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インターン経て地域おこし協力員なる人が増えれば[2025年10月08日(Wed)]
 SDGs ACTION2025年5月29日付け「大学を休学して役場にインターン…そして得たものとは 「地域おこし協力隊」として北海道へ向かった彼女の場合」から、早稲田大学文化構想学部の浅井詩萌(あさい・しほ)さんは、大学3年生のときに1年休学し、「地域おこし協力隊」として北海道東川町役場で1年間勤務した。彼女の動機や体験、地域にとってのメリット、キャリアの形成に与える影響、そして大学卒業前に社会を経験する意義をインタビューし、社会に出る前に働くということについて考えてみた。
教員か、公務員か 悩んだことがきっかけに
大学を休学して、地域おこし協力隊として勤務した浅井詩萌さん。そのきっかけは、2年生の夏に自治体でインターンをしようと思ったことだという。
金沢市出身で教員を親に持つ浅井さん。親からは公務員に向いているといわれ、将来の選択肢として、公務員と教員のどちらかが良いと思っていた。しかし、教員の仕事はイメージできても、公務員の仕事はほとんどわからない。そこで、自治体でインターンをしたいと考えていた。
大学内の募集で東京の自治体に応募したが、大学3年生が主な対象だった。どうしても2年生の夏休みに自治体でのインターンを体験してみたかった浅井さんは、筆者の紹介で北海道東川町の役場で1週間インターンをすることにした。
はじめて訪れた東川町。人口は8000人強、旭川空港の近くにあり、人口増に成功している地域創生で有名な町だ。他のインターン大学生らと町の見学のプログラムに参加したり、留学生との交流をしたりするなどして、5日間を過ごした。
東川町は本当に魅力的で、雰囲気が良いと思った。半面、移住者が多い町と聞いていたが、そのときは実際に会うチャンスがなく、どのような人たちが住んでいるかがわからなかったので、この町やそこに暮らす人をもっと知りたいと強く思った。
休学してでも…インターンを実現
その後、「地域おこし協力隊」という制度を知り、大学3年生になった際には1年間休学してでも東川町に行ってみたいと考え、親を説得した。
親には「休学してまでインターンに行く」という概念がなく、理解してもらうには時間がかかったが、最後は背中を押してくれた。
2024年4月に赴任し、一人暮らしを始めた。東川町は、人口が増加している関係で賃貸のアパートが不足しているが、運よく良いところを借りることができた。
東川町役場では経済振興課に配属。ふるさと納税(企業版ふるさと納税を含む)の担当になった。
東川町役場には、役場職員のほかに「地域活性化起業人」「地域おこし協力隊」など多様なメンバーが在籍する。たまたまとなりの席に座っていたのは、メーカーから出向で来ている人で、彼女に仕事のやり方の基本を教わった。
基本業務はふるさと納税の事務などだが、役場のほかのセクション、納税者、ふるさと納税の管理を委託している会社の人、そしてふるさと納税の出品者など、多くの関係者がいることがわかり、その対応をしていく中で仕事を覚えていくことができた。
東川町はイベントがたくさんある。いちばん大きなイベントは、7月下旬から8月上旬に開催される「写真甲子園」だ。「写真の町」でもある東川町の中核イベントのひとつで、全国の高校生を集めてコンテストを実施する。
このイベントの手伝いを担当したのは約2週間。高校生が撮ってきた写真を選ぶほか、会議のための機材の準備やサポートをおこなった。役場職員だけでなく、地域住民など様々な人がイベントを手伝っていて、仕事を通じて知り合うことができた。 印象的だったのは、イベントのために働く高校生の姿を近くでみることができたこと。夏に町内で開かれたイベントや、東京・新宿で開かれた東川町をアピールする展示のために出張も経験した。
自分の「なぜ?」に向き合う学び合いの場である「LIPフェスティバル」が、2024年7月に東川町で開催された際には、登壇する機会も得た。全国にいる大学生の友人たちが、合宿や遊びで東川町に来てくれた。
