朝日新聞2021年2月23日付け「「世界一寛容な日本」願望に近い」組織委・有識者メンバー・デービッド・アトキンソン氏から、日本人が考える「日本」はほとんど理想論だということです。こうあってほしい、という願望に近い。日本のベストだけ見ればそうかもしれないということを、一般化しようとする。
　「多様性と調和」というコンセプトについて、寛容な面もたくさんありますが、夫婦別姓も認めないし、移民にかなり厳しいし、難民は受け入れない。「寛容」と言えるだろうか、と議論になりました。
　日本は、いろいろな人の意見を排除はしないが、多くの場合取り入れもしない。途上国の
人などに対し、人によっては相当な差別をしている。海外みたいにLGBTを刑務所に入れることはしないが、結婚を認めるところまでいかない。
　日本人は思い込みや俗説が多い。専門家に確認しない、検証しない。厳しく言えば、プロ意識が低い面があることは共通しています。
　日本の決定的な問題は、クリティカルシンキング（批判的思考法）が十分にできないこと。これは、仮説を立てて、ロジックを分析し、データで検証し、結論を導き出すもの。
　日本は事後対応しかできず、いつも後手に回る。事前に仮説を立てて議論しても、受け入れられないのです。予想はできるのに、何も手を打たない。
　違いを受け入れないことが問題なのです。
　森会長の発言は、失礼ながら厳しく言えば、あまり深く考えていない発言です。海外は複雑になって、日本に比べて考えて話さないといけない世の中に変わりました。

　日本人が考える「日本」はほとんど理想論だということです。こうあってほしい、という願望に近い。日本のベストだけ見ればそうかもしれないということを、一般化しようとする。半藤一利氏が指摘した根拠のない楽観性につながっているのかもしれません。「多様性と調和」というコンセプトについて、寛容な面もたくさんありますが、夫婦別姓も認めないし、移民にかなり厳しいし、難民は受け入れない。「寛容」と言えるだろうか。その通りですね。世界的に考えれば寛容とは言えないような状況ではないでしょうか。日本は、いろいろな人の意見を排除はしないが、多くの場合取り入れもしない。途上国の人などに対し、人によっては相当な差別をしている。海外みたいにLGBTを刑務所に入れることはしないが、結婚を認めるところまでいかない。当たり障りのない対応をしているのでしょう。半藤氏が指摘するように同調性が強く排他的側面もあるのではないでしょうか。日本の決定的な問題は、クリティカルシンキング（批判的思考法）が十分にできないこと。これは、仮説を立てて、ロジックを分析し、データで検証し、結論を導き出すもの。その通りで厳しいところを指摘されていると思います。日本は事後対応しかできず、いつも後手に回る。事前に仮説を立てて議論しても、受け入れられないのです。予想はできるのに、何も手を打たない。仮説を立てて行ったことを検証するということが国政でも地方自治体などでも行われていないのではないでしょうか。検証して改善したら、修正して新たなことに挑むということがなされていれば変化があったかもしれません。日本の未来のことを考えれば、海外の人たちの意見を尊重して参考にすることが大事なのではないでしょうか。