました。輪切りにすると、プチプチとした中身が現れ、まるでキャビアのようです。柑橘類ですが山椒のような清涼感が味わえるのが特徴で、料理のアクセントや、炭酸水やカクテルに粒を浮かべるなどして使えます。
今後も珍しい野菜や果物が次々日本産として登場し、私たちの食卓を賑わせてくれるのかもしれません。
地球温暖化を肯定する訳ではありませんが、当たり前になってしまった異常気象を受け入れて生活しなければならないとすれば、地球温暖化の影響を受けた状況を受け止めいろいろな分野で可能性を模索していかなければならないのではないでしょうか。高温に強い耐性品種が全国の作付面積に占める割合は、16.2%(2024年)に留まり、動きはまだ鈍いです。地球沸騰の時代 23年7月は世界の平均気温が最高を更新し、「史上最も暑い月」になりました。これを受けて国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と警告を発しました。世界の平均気温は、今後も上がり続けると予想されています。産業革命前と比べてすでに1.1度上昇しており、2030年代に1.5度の上昇、21世紀末には3.2度の上昇に達する可能性が高い。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が23年3月に出した最新の報告書は、こう指摘しています。気象庁はIPCCの気温上昇のシナリオを踏まえ、21世紀末の日本の姿を次のように予測しています。平均気温は上がり、多くの地域で猛暑日や熱帯夜が増え、冬日が減少。大雨や短時間強雨、いわゆるゲリラ豪雨の発生頻度や強さは増し、猛烈な台風が増えるというのです。覚悟を決めて発想の転換を図りプラス思考で可能性を信じて前に着き進むしかないでしょう。ウンシュウミカンを例にとると、現在は栽培適地である四国や九州の低地は2060年代には適地より高温になってしまうとの予測結果が出ています。逆に適地ではなかった北関東や南東北が適地になると予測されています。熱帯果樹が普及するか 既存の農産物の生産適地が北上する一方、国内で栽培が難しいと考えられてきた作物が普及する可能性も出てきました。やはり農研機構が25年3月に発表した成果に「温暖化に対応したミカンとアボカドの適地予測マップ」があります。これによると、現在はごく一部に限られるアボカドの適地が今世紀末には北日本を除く沿岸部に拡大しそうです。愛媛県の松山市は、アボカドを新たな名物にしようと、全国に先駆けてアボカドの産地づくりをしてきました。同県八幡浜市で柑橘類を生産する株式会社柑高地の梶谷光弘さんは、オーストラリア原産の熱帯果樹「キャビアライム」(フィンガーライム)の栽培を始めました。輪切りにすると、プチプチとした中身が現れ、まるでキャビアのようです。柑橘類ですが山椒のような清涼感が味わえるのが特徴で、料理のアクセントや、炭酸水やカクテルに粒を浮かべるなどして使えます。今後も珍しい野菜や果物が次々日本産として登場し、私たちの食卓を賑わせてくれるのかもしれません。逆境を乗り越え農業が盛り上がっていくように知恵とアイデアを出し合って前進することが大事でしょう。
「一等米」比率が過去最低に 2023年の猛暑の影響で、米どころの新潟や東北を中心に米粒が白く濁ったり割れたりする高温障害が起きました。新米で最も等級の高い「一等米」の比率は、過去最低を記録し、関係者に衝撃を与えました。
その一因となったと考えられるのが、ブランド米の代表格であるコシヒカリが猛暑に弱いことです。コシヒカリは、もっちりした粘りと甘味、粒のつや感などに優れ、おいしい一方、病気にかかりやすくて倒れやすいといった欠点も多い品種です。全国で生産されるコメの作付面積の3分の1を占めます。
日本経済新聞によると、23年の猛暑を受けて17県が「コシヒカリ」の栽培を減らす意向を示しました(「『コシヒカリ離れ』猛暑で進む 24年は17県で減産意向」24年3月10日)。 JA全農にいがたはコシヒカリをやや減らし、代わりに高温に強い品種「新之助」を増産する方針を24年3月に公表しています。
とはいえ、高温に強い耐性品種が全国の作付面積に占める割合は、16.2%(2024年)に留まり、動きはまだ鈍いです。
地球沸騰の時代 23年7月は世界の平均気温が最高を更新し、「史上最も暑い月」になりました。これを受けて国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と警告を発しました。
世界の平均気温は、今後も上がり続けると予想されています。産業革命前と比べてすでに1.1度上昇しており、2030年代に1.5度の上昇、21世紀末には3.2度の上昇に達する可能性が高い。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が23年3月に出した最新の報告書は、こう指摘しています。 気象庁はIPCCの気温上昇のシナリオを踏まえ、21世紀末の日本の姿を次のように予測しています。
