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レスポンシブル・ツーリズムを推進すべきでは[2025年02月26日(Wed)]
 COURRiER JAPAN2025年1月4日付け「白川郷に押し寄せる人口比1000倍の観光客 それでも「観光客嫌い」が起きない理由とは?」から、ますます拡大するインバウンド市場。外国人観光客の目的地は、日本旅行の定番である東京・京都から地方へと移りつつある。なかでも、世界遺産・白川郷の合掌造りで知られる岐阜県白川村には、年間100万人を超える外国人観光客が押し寄せるという。現地では今、何が起きているのか。白川村役場観光振興課、小瀬智之課長補佐より話を聞いた。
人口の1000倍の観光客が訪れる村
外国人観光客は、いつごろから増加しましたか?
小瀬 大きなきっかけは世界遺産に登録された1995年ですが、ここ10年ほどで飛躍的に増加しました。2013年の外国人観光客の年間訪問者数は15万人で、全訪問者の1割程度。しかし、2019年には100万人を超えました。
外国人観光客の国籍も多様化しています。以前は台湾やタイなどアジア圏の方が多くを占めていましたが、現在は欧州や南米など多種多様な地域からいらっしゃっています。
白川村の人口は約1400人。外国人だけでなく日本人観光客も含めると、人口の1000倍以上の観光客が訪れている計算になります。すさまじい状況ですね。
小瀬 はい。東京都の国分寺市に日本国民全員が来る状況をイメージしていただければ、その賑わいがお分かりになるかと思います。
村人の「生きる姿」が付加価値に
どんな要素が、外国人観光客を引き付けているのでしょうか?
小瀬 一番は、白川郷に広がる日本の原風景だと思います。雪が積もる時期には特に神秘的になりますので、東南アジアをはじめとする雪に触れたことのない国の方には非常に魅力的に映るようです。
ですが、真の要因は、白川郷の「生きた世界遺産」としての希少性にあるのではないかと思います。
私は趣味で海外の数多くの世界遺産に訪れた経験がありますが、多くの地が観光地化しています。どんなに荘厳な景色や遺跡があっても、それがコマーシャライズされきったのを見た瞬間、「げんなり」してしまうものです。
一方、白川郷には合掌造りの家に住む人々がいて、そのなかでは実際の生活が営まれています。そうした状況は世界的にたいへん珍しく、商業化しきってしまった他の有名観光地とは大きく異なります。
村人が守り育てた価値
かつては日本に数多く存在した景色が白川村だけに残り、観光資源として成功し得た理由は何でしょうか?
小瀬 「村人が早い段階から価値に気付いたこと」および「村人が主体的に動いたこと」が大きな要因として挙げられます。
白川郷の景観維持に欠かせないのが、「守る会」の存在です。
この会は1971年という高度経済成長期のなかで結成され、景観を含めた周辺環境を守るために集落を「売らない・貸さない・壊さない」と定めました。
日本の伝統的風景は、高度経済成長期とバブル期に大きく変わりました。純日本風の家屋は取り壊され、団地や幹線道路、大型商業施設や商業ビルが各地で建設されました。そんな時代の潮流に流されることなく、いち早くこの合掌集落が持つ価値に気付いた先人たちは、非常に優れた先見の明があったと言えます。
また、こうした構想が国や村役場ではなく、村人主導で発せられていたことにも注目すべきでしょう。
「自分たちの村を、自分たちで守り育てる」という先人たちの姿勢は現在にも受け継がれていて、住宅の修繕や看板の取り付けなど村に関わるあらゆる物事が月1回の「守る会」会合で決定されます。
村人は白川村に生まれた瞬間から「守る会」の会員です。そう聞くと排他的に感じるかもしれませんが、実際はとてもオープンです。
日本有数の豪雪地帯であり、厳しい自然環境下にある白川村は、観光業なしには存続不可能です。結束が固い一方で外部の人を歓迎する傾向もあり、私のような移住者に対しても非常に友好的です。
観光をコントロールする仕組みとは
どのようにして、観光と村の暮らしを両立させているのでしょうか?
小瀬 いくつかの条件を設定しながら、観光客数をコントロールしています。 まず、私たちは夕方以降の日帰り客の入村を受け入れていません。白川村へのアクセスはバスか車しかありませんが、駐車場の開放時間を朝8時から夕方5時までに限定しています。さらに、駐車場を集落の入り口手前である川の対岸に設置することで、観光客の車を侵入させないようにしています。
また、ドローン撮影や過剰な撮影行為を防ぐため、商業利用・編集可能な動画素材をYoutube上で計215本提供しています。
それでも、村の入り口に駐車場待ちの長い渋滞ができてしまったり、合掌造りの家に無断で入って撮影しようとしたり、ゴミや衣類などを放置する観光客がいたりと、村人と観光客との摩擦が絶えません。
渋滞については訪問前に渋滞状況が把握できるサイトを構築中で、マナーに関しては漫画を作ったりガイドブックを配ったりして対策を講じています。
白川村役場の人数は約60人、観光関連の担当者はたった4人です。継続は可能でしょうか?