「東川町リビングラボ」にも参加した。リビングラボとは、Living(生活空間)とLab(実験場所)を組み合わせた言葉で、人々の生活空間の近くで研究開発を進め、生活者視点に立った新しい商品やサービスを生みだす場や、一連の活動を指す。
日本郵便から地域活性化起業人として東川町で活躍している梶恵理さんが中核となり、慶應義塾大学SFC研究所の支援のもとで開催され、企業から派遣された地域活性化起業人や役場のメンバーが参加している。
東川町ではオフィシャルパートナー制度を設けており、53社(2025年4月現在)もの企業が提携している。各企業は研究開発の成果を自社事業に活かしたいと考え、リビングラボは、その想いを実際に発揮できる場を目指す。
ゆるやかなつながりを大切に
生活面では、ほぼ初めての本格的な一人暮らしだった。金沢出身の浅井さんは、東京でも一人暮らしではあったが、大学の友人もいるし、すぐ近くに祖母や叔母が住んでいた。
一方、東川町では知っている人が誰もいない状況だったため、積極的にコミュニティに入っていった。役場でのコミュニティはもちろん、企業から派遣されている方たちとのバーベキューなど、ゆるやかなつながりを大切にした。
金沢と違って8000人強の人口の町。しばらくすると、どこに行っても知っている人に会うようになった。
休日には「今日、ここに行けば誰かに会うだろう」と想像がつくようになった。自分は人とかかわることが好きなんだと再確認することができたと同時に、学生ということもあって多くの人たちが優しく接してくれたことには、とても感謝しているという。
企業から派遣されてきた方や移住者、また役場にも転職者がいて、生き方やキャリアについて様々な人たちの本音を聞けたと感じた。
役場の人たちは、仕事を「内発的動機付け」によって、自ら使命感をもって楽しんで働いていると感じた。そういった職場に最初に出会うことができて、自分のキャリアとして運がよかったと感じている。
それまで自分が持っていた「仕事感」は、「仕事は仕事として割り切ってやる。それ以外は自分の時間で、好きなことをやる時間」というイメージだった。しかし実際に携わってみると、仕事は意外に時間がとられることがわかり、割り切って考えることは難しいと感じた。だから、より好きなこと、自分にとって意義のある仕事を見つけていきたいと、これまで以上に感じるようになった。
大学との違いについても考えさせられた。大学は自分の好きな勉強や活動をしていくことが大切だが、社会に出て働く際には、相手が自分に対して何をしてほしいのかを感じ取って動く必要があるという、大きな違いがあることを知った。
勇気を出して大きな一歩を
浅井さんは「本を読んだり講義を聴いたりするだけでなく、大学生にはぜひ一度、学生という立場から離れてみることに挑戦してほしい。社会の現場に入って動くことの楽しさ、重要さを感じてみることをお薦めしたい。
東川町役場、そして東川町のみなさんには、何も知らない、何もできない自分をあたたかく迎えいれてもらって、本当に感謝しています」と語る。
東川町経済振興課の吉原敬晴課長は「これまでも大学生数人が『地域おこし協力隊』として役場にインターンしている。とても優秀な大学生ばかりだ。若い人は行動力があり、その発想やアイデアはすばらしく斬新だ。まちづくりにそれらを活用していきたい。
学生生活は短い。その間に自分の進路を決めることは大変な決断だと思う。東川町に来てもらえばいろいろな事業をおこなっているし、多様な人がいる。役場がどういった想いでまちづくりに取り組んでいるかを学んだり、当初は予想もしていなかったことが起きたりすることは、大きな経験になるはずだ。
浅井さんは、学生のインターンという感じでなく、即戦力として職場で活躍してくれた。打ち合わせなども、我々と同じ職員として頑張ってくれた。感謝したい」と話している。
筆者の肌感覚では、いまだに偏差値で大学を選び、企業のブランドで就職先を決める学生も、まだまだ多い。そんななかで、少しでも自分の働くイメージの解像度を上げようとして、思い切って休学した浅井さん。勇気を出して一歩を踏み出して訪れた東川町役場では、なにものにも代えがたい貴重なものを得ることになったはずだ。