平均気温は上がり、多くの地域で猛暑日や熱帯夜が増え、冬日が減少。大雨や短時間強雨、いわゆるゲリラ豪雨の発生頻度や強さは増し、猛烈な台風が増える−−というのです。
北上するリンゴとミカン
温暖化による影響では水稲のほかに、高温によるリンゴやブドウの着色不良も深刻です。病虫害の発生する地域が広がる可能性もあります。コメや果樹などさまざまな作物で、高温に耐えられる品種の開発と普及が急がれています。
猛暑で2年連続で供給量が減り、値上がりが続くリンゴについては、標高の高い地帯で果樹園の整備を進める国の方針もあります。
農研機構は2002年という早い時期に「地球温暖化によるリンゴ及びウンシュウミカン栽培適地の移動予測」という研究成果を出しています。気温の上昇により栽培適地が徐々に北上し、2060年代には今の主要な産地の多くが気候の面で栽培に向かなくなるかもしれない。そんな衝撃的な予測内容でした。
ウンシュウミカンを例にとると、現在は栽培適地である四国や九州の低地は2060年代には適地より高温になってしまうとの予測結果が出ています。逆に適地ではなかった北関東や南東北が適地になると予測されています。
熱帯果樹が普及するか 既存の農産物の生産適地が北上する一方、国内で栽培が難しいと考えられてきた作物が普及する可能性も出てきました。やはり農研機構が25年3月に発表した成果に「温暖化に対応したミカンとアボカドの適地予測マップ」があります。これによると、現在はごく一部に限られるアボカドの適地が今世紀末には北日本を除く沿岸部に拡大しそうです。
愛媛県の松山市は、アボカドを新たな名物にしようと、全国に先駆けてアボカドの産地づくりをしてきました。
同県八幡浜市で柑橘類を生産する株式会社柑高地の梶谷光弘さんは、オーストラリア原産の熱帯果樹「キャビアライム」(フィンガーライム)の栽培を始めました。輪切りにすると、プチプチとした中身が現れ、まるでキャビアのようです。柑橘類ですが山椒のような清涼感が味わえるのが特徴で、料理のアクセントや、炭酸水やカクテルに粒を浮かべるなどして使えます。
今後も珍しい野菜や果物が次々日本産として登場し、私たちの食卓を賑わせてくれるのかもしれません。
地球温暖化を肯定する訳ではありませんが、当たり前になってしまった異常気象を受け入れて生活しなければならないとすれば、地球温暖化の影響を受けた状況を受け止めいろいろな分野で可能性を模索していかなければならないのではないでしょうか。高温に強い耐性品種が全国の作付面積に占める割合は、16.2%(2024年)に留まり、動きはまだ鈍いです。地球沸騰の時代 23年7月は世界の平均気温が最高を更新し、「史上最も暑い月」になりました。これを受けて国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と警告を発しました。世界の平均気温は、今後も上がり続けると予想されています。産業革命前と比べてすでに1.1度上昇しており、2030年代に1.5度の上昇、21世紀末には3.2度の上昇に達する可能性が高い。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が23年3月に出した最新の報告書は、こう指摘しています。気象庁はIPCCの気温上昇のシナリオを踏まえ、21世紀末の日本の姿を次のように予測しています。平均気温は上がり、多くの地域で猛暑日や熱帯夜が増え、冬日が減少。大雨や短時間強雨、いわゆるゲリラ豪雨の発生頻度や強さは増し、猛烈な台風が増えるというのです。覚悟を決めて発想の転換を図りプラス思考で可能性を信じて前に着き進むしかないでしょう。ウンシュウミカンを例にとると、現在は栽培適地である四国や九州の低地は2060年代には適地より高温になってしまうとの予測結果が出ています。逆に適地ではなかった北関東や南東北が適地になると予測されています。熱帯果樹が普及するか 既存の農産物の生産適地が北上する一方、国内で栽培が難しいと考えられてきた作物が普及する可能性も出てきました。やはり農研機構が25年3月に発表した成果に「温暖化に対応したミカンとアボカドの適地予測マップ」があります。これによると、現在はごく一部に限られるアボカドの適地が今世紀末には北日本を除く沿岸部に拡大しそうです。愛媛県の松山市は、アボカドを新たな名物にしようと、全国に先駆けてアボカドの産地づくりをしてきました。同県八幡浜市で柑橘類を生産する株式会社柑高地の梶谷光弘さんは、オーストラリア原産の熱帯果樹「キャビアライム」(フィンガーライム)の栽培を始めました。輪切りにすると、プチプチとした中身が現れ、まるでキャビアのようです。柑橘類ですが山椒のような清涼感が味わえるのが特徴で、料理のアクセントや、炭酸水やカクテルに粒を浮かべるなどして使えます。今後も珍しい野菜や果物が次々日本産として登場し、私たちの食卓を賑わせてくれるのかもしれません。逆境を乗り越え農業が盛り上がっていくように知恵とアイデアを出し合って前進することが大事でしょう。