小瀬 一般的な自治体において、観光対応者が4人という状況は珍しくありません。しかし、白川村は自治体の規模に対してあまりにも多くの方がいらっしゃっているので、私たちも「何とか」対応している状態が続いています。
限られた人数ですが、渋滞対策やマナー啓発は、地道に強く取り組むしかないと思っています。
ただ、伝え方を工夫することで現状よりも高い効果を得られるとも考えています。
それが、白川村が昨年から実施している「レスポンシブル・ツーリズム」という考え方の普及です。
この概念はオーバーツーリズムや観光業の拡大による自然環境や地域文化の破壊を防ぐため、観光客に「責任ある観光」「自然環境や地域経済に貢献する観光」などを求める倫理規範です。
言語も文化も異なる外国人観光客に多くのことを要求したり、禁止事項だけを提示するような方法は有効とは言えません。「レスポンシブル・ツーリズム」という、外国人にとってイメージしやすい言葉で、理由の提示と共に最低限の事柄だけを守ってもらうように働きかけています。
村の負担は非常に大きい気がしますが、パリや京都で発生しているような、地元民による「観光客嫌い」は起きていませんか?
小瀬 敷地内に侵入されたり農地を荒らされた村人もいるため、不満がまったくないとは言えません。
しかし、村人の約7割が飲食店やお土産物屋など観光客向け事業に従事しており、年間5000万ほどかかる村の景観保全が観光収益によって賄われている現状のせいか、村全体としてオーバーツーリズムに大きな不満が渦巻いている、といった状況は生まれていません。
何より、村が現状維持できているのは「自分たちの大切な村を、他の人にも好きになってもらいたい」という村人の願いがあってこそだと思います。015.JPG

 大きなきっかけは世界遺産に登録された1995年ですが、ここ10年ほどで飛躍的に増加しました。2013年の外国人観光客の年間訪問者数は15万人で、全訪問者の1割程度。しかし、2019年には100万人を超えました。外国人観光客の国籍も多様化しています。以前は台湾やタイなどアジア圏の方が多くを占めていましたが、現在は欧州や南米など多種多様な地域からいらっしゃっています。白川村の人口は約1400人。外国人だけでなく日本人観光客も含めると、人口の1000倍以上の観光客が訪れている計算になります。すさまじい状況ですね。数字を見ると本当にすごいことですね。白川郷には合掌造りの家に住む人々がいて、そのなかでは実際の生活が営まれています。そうした状況は世界的にたいへん珍しく、商業化しきってしまった他の有名観光地とは大きく異なります。「村人が早い段階から価値に気付いたこと」および「村人が主体的に動いたこと」が大きな要因として挙げられます。白川郷の景観維持に欠かせないのが、「守る会」の存在です。この会は1971年という高度経済成長期のなかで結成され、景観を含めた周辺環境を守るために集落を「売らない・貸さない・壊さない」と定めました。日本の伝統的風景は、高度経済成長期とバブル期に大きく変わりました。純日本風の家屋は取り壊され、団地や幹線道路、大型商業施設や商業ビルが各地で建設されました。そんな時代の潮流に流されることなく、いち早くこの合掌集落が持つ価値に気付いた先人たちは、非常に優れた先見の明があったと言えます。また、こうした構想が国や村役場ではなく、村人主導で発せられていたことにも注目すべきでしょう。「自分たちの村を、自分たちで守り育てる」という先人たちの姿勢は現在にも受け継がれていて、住宅の修繕や看板の取り付けなど村に関わるあらゆる物事が月1回の「守る会」会合で決定されます。村人は白川村に生まれた瞬間から「守る会」の会員です。そう聞くと排他的に感じるかもしれませんが、実際はとてもオープンです。村人が主導的に動き、守る会がルールを決めて守り続けていることが大事なのでしょう。白川村が昨年から実施している「レスポンシブル・ツーリズム」という考え方の普及です。この概念はオーバーツーリズムや観光業の拡大による自然環境や地域文化の破壊を防ぐため、観光客に「責任ある観光」「自然環境や地域経済に貢献する観光」などを求める倫理規範です。言語も文化も異なる外国人観光客に多くのことを要求したり、禁止事項だけを提示するような方法は有効とは言えません。「レスポンシブル・ツーリズム」という、外国人にとってイメージしやすい言葉で、理由の提示と共に最低限の事柄だけを守ってもらうように働きかけています。素晴らしいですね。国が推進して広まっていってほしいです。村人の約7割が飲食店やお土産物屋など観光客向け事業に従事しており、年間5000万ほどかかる村の景観保全が観光収益によって賄われている現状のせいか、村全体としてオーバーツーリズムに大きな不満が渦巻いている、といった状況は生まれていません。何より、村が現状維持できているのは「自分たちの大切な村を、他の人にも好きになってもらいたい」という村人の願いがあってこそだと思います。白川郷の取り組みが国内の過疎に苦しんでいる自治体にも浸透してほしいですね。014.JPG
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