大学に通いながらこのような経験をしている学生もいる。自分のキャリアアンカーを探すために、ぜひこのような体験をお薦めしたい。DSC00364.JPG

 北海道東川町の役場で1週間インターンをすることにした。はじめて訪れた東川町。人口は8000人強、旭川空港の近くにあり、人口増に成功している地域創生で有名な町だ。他のインターン大学生らと町の見学のプログラムに参加したり、留学生との交流をしたりするなどして、5日間を過ごした。インターン体験先として選ばれるには、将来性や可能性が吟味されるとすればそれほど多くはないでしょう。自治体がどのように努力しているのか判断されることになります。東川町役場では経済振興課に配属。ふるさと納税(企業版ふるさと納税を含む)の担当になった。東川町役場には、役場職員のほかに「地域活性化起業人」「地域おこし協力隊」など多様なメンバーが在籍する。たまたまとなりの席に座っていたのは、メーカーから出向で来ている人で、彼女に仕事のやり方の基本を教わった。基本業務はふるさと納税の事務などだが、役場のほかのセクション、納税者、ふるさと納税の管理を委託している会社の人、そしてふるさと納税の出品者など、多くの関係者がいることがわかり、その対応をしていく中で仕事を覚えていくことができた。東川町はイベントがたくさんある。いちばん大きなイベントは、7月下旬から8月上旬に開催される「写真甲子園」だ。「写真の町」でもある東川町の中核イベントのひとつで、全国の高校生を集めてコンテストを実施する。このイベントの手伝いを担当したのは約2週間。高校生が撮ってきた写真を選ぶほか、会議のための機材の準備やサポートをおこなった。役場職員だけでなく、地域住民など様々な人がイベントを手伝っていて、仕事を通じて知り合うことができた。 印象的だったのは、イベントのために働く高校生の姿を近くでみることができたこと。夏に町内で開かれたイベントや、東京・新宿で開かれた東川町をアピールする展示のために出張も経験した。 自分の「なぜ?」に向き合う学び合いの場である「LIPフェスティバル」が、2024年7月に東川町で開催された際には、登壇する機会も得た。全国にいる大学生の友人たちが、合宿や遊びで東川町に来てくれた。学ぶことが多いし、吸収しようという気持ちが大事ですね。そこから町の良さがわかってくるのでしょう。東川町ではオフィシャルパートナー制度を設けており、53社(2025年4月現在)もの企業が提携している。各企業は研究開発の成果を自社事業に活かしたいと考え、リビングラボは、その想いを実際に発揮できる場を目指す。前向きで明るい展望を描けそうですね。企業から派遣されてきた方や移住者、また役場にも転職者がいて、生き方やキャリアについて様々な人たちの本音を聞けたと感じた。役場の人たちは、仕事を「内発的動機付け」によって、自ら使命感をもって楽しんで働いていると感じた。そういった職場に最初に出会うことができて、自分のキャリアとして運がよかったと感じている。活気のある自治体ならやりがいが生まれるでしょう。「これまでも大学生数人が『地域おこし協力隊』として役場にインターンしている。とても優秀な大学生ばかりだ。若い人は行動力があり、その発想やアイデアはすばらしく斬新だ。まちづくりにそれらを活用していきたい。学生生活は短い。その間に自分の進路を決めることは大変な決断だと思う。東川町に来てもらえばいろいろな事業をおこなっているし、多様な人がいる。役場がどういった想いでまちづくりに取り組んでいるかを学んだり、当初は予想もしていなかったことが起きたりすることは、大きな経験になるはずだ。地域おこし協力隊は大学を卒業して就職を考える際に有力な選択肢になり得るでしょう。大学に通いながらこのような経験をしている学生もいる。自分のキャリアアンカーを探すために、ぜひこのような体験をお薦めしたい。可能性を広げてほしいですね。受け入れる自治体にとっても磨き上げをしなければならないと考えるようになるのではないでしょうか。DSC00363.JPG
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