NPO運営セミナー「ボランティアと協働する組織づくり」-ボランティアマネジメント」を受講してきました。
★日時:3月6日(金)13:30−16:30
★場所:県北生涯学習センター
★講師:安久正倫氏(茨城NPOセンター・コモンズ理事)
今回のセミナーのテーマ「ボランティアマネジメント」とは、「ボランティアが、その人の持ち味を生かしイキイキと活動することで、本人にとっても組織にとっても目標が達成できる状況を作るために、組織のインフラ(基盤)を整備したり、活動する場を計画したりすること」です。
現在ボランティア組織を運営している人、これから新たな組織を立ち上げようとしている人に、とても参考になる内容でした。
■どういう要因がボランティア活動を長続きさせるのか?
周りの人にはどうしようもない本人の内なる要因(個人的事情・参加動機)もありますが、組織側の工夫で盛り上げられる要因もあります(状況への態度)。
つまりボランティアを受け入れる組織側が、活動を続けたいと思わせるような用意ができているかどうか?ここがボランティアマネジメントによって変えられる部分で、ある研究成果を踏まえて以下のようなチェックポイントが紹介されました。
<組織サポート>
・活動を始める前の事前説明会、オリエンテーションを行っているか。
・トレーニングやスタッフによるサポートが充実しているか。
・「加入した」と実感するための意識づけとして申込用紙を用意しているか。
・手書きの感謝状や、交流親睦会などコミュニケーションの場があるか。
<業務内容>
・業務達成による充足感、仕事自体の魅力が感じられるか。
・ボランティアの関心を聞き業務にアレンジしてしまうような応用力があるか。
<集団性>
・他のボランティアとの関係や集団一体感が得られるか。
<自己効用感>
・社会との接点、参加意識を得られるか。
・人の役に立っているという感覚的な喜び、
たとえば「ありがとう」と言ってもらえるような活動プログラムを組めているか?
■ボランティアマネジメントのプロセス
ボランティアマネジメントは、以下の3段階で進めていきます。
@ボランティアを受け入れるための準備
<ボランティアステイトメントを用意する>
「なぜボランティアか?どのような役割を担うのか?」など基本理念を明文化。組織内外にアピール可能で、スタッフの意思統一にも有意義。
<ボランティアプログラムの作成>
双方が得するウイン=ウイン・プログラムもひとつの手法。ウイン=ウイン・プログラムとは、同分野団体・市民活動センター・中間支援組織など、他団体と一緒に活動に取り組むこと。
A活動を継続させるために働きかける段階
<ボランティア募集>
チラシやポスターの宣伝も大切だが、口コミやイベント・講座参加者からの参加の方が、紙の宣伝よりも気持が伝わりやすい。
<スクリーニング、トレーニング>
面接とオリエンテーション(入門講座)、仕事をしながら研修を行う。
<活動誘因の提供(やる気が上がる状況を作り出す)>
交流会や講習会などでコミュニケーションを促進する。登録証・名札・名刺・ユニフォームなど、オリジナルグッズで仲間意識を高める。業務の楽しさや「やってよかった」「喜んでもらえた」など無形の報酬を得られるように。
B評価とフィードバックの段階
<総括を方針に生かす・何のための評価か?>
単なるダメ出しでは意味がなく、今後どう良くなるかを考える。
最後に「ボランティアマネジメント・ワークシート」を使ってグループワークを行ないました。
自分たちの活動に参考になる点がありましたか?NPO運営セミナーは今回が最終回でした。何かミッションの明確化や助成金申請のしかたで相談があるときは、NPOを支援するNPO(中間支援組織)に相談してみるのはいかがでしょうか。そこから情報のヒントや人脈が広がるかもしれません。
(文責:K)
★茨城NPOセンター・コモンズ★http://www.npocommons.org/
【ヒント集の最新記事】
文責の小山さんにはとてもわかり易くまとめていただいて感謝しています。
共感が大事なボランティア組織です。とはいえ関わる動機も方法もバラバラであり、個々が違うということを前提にしないと組織運営もうまくいかないと思っています。
共感してもらうのが当たり前ではなく「なぜ共感してもらえるのか」「どのようにしたら共感してもらえるのか」を今後の大事なテーマに活動に関わっていきたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
茨城NPOセンターコモンズ
安久
自分のかかわっている活動はいくつかありますが、どこに対してもあまり深入りはしてないんですよね。傍目に見て、すごく頑張っていると思われても、自分の中では「できる時にできることだけ」が基本なので。
それは、ある意味、基盤がしっかりしていないグループに対する自衛策ともいえるのです。今後、自分が始めることについては、いろんな面で考慮できるように心がけようと思います。