次世代に負担を残さないためにこれからの住宅政策のあり方を考えるべきでは[2017年10月26日(Thu)]
朝日新聞10月16日付け「「つくる」から「使う」政策に 東洋大学教授・野澤 千絵
さん」大都市郊外や地方都市では、無秩序に宅地が郊外に広がる。「焼き畑農業」のような
住宅開発が今も続いています。業者は住宅建設でもうけたい、地権者は土地を活用したい、
自治体は人口を増やして固定資産税を得たい、という構図です。人口減少が本格化するこれ
からは、年を拡大・拡散させればごみ収集などの公的サービスだけでなく、宅配便などの民
間サービスの提供も非効率的になり、コスト増となります。同じことは都市部のタワーマン
ションの建設ラッシュにも当てはまります。急激な人口増で後追い的にインフラや公共施
設の増設を続けると、これらの維持管理費が永続的に必要になります。現世代が次世代に多
大な負担を残すことになるのです。私が提案するのは、こうした「つくる」ための規制緩和
や補助金、税制などの優遇措置を縮小し、これまで整備してきた居住地を再生・更新して「使
う」ことに政策誘導すべきだということです。日本の住環境を、よりゆとりある空間に再編
していくという視点が大事になります。たとえば、空き家になった隣地と統合してより広い
住宅へと建て替えたり、古いマンションは上層階を「減築」して耐震性を高めながら長寿命
化したりするなどの取り組みが挙げられます。次世代に負担を残さずバトンタッチする取
り組みにこそ、減税や補助金という政策資源を使うべきです。今はほとんど受け入れられな
い自治体への土地の寄付も、考え方次第だと思います。郊外で災害の危険性があって開発を
抑えたいエリアの空き家は、自費での解体を要件に自治体に寄付できる仕組みがあれば、非
効率的にまちが広がることを防ぐ対策にもつながるからです。
住宅政策の変更を急がないと空き家、空きマンションなどが増加するのではないでしょ
うか。大都市圏はもちろんですが、地方は相当大変な事態に陥ってしまうでしょう。都市
計画とか住宅政策は官だけで行うことではないでしょうが、営利目的の民が全面的に主導
して行うことも違和感があるでしょう。官民が国の未来像を描きながら明るい未来を展望
できるようなビジョンを持って政策を推進することが求められているのではないでしょう
か。地方の空き家の問題は人口減少と過疎化の影響で増え続けているのでしょうが、地方
が単独で活性化できるものではありません。高齢化、少子化が進む先には消滅が待ってい
ます。国の政策の下で支援を受け推し進める必要があるのではないでしょうか。空き家、
老朽化したマンションなどの利活用を真剣に考える必要に迫られているのではないでしょ
うか。
さん」大都市郊外や地方都市では、無秩序に宅地が郊外に広がる。「焼き畑農業」のような
住宅開発が今も続いています。業者は住宅建設でもうけたい、地権者は土地を活用したい、
自治体は人口を増やして固定資産税を得たい、という構図です。人口減少が本格化するこれ
からは、年を拡大・拡散させればごみ収集などの公的サービスだけでなく、宅配便などの民
間サービスの提供も非効率的になり、コスト増となります。同じことは都市部のタワーマン
ションの建設ラッシュにも当てはまります。急激な人口増で後追い的にインフラや公共施
設の増設を続けると、これらの維持管理費が永続的に必要になります。現世代が次世代に多
大な負担を残すことになるのです。私が提案するのは、こうした「つくる」ための規制緩和
や補助金、税制などの優遇措置を縮小し、これまで整備してきた居住地を再生・更新して「使
う」ことに政策誘導すべきだということです。日本の住環境を、よりゆとりある空間に再編
していくという視点が大事になります。たとえば、空き家になった隣地と統合してより広い
住宅へと建て替えたり、古いマンションは上層階を「減築」して耐震性を高めながら長寿命
化したりするなどの取り組みが挙げられます。次世代に負担を残さずバトンタッチする取
り組みにこそ、減税や補助金という政策資源を使うべきです。今はほとんど受け入れられな
い自治体への土地の寄付も、考え方次第だと思います。郊外で災害の危険性があって開発を
抑えたいエリアの空き家は、自費での解体を要件に自治体に寄付できる仕組みがあれば、非
効率的にまちが広がることを防ぐ対策にもつながるからです。
住宅政策の変更を急がないと空き家、空きマンションなどが増加するのではないでしょ
うか。大都市圏はもちろんですが、地方は相当大変な事態に陥ってしまうでしょう。都市
計画とか住宅政策は官だけで行うことではないでしょうが、営利目的の民が全面的に主導
して行うことも違和感があるでしょう。官民が国の未来像を描きながら明るい未来を展望
できるようなビジョンを持って政策を推進することが求められているのではないでしょう
か。地方の空き家の問題は人口減少と過疎化の影響で増え続けているのでしょうが、地方
が単独で活性化できるものではありません。高齢化、少子化が進む先には消滅が待ってい
ます。国の政策の下で支援を受け推し進める必要があるのではないでしょうか。空き家、
老朽化したマンションなどの利活用を真剣に考える必要に迫られているのではないでしょ
うか。



